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医療機器卸・商社のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「医療機器卸・商社のM&Aにおける動向は?」
「医療機器卸・商社のM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「医療機器卸・商社 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、医療機器卸・商社のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

医療機器卸・商社におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、医療機器卸・商社のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

医療機器卸・商社とは

医療機器卸・商社とは、レントゲン装置・MRI・歯科医療機器などの「医療機器」の卸売販売を手掛ける企業のことです。医療機器卸・商社は、別名「医療機器ディーラー」と表現されることもあります。

医療機器は、現代の私たちが活きていくためには、欠かせない製品です。医療機器が無ければ十分な治療を受けることができず、私たちの生命活動にも悪影響を及ぼします。そのため医療機器を取り扱う医療機器卸・商社は、社会にとって非常に重要な役割を果たす存在です。

また医療機器は人の生命に関わる製品であるため、医療機器を取り扱うためには「医療機器製造販売業許可(第1種~第3種)」、高度管理医療機器および特定保守管理医療機器を販売するためには「高度管理医療機器などの販売業および賃貸業の許可」、管理医療機器を販売するためには「都道府県知事への届け出」が必要です。

医療機器卸・商社の事業内容

医療機器卸・商社の事業内容を解説していきます。

営業代行

医療機器卸・商社の主たる事業のひとつは、営業代行業です。医療機器卸・商社は、医療機器メーカーから仕入れた商品を病院や医療機関に対して売込みをかけ、医療機器を販売する役割を担います。

医療機器を製造する医療機器メーカーのなかには、開発力や技術力に優れているものの、営業力に課題があったり、営業活動に十分なリソースを割けない企業も少なくありません。自社に代わって営業活動を行ってくれる医療機器卸・商社は、非常に重要な存在でもあります。

特に中小規模の医療機器メーカーにとって、医療機器卸・商社は自社の業績にとって大きく貢献してくれる存在です。医療機器卸・商社の営業力如何で、自社医療機器の売上実績が大きく変動するため、多くの中小規模医療機器メーカーは医療機器卸・商社と深い関係を築いています。

医療機器の在庫調整・管理

医療機器卸・商社は、医療機器メーカーから製品を仕入れ、病院や医療機関に販売するだけでなく、医療機器の在庫調整も行います。医療機器の在庫調整とは、医療機器卸・商社が医療機関と医療機器メーカーの間に立ち、緊急時を含む医療機器の配送・点検・在庫管理をすることです。

医療機器卸・商社が在庫調整を行う最も大きな理由は、医療現場で取り扱われる医療機器の種類が非常に多く、かつ取り扱いには非常に高い専門性が求められるためです。病院や医療機関が多種多様な医療機器を自ら管理することは容易ではないため、医療機器卸・商社に在庫調整・管理を一任しています。

また医療機器卸・商社のなかには、医療機器の保管業を手掛ける企業も多いです。医療機器の在庫調整・管理を行うことは、医療機器メーカーの倉庫キャパにとっても大きなメリットをもたらすことになります。

情報の中継

医療機器卸・商社は、医療機器の販売や在庫管理をすることだけが役割ではありません。医療機器卸・商社は病院や医療機関と直接やり取りができる存在であるため、医療機器メーカーと病院・医療機関との情報の中継という役割も担います。

医療機器卸・商社の「情報の中継」とは、具体的に表現すると、「医師をはじめとする医療従事者に医療機器に関する情報を提供する」・「現場の要望や意見を医療機器メーカーに伝える」ことです。

医療機器卸・商社が情報の中継を担うことは、医療機器メーカーと病院・医療機関の双方にメリットをもらします。医療機器メーカーにとっては、病院・医療機関が求めている機器の情報を。病院や医療機関は、最新の医療機器の情報を得ることで、自社の医療サービスの質を向上させることに繋がります。

医療機器卸・商社に必要な業許可・資格・人材

医療機器卸・商社に必要な業許可・資格・人材について解説していきます。

医療機器卸・商社に必要な業許可

医療機器卸・商社の事業運営には、いくつかの事業許可を取得することが必須です。医療機器卸・商社に関与する業許可には、以下のものが挙げられます。

  • 医療機器製造販売業許可(第1種~第3種):医療機器を販売するための事業許可
  • 高度管理医療機器などの販売業および賃貸業の許可:高度管理医療機器および特定保守管理医療機器を販売するための事業許可
  • 都道府県知事への届け出:管理医療機器を販売するための事業許可

上記の通り、取り扱う医療機器の種類によって取得すべき事業許可は異なります。また医療機器の製造販売するためには、「医療機器製造販売業」の取得が必須です。

医療機器卸・商社に必要な資格

医療機器卸・商社の事業を運営するためには、一定のスキルを保有する人材を確保することが必須です。医療機器卸・商社の人材が保有しておくべき資格には、以下のようなものがあります。

  • MDIC認定制度
    患者の安全確保と医療の質の向上を目的として創設された資格。MDICに認定されることで、医療機器を適正に使用するために必要な知識・スキルを身につけている人材であることを証明する。主に、医師や看護師などの医療スタッフに医療機器に関する技術的な情報を提供する役割を担う。
  • 臨床工学技士
    医療機関で働く医療機器のスペシャリストであることを証明する国家資格。臨床工学技士免許を取得するには、大学・短期大学・専門学校などで指定の科目を修了し、国家試験に合格しなくてはならない。臨床工学技士は人工呼吸装置や人工心肺など、生命維持管理装置の操作や点検に携わる職種。有資格者は医療機関で働くことが多いものの、医療機器に関する高度な知識を有するため、医療機器営業に転職する際にも高く評価される。
  • CDR認定
    CDR認定制度とは、心臓ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)などの機器を安全に使用するために必要なスキルを有することを証明する資格。認定を受けるには、指定講習を受講したうえでIBHRE検定試験に合格する必要がある。

上記の通り、医療機器卸・商社で働く人材は、医療機器に関連する専門的な資格を有していくことが推奨されます。但しいずれの資格も難易度は高めなので、医療機器卸・商社が自社の営業員に資格取得までのサポートを施す場合も多いです。

医療機器卸・商社に必要な人材

医療機器卸・商社の運営においては、複数の職種が組み合わさることで事業運営が可能となります。医療機器卸・商社の運営において必要とされる職種は、主に以下の通りです。

職種 業務内容
営業 病院や医療機関に営業活動を行う。また医療機器メーカーと病院・医療機関との中継役であるため、医療機器卸・商社の事業においては非常に重要な職種。
倉庫作業員 倉庫内における貨物の運搬やピッキング作業などを行うための職種。作業員だけでなく、倉庫管理者などのマネジメント人員も必要となる。
事務職 事務作業全般を担う。受付・会計・事務連絡などの業務を担当する

医療機器卸・商社の事業運営には、上記のような人材を確保することが必須です。医療機器メーカーに比べると必要な職種は少ないため、比較的少ない人件費での運用が可能となります。

医療機器卸・商社の市場動向

医療機器卸・商社の市場動向について解説していきます。

市場は拡大傾向

日本は典型的な少子高齢の人口構造であるため、必然的に医療費も増大しやすいのが特徴です。実際に近年の日本においては、国民医療費が毎年およそ1兆円ていどにまで増加しています。

2014年の時点では、日本の医療費は40兆円にまで増加している状況です。これは65歳以上における人口(老年人口)の割合増加が主な要因であるとされています。今後も老年人口は増えることが予想されているため、医療費も比例して増加していくことでしょう。

医療費の増大により、医療機器卸・商社業者の市場規模は益々増加していくはずです。医療機器メーカーも増大する医療需要に応えるため、研究・開発に力を入れており、今後はさらに医療機器卸・商社との繋がりを強化させていくことでしょう。

地域密着型のビジネスモデル

医療機器卸・商社業界は以前から地域密着型のビジネスモデルであり、これは現在においても同様です。地域密着型のビジネスモデルが強く根付いていることもあり、新規参入は比較的難しい業界でもあります。

医療機器卸・商社に地域密着型が多い理由は、医療機器卸・商社のビジネスモデルの性質上、地域単位で病院・医療機関と密接に連携しなくてはならないためです。医療機器の販売・保管・搬入など、様々なやり取りを病院・医療機関と密に行う必要があるため、必然的に地域密着型のビジネスモデルが完成しています。

地域密着型のビジネスモデルは、M&Aの活性化を促す要因のひとつです。例えば、とある企業が事業エリアを拡大させたいと考える場合には、該当の地域に強い医療機器卸・商社を買収することで、事業エリアの拡大を成し遂げることができます。

中小規模事業者が多数

医療機器卸・商社業界は、中小規模事業者の数が非常に多いことが特徴です。医療機器ディーラー業は、地域密着型のビジネスモデルとなりやすいため、必然的に中小規模事業者の数が多くなります。

地域密着型のビジネスモデル、かつ中小規模事業者が多いということは、特定の病院や医療機関との取引に依存している状態であるということも意味します。つまり取引先である病院や医療機関の数が減れば、一気に売上も低迷するということです。

また近年の医療機器卸・商社業界は、大手企業による全国展開が進んでいます。有力企業が事業エリアの拡大に乗り出していることもあり、今後はさらに中小規模事業者の生き残りが厳しくなると予測される状況です。

医療機器卸・商社が抱える課題

医療機器卸・商社業界が抱える課題について解説していきます。

市場競争が激しい

医療機器卸・商社業界の市場規模は、少子高齢化の影響もあり、毎年増加傾向です。しかし一方で、大手から中小企業まで全ての医療機器卸・商社の市場競争は、激化の一途を辿っています。

近年における市場競争激化の主な理由のひとつは、医療機器卸・商社業界の大手とされる大規模事業者が積極的に事業拡大の戦略を図っているためです。医療機器卸・商社業界では、大規模事業者が市場シェアの約4割を占めますが、さらに市場シェアを拡大する動きを見せてます。

大手医療機器卸・商社が事業拡大のために選択する最も一般的な戦略のひとつが、地方の中小規模医療機器卸・商社の買収です。地域密着型の中小規模事業者を買収することで、買収先企業の所有していたマーケットをそのまま得ることができます。

営業マンの素養に影響されやすい

医療機器卸・商社のビジネスモデルの特徴は、営業マンの素養によって業績が大きく変動する可能性が高いことです。これは医療機器卸・商社会社にとって以前から抱える大きな課題でもあります。

病院や医療機関が医療機器を買い替えるということは、容易なことではありません。機器の変更による医療ミスが起こる可能性もあるので、医療機器販売のハードルは非常に高いです。そのため、どうしても営業マンの素養による業績の変動が起きやすく、優秀な営業マンを雇うことに人件費が多額にかかってしまいます

現在、大手医療機器卸・商社を中心に営業マンの素養だけに頼らない販売・提案手法が模索されている状態です。システムサービスやIT技術を活用し、最善な提案を可能とする手法が生み出されつつあります。

行政方針への対応

医療機器卸・商社業界は、厚生労働省による方針が製品の販売価格や取り扱い点数に大きな影響を与える業界です。厚生労働省の方針によっては、自社の主力製品の業績に大きな変動を及ぼす可能性もあります。

実際に医療機器の販売価格は、厚生労働省が決定権を持つといっても過言ではありません。価格決定権のないビジネスモデルにおいて十分な利益を出すことは容易ではなく、継続的に事業を存続させるためには、行政の動きに敏感であることが必須です。

厚生労働省の影響を受けやすい市場での生き残り戦略の一環として医療機器卸・商社同士がM&Aを実施するケースも増えてきています。医療機器卸・商社同士が合併し資金的・人的な資源を確保することが目的です。

医療機器卸・商社におけるM&Aの動向

医療機器卸・商社におけるM&Aの動向について解説していきます。

大手企業による中小規模事業者の買収

近年の医療機器卸・商社業界のM&Aにおいて最も目立つのが、大手企業による中小規模事業者の買収事例です。大手の医療機器卸・商社が中小規模事業者を買収することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 事業規模の拡大
  • 優秀な営業マンの獲得
  • 医療機器メーカーとの新ルート獲得

なかでも、事業規模の拡大を目的とした大手医療機器卸・商社による中小規模事業者の買収事例が最も多いです。地域密着型のビジネスモデルである医療機器卸・商社業界では、「規模の拡大」においてM&Aによる買収が非常に有効な戦略となります。

同業他社とのM&A

医療機器卸・商社業界のM&Aでは、同業他社とのM&Aが盛んです。厚生労働省の影響を大きく受ける医療機器卸・商社業界への新規参入は容易ではなく、結果として同業者同士がM&Aによる合併を行っています。

同業者同士のM&A事例で最も多いのが、中小規模の医療機器卸・商社によるM&A事例です。大手企業が市場シェアの1/4を占める医療機器卸・商社業界では、中小規模事業者にとってどのような生存戦略を選択することが非常に重要となります。

M&Aで自社と同規模の事業者と合併もしくは資本提携を行うことで、市場における競争力を高めることが可能です。資金・人材など大手企業との競争に負けない資源を確保するために中小規模事業者がM&Aによる取引を行うケースは多々あります。

後継者不足によるM&A

特に中小規模の医療機器卸・商社で多発しているのが、後継者不在という問題です。実際に後継者不在により事業継続が難しく、別の医療機器卸・商社にM&Aを依頼するケースも増えてきています。

経営者の周りに後継者候補がいない場合でも、M&Aによる事業承継であれば買い手企業が後継者(新たな経営者)となるため、自社の存続が可能です。M&Aをすることで廃業を免れることが出来るため、既存従業員の雇用継続をすることもできます。

また後継者不在によるM&Aにて事業規模が拡大した医療機器卸・商社も多く存在します。特に医療機器卸・商社業界のM&Aでは、M&A後に買い手が持つ医療機器卸・商社事業におけるノウハウと戦略を取り入れ、業績が伸びたケースも多いです。

医療機器卸・商社のM&Aにおける成功事例

医療機器卸・商社のM&Aにおける成功事例を解説していきます。

メディアアスホールディングスと佐野器械によるM&A

2021年10月に、メディアスホールディングスが佐野器械の所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「メディアスホールディングス」は、主に医療機器卸売販売・医療材料の物流管理などを行うグループ会社です。一方の譲渡企業である「佐野器械」は、医療機器の販売および修理業を運営しています。

本件M&Aは、医療機器卸・商社同士の取引事例です。譲り受け企業であるメディアスホールディングスは、佐野器械のもつ京都および滋賀での内視鏡における販売ルートの獲得により事業エリアの拡大を目的としています。

佐野器械株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

スズケンとヤマト科学によるM&A

2017年9月に、スズケンとヤマト科学が資本業務提携による契約を締結したM&Aの事例です。本取引は資本業務提携のスキームが用いられ、スズケンはヤマト科学の発行済株式の2.7%を取得しています。

譲り受け企業である「スズケン」は、全国47都道府県に営業所を設置しており、医薬品卸業界で第3位の規模を誇る大手企業です。一方の譲渡企業である「ヤマト科学」は、理科学機器・試験研究設備・分析計測機器・産業試験検査機器・医療機器などの製造メーカーになります。

本件M&Aは、大手医薬品卸会社と医療機器製造メーカーによる取引事例です。本取引により、スズケンは両社の相互の信頼関係を基盤とし、革新的な製品とサービスの開発を協力して推進することで、新たなソリューションの創出を図っています。

株式会社スズケンとの業務提携締結について

グンゼとメディカルユーアンドエイによるM&A

2019年2月に、グンゼがメディカルユーアンドエイの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「グンゼ」は、肌着類を中心とした繊維製品の製造・販売を手掛けるアパレル事業、機能ソリューション事業、ライフクリエイト事業などを手掛ける会社です。一方の譲渡企業である「メディカルユーアンドエイ」は、形成外科・口腔外科・美容外科・小児外科・皮膚科などの関連医療機器の販売などを手掛ける企業になります。

本件M&Aは、大手アパレル関連メーカーと医療機器卸・商社による取引事例です。譲り受け企業であるグンゼは、メディカル事業を新たな事業拡大分野に充てており、本取引はメディカル分野における規模の拡大を目的として実行されました。

株式会社メディカルユーアンドエイの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

メディカルネット、オカムラとノーエチ薬品によるM&A

2021年4月に、メディカルネットが同社の完全子会社である「オカムラ」を通じて、ノーエチ薬品の所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得金額は公開されていません。

譲り受け企業である「メディカルネット」は、インターネットを活用した医療・生活関連情報サービスの提供を行っている企業。「オカムラ」は、歯科医院に関する器材ほか器具・薬品一式の販売を行っている企業です。一方の「ノーエチ薬品」は、医薬品・医薬部外品の薬局薬店向け販売事業を手掛ける企業になります。

本件M&Aは、医薬品卸会社と医薬品販売会社による取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるメディカルネットは、製薬事業を新たに加えることで、歯科医療のプラットフォーマーとしての機能を強化することを目的としています。

事業計画及び成長可能性に関する事項

フランスベッドホールディングスとホームケアサービス山口によるM&A

2021年12月に、フランスベッドホールディングスが、ホームケアサービス山口の所有する全株式を取得し、同社を完全子会社したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「フランスベッドホールディングス」は、家庭用および医療用ベッド・家具類・福祉用具などの製造・仕入、レンタル・小売および卸売業を手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「ホームケアサービス山口」は、福祉用具のサービス事業、特定施設入居者生活介護事業などを手掛ける会社になります。

本件M&Aは、医療機器卸・商社と福祉関連企業による取引事例です。譲り受け企業であるフランスベッドホールディングスは、ホームケアサービス山口の所有する顧客を獲得することによる規模の拡大を主な目的としています。

株式譲渡による完全子会社化についてのお知らせ

ジー・スリーホールディングスとCファクトリーによるM&A

2021年3月に、ジースリー・ホールディングスの新設会社であるジー・スリーファクトリーが、Cファクトリーの一部事業を取得したM&Aの事例です。本取引は事業譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「ジースリー・ファクトリー」は、「ジースリー・ホールディングス」の子会社で、医療機器・医療用消耗品の販売、化粧品・健康食品の製造および販売、美容機器の製造および販売を手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「Cファクトリー」は、医療機器・医療用消耗品の販売、医療経営コンサルタント業などを手掛けています。

本件M&Aは、医療機器卸・商社同士による取引事例です。譲り受け企業であるジースリー・ホールディングスは、本取引によって、グループの収益構造強化と、さらなる事業拡大を目指しています。

ジー・スリーホールディングス、Cファクトリーから医療機器・医療用消耗品販売事業などを取得

大正エナウィンとサンキホールディングスによるM&A

2019年7月に、大正エナウィンがサンキホールディングスの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「大正エナウィン」は、LPガス販売を中核とするリビング事業を中心に、アクア事業や医療・産業ガス事業などを展開している企業です。一方の譲渡企業である「サンキホールディングス」は、近畿地区を中心に医療用ガスの販売や、在宅医療で使用される医療機器のレンタルを手掛けています。

本件M&Aは、医療機器卸・商社同士の取引事例です。本取引により売買関係にある両社は、相互の経営資源を共有することで、シナジー効果を創出し、共通事業である医療用ガス事業における事業基盤の強化を目的としています。

大丸エナウィン、近畿地区で医療用ガス販売・医療機材レンタル事業展開のサンキホールディングスの全株式取得

エムスリーとコスモテックによるM&A

2017年9月に、エムスリーがコスモテックの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は10億円となっています。

譲り受け企業である「エムスリー」は、医療従事者専門サイト運営、医学関連情報の配信、製薬業界を中心としたマーケティング支援サービスなどを手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「コスモテック」は、心臓外科・一般外科・血管内治療を中心とした医療機器の販売を行っている会社になります。

本件M&Aは、医療関連サービス運営会社と医療機器卸・商社による取引事例です。譲り受け企業であるエムスリーは、コスモテックの保有する医療機関との取引基盤強化や、医療機器などに関するノウハウを有する人材の確保に成功しています。

コスモテック株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

日本信用リースと芙蓉総合リースによるM&A

2021年3月に、日本信用リースが芙蓉総合リースの所有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。

譲り受け企業である「日本信用リース」は、情報関連機器・事務用機器・産業機械・工作機械・医療機器、輸送用機器などのリースおよび割賦販売業務を手掛けている企業です。一方の譲渡企業である「芙蓉総合リース」は、介護福祉用具・医療機器・情報機器のリース、割賦販売を手掛ける会社になります。

本件M&Aは、ともに医療機器卸・商社会社同士の取引事例です。譲り受け企業である日本信用リースは、福祉・医療関連需要の高まりを背景として、医療・福祉事業の基盤強化を目的としています。

芙蓉リースグループ 統合報告書 2021

プロトセラと東和薬品によるM&A

2021年3月に、東和薬品がプロトセラの保有する株式の77.1%を取得したM&Aの事例です。本取引は第三者割当増資引受のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「東和薬品」は、医療用医薬品の製造・販売を主体事業とするジェネリック医薬品の専業メーカーです。一方の譲渡企業である「プロトセラ」は、疾病リスクの検査分野や診断・治療用の医薬品研究開発、販売事業を手がける会社になります。

本件M&Aは、医療用医薬品メーカーと医療機器卸・商社の取引事例です。本取引により譲り受け企業である東和薬品は、本格的に医療関連検査事業の立ち上げに乗り出しています。

株式会社プロトセラの第三者割当増資引受による株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

医療機器卸・商社にてM&Aを行うことのメリット

医療機器卸・商社がM&Aをするメリットを売却・買収側の双方から解説します。医療機器卸・商社のM&Aにおける売却・買収のメリットは、以下の通りです。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 後継者問題の解消
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有

医療機器卸・商社でM&Aの売却を行うことのメリット

医療機器卸・商社でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 後継者問題の解消
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中

それぞれ詳しく解説していきます。

後継者問題の解消

特に中小規模の医療機器卸・商社における問題として、後継者不足による廃業が挙げられます。後継者不足に悩む医療機器卸・商社が、M&Aの売却を進めることで後継者不足の解消に繋げることができます。

実際に後継者不足解消のため、中小規模の事業者が大手企業に買収されることで、後継者問題の解消に繋がるケースは多いです。M&Aでは、会社を譲渡することで譲受企業から経営陣を迎え、これまで通り会社を存続させる事ができます。

また大手企業の経営者クラスに位置する優秀な人物が経営者となるため、売却側の事業規模がこれまでより拡大される場合が多いです。後継者不足に悩んでいる企業にとって、M&Aを行うことは廃業を避けるための大きな手段のひとつです。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。医療機器卸・商社に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模の医療機器卸・商社の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

事業の選択と集中

景気悪化を辿る日本では、会社存続のために複数の事業を多角展開する企業も珍しくありません。しかし事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因とさえなり得ます。

M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」を用いることで、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。実際に事業譲渡により、特定の事業のみを他者委に売却する企業は多くあります。

M&Aの事業譲渡によって事業を売却することで、事業の選択と集中が出来れば、経営状態を好転させられるかもしれません。得意分野に資金や人員を集中できるため、成功率も高まるはずです。

医療機器卸・商社でM&Aの買収を行うことのメリット

医療機器卸・商社でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 人材とノウハウの共有
  • 営業拠点の拡大

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる大きなメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は規模やシェアの拡大を狙うことができます。

医療機器卸・商社のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ営業所や人材のような有形資産に加え、顧客・取引先情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特に医療機器卸・商社の運営においては、「取引先」「顧客情報」などの無形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

また医療機器卸・商社業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに医療機器卸・商社業界への早期参入が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや取引先をそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

人材とノウハウの共有

医療機器卸・商社において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「ノウハウ」と「営業マンをはじめとした人材」です。これら2つが揃っている医療機器卸・商社は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&Aによって医療機器卸・商社の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

また医療機器卸・商社の買収に関しては、買収先が持つ取引先や営業所の数などによって、取引額に大きな差が生じます。価値のある資源を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

医療機器卸・商社のM&Aにおける注意点

医療機器卸・商社のM&Aにおける注意点を解説します。医療機器卸・商社のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的に医療機器卸・商社を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

医療機器卸・商社のM&Aを成功させるためのポイント

医療機器卸・商社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。医療機器卸・商社のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • PMI(統合後プロセス)の確立
  • 相場価格への理解

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

医療機器卸・商社のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

医療機器卸・商社におけるM&Aのまとめ

今回は医療機器卸・商社におけるM&Aについて、医療機器卸・商社業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

医療機器卸・商社業界は事業者の数が非常に多いこともあり、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功している医療機器卸・商社も数多く存在することから、医療機器卸・商社にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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