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製薬会社・医薬品製造会社のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける動向は?」
「製薬会社・医薬品製造会社のM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「製薬会社・医薬品製造会社 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、製薬会社・医薬品製造会社のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

製薬会社・医薬品製造会社におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、製薬会社・医薬品製造会社のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

製薬会社・医薬品製造会社とは

製薬会社・医薬品製造会社とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のもと、厚生労働省からの認可を受け医薬品の製造を行っている企業のことです。製薬会社・医薬品製造会社は、「医薬品メーカー」とも表現され、医薬品製造業界に分類されます。

製薬会社・医薬品製造会社の主な事業内容は、各種医薬品の研究・開発・製造です。新薬の研究・開発や効果の確認・販売に加え、「医療用医薬品」「一般用医薬品」の開発・製造・販売に携わっています。

製薬会社・医薬品製造会社が製造する医薬品は、病院や医療施設などで処方される「医療用医薬品」とドラッグストアで販売される「一般用医薬品」に分類されるのが特徴です。また大手製薬会社・医薬品製造会社のなかには、医療用医薬品と一般用医薬品の両方を手掛ける企業も存在します。

製薬会社・医薬品製造会社のビジネスモデル

製薬会社・医薬品製造会社のビジネスモデルについて解説していきます。

医療用医薬品の製造

製薬会社・医薬品製造会社の代表的なビジネスモデルの一種が、病院や各種医療関連施設で処方される医療用医薬品の製造です。医療用医薬品の大手メーカーには、以下のような企業が挙げられます。

  • 武田薬品工業
  • アステラス製薬
  • 大塚製薬
  • 第一三共
  • 田辺三菱製薬

医療用医薬品の市場規模は非常に巨大である反面、新薬の研究開発などで多額の資金が必要となるため、市場シェアのほとんどを大手企業が占めるのが特徴です。大手の市場シェア率が高いため、新規参入が非常に難しい市場でもあります。

また医療用医薬品の価格は、国による薬価制度によって決められるのも特徴です。つまり製薬会社に価格の設定権がないため、自由に医薬品を販売できないことになります。厚生労働省をはじめとした行政機関の影響を非常に受けやすい業界です。

一般用医薬品の製造

一般用医薬品とは、処方せんのいらない医薬品です。薬局やドラッグストアの店頭で販売される第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品が、一般用医薬品に分類されます。一般用医薬品の大手企業は、以下の通りです。

  • 大正製薬HD
  • ロート製薬
  • 小林製薬
  • 参天製薬
  • 久光製薬

一般用医薬品は医療用医薬品と違って、比較的自由な販売手法を取ることが可能です。そのため、大手製薬メーカーを中心にテレビCMなど積極的なプロモーション活動を行っているため、社会的な認知度の高い製薬メーカーが多いです。

また医療用医薬品と違って、一般用医薬品の薬の販売価格は自由に設定することができます。そのため、同じ効能効果や作用用法を持つ医薬品であっても、製薬メーカーやドラッグストアによって売価が異なるのも特徴です。医療用医薬品よりも価格競争が発生しやすい市場となっています。

医薬品のOEM

製薬会社・医薬品製造会社のビジネスモデルとして、各種医薬品のOEM事業が挙げられます。医薬品のOEMとは、製薬会社・医薬品製造会社またはドラッグストアなどから依頼を受け、医薬品の製造委託を請け負うビジネスモデルです。

医薬品のOEMを主軸事業とする企業は、大手製薬会社のように積極的なプロモーションを行うことはないため、社会的な認知度が高いとは言えません。しかし大手製薬会社の販売する医薬品を製造しているケースも多く、社会的な存在価値は非常に高いです。

医薬品OEM企業も製薬メーカーと同じく、医薬品製造販売業または医薬品製造業許可を取得することが必要になるます。厚生労働省からの認可を受けた企業のみが、他製薬メーカーからのOEM依頼を受けることが可能です。

製薬会社・医薬品製造会社に必要な業許可・資格・人材

製薬会社・医薬品製造会社に必要な業許可・資格・人材について解説していきます。

製薬会社・医薬品製造会社に必要な業許可

製薬会社・医薬品製造会社は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づいて事業を行うことが必須であり、そのために厚生労働省が設けるいくつかの事業許可を取得することが必須です。製薬会社・医薬品製造会社に必要な業許可には、以下のものがあります。

  • 医薬品製造業許可
    「原材料から医薬品を製造する」もしくは「医薬品の全部または一部の製造工程を受託して行う」場合に必要となる。自社で医薬品の製造を手掛ける製薬会社・医薬品製造会社にとっては、必須となる事業許可。
  • 医薬品製造販売業許可
    医薬品を市場に出荷するための許可。市場出荷判定を行うために必須。ただし医薬品製造販売業許可のみで医薬品を製造することは不可能。製造行為を行うためには「医薬品製造業許可」が必要となる。
  • 医薬品卸売販売業
    自社または他社で製造した自社医薬品を卸売販売するために必要な業許可。ドラッグストアなどの販売店や医薬品卸売会社との取引を行う際に必要となる。
  • 医薬品店舗販売業許可
    医薬品を店舗又はインターネットなどで販売するために必要となる。近年では製造会社が直接自社ECモールに商品を展開する「D2Cビジネス」の動きが強まっているが、自社ECモールで医薬品の販売するためには、本事業許可が必要。

上記の通り、製薬会社・医薬品製造会社の運営には様々な事業許可を取得することが必須です。また自社のビジネスモデルによって取得すべき事業許可も異なるため、事業発足の際には事業許可の理解を深めておくことが重要になります。

製薬会社・医薬品製造会社に必要な資格

製薬会社・医薬品製造会社の運営にとって必須となるのが、国家資格である「薬剤師」資格の保有者です。製薬会社・医薬品製造会社の運営にとって必須となる「医薬品製造販売業許可」または「医薬品製造販売業許可」の取得には、原則として薬剤師の設置が義務付けられています。

例えば、医薬品製造販売業許可においては、製造所に「製造管理者」を設置することが必須です。製造管理者の資格要件は原則として「薬剤師」となっています。つまり製薬会社・医薬品製造会社の主たる事業である「医薬品の製造行為」には薬剤師が必須なのです。

しかし近年においては、薬剤師人材の雇用は容易ではありません。製薬会社・医薬品製造会社だけでなく、病院や調剤薬局、ドラッグストアも薬剤師不足に悩んでいるため、薬剤師の獲得競争が発生しています。

製薬会社・医薬品製造会社に必要な人材

製薬会社・医薬品製造会社の運営は、薬剤師だけが担っている訳ではありません。原料の仕入・製造ライン・品質管理・製品出荷など、多岐の業務に適した人材を雇用することが必須です。製薬会社・医薬品製造会社の運営においては、以下のような人材が必要とされています。

  • 薬剤師:製造管理者として必須
  • 品質管理者:自社で製造した医薬品の品質管理を行う
  • 安全管理者:自社で製造した医薬品の市場出荷後に発生した副作用等の情報を収集する
  • 製造員:自社製造ラインにおける作業員やオペレーター
  • 開発研究員:新薬の開発や医薬品新規承認取得を行う
  • 営業員:自社で製造した医薬品の営業活動を行う
  • 倉庫作業員:自社倉庫を保有・運営する場合に商品の保管・出荷を行うための人材

上記の通り、製薬会社・医薬品製造会社の業務は非常に多岐に渡るため、様々な職種に適した人材の雇用が必須です。特に複数の製造所を運営する企業では、より多くの人材を確保する必要があるため、人件費などの調整も細かく行うことが必要になります。

製薬会社・医薬品製造会社の市場動向

製薬会社・医薬品製造会社の市場動向を解説していきます。

市場規模は拡大傾向

出典:トップライン市場データ(IQVIA)

IQVIAジャパンによる「トップライン市場データ」によれば、現在の日本における医薬品非常売上高は過去10年間の中でも最高位に位置しており、市場は拡大傾向です。2015年に10兆円を超えて以降、横ばいが続いていましたが、現在は増加傾向となっています。

2022年以降で医薬品市場の売上高が急増した背景には、新型コロナウィルスの影響が大きく影響しています。新型コロナウィルスによる医薬品の需要が一気に高まっただけでなく、医薬品に対する社会的な認識が変わったのも事実です。

また医薬品業界には、病院・開業医・調剤薬局・ドラッグストアなどのジャンルがありますが、そのいずれも成長を遂げています。いずれのジャンルでも医薬品の需要が高まっており、同時に製薬会社の売上も拡大しているのが特徴です。

医療用医薬品製造が市場シェアのほとんどを占める

製薬会社・医薬品製造業界では、医療用医薬品製造が市場シェアのほとんどを占めることが特徴です。医療用医薬品の業界市場シェアは約90%を占めており、残りの10%は一般用医薬品などの分類となります。

医療用医薬品における製薬会社・医薬品製造会社のビジネスモデルは、「新たに開発した医薬品(新薬)を特許権で保護し、医薬品の製造・販売を独占的に行う」というものです。特許権において保護された医薬品を販売することで、一定期間は自社利益を急増させることができます。

医療用医薬品における新薬は、新薬開発のための研究・開発に莫大なコストと労力を強いられるため、中小企業の参入はほぼ不可能です。そのため、資金力と人材に長けた大手製薬会社がほとんどの市場シェアを占めています。

ジェネリック医薬品製造の市場拡大

医療用医薬品は「新薬(先発医薬品)」と「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」に分かれることも特徴です。これまでは新薬が市場の多くを占めていましたが、医療費抑制の取り組みの一環から、政府がジェネリック医薬品の推進を促しています。

ジェネリック医薬品の特徴は、新薬に比べて研究開発費が少なく、安価に供給されるのが特徴です。製薬会社も既に存在する新薬の処方情報を参考に開発行為を行うことが出来るため、新薬に比べればローコストでの処方開発を行うことができます

これまでの製薬・医薬品製造業界は、大手製薬会社が10年以上の期間と数百億円にも及び開発費用をかけ新薬を開発してきました。しかしジェネリック医薬品が注目を浴びていることもあり、今後は新薬開発から手を引く製薬会社も生まれてくる見通しです。

製薬会社・医薬品製造会社が抱える課題

製薬会社・医薬品製造会社が抱える課題について解説していきます。

慢性的な人手不足

医薬品卸会社を含む医薬品業界で大きな課題となっているのが、慢性的な人手不足です。少子高齢化問題により、若い働き手は年々減少しているだけでなく、大都市集中型人口による地方部の人手不足も課題となっています。

特に医薬品業界では、薬剤師の不足が最も大きな課題です。薬剤師の数自体は1970年代頃から一貫して増加しているものの、一方で企業側が求める需要がそれを上回る勢いで増加しており、薬剤師が不足している状態にあります。以下は、「厚生労働省」による医師・薬剤師の有効求人倍率の測定結果です。

出典:厚生労働省「一般職業紹介」より作成
有効求人倍率
2016年 5.92
2017年 5.25
2018年 4.4
2019年 3.49
2020年 2.01

薬剤師の数自体が増加していることもあり、有効求人倍率も年々減少傾向にある状態です。しかし依然として有効求人倍率は高い状態にあり、薬剤師における求人は「売り手市場」であると言えます。

差別化が困難

製薬会社・医薬品製造会社にとって宿命とも言える課題が、商品(医薬品)における差別化が困難であるという点です。医薬品そのもので差別化を図ることが難しいため、大手占有の市場形態とならざるを得ません。

医薬品においては、基本的に得意な成分を含有することは不可能です。そのため、新薬開発を手掛けていない製薬会社・医薬品製造会社は、基本的に既存処方に基づいて承認を取得することになります。つまり医薬品において独自性のある処方を開発することは、現実的に不可能なのです。

商品の差別化が不可能であるため、各社製薬会社・医薬品製造会社は、製造設備や包装仕様に得意性を持たせることで差別化を図っています。今後は益々、製薬業界の市場競争は激化していくことが予想されるため、各社差別化戦略の確立が急がれる状態です。

大手メーカーによる独占市場

現在の製薬業界は、大手製薬会社・医薬品製造会社の占有市場となっています。製薬業界では、医療用医薬品を手掛ける以下の5社が市場シェアの約20%を占めると言われるほどです。

  • 武田薬品工業
  • 大塚HD
  • アステラス製薬
  • 第一三共
  • エーザイ

上記の通り、上位5社すべてが新薬開発企業であり、資金力と人材に長けているのが特徴です。莫大な資金を新薬開発に投じることで、新薬の特許を獲得し、中長期的な利益確保を成し得ています。

一方の新薬開発を行わない製薬企業、または中小規模の製薬会社・医薬品製造会社は、業界での生き残りをかけ、設備改造やOEM事業に注力している現状です。今後しばらくは、新薬開発を手掛ける大手製薬会社の独占市場が継続すると見込まれています。

製薬会社・医薬品製造会社におけるM&Aの動向

製薬会社・医薬品製造会社におけるM&Aの動向を解説していきます。

大手企業による中小規模事業者の買収

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aで最も多いのが、大手製薬会社による中小規模製薬会社の買収です。大手製薬会社が中小規模事業者を買収することで、勢力の拡大を狙っています。

大手企業と中小企業のM&Aでは、大手製薬会社が中小規模の医薬品製造会社が持つ設備・研究員、薬剤師などの人材・商圏を獲得することが目的です。中小規模の製薬会社を買収すれば、一度のM&Aで複数のメリットを獲得することが出来るので、効率よく規模の拡大を図ることができます。

また近年では大手企業による中小企業の買収だけでなく、中小規模の製薬会社同士が合併するケースも多いです。勢力を拡大する大手製薬会社に対し、中小企業同士が合併することで競争力を高めることを狙いとしています。

海外企業とのM&A

製薬会社・医薬品製造会社における近年のM&Aの特徴として、海外企業とのM&A取引が挙げられます。これは日本の製薬会社・医薬品製造会社が海外進出に向けた動きを示している証拠です。

日本の薬価は年々減少傾向にあり、大手~中小までの製薬会社・医薬品製造会社は利益を出しにくくなっています。製薬会社が利益を出しにくい現状が続けば、今後は国内製薬業界は衰退していくことも考えれるでしょう。

特に大手製薬会社は、国内製薬市場の衰退に強い危機感を抱いており、既に海外進出に乗り出しています。2018年には日本の大手製薬会社である「武田薬品工業」がアイルランドの製薬会社である「シャイヤー」との取引を実施しましたが、今後はこういった海外企業とのM&Aが増加していく見通しです。

技術獲得のためのM&A

製薬会社・医薬品製造業界では、新技術獲得のためのM&Aも盛んです。新薬開発事業を手掛ける大手製薬会社だけでなく、ジェネリック医薬品・一般用医薬品の製造を手掛ける製薬会社も技術獲得のためのM&Aを積極的に行っています

製薬会社・医薬品製造業界の新技術として注目されているのが、AIやIoT技術を用いた開発技術です。新薬の開発はもちろんのこと、ジェネリック医薬品の開発においてもAIやIoT技術を用いることで、開発行為におけるコスト削減と時間短縮を可能としています。

また製薬会社における医薬品の製造においても、DX化が進んでいるのも特徴です。製造工場におけるDX化が進むことで、これまでの医薬品製造における効率が向上し、医薬品の価格にも良い影響を与える可能性が示唆されています。

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける成功事例

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける成功事例を解説していきます。

武田薬品工業とAdaptate BiotherapeuticsによるM&A

2022年1月に、武田薬品工業がAdaptate Biotherapeuticsを買収するオプション権を行使したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「武田薬品工業」は、国内トップシェアの規模を誇る医療用医薬品の大手製薬企業です。一方の譲り受け企業である「Adaptate Biotherapeutics」は、英国に本拠を置き、可変デルタ1(Vδ1)ガンマデルタ(γδ)T細胞を修飾し抗体ベースの治療薬の開発を進めている企業になります。

本件M&Aは、日本の大手製薬会社と海外の医薬品開発企業による取引事例です。本取引により、譲り受け企業である武田薬品工業は、革新的なγδT細胞ベースの治療薬の開発をさらに加速させることを目的としています。

武田薬品、Adaptate Biotherapeutics社を買収し、固形がんを標的とする新規ガンマデルタ(γδ)T細胞エンゲージャー療法の開発を推進

エーザイとArteryexによるM&A

2022年4月に、エーザイがArteryexの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式買取ならびに第三者割当増資の引き受けによって過半数の株式取得をもって実行されました。

譲り受け企業である「エーザイ」は、医薬品の研究開発、製造、販売および輸出入を行っている国内大手の製薬会社です。一方の譲渡企業である「Arteryex」は、医療・ヘルスケア領域におけるシステム・アプリケーションソフトウェアの企画・開発を行っている会社になります。

本取引は、国内大手製薬会社とシステム・アプリケーション関連企業による取引事例です。本取引により譲り受け企業であるエーザイは、Arteryexが持つ開発能力ならびに優良なPHR(Personal Health Record)プロダクトを獲得することで、デジタルソリューションビジネスの基盤強化と迅速な拡大を目指しています。

エーザイ株式会社の子会社化に関するお知らせ

アルフレッサホールディングスとサンノーバによるM&A

2016年4月に、アルフレッサホールディングスがエーザイの連結子会社であるサンノーバの吸収分割承継会社の所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は吸収分割のスキームが用いられましたが、取引金額は公開されていません。

譲り受け企業である「アルフレッサホールディングス」は、医薬品卸で国内第2位の売上高を誇り、医療用医薬品等卸売事業・セルフメディケーション卸売事業・医薬品等製造事業・医療関連事業などを展開する企業です。一方の譲渡企業である「サンノーバ」は、高度な生産体制および品質管理体制のもと、エーザイグループ各社の医薬品の製造受託などを行っている企業になります。

本件M&Aは、大手医薬品卸会社と大手医薬品会社を親会社に持つ医薬品メーカーによるM&Aです。アルフレッサグループは、医薬品製造販売事業を承継し、子会社の医薬品、診断薬、医療機器、医薬品原材料等の製造・輸出入・販売を行う「アルフレッサ ファーマ」の生産力と合わせて製造受託事業の生産能力を拡充し、医薬品等製造事業の基盤を一層強化していく方針を掲げています。

医薬品製造・販売連結子会社 サンノーバの事業承継に関するお知らせ

ロート製薬とカフェ・カンパニーによるM&A

2021年8月に、ロート製薬がカフェ・カンパニーとの間に資本業務提携の契約を締結したM&Aの事例です。また同時にロート製薬は、カフェ・カンパニーの株式を取得し、持分法適用会社としています。

譲り受け企業である「ロート製薬」は、一般用医薬品(OTC医薬品)・化粧品・機能性食品などの製造販売事業を展開している大手製薬会社です。一方の譲渡企業である「カフェ・カンパニー」は、飲食店舗の企画運営事業、地域コミュニティ事業、海外店舗企画運営事業を行っている会社になります。

本件M&Aは、大手一般用用医薬品製造販売会社と企画運営会社による取引事例です。本取引により、両企業は双方の持つノウハウを共有し、両社にとっての事業成長とシナジー効果の創出を目的としています。

カフェ・カンパニー株式会社との資本業務提携を締結

武田薬品工業とシャイアーによるM&A

2018年5月に、武田薬品工業がシャイアーの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は7兆円に及ぶとされています。

譲り受け企業である「武田薬品工業」は、国内トップシェアの規模を誇る医療用医薬品の大手製薬企業です。一方の譲渡企業である「シャイアー」は、アイルランドに本拠を置く、医療用医薬品の製薬会社になります。

本件M&Aは、国内最大手の医療用医薬品製造会社と海外医療用医薬品製造会社による取引事例です。本取引により、ガン領域やワクチンにおける、それぞれの会社の強みの補完と各社の販路を活用した新興国への事業拡大を目指しています。

武田薬品によるシャイアー社買収の申出について

科研製薬とARTham TherapeuticsによるM&A

2021年12月に、科研製薬がARTham Therapeuticsの保有する株式および新株予約権を取得し、同社を連結子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は5,500百万円となっています。

譲り受け企業である「科研製薬」は、医薬品、医療機器、農業薬品、飼料添加物、動物用医薬品の製造販売および不動産の賃貸事業を展開している企業です。一方の譲渡企業である「ARTham Therapeutics」は、医薬品の研究開発を行っている国内バイオベンチャー企業になります。

本件M&Aは、製薬会社とバイオベンチャー企業による取引事例です。本取引により譲り受け企業である科研製薬は、保有する既存化合物に適用するなどのシナジー効果を実現するとともに、研究開発能力のさらなる向上などを図っています。

ARTham社買収に関するお知らせ

メディパルホールディングスとJCRファーマによるM&A

2017年9月に、メディパルホールディングスとJCRファーマが、業務資本提携契約を締結したM&Aの事例です。本取引の発行済株式総数割合は22.46%となり、JCRファーマはメディパルホールディングスの持分法適用会社となります。

譲り受け企業である「メディパルホールディングス」は、子会社27社と関連会社18社で構成され、医薬品・化粧品・日用品・動物用医薬品などの販売やサービスを提供する業界最大手の医薬品卸会社です。一方の譲渡企業である「JCRファーマ」は、バイオ医薬品の研究から製造まで一貫対応できる製薬企業になります。

本件M&Aは、業界最大の医薬品卸会社と製薬メーカーによる取引事例です。本取引により、メディパルホールディングスは、製薬メーカーとしての機能を獲得。一方のJCRファーマもメディパルホールディングスの持つ物流機能と販売力の獲得に成功しています。

2027メディパル中期ビジョン

ロート製薬と天藤製薬によるM&A

2021年8月に、ロート製薬が天藤製薬の所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、議決権所有割合は67.1%となっています。

譲り受け企業である「ロート製薬」は、一般用医薬品(OTC医薬品)・化粧品・機能性食品などの製造販売事業を展開している大手製薬会社です。一方の譲渡企業である「天藤製薬」は、「ボラギノールⓇ」のメインブランドとした医薬品の製造販売を行っている会社になります。

本件M&Aは、ともにOTC医薬品業界に身を置く製薬会社同士の取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるロート製薬は、海外ネットワークを通じて、天藤製薬の販売網やマーケティングノウハウを活用し、大きく成長させることで、さらなる事業拡大を図っています。

ロート製薬による天藤製薬の株式の取得(子会社化)について

アルフレッサホールディングスとしんようフォレストホールディングスによるM&A

2022年3月に、アルフレッサホールディングスがしんようフォレストホールディングスの子会社である「宮崎温仙堂商店」の全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引の譲渡金額は公開されていません。

譲り受け企業である「アルフレッサホールディングス」は、医薬品卸で国内第2位の売上高を誇り、医療用医薬品等卸売事業・セルフメディケーション卸売事業・医薬品等製造事業・医療関連事業などを展開する企業です。一方の譲渡企業である「しんようフォレストホールディングス」は、長崎県・佐賀県・熊本県天草地方で医療用医薬品・検査用試薬・機器などの卸売事業を行っている企業になります。

本件M&Aは、ともに医薬品卸会社同士による取引事例です。譲り受け企業であるアルフレッサホールディングスは、同じ医薬品卸会社を買収することで、更なる事業基盤強化と地域特性に合わせた営業戦略の展開を目指しています。

資本業務提携に関する協議開始のお知らせ

大正製薬とUPSA SASによるM&A

2019年7月に、大正製薬ホールディングスの子会社である大正製薬が、フランスのUPSA SASの保有する株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は約1,674億円となっています。

譲り受け企業である「大正製薬」は、セルフメディケーション事業を中心に100年以上の歴史を持つ大手製薬会社です。一方の譲渡企業である「UPSA SASA」は、欧州諸国においてOTC医薬品及び医療用医薬品の開発及び製造販売を行う老舗企業になります。

本件M&Aは、日本の大手製薬会社と海外の老舗製薬会社による取引事例です。本取引により譲り受け企業である大正製薬は、フランスを中心に欧州諸国における強固な事業基盤を構築することを目的としています。

フランスの医薬品製造販売会社 UPSA 社の子会社化及び関連事業資産の取得に関する
手続き完了のお知らせ

製薬会社・医薬品製造会社でM&Aを行うことのメリット

製薬会社・医薬品製造会社がM&Aをするメリットを売却・買収側の双方から解説します。製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける売却・買収のメリットは、以下の通りです。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 市場競争力の獲得
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有
  • 事業許可の引継ぎ

製薬会社・医薬品製造会社でM&Aの売却を行うことのメリット

製薬会社・医薬品製造会でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 市場競争力の獲得

それぞれ詳しく解説していきます。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。製薬会社・医薬品製造会に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模の製薬会社・医薬品製造の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

事業の選択と集中

景気悪化を辿る日本では、会社存続のために複数の事業を多角展開する企業も珍しくありません。しかし事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因とさえなり得ます。

M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」を用いることで、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。実際に事業譲渡により、特定の事業のみを他者委に売却する企業は多くあります。

M&Aの事業譲渡によって事業を売却することで、事業の選択と集中が出来れば、経営状態を好転させられるかもしれません。得意分野に資金や人員を集中できるため、成功率も高まるはずです。

市場競争力の獲得

製薬会社・医薬品製造業界は市場規模が拡大傾向にある一方で、市場競争率は年々上昇しています。製薬会社・医薬品製造業界の市場競争が激化している理由は、主に以下の通りです。

  • 医薬品の需要の高まり
  • 行政による規制の強化
  • 新薬開発コストの高騰
  • 海外製薬会社の新規参入
  • M&Aによる製薬会社の規模の拡大

上記のような理由により、製薬会社・医薬品製造業界の市場競争は年々厳しくなっている状況です。M&Aによる売却により、有力企業の傘下に入れば、資金力・人材・ノウハウなど、あらゆる面で市場競争力を高めることが出来るでしょう。

製薬会社・医薬品製造会社でM&Aの買収を行うことのメリット

製薬会社・医薬品製造会社でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有
  • 事業許可の引継ぎ

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる大きなメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は規模やシェアの拡大を狙うことができます。

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ営業所や人材のような有形資産に加え、顧客・取引先情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特に製薬会社・医薬品製造会社の運営においては、「取引先」「顧客情報」などの無形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

また製薬会社・医薬品製造業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに製薬会社・医薬品製造業界への早期参入が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや取引先をそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

人材とノウハウの共有

製薬会社・医薬品製造会社において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「ノウハウ」と「研究員・薬剤師をはじめとした人材」です。これら2つが揃っている製薬会社・医薬品製造会社は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&Aによって製薬会社・医薬品製造会社の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

また製薬会社・医薬品製造会社の買収に関しては、買収先が持つ人材や製造所の規模などによって、取引額に大きな差が生じます。価値のある資源を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

事業許可の引継ぎ

M&Aにて製薬会社・医薬品製造会社を買収し、自社事業として製薬業を営む場合には、必要な業許可を取得することが必須です。無許可での製薬事業の運営は法律で禁止されています。

株式譲渡で製薬会社・医薬品製造会社をM&Aにて買収すれば、「医薬品製造業」や「医薬品製造販売業」を引き継ぐことが可能です。一から許可取得までのプロセスを踏む必要がないため、非常に効率的と言えます。

また業許可だけでなく、買収先企業の人材を引き継ぐことが可能です。新薬開発における研究員・品質管理者など、製薬事業にとって欠かせない人材をそのまま確保できる可能性もあります。

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける注意点

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおける注意点を解説します。製薬会社・医薬品製造会社のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的に製薬会社・医薬品製造会社を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aを成功させるためのポイント

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。製薬会社・医薬品製造会社のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • PMI(統合後プロセス)の確立
  • 相場価格への理解

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

製薬会社・医薬品製造会社のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

製薬会社・医薬品製造会社におけるM&Aのまとめ

今回は製薬会社・医薬品製造会社におけるM&Aについて、製薬会社・医薬品製造業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

製薬会社・医薬品製造業界は、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功している製薬会社・医薬品製造会社も数多く存在することから、製薬会社・医薬品製造会社にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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