この記事は、GENDAが2026年9月30日に発表した事業譲受を、発表当時の事例として整理します。契約は同日に締結され、取引実行日は2026年11月1日の予定です。発表時点で譲受が完了したわけではありません。
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ディー・エイトがアイ・コミューンの展示会事業を譲受
GENDAは、グループ会社のディー・エイト株式会社が、株式会社アイ・コミューンの展示会事業を譲り受けると発表しました。ディー・エイトは展示会やイベントの企画・設計・監理・制作を手掛け、アイ・コミューンは業界団体、官公庁などが主催する見本市・展示会の企画、運営、事務局代行を担ってきました。
GENDAは、ディー・エイトの制作機能にアイ・コミューンの企画運営ノウハウと顧客基盤を加えることで、企画提案から施工、開催当日の運営までを一体で提供する体制を目指すと説明しています。契約締結日は2026年9月30日、取引実行日は同年11月1日の予定です。
譲受価額は非公表、調整後EBITDAの3.5倍相当
譲受価額そのものは、当事者間の守秘義務に基づき公表されていません。一方、GENDAは対象事業の直近決算期実績に基づく調整後EBITDAに対して、事業価値が3.5倍相当の水準と開示しました。対象事業に属する資産のうち双方が合意したものが譲受対象で、対象負債はないとしています。
この倍率は本件の算定条件を示す情報であり、展示会事業や中小企業M&A全般の相場を意味しません。調整後EBITDAは、対象事業の実績に個別費用や独立運営に必要な費用水準の差を加減して算定する指標です。経営者が自社の譲渡を検討する場合、単純な利益倍率を当てはめるのではなく、調整項目の根拠、顧客契約の継続性、必要人員・運営コストを買い手とすり合わせることが価格評価の出発点になります。
事業譲受では顧客基盤と運営の引継ぎを確かめる
本件の狙いは、企画から当日運営までの提供範囲をつなぐことです。事業譲渡・譲受では、設備や契約だけでなく、顧客との関係、主催者との業務分担、開催ノウハウ、担当者の引継ぎが事業価値を左右します。譲受側は、対象資産の一覧に加えて、継続予定の案件、契約の承継条件、主要担当者の就業継続、開催前後の責任分界を確認する必要があります。
特に、対象負債がないという開示だけで、運営上の負担が一切ないと判断することはできません。実務では、未完了案件の費用負担、キャンセル時の責任、顧客情報の移管、開催後の問い合わせ対応を契約と実務フローの両方で確認します。譲渡側も、譲渡対象外の事業や人材に影響が及ばないよう、取引実行日までに業務・資産・顧客の境界を明確にしておくと、引継ぎ後の混乱を抑えやすくなります。
自社の売却価格を検討する経営者へ
M&Aの売却価格は利益倍率だけで決まるものではありません。調整後利益や譲渡対象の範囲を含めた評価の考え方は、M&Aの売却価格の目安と評価方法で確認できます。自社の事業や株式の譲渡を具体的に検討する場合は、M&A HACKへご相談ください。
出典
- GENDA「株式会社アイ・コミューンの展示会事業の譲受に関するお知らせ」(2026年9月30日)
- GENDA「アイ・コミューンの展示会事業を譲受」
- 日本M&Aセンター「GENDAがアイ・コミューンの展示会事業を譲受へ」(案件発見元)


