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家事代行サービスのM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「家事代行サービスのM&Aにおける動向は?」
「家事代行サービスのM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「家事代行サービス M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、家事代行サービスのM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

家事代行サービスにおけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、家事代行サービスのM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

家事代行サービスとは

家事代行サービスとは、依頼者(お客様)の自宅に訪問して、掃除・洗濯・料理などの日常的な家事を代行するサービスのことです。依頼は、依頼人の要望や生活スタイルに応じてオーダーメイドで受注します。

家事代行サービスは、定期契約をせずに都度依頼をかける「スポット契約」と、週に1回・月に4回など定期的にサービスを利用する「定期契約」の2種類が存在するのも特徴です。多くの家事代行サービス業者は、スポット契約と定期契約の両方にてサービスを提供しています。

家事代行サービスの需要は年々高まっている状況です。仕事や育児で忙しい世帯家族だけでなく、独身のサラリーマンやOLが家事代行を頼むケースも増加しています。不景気を辿る日本でも珍しく、需要が供給を上回っている業界のひとつです。

家事代行サービスの事業内容

家事代行サービスの主な事業内容について解説していきます。

日常的な家事を代行するサービス

家事代行サービスの主な事業内容は、洗濯・掃除・料理など日常的な家事を代行するサービスです。家事代行の具体的なサービス内容には、以下のようなものがあります。

  • 部屋の片づけ・掃除機かけ・雑巾かけ
  • 料理の作り置き
  • 食器洗い・片付け
  • 食料品や日用品の買い物
  • 水回りの掃除(キッチン・お風呂・トイレ・洗面所)
  • 洗濯・アイロン・洗濯物を畳んでしまう
  • 靴磨き
  • 植物への水やり
  • ゴミの分別・ゴミ出し
  • 子供の送り迎え
  • 郵便物の受け取り

上記の通り、家事全般が家事代行サービス業者が請け負う業務内容です。また請負う仕事内容は依頼人の生活スタイルや要望によっても多種多様に変化します。依頼内容によって報酬が変動する場合も多いです。

スポット契約と定期契約

家事代行サービス業には、定期契約をせずに都度依頼をかける「スポット契約」と、週に1回・月に4回など定期的にサービスを利用する「定期契約」の2種類が存在します。家事代行サービス業者の多くは、両方のサービスを提供する会社がほとんどです。

一般的には、単発で依頼を受ける「スポット契約」よりも、定期的に依頼を受けられる「定期契約」の方が、時間ごとの単価で考えた場合に依頼者・家事代行サービス業者ともにメリットがあります。

ただし家事代行サービス業者が抱える「慢性的な人手不足」の観点から見れば、スポット契約でのサービス代行業運営の方が、メリットを得られるケースも否定できません。家事代行サービス業者は、自社に合ったサービス内容を検討することが必須です。

家事代行サービスとハウスクリーニングの違い

家事代行サービス業とよく混同されやすいサービスが、ハウスクリーニングです。ハウスクリーニングとは、その名の通り「ハウス(家)」を掃除することを目的としたサービスになります。

家事代行サービスが、掃除・洗濯・料理など家事全般を代行するサービスに対し、ハウスクリーニングは一般的にカビ取り・エアコンのフィルター清掃・換気扇の油落としなど、家の清掃業務を専門的に手掛けるサービスです。

ハウスクリーニングで行う清掃業務は、家事代行サービス業のスタッフが行う掃除よりも遥かいに専門的なものになります。業務用の清掃用具を使用してクリーニングを行うため、自宅の清掃のみを依頼する場合には、ハウスクリーニングの方がメリットが大きいです。

家事代行サービスに必要な業許可・資格

家事代行サービスに必要な業許可・資格・人材について解説していきます。

家事代行サービスに必要な業許可

家事代行サービス業において取得が義務付けられている業許可はありません。基本的に業許可なしで、事業をスタートさせることが可能です。そのため、開業届や法人登録などの、会社を興す際の基本的な登録なしで、事業を始めることができます。

ただし家事代行サービス業は様々な業務活動を行うため、業務内容によっては、特定の事業許可の取得が必須です。家事代行サービス業において取得が必要となるケースが多い、事業許可は以下のようなものがあります。

  • 認可外の居宅訪問型保育事業:赤ちゃんのお世話などのベビーシッター業
  • 第一種動物取扱業:ペットの「餌やり」や「散歩」など
  • 古物商取引許可:不用品の回収

どのような事業許可が必要となるかは、依頼内容によっても異なるので注意が必要です。知らず知らずのうちに、無許可での業務実行を行わないように注意しましょう。

家事代行サービスに必要な資格

家事代行サービスの運営は、営業許可を取得するだけでは不十分です。自社が運営する家事代行サービスに見合った人材を確保することが必要となります。家事代行サービスで勤務する従業員に推奨される資格は以下の通りです。

  • 調理師免許
    調理スキルの高さはもちろん、食の管理・衛生に関する幅広い知識があることも証明できる国家資格。調理師免許の保持者は、講習会を受講せず申請のみで「食品衛生責任者」の資格を得ることが出来る。
  • 保育士資格
    ベビーシッター業を行う場合に役立つ資格。家事代行サービス業においては必須ではないが、依頼者から保育士資格の有資格者の派遣を依頼するケースがあるため雇用が推奨される。
  • 整理収納アドバイザー
    「ハウスキーピング協会」が運営する資格。整理業務・清掃業務における専門的な知識と技能を有していることを証明する。家事代行業務においては、清掃業務を依頼されるケースがほとんどなので、取得が強く推奨される。

その他にも「管理栄養士」や「クリーニングインストラクター」などの資格が推奨されます。家事代行サービス業のスタッフのなかには、雇用後に業務と併行して資格取得をするケースも多いです。

家事代行サービスの市場動向

家事代行サービスの市場動向について解説していきます。

市場は拡大傾向

出典:帝国データバンク「令和4年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(各種サービス業に係る業界動向調査及び家事支援サービス業の実態把握・活用推進に係る調査)報告書」

上記は、帝国データバンクの「令和4年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(各種サービス業に係る業界動向調査及び家事支援サービス業の実態把握・活用推進に係る調査)報告書」による統計調査です。

家事代行サービスは、2012年から2021年まで右肩上がりの成長を見せており、2012年から2021年までには約6,2倍の拡大を誇っています。これは景気悪化を辿る日本では、非常に稀有な市場状態です。

家事代行サービス市場の拡大背景には、「少子高齢化」と「女性の社会進出」により、家事労働に対する需要が高まっていることが挙げられます。家事代行サービス業の歴史はまだまだ浅く、社会的な認知度も低いため、これからは更に需要が高まっていく予想です。

家事に対する価値観の変化

家事代行サービス業界において大きな影響を与えているのが、人々の家事に対する価値観の変化です。一昔前までの「家事は女性がするもの」という価値観は既に変化しており、この価値観の変化が家事代行サービス市場の拡大に大きく影響しています。

家事に対する価値観の変化は、女性の社会進出による共働き世帯の増加が主な要因です。夫婦共働きとなれば、家事も併行して分担する必要があるため、必然的にプライベートの時間は減ってしまいます。

仕事・家事・育児と忙しいなかでプライベートの時間を捻出することは容易ではありません。家事代行サービス業に家事全般を依頼するは、プライベートの時間を捻出することに直結するため、家事代行サービス業者はライフスタイルにとって非常に大きな役割を果たしていると言えます。

政府の推進

家事代行サービス業界の市場発展の背景には、政府の動向も大きく影響しています。日本の経済成長においては女性の社会進出が不可欠であるため、女性の社会進出を後押しする存在である家事代行サービスは、政府にとっても貴重な存在なのです。

内閣府の国家戦略特区では「家事支援外国人受入事業」が開始されました。家事支援外国人受入事業とは、国家戦略特別区域内において、第三者管理協議会による管理体制の下、家事支援活動を行う外国人を特定機関が雇用契約に基づいて受け入れる事業です。

家事支援外国人受入事業を皮切りに、今後は行政も家事代行サービス業の推進を加速させていくことが予見されます。行政によるバックアップがあることで、新規参入企業の増加も併行して起こることでしょう。

家事代行サービスが抱える課題

家事代行サービス会社が抱えている課題について解説していきます。

慢性的な人手不足

多くの家事代行サービス会社が抱えている課題に、慢性的な働き手の不足があります。需要が供給を大きく上回っており、急増する依頼に対して、企業側のサービス提供スタッフの派遣が追い付いていない状態です。

例えば、アプリケーション発注の家事代行サービスを手掛ける「DMM Okan」は、2016年に市場参入を果たしたものの、わずか1年で市場からの撤退を余儀なくされました。撤退した主な理由を同社は、「需要が圧倒的に高く、家事代行スタッフの供給維持ができなかった」と述べています。

慢性的な人手不足を受けて行政側も「家事支援外国人受入事業」などを発表しました。少子高齢化により働き手が不足傾向にある日本では、家事代行サービス会社がいかにして外国人労働者の採用と雇用継続を叶えられるかがポイントとなっています。

人材教育が困難

多くの家事代行サービス会社が抱える課題に、人材教育が困難であるということが挙げられます。慢性的な人手不足によってそもそもの人員が足りていないうえに、人材の難しいことも更なる課題です。

家事代行サービスでは、掃除・洗濯・料理・ペットの散歩など、非常に多岐に渡る業務を全てプロの領域でこなさなくてはなりません。依頼側もお金を払ってサービスを受けている以上、一定のレベルに到達していなければ継続契約を認めることはないでしょう。

しかし家事代行サービス会社における人材教育のOJTシステムはまだまだ確立されていません。人手不足である家事代行サービス会社がほとんどなので、スタッフ歴が長いベテランの人員は少なからず現場に派遣されることになり、後進を育成するための時間が確保できない状態です。「人員教育のための仕組み作り」が業界全体に強く求めれています。

サービスに対する理解不足

家事代行サービス業の歴史は浅く、社会的な認知度が拡大したのはここ10年以内の出来事です。そのため、人々のサービスに対する理解度はまだまだ低く、家事代行サービス会社と依頼者側の認識に乖離が起きています。

家事代行サービス業は、利用者側からすれば、「知らない人に自宅に入られる」ということになるため、サービスへの理解が乏しければ当然抵抗感を覚えます。これは大きな発注障壁となるため、サービスに対する理解度を高めるための取り組みが急務です。

例えば、家事代行サービス会社である「First」は、代行スタッフが持参したスマートフォンを使って作業中の様子を撮影し、利用者が遠隔地に居ても、自分のスマートフォンで様子をリアルタイムにチェックできるシステムを採用しています。

家事代行業界という労働集約型のビジネスであっても、ITシステムを積極的に取り入れることにより、サービスへの理解度と安心感を増加させることが可能です。今後は生身の人間とITをどう融合させていくかが業界発展の鍵となっています。

家事代行サービスにおけるM&Aの動向

家事代行サービスにおけるM&Aの動向について解説していきます。

異業種からの新規参入

家事代行サービス業界は、異業種からのM&Aによる新規参入が盛んであることが特徴です。家事代行サービス業界に新規参入することが多い異業種には、以下のものがあります。

  • 人材派遣・人材紹介会社
  • ハウスクリーニング会社
  • 投資ファンド
  • ウェルネス関連会社
  • 物流関連会社
  • IT関連会社

人材派遣・人材紹介会社・ハウスクリーニング会社などは、自社が持ち合わせるノウハウをそのまま活用できるため、家事代行サービス業界への参入が最も顕著です。労働集約型のビジネスモデルである業界に属している企業は、比較的新規参入がしやすいと言えます。

家事代行サービス業界への新規参入が多い理由は、市場成長率が他業界に比べ高いからです。競争率が高い業界ではあるものの、資金力やノウハウに自信のある企業は、例え新規参入であっても、利益を上げられる見込みがあれば、積極的にM&Aを用いて参入を果たしてきます。

大手企業による中小企業の買収

家事代行サービス業界のM&Aで最も多いのが、大手家事代行サービス会社による中小規模家事代行サービス会社の買収です。大手家事代行サービス会社が中小規模家事代行サービス会社を買収することで、勢力の拡大を狙っています。

大手企業と中小企業のM&Aでは、大手家事代行サービス会社が中小規模の家事代行サービス会社が持つ人員・商圏を獲得することが目的です。中小規模の家事代行サービス会社を買収すれば、一度のM&Aで複数のメリットを獲得することが出来るので、効率よく規模の拡大を図ることができます。

また近年では大手企業による中小企業の買収だけでなく、中小規模の家事代行サービス会社同士が合併するケースも多いです。勢力を拡大する大手家事代行サービス会社に対し、中小企業同士が合併することで競争力を高めることを狙いとしています。

人手不足解消のためのM&A

中小規模の家事代行サービス会社の中には、人手不足に悩む会社も少なくありません。実際に業績自体は好調であるにも関わらず、人員の確保ができないために廃業を余儀なくされる家事代行サービス会社は数多く存在します。

人手不足に悩む家事代行サービス会社のオーナーにとって、M&Aによる買収は人手不足問題を打開するために非常に有効な手段のひとつです。M&Aによって他社に事業譲渡を行うことで、自社の看板を残しながら運営を継続できる可能性があります。

また人手不足解消を目的として、資本取引が発生するM&Aではなく、「業務提携」による企業間取引が行われるケースも多いです。それぞれの企業が持つ人員を共有することで、人手不足の解消に繋げることを目的としています。

家事代行サービスのM&Aにおける成功事例

家事代行サービスのM&Aにおける成功事例を紹介していきます。

フルキャストホールディングスとミニメイド・サービスによるM&A

2018年8月に、フルキャストホールディングスがミニメイド・サービスの発行する全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「フルキャストホールディングス」は、人材サービス企業等を傘下に持つ、純粋持株企業です。一方の譲渡企業である「ミニメイド・サービス」は、家事代行業を手掛けており、当時はワイワイズ・コーポレーションの100%子会社でした。

本件M&Aは、大手人材派遣会社と家事代行サービス会社による取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるフルキャストホールディングスは、家事代行業の隣接領域である「軽作業の人材サービス領域」が得意分野でシナジー効果の創出を見込んでおり、さらなる成長を図っています。

ミニメイド・サービス株式会社の株式取得に関するお知らせ

ベアーズとFiNCによるM&A

2016年11月に、ベアーズがFiNCと業務提携契約を締結した取引事例です。本取引は業務提携のスキームが用いられましたが、取引金額は公開されていません。

譲り受け企業である「ベアーズ」は、家事代行業界の大手で、家事代行サービス・ハウスクリーニング・キッズ&ベビーシッターサービス・高齢者支援サービスを全国の主要都市で展開している企業です。一方の譲渡企業である「FiNC」は、法人向けのウェルネス経営サービスを展開し、従業員とその家族の心身の健康をサポートしている企業になります。

本件は、大手家事代行サービス会社とウェルネス関連会社による取引事例です。本取引により、FiNCが手がける「FiNC for Business」でベアーズが提供する家事代行サービスが利用可能となりました。

FiNC for BUSINESS | 健康管理・健康経営支援サービス

ポラリス・キャピタル・グループとHITOWAホールディングスによるM&A

2019年3月に、ポラリス・キャピタル・グループがHITOWAホールディングスの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&A事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「ポラリス・キャピタル・グループ」は、企業の事業再編・再構築を支援するプライベートエクイティファンド運営会社です。一方の譲渡企業である「HITOWAホールディングス」は、「イリーゼ」のブランドで介護付き有料老人ホームの運営を展開する介護事業、「おそうじ本舗」のブランドでハウスクリーニングのフランチャイズを主に展開するFC事業、「太陽の子」のブランドで認可保育園の運営を展開する保育事業等を有する企業グループになります。

本件M&Aは、国内ファンド会社と家事代行サービスなどを手掛ける多角化企業による取引事例です。ポラリス・キャピタル・グループは、本取引により、HITOWAグループの成長戦略を継承しつつ、シニアビジネスやFCビジネスを含む多店舗型の消費者向けビジネスに携わった経験により培ったノウハウを活かし、HITOWAグループ経営陣のパートナーとして、介護領域を含む社会的課題の解決に向けて協力する意向を示しています。

ポラリス第四号投資事業有限責任組合等によるCVC キャピタル・パートナーズ・アジア・ファンド IV 及びその他株主からのHITOWA ホールディングス株式会社の 100%株式取得について

イオンリテールとアクティアによるM&A

2023年9月に、イオンリテールがアクティアの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「イオンリテール」は、イオン株式会社グループの総合スーパー事業の中核を担っており、「イオン」「イオンスタイル」を展開している企業です。一方の譲渡企業である「アクティア」は、ハウスクリーニング・宅配クリーニング・家事代行といった家事支援事業を全国で展開している企業になります。

本件M&Aは、大手小売事業会社と家事代行サービス会社による取引事例です。本取引はイオンリテールが、市場規模が拡大する家事代行サービス業界への新規参入を目的として実施されています。

アクティア株式会社の株式取得(子会社化)について

CVCキャピタルパートナーズと長谷川ホールディングスによるM&A

2019年3月に、英投資ファンドであるCVCキャピタルパートナーズが長谷川ホールディングスの所有する全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられ、取得価額は総額で350億円となっています。

譲り受け企業である「CVCキャピタルパートナーズ」は、イギリスに本拠を置く、欧州大手の投資ファンド企業です。一方の譲渡企業である「長谷川ホールディングス」は、「おそうじ本舗」や「マイ暮らす」などの家事代行サービスを展開する企業になります。

本件M&Aは、海外大手投資ファンド会社と国内家事代行サービス関連会社による取引事例です。本取引により譲り受け企業であるCVCキャピタルパートナーズは、買収の結果として企業価値を高め、将来のIPO(新規株式公開/株式上場)を目指しています。

外部資本の導入に関するお知らせ

ニチイ学館と西安海鑫家政清潔工程有限公司によるM&A

2016年3月に、ニチイ学館が海外子会社である日醫香港有限公司を通じて、西安海鑫家政清潔工程有限公司の株式持分51.0%を取得し、同社を子会社化したM&A事例です。本取引による取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「ニチイ学館」は、東京都千代田区に本拠を置き、家事代行サービスを含む医療・介護・教育関連事業を展開する企業です。一方の譲渡企業である「西安海鑫家政清潔工程有限公司」は、中国西北地域の中心都市である西安において清掃や家事代行サービスを手がけるほか、グループ傘下で職業訓練学校を運営しており人材養成にも取り組んでいるになります。

本件M&Aは、日本国内の家事代行サービス関連会社と中国の家事代行サービス関連会社による取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるニチイ学館は、生活支援サービスにおける実績と人材養成機能を持つ同社を傘下に納めることで、西安市の事業基盤を強化することを目的としています。

有価証券報告書

センコーとイエノナカカンパニーによるM&A

2017年1月に、センコーがイエノナカカンパニーの保有する株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公開されていません。

譲り受け企業である「センコー」は、大阪に本社を置く物流大手企業で、家事代行やハウスクリーニングなどの事業を都市部を中心に全国展開を目指している会社です。一方の譲渡企業である「イエノナカカンパニー」は、東京23区での家事代行やアパートの管理や不動産仲介などの事業を展開しています。

本件M&Aは、物流大手企業と家事代行サービス会社による取引事例です。本取引により、譲り受け企業であるセンコーは、既に手掛けていた家事代行サービスの事業基盤強化を目的としています。

イエノナカカンパニーはセンコーグループへ

家事代行サービスでM&Aを行うことのメリット

家事代行サービス会社がM&Aをするメリットを売却・買収側の双方から解説します。家事代行サービス会社のM&Aにおける売却・買収のメリットは、以下の通りです。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 従業員の雇用維持
  • 人材とノウハウの共有
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 競争力を高める

家事代行サービスでM&Aの売却を行うことのメリット

家事代行サービス会社でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 従業員の雇用維持

それぞれ詳しく解説していきます。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。家事代行サービス会社に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模の家事代行サービス会社の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

事業の選択と集中

景気悪化を辿る日本では、会社存続のために複数の事業を多角展開する企業も珍しくありません。しかし事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因とさえなり得ます。

M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」を用いることで、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。実際に事業譲渡により、特定の事業のみを他者委に売却する企業は多くあります。

M&Aの事業譲渡によって事業を売却することで、事業の選択と集中が出来れば、経営状態を好転させられるかもしれません。得意分野に資金や人員を集中できるため、成功率も高まるはずです。

従業員の雇用維持

売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。

労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。

また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。

家事代行サービスでM&Aの買収を行うことのメリット

家事代行サービス会社でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 人材とノウハウの共有
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 競争力を高める

それぞれ詳しく解説していきます。

人材とノウハウの共有

家事代行サービス会社の運営において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「ノウハウ」と「人材」です。これら2つが揃っている家事代行サービス会社は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&Aによって家事代行サービス会社の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

家事代行サービス会社の買収に関しては、買収先が持つ顧客数や人材などによって、取引額に大きな差が生じます。価値のある資源を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる大きなメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は規模やシェアの拡大を狙うことができます。

家事代行サービス会社のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ営業所や人材のような有形資産に加え、顧客・取引先情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特に家事代行サービス会社の運営においては、「顧客情報」「人材」などの資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

また家事代行サービス業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに家事代行サービス業界への早期参入が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや取引先をそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

競争力を高める

家事代行サービス会社の買収により、自社の市場競争力を高めることが可能です。買収した企業のもつ人材・顧客・ノウハウを取り入れることは、市場における競争力を強めるための大きな要素となります。

家事代行サービス業はここ10年で一気に市場活性が起きている稀有な業界です。そのため、今後は家事代行サービス業界に新規参入を果たしてくる企業は増えることが予測されています。市場における競争力を獲得しておくことは、今後の家事代行サービス業界において非常に重要なことです。

また家事代行サービス会社のなかには、人手不足や後継者不足により、経営難に陥っている企業も少なくありません。そのため、家事代行サービス会社の買収自体も比較的スムーズに進む可能性は高いでしょう。

家事代行サービスのM&Aにおける注意点

家事代行サービス会社のM&Aにおける注意点を解説します。家事代行サービス会社のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的に家事代行サービス会社を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

家事代行サービスのM&Aを成功させるためのポイント

家事代行サービス会社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。家事代行サービス会社のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • PMI(統合後プロセス)の確立
  • 相場価格への理解

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

家事代行サービス会社のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

家事代行サービスにおけるM&Aのまとめ

今回は家事代行サービス会社におけるM&Aについて、家事代行サービス業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

家事代行サービス業界は、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功している家事代行サービス会社も数多く存在することから、家事代行サービス会社にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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