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ドラッグストアのM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「ドラッグストアのM&Aにおける動向は?」
「ドラッグストアのM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「ドラッグストア M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、ドラッグストアのM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

ドラッグストアにおけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、ドラッグストアのM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

ドラッグストアとは

ドラッグストアとは、飲み薬・塗り薬などの医薬品を中心に、化粧品・食品・日用品などの実店舗販売を手掛けるビジネスモデルのことです。医薬品に関しては一般用医薬品だけでなく、調剤薬局を併設し処方箋医薬品を取り扱うドラッグストアも存在します。

ドラッグストアのビジネスモデルの特徴は、単価の安い日用品や食品を販売することで集客数を高め、日用品や食品の購入に訪れた消費者に対して高単価の医薬品や化粧品を販売するというものです。しかし近年では度重なる薬機法や景品表示法の改定により、従来のビジネスモデルが崩れつつあります。

またドラッグストア企業同士の市場競争が激化しているのも現状です。大手ドラッグストアを中心に市場競争が激化し、日用品や食品のみならず、これまで高単価販売されていた医薬品や化粧品も価格競争が発生しています。現在のドラッグストア市場は変革期にあるともいわれる状況です。

ドラッグストアのビジネスモデル

ドラッグストアのビジネスモデルについて詳しく解説していきます。

医薬品・化粧品の販売

ドラッグストアビジネスモデルにおける主要な取り扱い商品はあくまで、医薬品・化粧品です。現在のドラッグストアは日用品や食品を多く取り扱いますが、以前までは多くのドラッグストアが医薬品・化粧品の販売のみで事業を展開していました。

医薬品や化粧品を販売することの最大のメリットは、高単価ジャンルであることです。日用品や食品に比べれば圧倒的に単価が高く、1個あたりの粗利額も高いため、多くの利益を獲得することができます。さらに医薬品の販売には「医薬品店舗販売業」などの事業許可が必要であるため、異業種企業の新規参入が少ないというのもメリットです。

ただし近年では「薬機法の厳正化」「ドラッグストア同士の価格競争」が激化しているため、従来のように医薬品・化粧品が高粗利獲得の商品であるという概念が崩れつつあります。今後はドラッグストア業界で医薬品や化粧品の販売手法が変革していくことも予測されます。

食品・日用品の販売

多店舗展開型の大手ドラッグストアにとって、食品・日用品を取り扱うことは最早常識であり、食品・日用品の売れ行きが業績に大きく影響することも事実です。実際に大手ドラッグストアにおける収益の50%が食品・日用品のカテゴリーであるケースもあります。

ドラッグストアが食品・日用品の販売に注力するのは、集客数の増加が目的であり理由です。高単価の医薬品・化粧品に比べ、単価が安く且つ利益率も低い食品・日用品のカテゴリーですが、一定の需要が見込めるため、ドラッグストアも積極的に食品・日用品の販売に着手しています。

また大手ドラッグストアのように100店舗以上の実店舗を出店することで、大量仕入による仕入コストカットを実現することが可能です。メーカー側から大量の商品を仕入れることで、利益率の低い食品・日用品であっても、コスト削減を実現し、利益を得ることができます。

通販サイトの運用

近年のドラッグストアが着手しているのが、通販サイトの積極的運用です。ドラッグストアの主力カテゴリーである医薬品・化粧品のみならず、食品・日用品も積極的に自社旗艦店にて、通販サイトを用いたオンライン販売を行っています。

ドラッグストアは複数のカテゴリー・商品を取り扱うため、サイトに訪れたユーザーは同一ショップ内で様々なカテゴリーの商品を購入することが可能です。もちろん他の通販サイトよりも安く出品されているため、よりお得にオンラインショッピングを楽しむことができます。

ただしドラッグストアによる通販サイト参入は、製造メーカーにとっては商品価値を低下させ、自社ブランド商品における価格競争を巻き起こす要因にもなるため、非常に危険視されているのも事実です。今後は大手ドラッグストアを中心に、どのように通販事業を展開していくのが注目されています。

ドラッグストアに必要な業許可・資格・人材

ドラッグストアに必要な業許可・資格・人材について解説していきます。

ドラッグストアに必要な業許可

ドラッグストアに必要な業許可には、代表的なものとして「医薬品店舗販売業」が挙げられます。医薬品店舗販売業は、その名の通り「医薬品を販売するための事業許可」です。

しかしドラッグストアでは医薬品以外にも様々なものを販売しており、販売するカテゴリーに応じて以下のような業許可の取得が必要になります。

  • 医薬品店舗販売業:医薬品を店舗販売するための事業許可
  • 一般酒類小売業免許:缶ビールや日本酒などの種類を販売するための事業許可
  • たばこ小売業許可:たばこを販売するための事業許可
  • 食肉販売業許可:パック済みの食肉等を販売するための事業許可
  • 魚介類販売業許可:パック済みの魚介類を販売するための事業許可

上記の通り、販売する商品のカテゴリーに応じて様々な種類の事業許可を取得することが必須です。また医薬品のネット販売事業を手掛ける場合には、「特定販売許可」の事業許可を取得することも必須となります。

ドラッグストアに必要な資格

ドラッグストアの運営では特定の資格を保有した人材を雇用することが必須です。ドラッグストアの運営で重宝される資格には、以下のようなものがあります。

  • 薬剤師
    薬剤におけるプロフェッショナルであることを示す国家資格。処方箋を持たないお客様に対し医薬品を販売する。または併設の調剤薬局で処方箋医薬品を提供する。管理薬剤師となる場合も。
  • 登録販売者
    薬剤師と同じく医薬品を販売できる。但し扱うことができる医薬品の種類が異なる。調剤薬局にて処方箋医薬品を扱うことは不可能。薬剤師が担う一般用医薬品の販売業務を代わりに行うことが主な役割となる。

ドラッグストアの運営では、「薬剤師」と「登録販売者」の両名を雇用することが一般的です。国家資格である薬剤師免許取得者は、雇用難易度が高いため、薬剤師の役割を登録販売者が担っている店舗がほとんどになります。

ドラッグストアに必要な人材

ドラッグストアの運営は、薬剤師と登録販売者だけが担っている訳ではありません。商品の仕入・発送・販売までの業務に適した人材を雇用することが必須です。ドラッグストアの運営においては、以下のような人材が必要とされています。

  • 薬剤師・登録販売者:処方箋医薬品・一般用医薬品の販売を行うための人材
  • 陳列・レジ事務員:陳列やレジ打ちなどの業務を行うための人材
  • バイヤー:メーカーや卸売業者から商品仕入れを行う人材
  • 倉庫作業員:自社倉庫を保有・運営する場合に商品の受入・出荷を行うための人材
  • 店舗管理者:店舗を統括し人員をマネジメントをするための人材

上記の通り、ドラッグストアの業務は非常に多岐に渡るため、様々な職種に適した人材の雇用が必須です。特に大手ドラッグストアのように大規模な企業体系になるほどに職種は細かく分類されます。

ドラッグストアの市場動向

ドラッグストアの市場動向について詳しく解説していきます。

右肩上がりの成長市場

参照:ドラッグストア商品別販売額等及び前年(度、同期、同月)比|経済産業省

景気悪化を辿る日本において、ドラッグストア業界は数少ない右肩上がりの成長産業です。経済産業省による「商業動態統計調査」によれば、2014年から2023年までの約10年間で右肩上がりに商品販売額が増加していることが読み取れます。

ドラッグストア業界における2023年の商品販売額は約8兆3480億円で、前年比108.2%増。約10年前の2014年と比べると168.9%増という結果です。特に食品ジャンルの増加率が一著しく、前年比12.3%増とドラッグストアの商品販売額の増加に大きく貢献していることが分かります。

ドラッグストアの市場が右肩上がりに向上している最たる理由は、食品・日用品の販売にも注力しているためでしょう。スーパーマーケットなどとも積極的に事業協力の関係を結び、食品・日用品の取り扱いを強化することで、販売額を順調に伸ばしています。

OTC医薬品におけるEC通販

参照:OTC医薬品のEC市場規模予測(BtoC)|矢野経済研究所

ドラッグストア業界に大きな影響を与えているのが、OTC医薬品(一般用医薬品)の劇的な成長率です。これまでOTC医薬品はドラッグストアや一般薬局での実店舗購入が一般的でしたが、近年ではEC通販サイトでOTC医薬品を購入する人が順調に増加しています。

上記は、株式会社矢野経済研究所が行った「OTC医薬品のEC市場規模予測」です。同調査によれば、OTC医薬品のEC市場規模は、2020年から2025年までのCAGR(年平均成長率)が9.5%で成長すると予測されています。

OTC医薬品のEC通販市場が成長している理由は、「DtoC(メーカー直販サイト)を含めたEC市場全体の拡大」「宅配ロッカーなど商品受け取り方法の多様化」「ユーザー(患者)へのチャット相談サービスなどによる利便性の向上」などが要因です。今後はドラッグストア業界も市場成長率の高いOTC医薬品の通販事業に積極参入することが予測されます。

取り扱い商品の多様化

ドラッグストア市場における商品販売額が増加している最大の理由は、取り扱い商品の多様化が進んでいるためです。取り扱う商品のジャンルが多様化することにより、消費者がドラッグストアを利用する頻度が年々増加しています。

これまでは医薬品と化粧品の販売が中心であったドラッグストア運営企業ですが、近年では食品・日用品・日用雑貨など多種多様なジャンルの商品を取り扱っているのが現状です。これからも更に取り扱う商品ジャンルが多様化すると予測されます。

しかしドラッグストアの取り扱い商品が増えることで、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの集客に悪影響を与えているのも事実です。特にスーパーマーケットとの食品・日用品の価格競争が発生しており、両業界間での事業バッティングも問題視されています。

ドラッグストアが抱える課題

ドラッグストア業界が抱える課題について解説していきます。現在のドラッグストア業界が抱える課題は、以下の通りです。

  • 慢性的な人手不足
  • 価格競争の激化
  • 大手企業の独占市場

それぞれ詳しく解説していきます。

薬剤師の不足

ドラッグストアが抱える最大の課題は、薬剤師の不足です。現在多くのドラッグストアが調剤薬局を併設していますが、処方箋薬局を取り扱うことの出来る薬剤師が圧倒的に不足しています。

ドラッグストアにおける薬剤師不足が深刻化している最大の理由は、ドラッグストアの大幅な市場成長による店舗数増加が要因です。薬剤師の数自体は増えているものの、それを上回る勢いでドラッグストアの勢力が拡大しているため、増加する店舗数に対して薬剤師が足りていないのが現状です。

また大都市集中型の人口構造であることで、地方店舗のドラッグストアにおける薬剤師の雇用が難航しています。薬剤師を輩出する薬学部が存在する大学自体が存在しない地方部もあるため、薬剤師の雇用が非常に難しいのが現状です。

価格競争の激化

ドラッグストア業界は、経済産業省による「商業動態統計調査」によれば、2014年から2023年までの約10年間で右肩上がりに商品販売額が増加している状態です。しかし市場成長の一方で、ドラッグストア同士の価格競争が問題視されています。

特に関東・関西などの人口が多い都市部では、同商圏エリア内に複数のドラッグストアが集まる地域も多いです。近隣店舗同士での価格競争が激化しており、消費者側もより安い店舗へ足を運ぶため、店舗側も価格を下げ続けるしかありません。

またドラッグストア側が価格を下げることで、商品を供給する側のメーカーも仕入れ値を安くする必要があります。原材料・人件費が高騰している現在の日本においてドラッグストア側からの値下げ要求を呑むことは容易ではなく、メーカー側の利益圧迫の要因となっているのが現状です。

大手企業の独占市場

ドラッグストア業界は、大手企業による独占市場です。大手ドラッグストアが市場シェアの大半を占めており、中小規模ドラッグや個人薬店は次々に大手企業の傘下、もしくは倒産の道をたどっています。以下は、ドラッグストア大手企業の2023年度売上高を示したものです。(各社における「2022年度有価証券報告書」を参照)

2022年売上高 2021年度比
ウェルシアホールディングス 1兆1,442億円 111%増
ツルハホールディングス 9,700億円 105%増
マツキヨココカラ&カンパニー 9,517億円 130%増
コスモス薬品 8,276億円 109%増
サンドラッグ 6,904億円 106%増

ドラッグストア上位5社の総売上高は、約4兆5,839億円。2022年度のドラッグストア業界における総売上高は8兆5,408億円ですので、業界全体の市場売上高の約53%を上位5社が占めていることになります。

今後はさらに大手ドラッグストアの規模が拡大していくことが予想されており、中小規模ドラッグストアや個人薬局などの状況は厳しくなっていく予想です。中小規模ドラッグストアや個人薬局は生き残りをかけた戦略を展開していくことを求められています。

ドラッグストアのM&A動向

ドラッグストアにおけるM&Aの動向について解説していきます。これからドラッグストアのM&Aを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

大手企業同士のM&Aによる合併

ドラッグストア業界におけるM&Aの動向として、大手企業同士のM&Aによる合併です。大手ドラッグストア同士がいずれかのグループの傘下に入ることで、ドラッグストア業界における勢力拡大を図っています。

ドラッグストア業界における大手同士のM&Aの代表例が、2024年に起きた「ウェルシアホールディングス」と「ツルハホールディングス」による経営統合協議です。業界1位の最大手企業と、それに続く業界2位企業の経営統合により、これからのドラッグストア業界に多大な影響を及ぼすM&A事例となる可能性があります。

ウェルシアホールディングスとツルハホールディングスの事例以前にも、「ココカラファイン」と「マツキヨホールディングス」が2019年に経営統合を行っています。これからも大手企業同士によるM&Aが活性化されることが予測される市場状況です。

大手企業による中小規模事業者へのM&A

ドラッグストアのM&Aで最も多いのが、大手ドラッグストアによる中小規模ドラッグストアの買収です。大手ドラッグストアが中小規模事業者を買収することで、勢力の拡大を狙っています。

大手企業と中小企業のM&Aでは、大手ドラッグストアが中小規模のドラッグストアが持つ店舗を獲得することが目的です。中小規模のドラッグストアを買収すれば、一度のM&Aで複数の店舗を獲得することが出来るので、効率よく規模の拡大を図ることができます。

また近年では大手ドラッグストアが調剤薬局を買収する事例も多いです。これは大手ドラッグストアが調剤分野に参入したことが要因で、調剤薬局を買収することで店舗と薬剤師を獲得することで、調剤分野の事業基盤強化を図っています。

スーパーマーケット業者へのM&A

特に大手のドラッグストアが実行するM&A事例として、スーパーマーケット運営企業の買収または事業提携があります。ドラッグストアがスーパーマーケット運営企業へのM&Aを行うことの主な理由は、以下の通りです。

  • スーパーマーケットが持つ実店舗をそのまま利用できる
  • 日用品・食品の流通ルートの確保
  • 店舗数の増加
  • 人員の確保
  • 物流システムの共有

ドラッグストアとスーパーマーケットの事業は同じ小売業ということもあり、非常に相性が良いのが特徴です。買収側であるドラッグストアと売却側のスーパーマーケットの両社が、シナジー効果の創出による恩恵を受けることができます。

ドラッグストアでM&Aを行うことのメリット

ドラッグストアでM&Aを行うことのメリットを売却側と買収側の両方から解説していきます。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 資金力やブランド力の獲得
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 従業員の雇用維持
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • ノウハウと人材の継承
  • 事業許可の獲得

ドラッグストアでM&Aの売却を行うことのメリット

ドラッグストアでM&Aの売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 資金力やブランド力の獲得
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 従業員の雇用維持

それぞれ詳しく解説していきます。

資金力やブランド力の獲得

自社ドラッグストアをM&Aによって売却することで、譲渡先企業の持つ資金力やブランド力を手に入れることが可能です。特に大手企業のブランド力が強いドラッグストア業界においては、資金力はもちろんのこと、ブランド力の獲得も生存戦略において必須となります。

特に中小零細規模のドラッグストアもしくは調剤薬局運営会社が大手ドラッグストアのM&Aを受けることで、資金力やブランド力を手にすることが可能です。実際に、自社だけでは十分に顧客を獲得できなかった中小規模のドラッグストアが、大手傘下に入ることによって顧客の獲得に成功した事例は多くあります。

もちろん大手企業側も譲り受けした企業の店舗や薬剤師などの人材を手に入れらるというのがメリットです。もし資金力やブランド力がないことが要因で顧客獲得に悩んでいるのであれば、積極的にM&Aを検討すべきでしょう。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。ドラッグストア運営事業者に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模のドラッグストア運営企業の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

従業員の雇用維持

売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。

労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。

また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。

ドラッグストアでM&Aの買収を行うことのメリット

ドラッグストアでM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • ノウハウと人材の継承
  • 事業許可の獲得

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる最大のメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は、ドラッグストア業界における規模・シェアの拡大を狙うことができます。

ドラッグストア業界のM&Aにおいては、顧客・取引先・特殊情報などの無形資産に加え、実店舗や薬剤師などの人材を手に入れることも可能です。特にドラッグストア運営事業にとって実店舗や薬剤師などの有形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

またドラッグストア業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに早期進出が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

ノウハウと人材の継承

ドラッグストア運営事業者において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「運営ノウハウ」と「薬剤師をはじめとした人材」です。これら2つが揃っているドラッグストア運営事業者は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&Aによってドラッグストア運営事業社の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

またドラッグストア運営企業の買収に関しては、買収先が持つ店舗数の如何によって、取引額に大きな差が生じます。より多くの店舗を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

事業許可の獲得

ドラッグストア運営事業は、様々なカテゴリーの商品を扱う小売業です。そのため販売する商品のカテゴリーに応じた事業許可を取得する必要があります。しかしドラッグストア運営会社としてのノウハウや知見のある人材を持たずして、多くの事業許可を一から取得することは容易ではありません。

ドラッグストアに関連する事業許可の中でも「医薬品店舗販売業許可」は取得難易度がやや高く、知見やノウハウがあった場合でも取得までには2~3ヶ月間の期間を有します。事業許可と併せて薬剤師や登録販売者も雇用する必要があるので、医薬品販売のためのハードルは高いです。

M&Aによってドラッグストア運営企業を買収することで、ドラッグストア運営において必要となる事業許可を買収先の企業から承継することが可能です。実店舗と合わせて事業許可や薬剤師も承継すれば、すぐにでもドラッグストア運営事業をスタートすることができます。

ドラッグストアのM&Aにおける成功事例

ドラッグストアのM&Aにおける成功事例を紹介していきます。

マツモトキヨシホールディングスとココカラファインによるM&A

2021年2月にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの間で経営統合契約が締結されたM&Aの事例です。本取引は、株式交換や会社分割などのスキームを用い、数段階のプロセスを経て実行されました。

「マツモトキヨシホールディングス」は、全国に調剤併設型ドラッグストアなど約1,750店舗を展開するマツモトキヨシグループの持株会社です。一方の「ココカラファイン」は調剤薬局・ドラッグストアを全国に約1440店舗を展開する企業になります。

本件M&Aは、加速するドラッグストア業界の市場競争激化に対する対抗戦略です。大手調剤薬局・ドラッグストア企業同士が合併することで、ヘルスビューティー分野での圧倒的なプレゼンスを獲得し、更なる事業基盤強化を図っています。

株式会社マツモトキヨシホールディングスとの経営統合に関するご案内

ツルハホールディングスとJR九州ドラッグイレブンによるM&A

2020年5月に、ツルハホールディングスがJR九州ドラッグイレブンの発行済み株式51%を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得対価は140億円となっています。

譲り受け企業である「ツルハホールディングス」は、薬局併設型ドラッグストアや介護ショップなど約2,400店舗を全国展開しているツルハグループの持株会社です。一方の譲渡企業である「JR九州ドラッグイレブン」は、JR九州グループに属し、九州地方でドラッグストア・調剤薬局を228店舗を運営している企業になります。

本件M&Aは、ツルハホールディングスが推し進める「地域集中出店(ドミナント出店)」の事業強化と新規地域への進出・販売網獲得が目的です。ドラッグイレブンも巨大組織の傘下となることで、ドラッグストア市場における競争力強化を図っています。

連結子会社株式の追加取得による完全子会社化に関するお知らせ

クスリのアオキホールディングとスーパーマルモによるM&A

2021年6月に、アオキホールディングスがスーパーマルモを分割会社とする会社分割により、アオキホールディングスの子会社であるナルックスにスーパーマルモのスーパーマーケット事業等に関する権利義務等を承継させる吸収分割契約を締結することを決定したM&Aの事例です。

譲り受け企業である「ナルックス」は、アオキホールディングスの子会社で、石川県金沢市にてスーパーマーケット事業を展開する企業です。一方の譲渡企業である「スーパーマルモ」は、スーパーマーケット事業および「うまいもん処」の看板にて飲食事業を手掛ける企業になります。

本件M&Aは、大手ドラッグストア企業とスーパーマーケット運営企業による取引事例です。譲り受け企業であるアオキホールディングスは、スーパーマルモの食品スーパー事業等を承継することにより、食品スーパーの持つ新鮮な食材の品揃えとドラッグストアの持つヘルス&ビューティーや日用品の品揃え、また処方箋を取り扱う調剤薬局を組み合わせることを狙いとしています。

当社子会社の会社分割(吸収分割)による株式会社スーパーマルモの一部事業承継に関するお知らせ

ツルハホールディングスとビー・アンド・ディーによるM&A

2023年12月に、ツルハホールディングスの連結子会社である株式会社ツルハが、同じく連結子会社であるビー・アンド・ディーを吸収合併したM&Aの事例です。本取引によってツルハホールディングスは、株式会社ツルハを存続会社としています。

譲り受け企業である「株式会社ツルハ」は、ツルハホールディングスの中核会社としてドラッグストア・調剤薬局の運営を手掛ける企業です。一方の「ビー・アンド・ディー」は、愛知県内で80店舗のドラッグストア、調剤薬局を展開している企業になります。

本件M&Aは、業界2位の事業規模を誇るツルハホールディングスのグループ企業同士の取引事例です。ツルハホールディングスは、ビー・アンド・ディーを吸収合併する事により、ツルハグループの経営効率化を進め、愛知県内における営業基盤の一層の強化を図っています。

連結子会社間の吸収合併に関するお知らせ

中部薬品とアオイ薬局によるM&A

2020年10月に中部薬品がアオイ薬局の発行済み株式の100%を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得対価は一般公開されていません。

譲り受け企業である「中部薬品」は、岐阜県・愛知県を中心にドラッグストア・調剤薬局を449店舗展開している企業です。一方の「アオイ薬局」は、岐阜県羽島郡と賀茂郡で調剤薬局2店舗を運営している企業になります。

本件M&Aは、中部薬品が岐阜県周辺地域で推し進める「ドミナント出展を通じたヘルスケアネットワークの構築」を強化することが目的です。中規模薬局事業者と小規模薬局事業者のM&A事例になります。

岐阜県内に調剤薬局 2 店舗開設のご案内

アインホールディングスとエス・ケー・ファーマシーによるM&A

2021年3月にアインホールディングスがエス・ケー・ファーマシーの発行済株式20%を所有する株主となったM&Aの事例です。本取引は業務提携関係を強化することが目的で、出資額などの詳細は公開されていません。

譲り受け企業である「アインホールディングス」は、全国に調剤薬局を1,065店舗・ドラッグストアを69店舗を展開する大手調剤薬局企業です。一方の譲渡企業である「エス・ケー・ファーマシー」は、大分県大分市を中心に調剤薬局13店舗を展開している企業になります。

本件M&Aは、アインホールディングスがエス・ケー・ファーマシーと業務提携をすることで、運営ノウハウ共有・薬機法改正への対応・災害時の運営協力支援などが目的です。アインホールディングスはこれまで調剤薬局企業の子会社化を積極的に行っていましたが、本件は業務提携という穏やかな形での取引となっています。

アインHD、大分市を中心に医薬品事業を展開するSKファーマシーと資本業務提携

ココカラファインと薬宝商事によるM&A

2020年1月に、ココカラファインが薬宝商事の保有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。

譲り受け企業である「ココカラファイン」は、調剤薬局・ドラッグストアを全国に約1440店舗を展開する企業です。一方の譲渡企業である「薬宝商事」は、神奈川県内において2店舗の調剤薬局を展開している企業になります。

本件M&Aは、大手ドラッグストア企業が中小規模の調剤薬局事業者を買収した事例です。本取引により、譲り受け企業であるココカラファインは、神奈川県内における事業基盤拡大と地域に根差したヘルスケアネットワークの構築を推進させています。

調剤薬局を展開する有限会社薬宝商事の株式取得に関するお知らせ

ウェルシアホールディングスとネオファルマー&サミットによるM&A

2020年7月にウェルシアホールディングスがネオファルマーとサミットの発行株式100%を取得し、同2社を完全子会社化したM&Aの事例です。さらに2021年7月にウェルシア薬局を存続会社、ネオファルマーとサミットを消滅会社とする吸収合併が実行されています。

譲り受け企業である「ウェルシアホールディングス」は、薬局併設型を含むドラッグストア約2,200店舗を全国展開し、デイサービスや訪問介護などの事業も行っている企業グループです。一方の譲渡企業である「ネオファルマー」と「サミット」は、愛媛県を中心に地域密着型の調剤薬局を両社合計13店舗(ネオファルマー:10店舗・サミット:3店舗)展開している企業になります。

本件M&Aの目的は、ネオファルマーとサミットが持つ四国地域での店舗網を活用することです。さらにウェルシアホールディングスは、調剤薬局2社を子会社化することで、調剤事業推進と共同仕入れによるコスト削減を成し得ています。

株式会社ネオファルマー及び株式会社サミットの株式取得に関するお知らせ

ウェルシアホールディングスと金光薬品によるM&A

2019年6月に、ウェルシアホールディングスが金光薬品の保有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。

譲り受け企業である「ウェルシアホールディングス」は、薬局併設型を含むドラッグストア約2,200店舗を全国展開し、デイサービスや訪問介護などの事業も行っている企業グループです。一方の譲渡企業である「金光薬品」は、岡山県内でドラッグストアを19店舗・調剤薬局を12店舗運営している企業になります。

本件M&Aは、業界最大手のドラッグストア企業と中小規模のドラッグストア(調剤薬局)運営企業による取引事例です。本取引による譲り受け企業であるウェルシアホールディングスは、近畿から中国地方における事業基盤をより強固なものとするとともに、相互のノウハウ共有による一層の経営の効率化を図っています。

金光薬品株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

ツルハホールディングスと広島中央薬局によるM&A

2019年2月に、ツルハホールディングスが子会社のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本を通じて、広島中央薬局の発行済全株式を取得し、同社との間で株式譲渡契約を締結したM&Aの事例です。

譲り受け企業である「ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本」は、中国・九州地区にドラッグストア・調剤薬局を280店舗を展開している企業です。一方の譲渡企業である「広島中央薬局」は、広島県広島市内にドラッグストアを2店舗展開している企業になります。

本件M&Aは、業界2位の大手ドラッグストア企業が地域密着型の中小ドラッグストア企業を買収した取引事例です。本取引により譲り受け企業であるツルハホールディングスは、地域に密着した利便性の高い店づくりにより、全国的なドラッグストアチェーンの店舗展開をさらに推進させることを目的としています。

ツルハホールディングス、子会社により広島市内でドラッグストア2店舗展開の広島中央薬局の全株式取得

ドラッグストアのM&Aにおける注意点

ドラッグストア運営企業のM&Aにおける注意点を解説します。ドラッグストアのM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 競業避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

競業避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的にドラッグストア運営事業を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

ドラッグストアのM&Aを成功させるためのポイント

ドラッグストアのM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。ドラッグストアのM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • 相場価格への理解
  • PMI(統合後プロセス)の確立

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

ドラッグストアのM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

ドラッグストアのM&Aについてのまとめ

今回はドラッグストアにおけるM&Aについて、ドラッグストア業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

ドラッグストア業界は事業者の数が非常に多いこともあり、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功しているドラッグストアも数多く存在することから、ドラッグストア運営企業にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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