「M&Aの仲介手数料の相場っていくらなの?」
「M&Aの仲介手数料と成功報酬について詳しく知りたい」
この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。
実際に「M&A 仲介手数料」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難しい記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。
そこで、今回はM&Aの専門企業である「M&A HACK」が、M&Aの仲介手数料と成功報酬について分かりやすく簡潔に解説します。
M&Aにおける仲介手数料と成功報酬の相場についても詳しく解説するので、M&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
M&Aの仲介手数料とは
M&Aにおける仲介手数料とは、M&Aの仲介会社やアドバイザーが取引を成立させるために提供するサービスに対して支払われる報酬のことです。これは、売り手と買い手の間に入って交渉や条件調整、契約締結の支援を行う仲介業者が受け取るものになります。
また仲介手数料の支払い者は、両手取引(双方代理)か片手取引(単独代理)かによって、支払者や手数料の構造が異なることも特徴です。一般的に、日本のM&A仲介市場では両手取引が主流ですが、大手投資銀行や外資系アドバイザリーでは片手取引(FA型)が多くなっています。
両手取引と片手取引という単語は元々不動産業界で使われる用語でしたが、その形態がM&A取引にもマッチしていることから、M&A市場においても双方の単語が用いられるようになりました。
M&Aにおける両手取引
両手取引(双方代理)とは、M&A仲介会社が売り手と買い手の双方をサポートし、両者から手数料を受け取る取引形態です。日本のM&A市場では、最も多く用いられる取引手法になります。
両手取引は、一つの仲介会社が両者の間に立ち、交渉や条件調整を行うものです。売り手と買い手の利害調整をしながら、スムーズにM&Aを進める役割を担います。仲介会社は、売り手と買い手の両方から成功報酬(レーマン方式など)を受け取るのが一般的です。
特に日本では、中小企業向けのM&A仲介会社が両手取引を多く採用しています。これは、仲介会社の目的が「M&Aの成立」にあるため、両社間の関係を取り持つことでM&Aの成約率を高めることが狙いでもあります。
M&Aにおける片手取引
片手取引(単独代理)とは、M&Aにおいて仲介会社やアドバイザーが売り手または買い手のどちらか一方のみをサポートし、その側からのみ手数料を受け取る取引形態です。
売り手(または買い手)が依頼したアドバイザーが、そのクライアントの利益を最優先に考えて交渉を進めていきます。一般的に、このアドバイザーを「FA(フィナンシャル・アドバイザー)」と呼ぶことが多いです。
FAはクライアントの利益を最大化することに専念でき、両手取引のように「仲介会社の都合で相手を選ぶ」というリスクがありません。売り手FAなら「できるだけ高く売れる買い手」、買い手FAなら「本当に価値のある企業」を見つけることに集中できることがメリットです。
M&Aの仲介手数料の内訳
M&Aの仲介手数料には様々な種類が存在するため、手数料に発生する相場を一概に判断することは不可能です。下記は、M&Aの仲介手数料の種類とその凡その相場です。
手数料名 | 内容 | 相場 |
相談料 | 正式依頼前に発生する相談料 | 0~1万円 |
着手金 | 本格的な依頼をするための手数料 | 50万~200万円 |
中間金 | 基本合意契約締結時に発生する手数料 | 50万~200万円 |
成功報酬 | M&A成立時の最終契約締結時に発生する手数料 | 売却費用によって異なる |
リテイナーフィー (月額報酬) |
毎月支払う月額定額手数料 | 30万~200万円/月 |
デューデリジェンス費用 | 企業調査費用 | 0~200万円 |
業務実行費 | 出張費や弁護士相談費用など、業務実行に付加して生じる費用 | 実費 |
上記のように手数料には様々な種類があり、どの費用が発生するかは仲介会社によって異なります。そのため、M&Aの仲介を依頼する際には、あらかじめ仲介会社から発生する手数料の細かな内訳をヒアリングしておくようにしましょう。
M&Aの仲介手数料の内訳ごとの相場
M&Aの仲介手数料ごとの相場に関して、さらに深堀して解説していきます。
相談料の相場
相談料とは、M&A仲介を正式に依頼する以前の事前相談に発生する手数料になります。多くの仲介会社では、事前相談料は発生しないことがほとんどです。
また相談料が発生したとしても、高額であることは、ほとんどありません。そのため、相談料の相場は、おおよそ0円~1万円程度となっています。
着手金の相場
着手金とは、M&A仲介会社に業務を正式依頼する際に発生する手数料のことです。基本的に着手金を一旦支払ってしまうと返金されないため、契約金という位置づけでもあります。
着手金の相場は、一般的に50万円~200万円ほどです。ただし、大企業や大型案件の取り扱いとなる場合には、着手金が1,000万円以上に及ぶケースもあります。
M&A仲介では、成約時に成功報酬(レーマン方式が一般的)が発生しますが、着手金はこれとは別に発生する費用です。無料相談だけで案件を進めると、真剣度の低い相談が増えるため、着手金を設定して本気のクライアントのみを受け付けるケースが多いです。
中間金の相場
中間金とは、M&Aの仲介会社が基本合意(LOI:Letter of Intent)の締結時など、M&Aプロセスの中間段階で発生する費用のことです。M&Aが成約に至る前の重要なステップを経たことに対する報酬であり、着手金と成功報酬の間に支払われる費用として設定されます。
中間金の一般的な相場は、50万円~200万円ほどです。ただし、会社の規模やM&A仲介会社の料金体系によっては、500万円を超えてくることもあります。
通常、基本合意の締結時に発生する費用です。基本合意の締結により、M&Aの実現可能性が高まるため、このタイミングで報酬を発生させる仲介会社がほとんどになります。
成功報酬の相場
成功報酬とは、M&A仲介会社がM&Aの成約時に受け取る報酬のことです。M&Aが無事にクロージング(最終契約締結・譲渡実行)に至った際に発生し、それまでに発生した着手金や中間金がある場合は、それらを差し引いた残額を成功報酬として支払うことになります。
成功報酬の費用は、「レーマン方式」と呼ばれる計算方式で算出されることがほとんどです。そのため、M&Aの売却価格によって成功報酬の額は変動することになります。
また成功報酬は、着手金や中間金が発生している場合でも、最終的にM&Aが不成立なら成功報酬は発生しません。さらに一定の金額を超えると手数料率が段階的に低下するため、大型案件ほど効率的な報酬体系となるのも特徴です。
リテイナーフィーの相場
リテイナーフィー(Retainer Fee)とは、M&A仲介会社やアドバイザーがM&Aプロセスを支援する際に、定期的に支払われる報酬のことです。一般的には、毎月支払う「月額報酬」として設定されることが多く、M&Aの成立・不成立に関係なく発生します。
リテイナーフィーの相場は、仲介会社によって様々ですが、30万円~200万円の金額が設定されていることが多いです。通常、M&Aが成約するまでの6ヶ月〜12ヶ月間の契約となることが多く、その期間中、毎月リテイナーフィーを支払う形式になります。
また一般的に「成功報酬型」と言われる企業は、リテイナーフィーが設定されていません。リテイナーフィーがある仲介会社は、成功報酬型よりも中立的なアドバイスが期待できるが、M&Aが成立しなくても費用負担が発生します。
デューデリジェンスの相場
M&Aにおけるデューデリジェンス(Due Diligence、DD)とは、買収対象企業(売り手)の実態を詳細に調査・分析し、リスクを評価するプロセスのことです。買い手が適正な判断を下し、適正な条件でM&Aを進めるために不可欠なステップとなります。
デューデリジェンスの依頼費用は、着手金や成功報酬に含まれていることが多く、実際にデューデリジェンス費用のみを手数料として算出するケースは稀です。デューデリジェンス費用が発生するかは否かは、必ず依頼前に確認しておきましょう。
M&Aにとってデューデリジェンスは、統合後プロセスまで含めた取引成功に大きく関与する業務です。そのため、デューデリジェンスの精度が可能な限り高い仲介会社を選ぶことが、M&A成功のポイントとなります。
追加費用の相場
M&Aを仲介会社に依頼する場合には、さまざまな業務が発生します。そのため、M&A取引におけるプロセス以外の追加手数料が発生することも多いです。M&A依頼に発生しやすい追加費用には、以下のようなものがあります。
- 出張費:現場査察や取引相手との交渉など
- 弁護士費用:仲介会社以外の外部弁護士に相談する場合の費用
- ファイナンシャルアドバイザー(FA)費用:仲介会社以外にFAを付ける場合の費用
- 財務・会計アドバイザー費用:税理士や会計士に相談する際の費用
- その他:印紙税・登記費用・競業避止契約の締結に伴うコストなど
仲介手数料の計算方法「レーマン方式」について
仲介手数料の成功報酬を支払う際には、「レーマン方式」と言われる計算方法が用いられるケースが多いです。レーマン方式では、主に取引金額(ディール・バリュー)に応じた段階的な料率を適用する仕組みになっています。
M&A仲介を依頼するうえでは、レーマン方式についての理解を深めておくことが必須です。ここでは、レーマン方式の計算方法と具体的に関して解説していきます。
レーマン方式の計算方法
一般的なレーマン方式では、取引金額に対して以下のような累進課税方式の手数料率を適用します。
取引金額(円) | 手数料 |
5億円以下 | 5% |
5億円超~10億円 | 4% |
10億円超~50億円 | 3% |
50億円超~100億円 | 2% |
100億円超 | 1% |
レーマン方式では、取引金額が大きくなるほど手数料率は低下しますが、総額は増加するのが特徴です。ただし、M&A仲介会社によって料率や基準が異なる場合があります。取引金額の計算方法(企業価値 or 株式価値)には十分に注意しましょう。
レーマン方式の具体例
レーマン方式によって20億円の取引金額を計上する場合には、以下のような計算となります。
- 5億円 × 5% = 2,500万円
- (10億円-5億円)× 4% = 2,000万円
- (20億円-10億円)× 3% = 3,000万円
合計報酬 = 2,500万円 + 2,000万円 + 3,000万円 = 7,500万円
上記のようにレーマン方式では、取引金額に応じて計算方法も複雑になるのが特徴です。レーマン方式では、手数料の割合を確認して、実際に計算してみることが推奨されます。
M&A仲介会社を利用するメリット・デメリット
M&A仲介会社を利用することには、メリットとデメリットの両方が存在します。M&A仲介会社を利用するメリットとデメリットは、それぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
|
|
メリットとデメリットの両方を解説するので、ぜひ参考にしてください。
M&A仲介会社を利用するメリット
M&A仲介会社を利用するメリットは、以下の通りです。
- M&A契約を締結までサポートしてくれる
- 最小限のリスクでM&Aをできる
- ノウハウや情報が蓄積する
それぞれ詳しく解説していきます。
M&A契約を締結までサポートしてくれる
M&A仲介会社に支援を依頼する最大のメリットは、M&A契約を締結までサポートしてくれることです。M&Aに関する専門的な知見を持っていない企業であっても、M&A仲介会社を利用することでM&Aを実施することができます。
M&A取引は非常に複雑でプロセスも多岐に渡るため、M&Aのノウハウを持たない企業が、自社のみでM&A取引を締結させることはほぼ不可能です。たとえ実施できたとしても、契約締結後に大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。
M&A仲介会社に支援を依頼することで、M&Aの知見やノウハウを全く持たない企業がM&A取引を成立させることが可能です。もちろん締結後のアフターサポートも行ってくれます。
最小限のリスクでM&Aをできる
M&Aはプロセスが複雑であるだけでなく、経営的リスクも抱えることになる事業戦略です。しかしM&A仲介会社を利用することで、M&Aにおけるリスクを最小限に抑えることができます。
特にM&Aにおいてリスクを最小限に抑えるためには、適切なデューデリジェンスの実施が欠かせません。M&A仲介会社を利用することで、デューデリジェンスを実施し、リスク要因を的確に洗い出すことが可能です。
またM&Aコンサルタントは、交渉のプロフェッショナルとして経験豊富で、売り手や買い手との間で最適な条件を引き出すために働きます。感情的な判断を排除し、冷静かつ論理的に交渉を進めることができるため、取引におけるリスクを軽減することが可能です。
ノウハウや情報が蓄積する
M&A仲介会社を利用することで、自社におけるM&Aに関するノウハウや情報を蓄積させることが可能です。副次的なメリットではありますが、今後の事業成長においてM&Aのノウハウを蓄えておくことは、非常にプラスと言えるでしょう。
さらにM&A仲介会社の中には、M&A契約をサポートするだけでなく、アドバイザー業務を手掛ける企業も多いです。M&A契約の支援はもちろん、それ以外の戦略面においてもアドバイスを行ってくれます。
また業界における専門性が高いM&A仲介会社を選択することで、業界内における特殊情報などを手に入れられる可能性も高いです。M&A仲介会社からの情報を活用することで、より事業を優位に進めることが出来るでしょう。
M&Aコンサルティング会社を利用するデメリット
M&A仲介会社を利用するデメリットは、以下の通りです。
- 費用がかかる
- 融資の依頼ができない
- 必ずしもM&A取引が成立する訳ではない
それぞれ詳しく解説していきます。
費用がかかる
M&A仲介会社へ支援を依頼する場合には、当然ながら費用が発生します。M&A仲介会社への依頼料は、中規模取引の場合で、プロジェクトあたり1,000万円~2,000万円が相場です。
M&A取引は非常に複雑であるうえ、大きなリスクを抱える戦略です。そのため、それを請け負うM&A仲介会社にも多大な責任が発生します。M&A仲介会社の依頼料が高額になるのは、背負う責任が大きいことも理由のひとつです。
またM&A仲介会社の規模によっても依頼金額は様々です。大手企業だけでなく、中小規模のM&A仲介会社の利用も視野に入れることで、予算割りも大きく違ってくるでしょう。
融資の依頼ができない
M&A仲介会社へは、融資の依頼ができないので注意が必要です。証券会社や銀行のM&Aコンサルティングでは、直接融資を受けられる可能性もあるので、この部分は大きな違いと言えます。
M&A仲介会社は、基本的にM&Aに関する戦略的なアドバイス、ターゲット企業の選定・デューデリジェンス・交渉支援・統合後のサポートなどを提供するのが主な役割です。融資(資金調達)の依頼については、通常M&Aコンサルティング会社が直接対応することはありません。
ただしM&Aコンサルタントは、買収資金をどのように調達するか(自己資金、融資、株式発行など)のアドバイスを行うことは可能です。場合によっては、金融機関や投資家との接続をサポートすることもあります。
必ずしもM&A取引が成立する訳ではない
M&A仲介会社が関与したとしても、必ずしも取引が成立するわけではないことを理解しておきましょう。M&A取引には多くの不確定要素が絡んでおり、仲介会社が提供するサポートがあっても、最終的な取引成立に至らないケースは少なくありません。
M&A仲介会社が関与したにも関わらず、契約不成立に終わる理由は様々です。例えば、売り手と買い手の間で企業価値に対する認識に大きなズレがある場合、交渉が決裂することがあります。買い手が求める価格や条件と売り手が提示する価格が一致しない場合です。
また市場環境や経済的な条件が急激に変化すると、取引が成立しにくくなることがあります。例えば、金利の上昇や株式市場の変動、政治的な不安定さなどが影響を与え、買い手の資金調達が困難になる場合です。
M&A仲介会社の選び方
M&A仲介会社を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが大切です。M&A仲介会社の選び方のポイントは、以下の通りです。
- 実績で選ぶ
- 報酬体系で選ぶ
- 得意な領域で選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。
実績で選ぶ
M&A仲介会社を選ぶ際には、仲介会社が持つこれまでの実績を見ることが大切です。M&Aという複雑で重要なプロセスにおいて、仲介会社の経験や成功事例が企業にとって大きな信頼の基準となります。
M&A仲介会社の実績を見る際には、自社と類似した業界や規模の案件を実施した実績があるかどうかが重要です。成功事例が豊富であれば、その領域におけるコンサルタントの能力に信頼を置けます。
また実際にサービスを受けた企業からのフィードバックや、評判を調べることも重要です。顧客満足度の高い企業は、過去の成功事例に加えて、クライアントのニーズに応じた柔軟な対応力やコミュニケーション能力を有している可能性が高いと判断できます。
報酬体系で選ぶ
M&A仲介会社を選ぶ際には、仲介会社が設定している報酬体系に注目することが大切です。M&Aのプロセスは非常に複雑で時間がかかるため、報酬体系が透明で合理的であるかどうかを確認することが、コスト管理とプロジェクトの成功に直結します。M&A仲介会社の報酬体系は、以下の通りです。
- 成功報酬型
M&Aが成立した際に支払われる報酬。取引額の一定割合(通常は1〜5%)を成功報酬として支払う。大きなM&A案件においては、報酬額が大きくなるが、クライアントにとっては成功報酬型がリスクを最小化できる。 - 着手金型
M&Aの支援が開始された段階で支払う報酬で通常は定額。着手金型の報酬は、プロジェクトの実行にかかる初期コストをカバーするために設定される。もし案件が成立しない場合でもこの報酬は支払わなければならない。 - ハイブリッド型(基本報酬+成功報酬)
初期費用が基本報酬で、成功報酬が取引成立時に発生する。コンサルタントはプロジェクトに対して初期からコミットしつつ、成功した場合に追加報酬を得ることができる。 - 時間単価型
短期的なアドバイスや一部の業務支援においては、時間単価での報酬体系を採用していることもある。プロジェクト全体の規模感が不明確な時に適用されることが多い。
どの報酬体系が合っているのかは、M&Aの取引内容などによって異なります。報酬体系の全容をしっかり把握したうえで、自社に合った報酬体系を採用している仲介会社を選択しましょう。
得意な領域で選ぶ
M&A仲介会社を選ぶ際には、仲介会社の得意領域で選ぶようにしましょう。業界や取引規模、目的によって求められる専門性や知識が異なります。そのため、自社のニーズや状況に最適な領域で強みを持つ仲介会社を選ぶことで、より成功率を高めることができます。
M&Aは業界特有の知識が求められるため、特定の業界に特化した仲介会社を選ぶと、業界固有の課題や機会を理解した上で、より適切なアドバイスを受けることが可能です。分野に応じたM&Aのスキームやデューデリジェンスを選択してくれるでしょう。
また近年では、特定分野のM&A取引に特化した「業界特化型M&A仲介会社」も増えてきています。特定業界におけるM&A手法を熟知しているため、業界特化型のM&A仲介会社は、同業界内でのM&A取引に大きな強みを持ちます。
M&A仲介会社に相談できる内容
M&A仲介会社を利用した経験がない場合には、相談できる範囲についても不明瞭な場合が多いはずです。そこで、ここでは、M&A仲介会社に相談できる内容について解説していきます。
M&A仲介会社に相談できる内容は、以下の通りです。
- M&A戦略の立案
- 対象企業のリストアップと照会
- デューデリジェンスの実施と交渉サポート
- 統合後のプロセスサポート
それぞれの内容について解説していきます。
M&A戦略の立案
M&A仲介会社による戦略の立案・策定は、企業がM&Aを実施する際に成功を収めるための計画や方針を作成するプロセスです。M&Aを行う目的に基づいて、適切なターゲット企業の選定、買収方法、統合後のシナジー創出など、戦略的な側面が含まれます。
M&A戦略の立案は、M&A取引成功の有無を決定する重要なフェーズです。M&A戦略の立案においては、以下のようなポイントが重要視されます。
- M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
- 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
- いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
- 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
- M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)
上記のポイントを踏まえたうえで、自社に合ったM&A戦略を立案してくれることでしょう。より詳細な分析を行ったうえで戦略を立案することができれば、その後のM&A取引も順調に進めることができます。
対象企業のリストアップと照会
M&Aにおける対象企業のリストアップは、戦略的な目標を達成するための重要なステップです。このプロセスでは、買収または提携の目的に合致する企業を特定し、その後の評価・交渉を円滑に進めるための基盤を作ります。
M&A仲介会社は、依頼主企業が持つM&Aの目的を元に対象企業のリストアップを行うことが一般的です。例えば、「市場シェアの拡大」が目的であるならば、同じ業界で競合する企業や市場シェアの大きい企業をターゲットにします。
またM&A仲介会社による対象企業のリストアップでは、仲介会社が得意とする領域に応じてリストアップ内容が異なるのも特徴です。M&A仲介会社が、得意とする領域・ジャンル・業界であれば、より多くの対象企業をリストアップ出来るでしょう。
デューデリジェンスの実施と交渉サポート
戦略の立案と対象企業のリストアップが完了すれば、いよいよデューデリジェンス(対象企業に関する詳細な調査を行い、財務状況・法的事項・ビジネスリスク・税務状況・環境要因などを評価する工程)の実施と交渉に移ります。
M&A仲介会社によるデューデリジェンスでは、「財務・法務・税務・オペレーション・環境」など個々の項目にデューデリジェンスを行うことが一般的です。それぞれの項目に応じた詳細なデューデリジェンスを行うことで、契約進行の有無を決定します。
さらにデューデリジェンス後は、対象企業との交渉をサポートしてくれます。デューデリジェンスで得た情報を活用することで、契約対象企業とより円滑にM&A取引を進行させることが可能です。
統合後のプロセスサポート
M&Aは契約が締結されたからといって、終わりを迎えるわけではありません。契約後に臨んだ結果を得ることがM&Aの最終ゴールとも言えます。M&A契約後の仲介会社によるサポートでは、以下のようなことを行います。
- 統合計画の立案と実行: 組織構造、業務プロセス、ITシステム、ブランド、企業文化などの統合計画を立案し、実行する。
- 組織の再編成: 組織構造の変更や役員の再配置を行う。特に経営層や重要ポジションでの調整が求められることがある。
- 業務プロセスの統一: 販売戦略や製品開発、マーケティング活動などを統合し、重複や無駄を削減するためのプロセス改革を進める。
- ITシステムの統合: 会計システムや顧客管理システム、サプライチェーンの管理システムなどを統合し、効率化を図る。
第一フェーズで立案した目標や目的を実際に得ることができるかは、契約後のアフターケアにかかっています。契約後のアフターケアの仕方次第で明暗が分かれるといっても、過言ではありません。
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際の注意点
M&A仲介会社を選ぶ際には、いくつかのポイントに留意することが大切です。M&A仲介会社を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 信頼できるコンサルタントであるか
- 報酬体系が明確であるか
- 豊富なネットワークを持っているか
それぞれについて解説していきます。
信頼できるコンサルタントであるか
M&仲介会社を選ぶ際に、最も重要なことはコンサルタントの信頼性です。どんなに評判が高く、優れた実績のあるM&A仲介会社であっても、担当のコンサルタントに信頼を置けなくては意味がありません。
M&A取引は多くのリスクを抱える企業戦略のひとつです。特に、法的、財務的、税務的な問題が絡むため、リスク管理能力が欠かせません。信頼性の高いコンサルタントでなければ、会社の存亡にかかわる情報を渡すことは出来ないでしょう。
そこで、M&A仲介会社を選ぶ際には、まずコンサルタントの態度や言動が信頼に値するかを判断することが大切です。どんなに実績や評判の高いM&A仲介会社であっても、コンサルタントが信頼に値しない場合、契約締結を見送ることが推奨されます。
報酬体系が明確であるか
M&A仲介会社を選ぶ際には、報酬体系に目を向けることが大切です。M&Aのコンサルタント料は決して安価ではないため、報酬体系が明確でないM&A仲介会社を選ぶことは避けましょう。
M&Aのプロジェクトは多くの費用がかかるため、依頼企業はコストを正確に予測し、経済的に最適な選択をする必要があります。報酬体系が事前に明確であれば、依頼する企業側は料金に見合うサービスの価値を評価しやすくなり、意思決定がしやすくなります。
またM&A仲介会社との契約取引は、双方の信頼関係で成り立っていると言っても過言ではありません。そのため報酬体系を明確にしないM&A仲介会社は、信頼を築くに値しないと言えるでしょう。
豊富なネットワークを持っているか
M&A仲介会社にとって、ネットワークの広さは非常に重要な要素です。M&Aのプロセスは非常に複雑で多岐にわたるため、コンサルタントが成功裏に案件を進めるためには、幅広いネットワークを活用することが不可欠となります。
M&Aでは、買収先や売却先、投資家、パートナー企業などとの接点が極めて重要です。コンサルタントが広範なネットワークを持っていると、クライアントのニーズにマッチしたターゲット企業や買収候補者を迅速に見つけることができます。
またM&Aの成功には、単に企業同士を繋げるだけでなく、市場の動向や業界特有の情報を深く理解することが必要です。ネットワークを活用して他の業界の専門家や投資家、アナリストなどからインサイダー情報を得ることができれば、クライアントにとって有利な状況を作り出すことができます。
おすすめのM&A仲介会社
最後におすすめのM&A仲介会社を紹介していきます。これからM&A仲介会社の選定を行うのであれば、ぜひ参考にしてください。
M&A HACK

会社名 | 合同会社SFS |
設立 | 2022年12月 |
本社所在地 | 東京都台東区千足1-14-9 レアライズ浅草2 4F |
公式サイト | https://sfs-inc.jp/ma/ |
M&A HACKは、当社「合同会社SFS」が運営するM&Aコンサルティング会社です。2022年の設立から既に多くのお客様に依頼をいただいています。
当社は「スピード対応」「完全成功報酬制」「リスクなし」の3つをコンサルティングの軸としているのが特徴です。M&A取引をスムーズにすすめながらも、完全成功報酬制を採用することで、お客様の負担を最小限に抑えることをモットーとしています。
M&Aの複雑なプロセスも、当社であれば一気通貫して徹底サポートすることが可能です。もちろん相談は無料で行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。
無料相談のご予約:https://sfs-inc.jp/ma/contact
M&Aキャピタルパートナーズ

会社名 | M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
設立 | 2005年10月 |
本社所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目2番1号東京ミッドタウン八重洲八重洲セントラルタワー36階 |
公式サイト | https://www.ma-cp.com/ |
M&Aキャピタルパートナーズは、2005年の設立以来、譲渡株価総額2,565億円、じょうときぎょうの売上高4,462億円などの実績を誇るM&Aコンサルティング会社です。
「株価レーマン方式」を採用しており、取引価格に応じて手数料を設定しています。そのため、支払い手数料がリーズナブルであることが魅力です。余計なコストを抑えながら、コンサルティングを依頼することができます。
また同社には仕業を所有するコンサルティングが多数在籍しているのも特徴です。それぞれの分野に特化したコンサルタントが在籍しているので、幅広い分野の案件に対して柔軟に対応することができます。
日本M&Aセンター

会社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
設立 | 2021年4月 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 |
公式サイト | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
日本M&Aセンターは、東京都千代田区に本社を置く大手M&Aコンサルティング会社です。豊富な実績と優れたコンサルタントを抱えており、業界でも高い知名度を誇ります。
日本M&Aセンターの成約数は、8500件超となっており、3年連続でギネス記録「M&Aファイナンシャルアドバイザー業務の最多取り扱い企業数」に認定されているほどです。
豊富な実績からも分かる通り、取り扱うジャンルの幅が非常に広く、あらゆる業界・取引におけるノウハウを所有しています。またM&Aコンサルティング会社でありながら、金融機関とも連携しているため、M&Aにおける資金面でも確実なサポートをおこなってくれます。
レバレジーズM&Aアドバイザリー

会社名 | レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社 |
設立 | 2020年4月6日 |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 24F・25F |
公式サイト | https://leveragesma.jp/ |
レバレジーズM&Aアドバイザリーは、東京都に本拠を置く2020年創業のM&Aコンサルティング会社です。設立から間もないものの、既に多くの取引実績を誇っています。
レバレジーズM&Aアドバイザリーの強みは、約30,000件にも及ぶ独自顧客データベースを所有していることです。これにより、取引における相性最優先の最適なマッチングをかなえてくれます。
また母体である「レバレジーズ株式会社」は、人材業界大手の企業です。人材業で培われた取引ルートをフル活用することで、どんなジャンルのM&A取引にも柔軟に対応してくれます。
インターリンク

会社名 | インターリンク株式会社 |
設立 | 2010年8月20日 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋兜町5番1号 |
公式サイト | https://www.interlink-ma.co.jp/ |
インターリンクは、2010年に設立されたM&Aコンサルティング会社です。主に提携型M&A仲介の専門会社として豊富な実績を持っており、個々の企業に合わせた独自の提案をおこなうこで、潜在的なニーズの顕在化を支援してくれます。
インターリンクは、「仲介型」のM&Aコンサルティング会社であるため、仲介者として双方の企業との信頼関係を築くことを重視しているのが特徴です。M&A取引において当事者間の認識に齟齬が発生しないよう、確実に取引を進行させてくれます。
一つのジャンルや業界に特化していない反面、あくまで独立・中立役であることに重きを置いているのがインターリンクの特徴です。そのため、純粋に案件を成立させるためにのみ、注力してくれます。
まとめ
今回はM&Aの仲介手数料について詳しく解説しました。M&Aは経営戦略として非常に有効な手段であり、実際にM&Aを実施することによって、大きく事業を発展させたり、経営を立ち直らせた企業は多く存在します。
そしてM&Aの成功には、M&A仲介会社の存在が欠かせません。M&A仲介会社を活用することで、M&Aに知見や経験がない企業も自社にメリットのあるM&A取引を結ぶことができます。
当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。
無料相談のご予約:
https://sfs-inc.jp/ma/contact