「M&Aにおすすめのコンサルティング会社は?」
「M&Aコンサルティング会社の選び方を知りたい」
この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。
実際に現状「M&Aコンサルティング会社 おすすめ」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。
そこで、今回はM&Aの専門企業である「M&A HACK」が、おすすめのM&Aコンサルティング会社を厳選して紹介します。
またM&Aコンサルティング会社の選び方や注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
M&Aコンサルティング会社とは
M&Aコンサルティング会社とは、企業のM&A(Mergers and Acquisitions)に関連するさまざまな支援を提供する専門のコンサルティングファームのことです。M&Aのプロセスにおいて企業が成功を収めるために、戦略的、財務的、法的、組織的なアドバイスやサポートを行います。
M&Aコンサルティング会社の役割は様々です。M&A戦略の立案や策定・対象企業のリストアップ・ディーデリジェンスの実施・統合プロセスサポートなど、M&Aに関連するプロセスを一貫してサポートします。
M&Aは企業の事業戦略として非常に有効な手段である一方、リスクも大きい手法です。そのため、M&Aに関する知見を持たない経営者が、自らでM&A取引を実施することは非常に危険を伴います。M&Aコンサルティング会社は、企業のM&A取引を支援し、企業成長をサポートする存在です。
M&Aコンサルティングの種類
M&Aコンサルティングを行っているのは、M&Aコンサルティング会社だけではありません。M&Aのコンサルティングをおこなっているのは、主に以下の3つです。
- M&Aコンサルティング専門会社
- 証券会社
- 銀行
それぞれについて詳しく解説していきます。
M&Aコンサルティング専門会社
M&Aコンサルティング専門会社とは、その名の通り、M&Aコンサルティングを専門とする企業のことです。証券会社や銀行とは違って、M&A取引におけるコンサルティング事業のみを生業としています。
M&Aコンサルティング専門は証券会社や銀行とは違って、コンサルティング事業で利益を生み出すことが目的です。そのため、証券会社や銀行のように、利益相反の可能性が低いことが大きなメリットとなっています。
またM&Aコンサルティング専門会社は、中小企業のM&Aを得意としているのも特徴です。M&Aコンサルティング専門会社は、M&A市場において独自のネットワークを築いているため、証券会社や銀行では取り扱わない中小規模の案件も取り扱っています。
証券会社
証券会社では、主にアドバイザリーサービスの一環としてM&Aコンサルティングを扱っている企業が多いです。証券会社は通常、投資銀行業務を中心に金融サービスを提供しており、M&Aコンサルティングはその一部として行われます。
証券会社のM&Aコンサルティングは、企業が合併や買収を行う際に、戦略的なアドバイスを提供するのが主な役割です。どの企業と合併や買収を行うべきか、または売却するべきかという判断材料を提供します。
また業界や市場の動向を踏まえた戦略的助言が含まれ、企業の成長戦略に沿った最適なM&Aの方針を策定します。証券会社が持つ独自のノウハウを踏まえたうえで、M&Aのアドバイスをくれるケースが多いです。
銀行
銀行もM&Aのコンサルティングサービスを手掛けている場合が多いです。証券会社と同じく、銀行業務に関連するアドバイザリーサービスの一環としてM&Aコンサルティングをおこなってくれます。
銀行にM&Aコンサルティングを依頼する最大のメリットは、M&Aにおける資金調達面で優位性を発揮できることです。M&Aに必要な資金を調達する能力を持っているため、銀行のM&Aコンサルティング部門は、必要な資金を調達するための最適な方法を提案し、スムーズな資金調達をサポートします。
またM&Aにおいて最も重要な要素の1つが企業評価です。銀行は、財務に関する高度な専門知識を持っており、対象企業の価値を適切に評価できます。これにより、過大な買収価格を支払うリスクを回避し、企業の成長戦略に沿った取引を行うことができます。
M&Aコンサルティング会社に依頼する際にかかる費用と相場
M&Aコンサルティング会社に取引支援を依頼する際に、発生する主な費用内容と相場は、以下の通りです。
内容 | 支払いタイミング | 相場 |
相談料 | コンサルティングへの相談時 | 無料~数万円 |
着手金 | 契約締結時 | 100万円~200万円 |
コンサルティング料 | 契約開始~M&A取引成立までの一定期間 | 時間あたりの設定単価 |
デューデリジェンス料 | 買い手のデューデリジェンス実施時 | 200万円~300万円 |
中間報酬 | 基本合意書締結時 | 無料~200万円 |
成功報酬 | M&A締結時 | 買取金額×5%程度 |
M&Aコンサルティングの依頼にかかる費用は、企業規模や取引金額、依頼事項、依頼先によって様々です。 平均して1プロジェクトあたり1,000〜2,000万円程度が相場となっています。
M&Aコンサルティング会社の選び方
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが大切です。M&Aコンサルティング会社の選び方のポイントは、以下の通りです。
- 実績で選ぶ
- 報酬体系や相場で選ぶ
- 得意な領域で選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。
実績で選ぶ
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、コンサルティング会社が持つこれまでの実績を見ることが大切です。M&Aという複雑で重要なプロセスにおいて、コンサルティング会社の経験や成功事例が企業にとって大きな信頼の基準となります。
M&Aコンサルティング会社の実績を見る際には、自社と類似した業界や規模の案件を実施した実績があるかどうかが重要です。成功事例が豊富であれば、その領域におけるコンサルタントの能力に信頼を置けます。
また実際にサービスを受けた企業からのフィードバックや、評判を調べることも重要です。顧客満足度の高い企業は、過去の成功事例に加えて、クライアントのニーズに応じた柔軟な対応力やコミュニケーション能力を有している可能性が高いと判断できます。
報酬体系で選ぶ
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、コンサルティング会社が設定している報酬体系に注目することが大切です。。M&Aのプロセスは非常に複雑で時間がかかるため、報酬体系が透明で合理的であるかどうかを確認することが、コスト管理とプロジェクトの成功に直結します。M&Aコンサルティング会社の報酬体系は、以下の通りです。
- 成功報酬型
M&Aが成立した際に支払われる報酬。取引額の一定割合(通常は1〜5%)を成功報酬として支払う。大きなM&A案件においては、報酬額が大きくなるが、クライアントにとっては成功報酬型がリスクを最小化できる。 - 着手金型
M&Aの支援が開始された段階で支払う報酬で通常は定額。着手金型の報酬は、プロジェクトの実行にかかる初期コストをカバーするために設定される。もし案件が成立しない場合でもこの報酬は支払わなければならない。 - ハイブリッド型(基本報酬+成功報酬)
初期費用が基本報酬で、成功報酬が取引成立時に発生する。コンサルタントはプロジェクトに対して初期からコミットしつつ、成功した場合に追加報酬を得ることができる。 - 時間単価型
短期的なアドバイスや一部の業務支援においては、時間単価での報酬体系を採用していることもある。プロジェクト全体の規模感が不明確な時に適用されることが多い。
どの報酬体系が合っているのかは、M&Aの取引内容などによって異なります。報酬体系の全容をしっかり把握したうえで、自社に合った報酬体系を採用しているコンサルティング会社を選択しましょう。
得意な領域で選ぶ
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、コンサルティング会社の得意領域で選ぶようにしましょう。業界や取引規模、目的によって求められる専門性や知識が異なります。そのため、自社のニーズや状況に最適な領域で強みを持つコンサルタントを選ぶことで、より成功率を高めることができます。
M&Aは業界特有の知識が求められるため、特定の業界に特化したコンサルティング会社を選ぶと、業界固有の課題や機会を理解した上で、より適切なアドバイスを受けることが可能です。分野に応じたM&Aのスキームやデューデリジェンスを選択してくれるでしょう。
また近年では、特定分野のM&A取引に特化した「業界特化型M&Aコンサルティング会社」も増えてきています。特定業界におけるM&A手法を熟知しているため、業界特化型のM&Aコンサルティング会社は、同業界内でのM&A取引に大きな強みを持ちます。
おすすめのM&Aコンサルティング会社10選
おすすめのM&Aコンサルティング会社を紹介していきます。今回紹介するM&Aコンサルティング会社は、以下の通りです。
- M&A HACK
- M&Aキャピタルパートナーズ
- 株式会社funbook
- フリーハン・ローキー株式会社
- 山田コンサルティンググループ株式会社
- 株式会社日本M&Aセンター
- レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社
- アカウントエージェント株式会社
- インターリンク株式会社
- CRGインベスメント株式会社
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
M&A HACK

会社名 | 合同会社SFS |
設立 | 2022年12月 |
本社所在地 | 東京都台東区千足1-14-9 レアライズ浅草2 4F |
公式サイト | https://sfs-inc.jp/ma/ |
M&A HACKは、当社「合同会社SFS」が運営するM&Aコンサルティング会社です。2022年の設立から既に多くのお客様に依頼をいただいています。
当社は「スピード対応」「完全成功報酬制」「リスクなし」の3つをコンサルティングの軸としているのが特徴です。M&A取引をスムーズにすすめながらも、完全成功報酬制を採用することで、お客様の負担を最小限に抑えることをモットーとしています。
M&Aの複雑なプロセスも、当社であれば一気通貫して徹底サポートすることが可能です。もちろん相談は無料で行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。
無料相談のご予約:https://sfs-inc.jp/ma/contact
M&Aキャピタルパートナーズ

会社名 | M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
設立 | 2005年10月 |
本社所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目2番1号東京ミッドタウン八重洲八重洲セントラルタワー36階 |
公式サイト | https://www.ma-cp.com/ |
M&Aキャピタルパートナーズは、2005年の設立以来、譲渡株価総額2,565億円、じょうときぎょうの売上高4,462億円などの実績を誇るM&Aコンサルティング会社です。
「株価レーマン方式」を採用しており、取引価格に応じて手数料を設定しています。そのため、支払い手数料がリーズナブルであることが魅力です。余計なコストを抑えながら、コンサルティングを依頼することができます。
また同社には仕業を所有するコンサルティングが多数在籍しているのも特徴です。それぞれの分野に特化したコンサルタントが在籍しているので、幅広い分野の案件に対して柔軟に対応することができます。
fundbook

会社名 | 株式会社fundbook |
設立 | 2017年8月 |
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー25F |
公式サイト | https://fundbook.co.jp/ |
fundbookは、2017年に設立され、東京都虎ノ門に本社を置くM&Aコンサルティング会社です。豊富なネットワークとプラットフォームマッチングを武器に多くのコンサルティング実績を持ちます。
fundbookの最大の特徴は、完全成功報酬型を採用していることです。着手金・中間金・買い手相談料・株価診断などの費用は全て無料となっています。余計な費用を抑えながら、コンサルティングを依頼することが可能です。
またfundbookには、M&A支援実績が豊富なコンサルタントが100名以上在籍しています。分野に応じて専門的なノウハウと経験を有したコンサルタントが担当してくれるので、よりM&A取引をスムーズに進めることが可能です。
フリーハン・ローキー

会社名 | フーリハン・ローキー株式会社 |
設立 | 2004年4月 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内 1-11-1 |
公式サイト | https://japan.hl.com/ |
フリーハン・ローキーは、アメリカのM&Aコンサルティング会社として誕生したGCA株式会社の親会社です。世界的な知名度と実績を誇る人気のM&Aコンサルティング会社になります。
フリーハン・ローキーの特徴は、どの資本系統にも属さない完全独立型のコンサルティングを提供していることです。そのため、取引内容やジャンルを問わず、適切で確実性の高いコンサルタントを受けることができます。
また外資系コンサルティング会社ということもあり、クロスボーダーM&Aにおいても強みを持つのが特徴です。これからクロスボーダーM&Aの取引を検討している企業にもおすすめできます。
山田コンサルティンググループ

会社名 | 山田コンサルティングブループ株式会社 |
設立 | 1989年7月 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目8番1号丸の内トラストタワーN館10階 |
公式サイト | https://www.yamada-cg.co.jp/ |
山田コンサルティンググループは、1989年の設立以来長きにわたってM&Aコンサルティングを行ってきた老舗企業です。創業30年以上経過していることから、業界トップクラスの取引実績を持ちます。
山田コンサルティンググループの特徴は、大企業のM&Aのみならず、中小規模のM&A依頼も柔軟に請け負ってくれる点です。全国に支店を展開しているため、地域を問わず相談を行うことができます。
またM&Aコンサルティングの依頼以外にも、アドバイザりー業務も展開しているのが特徴です。コンサルティングとアドバイザリーの両視点から、より適切で確度の高いサポートを行ってくれます。
日本M&Aセンター

会社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
設立 | 2021年4月 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 |
公式サイト | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
日本M&Aセンターは、東京都千代田区に本社を置く大手M&Aコンサルティング会社です。豊富な実績と優れたコンサルタントを抱えており、業界でも高い知名度を誇ります。
日本M&Aセンターの成約数は、8500件超となっており、3年連続でギネス記録「M&Aファイナンシャルアドバイザー業務の最多取り扱い企業数」に認定されているほどです。
豊富な実績からも分かる通り、取り扱うジャンルの幅が非常に広く、あらゆる業界・取引におけるノウハウを所有しています。またM&Aコンサルティング会社でありながら、金融機関とも連携しているため、M&Aにおける資金面でも確実なサポートをおこなってくれます。
レバレジーズM&Aアドバイザリー

会社名 | レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社 |
設立 | 2020年4月6日 |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 24F・25F |
公式サイト | https://leveragesma.jp/ |
レバレジーズM&Aアドバイザリーは、東京都に本拠を置く2020年創業のM&Aコンサルティング会社です。設立から間もないものの、既に多くの取引実績を誇っています。
レバレジーズM&Aアドバイザリーの強みは、約30,000件にも及ぶ独自顧客データベースを所有していることです。これにより、取引における相性最優先の最適なマッチングをかなえてくれます。
また母体である「レバレジーズ株式会社」は、人材業界大手の企業です。人材業で培われた取引ルートをフル活用することで、どんなジャンルのM&A取引にも柔軟に対応してくれます。
アカウントエージェント

会社名 | アカウントエージェント株式会社 |
設立 | 2020年10月2日 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋2丁目1-17 丹生ビル2F |
公式サイト | https://a-agent.co.jp/ |
アカウントエージェントは、2020年に東京で設立されたM&Aコンサルティング会社です。M&Aのほか、PF・その他事業計画など総合型のコンサルティング事業を展開しています。
アカウントエージェントの強みは、小売業・飲食業のM&Aに強いことです。小売業・飲食業のM&A取引においては、買い手・売り手のいずれでも適格なサポートを施してくれます。
またM&Aのほか、会計・経理支援など財務アドバイザリーとしての実績も豊富であるため、M&A取引以外の視点からもサポートしてくれるのが魅力です。
インターリンク

会社名 | インターリンク株式会社 |
設立 | 2010年8月20日 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋兜町5番1号 |
公式サイト | https://www.interlink-ma.co.jp/ |
インターリンクは、2010年に設立されたM&Aコンサルティング会社です。主に提携型M&A仲介の専門会社として豊富な実績を持っており、個々の企業に合わせた独自の提案をおこなうこで、潜在的なニーズの顕在化を支援してくれます。
インターリンクは、「仲介型」のM&Aコンサルティング会社であるため、仲介者として双方の企業との信頼関係を築くことを重視しているのが特徴です。M&A取引において当事者間の認識に齟齬が発生しないよう、確実に取引を進行させてくれます。
一つのジャンルや業界に特化していない反面、あくまで独立・中立役であることに重きを置いているのがインターリンクの特徴です。そのため、純粋に案件を成立させるためにのみ、注力してくれます。
CRGインベストメント

会社名 | CRGインベストメント株式会社 |
設立 | 2021年2月 |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング37F |
公式サイト | https://crg-ivm.co.jp/ |
CRGインベストメントは、東京・新宿区に本社を置く、2021年創業のM&Aコンサルティング会社です。親会社である「CRGホールディングス」は、東証グロース上場を果たしている企業でもあります。
CRGインベストメントの強みは、親会社であるCRGホールディングスの持つ独自のビジネスルートを活用したM&Aコンサルティングです。グループ全体での後方支援を行ってくれるため、取引成立まで手強くサポートしてくれます。
またM&A関連の事業以外にも、自己勘定投資を行っているため、自己勘定投資で培ったネットワークを持つことも特徴です。独自の繋がりとネットワークを活かすことで、最適な譲り受け先とのマッチングを行ってくれます。
M&Aコンサルティング会社に相談できる内容
M&Aコンサルティング会社を利用した経験がない場合には、相談できる範囲についても不明瞭な場合が多いはずです。そこで、ここでは、M&Aコンサルティング会社に相談できる内容について解説していきます。
M&Aコンサルティング会社に相談できる内容は、以下の通りです。
- M&A戦略の立案
- 対象企業のリストアップと照会
- デューデリジェンスの実施と交渉サポート
- 統合後のプロセスサポート
それぞれの内容について解説していきます。
M&A戦略の立案
M&Aコンサルティング会社による戦略の立案・策定は、企業がM&Aを実施する際に成功を収めるための計画や方針を作成するプロセスです。M&Aを行う目的に基づいて、適切なターゲット企業の選定、買収方法、統合後のシナジー創出など、戦略的な側面が含まれます。
M&A戦略の立案は、M&A取引成功の有無を決定する重要なフェーズです。M&A戦略の立案においては、以下のようなポイントが重要視されます。
- M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
- 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
- いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
- 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
- M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)
上記のポイントを踏まえたうえで、自社に合ったM&A戦略を立案してくれることでしょう。より詳細な分析を行ったうえで戦略を立案することができれば、その後のM&A取引も順調に進めることができます。
対象企業のリストアップと照会
M&Aにおける対象企業のリストアップは、戦略的な目標を達成するための重要なステップです。このプロセスでは、買収または提携の目的に合致する企業を特定し、その後の評価・交渉を円滑に進めるための基盤を作ります。
M&Aコンサルティング会社は、依頼主企業が持つM&Aの目的を元に対象企業のリストアップを行うことが一般的です。例えば、「市場シェアの拡大」が目的であるならば、同じ業界で競合する企業や市場シェアの大きい企業をターゲットにします。
またM&Aコンサルティング会社による対象企業のリストアップでは、コンサルティング会社が得意とする領域に応じてリストアップ内容が異なるのも特徴です。M&Aコンサルティング会社が、得意とする領域・ジャンル・業界であれば、より多くの対象企業をリストアップ出来るでしょう。
デューデリジェンスの実施と交渉サポート
戦略の立案と対象企業のリストアップが完了すれば、いよいよデューデリジェンス(対象企業に関する詳細な調査を行い、財務状況・法的事項・ビジネスリスク・税務状況・環境要因などを評価する工程)の実施と交渉に移ります。
M&Aコンサルティング会社によるデューデリジェンスでは、「財務・法務・税務・オペレーション・環境」など個々の項目にデューデリジェンスを行うことが一般的です。それぞれの項目に応じた詳細なデューデリジェンスを行うことで、契約進行の有無を決定します。
さらにデューデリジェンス後は、対象企業との交渉をサポートしてくれます。デューデリジェンスで得た情報を活用することで、契約対象企業とより円滑にM&A取引を進行させることが可能です。
統合後のプロセスサポート
M&Aは契約が締結されたからといって、終わりを迎えるわけではありません。契約後に臨んだ結果を得ることがM&Aの最終ゴールとも言えます。M&A契約後のコンサルティング会社によるサポートでは、以下のようなことを行います。
- 統合計画の立案と実行: 組織構造、業務プロセス、ITシステム、ブランド、企業文化などの統合計画を立案し、実行する。
- 組織の再編成: 組織構造の変更や役員の再配置を行う。特に経営層や重要ポジションでの調整が求められることがある。
- 業務プロセスの統一: 販売戦略や製品開発、マーケティング活動などを統合し、重複や無駄を削減するためのプロセス改革を進める。
- ITシステムの統合: 会計システムや顧客管理システム、サプライチェーンの管理システムなどを統合し、効率化を図る。
第一フェーズで立案した目標や目的を実際に得ることができるかは、契約後のアフターケアにかかっています。契約後のアフターケアの仕方次第で明暗が分かれるといっても、過言ではありません。
M&Aコンサルティング会社のメリットとデメリット
M&Aコンサルティング会社を利用することには、メリットとデメリットの両方が存在します。M&Aコンサルティング会社を利用するメリットとデメリットは、それぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
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メリットとデメリットの両方を解説するので、ぜひ参考にしてください。
M&Aコンサルティング会社を利用するメリット
M&Aコンサルティング会社を利用するメリットは、以下の通りです。
- M&A契約を締結までサポートしてくれる
- 最小限のリスクでM&Aをできる
- ノウハウや情報が蓄積する
それぞれ詳しく解説していきます。
M&A契約を締結までサポートしてくれる
M&Aコンサルティング会社に支援を依頼する最大のメリットは、M&A契約を締結までサポートしてくれることです。M&Aに関する専門的な知見を持っていない企業であっても、M&Aコンサルティング会社を利用することでM&Aを実施することができます。
M&A取引は非常に複雑でプロセスも多岐に渡るため、M&Aのノウハウを持たない企業が、自社のみでM&A取引を締結させることはほぼ不可能です。たとえ実施できたとしても、契約締結後に大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。
M&Aコンサルティング会社に支援を依頼することで、M&Aの知見やノウハウを全く持たない企業がM&A取引を成立させることが可能です。もちろん締結後のアフターサポートも行ってくれます。
最小限のリスクでM&Aをできる
M&Aはプロセスが複雑であるだけでなく、経営的リスクも抱えることになる事業戦略です。しかしM&Aコンサルティング会社を利用することで、M&Aにおけるリスクを最小限に抑えることができます。
特にM&Aにおいてリスクを最小限に抑えるためには、適切なデューデリジェンスの実施が欠かせません。M&Aコンサルティング会社を利用することで、デューデリジェンスを実施し、リスク要因を的確に洗い出すことが可能です。
またM&Aコンサルタントは、交渉のプロフェッショナルとして経験豊富で、売り手や買い手との間で最適な条件を引き出すために働きます。感情的な判断を排除し、冷静かつ論理的に交渉を進めることができるため、取引におけるリスクを軽減することが可能です。
ノウハウや情報が蓄積する
M&Aコンサルティング会社を利用することで、自社におけるM&Aに関するノウハウや情報を蓄積させることが可能です。副次的なメリットではありますが、今後の事業成長においてM&Aのノウハウを蓄えておくことは、非常にプラスと言えるでしょう。
さらにM&Aコンサルティング会社の中には、M&A契約をサポートするだけでなく、アドバイザー業務を手掛ける企業も多いです。M&A契約の支援はもちろん、それ以外の戦略面においてもアドバイスを行ってくれます。
また業界における専門性が高いM&Aコンサルティング会社を選択することで、業界内における特殊情報などを手に入れられる可能性も高いです。M&Aコンサルティング会社からの情報を活用することで、より事業を優位に進めることが出来るでしょう。
M&Aコンサルティング会社を利用するデメリット
M&Aコンサルティング会社を利用するデメリットは、以下の通りです。
- 費用がかかる
- 融資の依頼ができない
- 必ずしもM&A取引が成立する訳ではない
それぞれ詳しく解説していきます。
費用がかかる
M&Aコンサルティング会社へ支援を依頼する場合には、当然ながら費用が発生します。M&Aコンサルティング会社への依頼料は、中規模取引の場合で、プロジェクトあたり1,000万円~2,000万円が相場です。
M&A取引は非常に複雑であるうえ、大きなリスクを抱える戦略です。そのため、それを請け負うM&Aコンサルティング会社にも多大な責任が発生します。M&Aコンサルティング会社の依頼料が高額になるのは、背負う責任が大きいことも理由のひとつです。
またM&Aコンサルティング会社の規模によっても依頼金額は様々です。大手企業だけでなく、中小規模のM&Aコンサルティング会社の利用も視野に入れることで、予算割りも大きく違ってくるでしょう。
融資の依頼ができない
M&Aコンサルティング会社へは、融資の依頼ができないので注意が必要です。証券会社や銀行のM&Aコンサルティングでは、直接融資を受けられる可能性もあるので、この部分は大きな違いと言えます。
M&Aコンサルティング会社は、基本的にM&Aに関する戦略的なアドバイス、ターゲット企業の選定・デューデリジェンス・交渉支援・統合後のサポートなどを提供するのが主な役割です。融資(資金調達)の依頼については、通常M&Aコンサルティング会社が直接対応することはありません。
ただしM&Aコンサルタントは、買収資金をどのように調達するか(自己資金、融資、株式発行など)のアドバイスを行うことは可能です。場合によっては、金融機関や投資家との接続をサポートすることもあります。
必ずしもM&A取引が成立する訳ではない
M&Aコンサルティング会社が関与したとしても、必ずしも取引が成立するわけではないことを理解しておきましょう。M&A取引には多くの不確定要素が絡んでおり、コンサルティング会社が提供するサポートがあっても、最終的な取引成立に至らないケースは少なくありません。
M&Aコンサルティング会社が関与したにも関わらず、契約不成立に終わる理由は様々です。例えば、売り手と買い手の間で企業価値に対する認識に大きなズレがある場合、交渉が決裂することがあります。買い手が求める価格や条件と売り手が提示する価格が一致しない場合です。
また市場環境や経済的な条件が急激に変化すると、取引が成立しにくくなることがあります。例えば、金利の上昇や株式市場の変動、政治的な不安定さなどが影響を与え、買い手の資金調達が困難になる場合です。
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際の注意点
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、いくつかのポイントに留意することが大切です。M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 信頼できるコンサルタントであるか
- 報酬体系が明確であるか
- 豊富なネットワークを持っているか
それぞれについて解説していきます。
信頼できるコンサルタントであるか
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際に、最も重要なことはコンサルタントの信頼性です。どんなに評判が高く、優れた実績のあるM&Aコンサルティング会社であっても、担当のコンサルタントに信頼を置けなくては意味がありません。
M&A取引は多くのリスクを抱える企業戦略のひとつです。特に、法的、財務的、税務的な問題が絡むため、リスク管理能力が欠かせません。信頼性の高いコンサルタントでなければ、会社の存亡にかかわる情報を渡すことは出来ないでしょう。
そこで、M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、まずコンサルタントの態度や言動が信頼に値するかを判断することが大切です。どんなに実績や評判の高いM&Aコンサルティング会社であっても、コンサルタントが信頼に値しない場合、契約締結を見送ることが推奨されます。
報酬体系が明確であるか
M&Aコンサルティング会社を選ぶ際には、報酬体系に目を向けることが大切です。M&Aのコンサルタント料は決して安価ではないため、報酬体系が明確でないM&Aコンサルティング会社を選ぶことは避けましょう。
M&Aのプロジェクトは多くの費用がかかるため、依頼企業はコストを正確に予測し、経済的に最適な選択をする必要があります。報酬体系が事前に明確であれば、依頼する企業側は料金に見合うサービスの価値を評価しやすくなり、意思決定がしやすくなります。
またM&Aコンサルティング会社との契約取引は、双方の信頼関係で成り立っていると言っても過言ではありません。そのため報酬体系を明確にしないM&Aコンサルティング会社は、信頼を築くに値しないと言えるでしょう。
豊富なネットワークを持っているか
M&Aコンサルティング会社にとって、ネットワークの広さは非常に重要な要素です。M&Aのプロセスは非常に複雑で多岐にわたるため、コンサルタントが成功裏に案件を進めるためには、幅広いネットワークを活用することが不可欠となります。
M&Aでは、買収先や売却先、投資家、パートナー企業などとの接点が極めて重要です。コンサルタントが広範なネットワークを持っていると、クライアントのニーズにマッチしたターゲット企業や買収候補者を迅速に見つけることができます。
またM&Aの成功には、単に企業同士を繋げるだけでなく、市場の動向や業界特有の情報を深く理解することが必要です。ネットワークを活用して他の業界の専門家や投資家、アナリストなどからインサイダー情報を得ることができれば、クライアントにとって有利な状況を作り出すことができます。
M&Aコンサルティング会社によくある質問
M&Aコンサルティング会社を利用した経験がない場合には、疑問に思う点がいくつも存在するはずです。そこで、ここでは、M&Aコンサルティング会社によくある質問をQ&A形式で回答していきます。
コンサルティング依頼料の相場はいくらくらいですか?
M&Aコンサルティング会社への支援依頼にかかる費用は、コンサルティング会社によって様々ですので、一概に判断することはできません。ただし大枠の相場では、プロジェクトあたり1,000万円~2,000万円が相場と言われています。
またM&Aコンサルティング会社への依頼料は、M&A取引の規模によっても差が出ることが特徴です。以下は、小~大規模毎のコンサルティング料の相場です。
- 小規模(数十億円以下): 数百万円〜数千万円(成功報酬1%〜3%程度)
- 中規模(数百億円規模): 数千万円〜数億円(成功報酬1%前後)
- 大規模(数千億円以上): 数億円〜数十億円(成功報酬0.1%〜1%)
取引の規模感によってコンサルティング料は全く異なるのがポイントです。また予算をあらかじめ決めておくことで、コンサルティング料を調整することもできます。
依頼する前に準備しておくべきことはありますか?
M&Aコンサルティング会社に依頼をする前には、いくつかの事前準備が必要です。M&Aコンサルティング会社に依頼する前に準備しておくことには、以下のものが挙げられます。
- M&Aにおける目的の再確認
- 財務データの整理
- 企業価値の評価
- 自社実績の集約とアウトプット準備
- M&A担当者の選定
M&A契約は、コンサルティング会社に丸投げをして達成されるものではありません。より良い取引を成し遂げるためにも、上記の事柄をしっかり準備したうえで、コンサルティング会社に依頼をかけましょう。
地方の企業でも依頼することはできますか?
M&Aコンサルティング会社の多くは、東京・大阪などの都市部に本社を構えています。しかし地方の企業であっても、都市部に本社を構えるM&Aコンサルティング会社に依頼することは可能です。
特に大手M&Aコンサルティング会社であれば、地方部にもアクセスが可能な箇所に複数の視点を置いているケースもあります。実際にコンサルタントとオンラインだけでなく、面会することも可能です。
また地方の中小企業を対象に、M&Aコンサルティング事業を手掛ける企業も多いです。地方部に特化したルートを開拓しているM&Aコンサルティング会社も多いので、まずは相談してみましょう。
M&Aの相談をするタイミングは?
M&Aコンサルティング会社に相談を依頼する場合には、出来るだけ早期に相談を開始するのがおすすめです。検討段階であったとしても、まずは相談ベースで依頼をかけてみましょう。
M&Aコンサルティング会社の中には、事前相談であれば無料で行ってくれる会社も多いです。依頼料は発生しないので、気軽に相談することができます。
ただし事前相談をする場合にも、最低限の自社情報をM&Aコンサルティング会社に渡す必要がある可能性も高いです。もし相談だけで検討している場合にも、開示可能な情報の範囲を事前に把握しておきましょう。
企業情報が漏れたりするリスクは?
基本的にM&Aコンサルティング会社は、機密情報を扱う業種です。そのため、クライアント企業の情報漏洩は、信頼の失墜に繋がり、自社のコンサルティング事業に多大な影響を及ぼします。
そのためM&Aコンサルティング会社は機密情報の管理に徹底したスタンスを所持している場合が多いです。そのため、企業情報が漏洩するリスクはほぼ無いといってもいいでしょう。
またほとんどのM&Aコンサルティング会社は、クライアント企業のみならず契約先企業とも秘密保持契約書を取り交わしたうえで、契約支援を行います。法的な側面から情報漏洩をカバーすることが基本です。
おすすめのM&Aコンサルティング会社のまとめ
今回はおすすめのM&Aコンサルティング会社を10選紹介しました。M&Aは経営戦略として非常に有効な手段であり、実際にM&Aを実施することによって、大きく事業を発展させたり、経営を立ち直らせた企業は多く存在します。
そしてM&Aの成功には、M&Aコンサルティング会社の存在が欠かせません。M&Aコンサルティング会社を活用することで、M&Aに知見や経験がない企業も自社にメリットのあるM&A取引を結ぶことができます。
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