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建設コンサル会社のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「建設コンサル会社のM&Aにおける動向は?」
「建設コンサル会社のM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「建設コンサル会社 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、建設コンサル会社のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

建設コンサル会社におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、建設コンサル会社のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

建設コンサル会社とは

建設コンサル会社とは、その名の通り「建設」に関連する建物や設備の設計業務などを手掛ける会社のことです。道路をはじめとするインフラの設計・建設計画の立案および事前調査などを行います。

国土交通省が定める建設コンサルタント会社の定義は、「これらの社会資本の実現に向けて、調査計画や設計等に関する技術コンサルティングサービスを行うこと」です。国家機関である国土交通省が定義づけを行っていることもからも、建設コンサル会社が社会において重要な役目をもつことが分かります。

また建設コンサル会社の在り方には、様々な形態があるのも特徴です。建設コンサルタントを専門に手掛ける企業がある一方で、大手ゼネコン会社などは建設コンサルタント業務を自社で手掛ける場合もあります。建設コンサルタント会社をM&Aで子会社化し、自社事業とする大手建設会社も多いです

建設コンサル会社の事業内容

建設コンサル会社の主な業務は、ダムや道路の建設工事が行われる前に、工事に関する調査や設計などを行うことです。建設コンサル会社の具体的な業務内容には、以下のものがあります。

  • 基本方針や事業概要の立案
  • 建設の計画
  • 環境周辺の調査
  • 設計図の作成
  • 施工や維持の管理

建設コンサル会社の主な取引先および依頼先は、国や自治体であるケースが多いです。国や自治体からの依頼に対し、建設コンサル会社が工事計画を組み立て調査を行ったうえで、建設会社が着工する流れとなります。

また国土交通省によれば、今後20年間で高度経済成長期に建設されたトンネルや道路・河川管理施設は老朽化すると予測されています。老朽対策を速やかに行うために、建設業界の需要は高まることでしょう。

建設コンサル会社に必要な業許可と資格

建設コンサル会社の運営において必要となる業許可と資格について、それぞれ詳しく解説していきます。

建設コンサル会社に必要な業許可

建設コンサルタントの業務には、建設会社にとって必須となる「建設業許可」のような許可制度や認可制度は存在しません。そのため、基本的に法人・個人問わず「建設コンサル会社」を名乗ることが可能です。

しかし許認可の取得が必須でないとはいえ、多くの建設コンサル会社は国土交通大臣の登録を受けている場合がほとんどです。国土交通省の登録を受けるためには、以下の要件を満たすことが必須となります。

  • 登録部門ごとに、その業務の技術上の管理をつかさどる専任者(技術管理者)を置くこと
  • 財産的基礎または金銭的信用を有すること(法人:資本金500万円以上、自己資本が1,000万円以上、個人:自己資本が1,000万円以上)
  • 登録の欠格要件に該当しないこと

上記の要件を満たし、国土交通大臣の登録を受けることで、土木に関する21の登録部門の全部または一部について建設コンサルタントを営むことが可能です。また登録の有効期間は5年間で、有効期間満了の日の90日前から30日前までに更新の申請を行う必要があります。

建設コンサル会社に必要な資格

建設コンサル会社の運営において、取得が必須となる資格はありません。無資格であっても「建設コンサルタント」を名乗ることが可能です。つまり全くの未経験・無資格であっても、建設コンサルタントと名乗ることができます。

しかし建設コンサルタントの業務に関わっていくためには、専門的な知識や経験に加え、資格取得による信頼度の獲得は必須です。建設コンサルタントにとって取得が推奨される資格には、以下のものがあります。

  • 技術士
    国家資格のひとつで、科学技術に関する高度な知識と応用能力を認めるものとして付与される資格。専門的な応用能力が必要な計画や調査・研究・設計をこなせる証明となる。技術士の資格試験を受けるには、前提として関連する業務に7年を超える期間の従事、もしくは技術士補として4年を超える経験が必要。
  • RCCM
    「シビルコンサルティングマネジャー」の略称であり、技術者として業務の管理や照査を行う役割として位置づけられている民間資格。資格取得の難易度は技術士よりも低いとされており、合格率はおおよそ30%程度。受験には、大学院修了者は5年以上・中学校卒業者であれば14年以上の実務経験が前提となる。
  • 土木施工管理技士
    土木工事に関する工程管理や安全管理、品質管理、予算管理など、工事全体のプロジェクトを監督するための国家資格。資格は1級と2級があり、建設コンサルタントとしての資格取得であれば、大規模土木工事の施工管理が行える1級資格が必要となる。

他にも「建築士」や「測量士」など、建設コンサル会社のスタッフに推奨される資格にはさまざまなものがあります。自社の事業内容を加味したうえで、取得する資格を選定することが重要です。

建設コンサル会社の市場動向

建設コンサル会社の市場動向について解説していきます。

市場は拡大傾向

 

出典:厚生労働省「建設関連業等の動態統計調査」

上記は、厚生労働省より発表された「建設関連業等の動態統計調査」の統計結果です。年度によって多少の増減はありますが、全体的に見れば建設コンサルタントの契約金額は上昇傾向にあることが分かります。

建設コンサルタント企業50社への2023年度の契約金額は6,859億6,600万円で、前年度比1.09%増という結果です。建設コンサルタント市場が好調な主な理由は「インフラ設備の老朽化」と「防災需要の高まり」にあります。

特に日本全土でインフラ整備の需要が高まっているのが現状です。インフラの整備は日本全体で急務であるため、今後も断続的にインフラ整備の依頼は増加していくことが予想されています。また自然災害への対処も必須であるため、防災への取り組み強化から、建設コンサルタントへの需要は高まっていくことでしょう。

新技術に対する取り組み

建設コンサルタント業界において、今もっとも注目されているのが、新技術に対する取り組みです。AI・3Dデータ・DXなど、新技術の開発・導入は今後の建設コンサルタント業界の発展に大きく影響する要素であると言われています。

建設コンサルタントにおける新術の例として挙げられるのが、「ドローンを活用した点群測量」「GISを活用した現地調査」「BIM/CIM等の3Dモデルを活用した設計」などです。これらの技術を取り入れるこで、業務の遂行度が大幅に上昇するとされています。

また建設コンサルタント業界では、本業や異業種分野で得た利益を研究・開発に回し、新技術を使って新たな仕事を取るという流れが業界全体のトレンドです。特に大手建設コンサルタントでは、いかにして新技術を自社事業に取り入れるかが、事業計画においても重要視されています。

異業種分野への進出

建設コンサルタント業界においては、異業種分野への進出が活性化されている状態です。建設コンサルタントを手掛ける企業が、建設業界以外の分野への進出を積極的に行っている傾向にあります。

具体的な業種としては、「農業」「観光」「不動産」「情報通信」「発電」などです。本業である建設コンサルタントの知見やノウハウを活かせる業種への参入が積極的に行われています。これは、異業種事業とのシナジー効果を創出し、建設コンサルタントの本業の受注を獲得するとともに、新規事業を軌道に乗せるというのが狙いです。

また建設コンサル会社のなかには、建設コンサルタント業界に見切りをつけ、これまで培ったノウハウや知見を活かし、異業種分野へ完全切替を行う企業もあります。今後は建設業界が縮小すると見込んだうえでの経営的判断が成された結果です。

建設コンサル会社が抱える課題

建設コンサル会社にある課題について解説していきます。

人手不足と後継者不在

建設コンサル会社が抱える最大の課題のひとつとして、人材・後継者不足があります。これは建設コンサル会社を含む、建築・建設業界全体が抱える最大の課題のひとつです。

建築・建設業界が人材不足にある理由のひとつが、「職業イメージ」にあるとされています。建築業における仕事は、建築現場での施工作業がクローズアップされやすいため、肉体労働を避ける傾向にある現代人にとっては積極的な就職先候補とはなり得ないのです。

また建築・建設業界の中核を担うのが、中小規模事業者ですが、その多くが後継者不在という課題を抱えています。経営者自身も高齢化しており、経営手腕を持った後継者を育成することも困難な状況です。

大都市集中の人口構造による影響

日本における人口構造の変化も建築会社にとって大きな影響を与えています。少子高齢化の進展により、65歳以上の人口が増える一方、生産年齢人口(15歳~64歳)の数は減少し続けている状態です。

地方では少子高齢化に加え、人口流出と過疎化が進行しており、同時に建設コンサル会社の需要も低迷しているのが現状です。人口減少が顕著な地方部は、インフラ設備に投資するための財源の確保が難しくなってしまうため、必然的に建設コンサル会社への依頼も減少してしまいます。

また人口減少が進む地方部では、国家資格を有した優秀な建設コンサルタントスタッフの確保が難しいのも現状です。さらにコンサルタントスタッフの確保のみならず、オーナーの高齢化による廃業も進んでいます。地方部の建設コンサル会社の運営には非常に課題が多いと言えるでしょう。

若手技術者の育成

多くの建設コンサル会社が抱えている課題のひとつに、若手人材に対する育成の問題があります。建設コンサルタント業界は、経験高額的な一面を持つ分野であるため、若手人材の教育環境の確立が非常に難しいのです。

現在の建設コンサルタント業界の中核を担うのは、中小規模の建設コンサル会社ですが、中小企業の熟練技術者の多くが高齢化しています。そのため若手技術者への技術力育成に苦慮する場合も多いです。

今後の建設コンサルタント業界においては、若手人材に対する教育環境の拡充が急務となっています。「見て覚える」という旧時代的な教育方針からの脱却が必須です。

建設コンサル会社におけるM&Aの動向

建設コンサル会社におけるM&Aの動向について解説していきます。

後継者問題解決のためのM&A

建設コンサル会社のM&Aで多いのが、後継者問題解消を目的とした取引事例です。次代の後継者がいない建設コンサル会社を別の建設コンサル会社もしくは、異業種企業が買収するケースになります。

建設コンサル会社のなかでも、特に後継者不足に悩んでいるのが中小規模の建設コンサル会社です。なかには、建設コンサルタント業としての業績は好調であるにも関わらず、後継者がいないことにより、事業撤退においこまれる中小規模の建設コンサル会社は多いです。

また後継者不在によるM&Aにて事業規模が拡大した建設コンサル会社も多く存在します。特に建設コンサルタント業界のM&Aでは、M&A後に買い手が持つ建築事業の戦略として取り入れ、売上が伸びたケースも多いです。

大手企業による中小企業の買収

建設コンサルタント業界のM&Aで多いのが、大手建設コンサル会社による中小規模建設コンサル会社の買収です。建設コンサル会社が中小規模の建設コンサル会社を買収することで、勢力の拡大を狙っています。

大手企業と中小企業のM&Aでは、建設コンサル会社が中小規模の建設コンサル会社が持つ人材・ノウハウ・顧客などを獲得することが目的です。中小規模の建設コンサル会社を買収すれば、一度のM&Aで複数のメリットを獲得することが出来るので、効率よく規模の拡大を図ることができます。

また近年では大手企業による中小企業の買収だけでなく、中小規模の建設コンサル会社同士が合併するケースも多いです。勢力を拡大する大手建設コンサル会社に対し、中小企業同士が合併することで競争力を高めることを狙いとしています。

異業種への新規参入

近年における建設コンサル会社のM&A事例では、異業種への新規参入を目的とした事例も多いです。建設コンサル会社の新規参入が目立つ業種には以下のものがあります。

  • 水道・電気などのインフラ事業
  • 農業・水産業
  • 電機通信業
  • 観光業
  • 不動産業

建設コンサル会社は、行政機関とのパイプを有している企業が多いため、インフラ事業や農業関連事業への新規参入が多いことも特徴です。本業である建設コンサルタントの事業を請け負いつつ、併行してインフラ関連の依頼を請け負うケースもあります。

建設コンサル会社が異業種会社とのM&Aを有効活用することで、新規事業参入による規模の拡大を図ることが可能です。建設コンサルタント業への投資資金を稼ぐことを目的として、異業種とのM&Aを図る建設コンサル会社もあります。

建設コンサル会社のM&Aにおける成功事例

建設コンサル会社のM&Aにおける成功事例を紹介していきます。

メイホーホールディングスと安芸建設コンサルタントによるM&A

2022年6月に、メイホーホールルディングスが安芸建設コンサルタントの所有する全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は5億3,000万円となっています。

譲り受け企業である「メイホーホールディングス」は、建設コンサルタント業・補償コンサルタント業・測量業などを手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「安芸建設コンサルタント」は、建設コンサルタント業と測量業を行っている企業になります。

本件M&Aは、ともに建設コンサルタント業を営む企業同士の取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるメイホーホールディングスは、広島地方で事業展開する安芸建設コンサルタントを取り込むことで、日本国内の事業エリア拡大とシェア確立を狙うことを目的としています。

当社子会社による株式会社安芸建設コンサルタントの株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

エー・ディー・デザインビルドと澄川工務店によるM&A

2019年4月に、エー・ディー・デザインビルドが、澄川工務店の所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公表されていません。

譲り受け企業である「エー・ディー・デザインビルド」は、収益不動産の建物診断・長期修繕計画・コンサルティング・工事施工などの事業を展開している企業です。一方の譲渡企業である「澄川不動産」は、東京都多摩市地域で内装工事を主体とする事業を展開する企業になります。

本件M&Aは、不動産リノベーション関連会社と工務店による取引事例です。本取引により譲り受け企業であるエー・ディー・デザインビルドは、グループにおける建設部門の事業規模拡大と、澄川工務店の工事協力会社ネットワークを介した施工能力向上、および商品企画力向上を目的としています。

COMPANY RESEARCH AND ANALYSIS REPORT

オリエンタル白石と山木工業ホールディングスによるM&A

2021年2月に、オリエンタル白石が山木工業ホールディングスの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は3,730百万円となっています。

譲り受け企業である「オリエンタル白石」は、OSJBホールディングスの連結子会社で、プレストレストコンクリートの建設工事および製造販売、ニューマチックケーソンの建設工事、補修補強の建設工事、耐震補強建築工事の設計・施工、建設資材の販売などを手掛ける企業です。

一方の譲渡企業である「山木工業ホールディングス」は、土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、ほ装工事業、しゅんせつ工事業、塗装工事業、防水工事業、造園工事業、建具工事業、水道施設工事業、解体工事業を行っている企業になります。

本件M&Aは、建設コンサル会社と建築関連会社による取引事例です。本取引により、オリエンタル白石の親会社であるOSBJホールディングスは、山木工業株式会社の福島県やいわき市での工事実績を活用することにより、オリエンタル白石が得意とする橋梁工事の受注機会の拡大を目指しています。

当社連結子会社による株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

高松建設と大昭工業によるM&A

2021年2月に、高松コントラクショングループが、連結子会社である高松建設を通して、大昭工業の所有する全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「高松建設」は、高松コントラクショングループの連結子会社で、大阪市に本拠を置き、土地活用提案事業・賃貸マンション・商業ビルの施工・工事などを手掛ける総合建築工事企業です。一方の譲渡企業である「大昭工業」は、大阪府北摂・高槻地域を中心に土木・建築事業を営む会社になります。

本件M&Aは、建設コンサルタント業を手掛ける大手総合建築会社と、建築・建設関連会社による取引事例です。譲り受け企業である高松コントラクショングループは、本取引により、髙松建設および大昭工業のそれぞれが保有する営業情報を活用して、互いに得意とする規模の建築工事受注の増加を目指すとともに、大昭工業が保有する不動産の有効活用を推進して、投資成果の向上をはかるなど、シナジー効果の発揮によりグループ全体での企業価値の向上を目指しています。

髙松コンストラクショングループ

ニッケ不動産と中田工務店によるM&A

2020年7月に、ニッケ不動産が中田工務店の保有する発行済株式の60%を所有し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「ニッケ不動産」は、グループ内の工場・事務所・商業施設の建設で培った経験を活かし、外部の商業建築物の建設・修繕などを行っている企業です。一方の譲渡企業である「中田工務店」は、神戸を中心とした兵庫県全域と阪神・首都圏の各地で戸建て・集合住宅、商業施設、公共施設の設計・施工などを総合的に手がけている企業になります。

本件M&Aは、建設・不動産管理会社と工務店による取引事例です。本取引により譲り受け企業であるニッケ不動産は、グループ外を対象とする建設工事事業の規模・業容拡大を成し遂げています。

株式会社中田工務店との経営統合および商号変更について

ナカノフドー建設とトライネットホールディングスによるM&A

2023年3月に、ナカノフドー建設がトライネットホールディングスの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「ナカノフドー建設」は、国内・海外建設事業、不動産事業を行うゼネコン企業です。一方の譲渡企業である「トライネットホールディングス」は、一般土木工事、建築工事、土地販売、リフォーム工事等を行うグループの持株会社になります。

本件M&Aは、ともに建築関連事業を手掛ける会社同士の取引事例です。本取引によって、譲り受け企業であるナカノフドー建設は、トライネットグループのノウハウを土木事業の拡大に役立てるとともに、自社の建築ノウハウをトライネットグループの建築事業強化に活用し、相乗効果を見込んでいます

株式会社トライネットホールディングス及びそのグループ子会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

高松建設とタミツプランニングによるM&A

2019年5月に、高松建設がタミツプランニングの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は約14億円となっています。

譲り受け企業である「高松建設」は、土地活用提案事業をベースとし、賃貸マンションや工場・物流施設・ホテル・医療施設などの建設を請け負っている企業です。一方の譲渡企業である「タミツプランニング」は、横浜エリアを中心に注文住宅とリフォームを手がけ、不動産開発事業やメガソーラー事業にも進出していた企業で、2016年からRIZAPグループの子会社となっていました。

本件M&Aは、総合建設会社と工務店による取引事例です。譲り受け企業である高松建設は、2018年に買収した不動産会社ミブコーポレーションとの連携も図りながら戸建て住宅事業を本格的に展開することを目的として本取引を実施しました。

大手企業出身のスペシャリスト達による「タカマツハウス」が本格始動!

ピーシーレールウェイコンサルタントと人・夢・技術グループによるM&A

2022年8月に、人・夢・技術グループがピーシーレールウェイコンサルタントの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は22億1,000万円となっています。

譲り受け企業である「人・夢・技術グループ」は、インフラ領域の建設コンサルティングを軸として事業を展開している総合建設コンサル会社です。一方の譲渡企業である「「ピーシーレールウェイコンサルタント」は、道路橋・鉄道橋の設計を強みとし、鋼構造物、道路、河川、上下水道の計画・設計等を行う建設コンサル会社になります。

本件M&Aは、ともに建設コンサルタント業を手掛ける企業同士の取引事例です。譲り受け企業である人・夢・技術グループは、両社の人材、技術、顧客基盤などの様々な経営資源を相互に活用し、事業領域および顧客基盤の拡大、生産性の向上などを図っています。

株式会社ピーシーレールウェイコンサルタントの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

シコーと東宝ファシリティーズによるM&A

2021年11月に、東宝ファシリティーズがシコーの全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。株式譲渡のスキームによって実施されましたが、株主が個人であることから取引金額は非公表となっています。

譲り受け企業である「東宝ファシリティーズ」は、ビル総合マネジメント事業(清掃、設備管理、警備、改修・設備導入・入退去工事など)・賃貸物件管理代行・施設運営代行事業などを展開している企業です。一方の「シコー」は、商業施設の内装工事監理業務を強みとする内装工事会社になります。

本件M&Aは、譲渡企業・譲り受け企業ともに建設関連事業の業容拡大、技術力・営業力の強化を目的としたものです。同類企業同士がM&Aを実施することで、シナジー効果をもたらした事例になります。

当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

SDSホールディングスとイエローキャピタルオーケストラによるM&A

2022年3月に、SDSホールディングスがイエローキャピタルオーケストラの所有す全株式を取得し、同社を連結子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は3億5,800万円となっています。

譲り受け企業である「SDSホールディングス」は、再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、施設ソリューション事業を行っている企業です。一方の譲渡企業である「イエローキャピタルオーケストラ」は、資産運用に関するコンサルティング 、宅地建物取引業 、不動産の分譲、売買、賃貸および管理ならびにそれらの仲介およびコンサルティングを手掛ける会社になります。

本件M&Aは、エネルギー・ソリューション関連企業と総合コンサルタント会社による取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるSDSホールディングスは、「脱炭素」をコンセプトとした、より収益規模の大きな不動産販売事業の展開を目指しています。

株式会社イエローキャピタルオーケストラの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

建設コンサル会社でM&Aを行うことのメリット

建設コンサルがM&Aをするメリットを売却・買収側の双方から解説します。建設コンサル会社のM&Aにおける売却・買収のメリットは、以下の通りです。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 借入における個人保証の解除
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 従業員の雇用維持
  • 事業の選択と集中
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有
  • 安定した受注確保

建設コンサル会社でM&Aの売却を行うことのメリット

建設コンサル会社でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 借入における個人保証の解除
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 従業員の雇用維持
  • 事業の選択と集中

それぞれ詳しく解説していきます。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。建設コンサル会社に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模の建設コンサル会社の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

従業員の雇用維持

売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。

労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。

また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。

事業の選択と集中

景気悪化を辿る日本では、会社存続のために複数の事業を多角展開する企業も珍しくありません。しかし事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因とさえなり得ます。

M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」を用いることで、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。実際に事業譲渡により、特定の事業のみを他者委に売却する企業は多くあります。

M&Aの事業譲渡によって事業を売却することで、事業の選択と集中が出来れば、経営状態を好転させられるかもしれません。得意分野に資金や人員を集中できるため、成功率も高まるはずです。

建設コンサル会社でM&Aの買収を行うことのメリット

建設コンサル会社でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有
  • 安定した受注確保

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる大きなメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は規模やシェアの拡大を狙うことができます。

建設コンサル会社のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ設備や建物のような有形資産に加え、顧客・取引先情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特に建築会社の運営においては、「取引先」「顧客情報」などの無形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

また建設コンサルタント業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに建設コンサルタント業界への早期参入が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

人材とノウハウの共有

建設コンサル会社の運営において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「ノウハウ」とコンサルタントスタッフをはじめとした「人材」です。これら2つが揃っている建設コンサル会社は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&Aによって建設コンサル会社の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

建設コンサル会社の買収に関しては、買収先が持つ顧客数や人材などによって、取引額に大きな差が生じます。価値のある資源を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

安定した受注確保

現在の建設コンサル会社が抱える課題として、安定した受注の確保が困難であるという点が挙げられます。これは特に中小規模の建設コンサル会社によくある課題のひとつです。

建設コンサルタント業界においては、大手企業から中小規模事業者への案件紹介が一般的となっています。そのため大手企業からの案件紹介がなければ、案件受注が止まってしまい事業が立ち行かない状態になりかねません。

M&Aによって大手企業の傘下に入る、もしくは吸収合併を受けることで、安定した案件確保が可能です。親会社である大手企業の持つブランド力と資金力を活用できるので、受注は非常に安定したものになることでしょう。

建設コンサル会社のM&Aにおける注意点

建設コンサル会社のM&Aにおける注意点を解説します。建設コンサル会社のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 事業許可や人材の引継ぎ

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的に建設コンサル会社を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

建設コンサル会社のM&Aを成功させるためのポイント

建設コンサル会社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。建設コンサル会社のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • PMI(統合後プロセス)の確立
  • 相場価格への理解

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

建設コンサル会社のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

建設コンサル会社におけるM&Aのまとめ

今回は建設コンサル会社におけるM&Aについて、建設コンサルタント業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

建設コンサルタント業界は、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功している建設コンサル会社も数多く存在することから、建設コンサル会社にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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