この記事は、辻・本郷ITコンサルティングが2026年9月30日に発表したCSアカウンティングの株式取得を、発表当時の事例として整理します。発表では、譲渡実行日は2026年10月23日の予定です。10月12日時点で完了発表は確認できていないため、成立済みの取引としては扱いません。
CSアカウンティングの全株式を取得する計画
辻・本郷ITコンサルティングは、会計・人事のアウトソーシングや関連コンサルティングを行うCSアカウンティングの発行済み株式7,025株すべてを取得し、議決権所有割合を100%とする方針を公表しました。譲渡契約は5人の株主全員と締結し、同日に一括実行する計画です。
取得する株式の対価は39億9,900万円、アドバイザリー費用等は概算900万円、合計額は概算40億900万円です。取締役会決議日は9月30日、契約締結日は10月1日、株式譲渡実行日は10月23日と開示されました。実行には対象会社の取締役会による譲渡承認や契約相手の同意などが条件として付されています。
狙いはバックオフィス支援の一体提供
買い手は「コンサルティング」「テクノロジー」「オペレーション」を組み合わせ、管理部門の課題発見から実行までを支援しています。対象会社は約150人の専門人材を擁し、上場会社やグループ会社向けに会計・人事業務の受託とコンサルティングを展開。買い手は、顧客基盤の連携によるクロスセルと人材・資源の共通化を取得理由に挙げました。
経営者が見るべき点は、事業の隣接性だけでなく、顧客を共有できる条件がそろっているかです。契約形態、提供範囲、担当者の稼働、システム権限、サービス品質の基準を具体化しなければ、売上機会を広げる前に引継ぎや運営の負担が膨らみます。
関連当事者を含む取引では価格と手続きを分けて確認
今回の開示では、譲渡人の一社であるアルファステップが買い手の関連当事者に該当することも説明されました。買い手は外部評価機関の株式価値算定を基礎に価格を決め、関連当事者取引委員会で公正性を審議したとしています。これは本件で公表された手続きです。すべての中小企業取引に同じ機関や手続きが必要だという意味ではありません。
株式譲渡を検討する経営者は、価格の根拠だけでなく、買い手・売り手との既存の資本・親族・取引関係、評価を行う人の独立性、社内での承認手順を早い段階で整理しましょう。関係性を後から開示すると、価格交渉のやり直しや意思決定の遅れにつながる場合があります。
自社の譲渡や買収を検討するときの次の一歩
発表された金額は、CSアカウンティングの規模、収益、取得条件を踏まえた個別案件の価格です。自社の売却価格や利益倍率にそのまま当てはめることはできません。M&Aの進行段階や必要な準備は、M&Aの流れとプロセスで確認できます。自社の株式・事業の譲渡や買収を具体的に検討する場合は、M&A HACKへご相談ください。
出典
- 辻・本郷ITコンサルティング「CSアカウンティング株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年9月30日)
- 辻・本郷ITコンサルティング「CSアカウンティング株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年10月5日)
- 日本M&Aセンター「辻・本郷ITコンサルティングがCSアカウンティングを子会社化へ」(案件発見元)


