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ホラーエンタメ市場の進化と提携の背景
近年、ホラーエンターテインメントは新たな技術と結びつき、独自の進化を遂げています。MBSメディアホールディングスとそのグループ会社である株式会社闇、そして映画制作に強みを持つ株式会社UNITED PRODUCTIONS(UP社)が、2024年2月に資本業務提携を結んだことは、この市場の成長を後押しする重要な動きです。特に、闇のホラーコンテンツ開発力とUP社の映像制作力が融合することで、新たなホラーIPの創出が期待されています。この提携は、ホラーエンタメ市場での競争力を強化し、グローバルな展開を視野に入れた戦略的な一歩となります。
株式会社闇のホラーエンタメ戦略
株式会社闇は、デジタルコンテンツや映像作品、リアルイベントの企画・制作において特異な地位を築いています。彼らの強みは、ホラーとテクノロジーを融合させた「ホラテク」アプローチです。この手法により、Z世代を中心に新しいホラー体験を提供しています。また、マーケティングにも非常に強く、様々な企業とのコラボレーションを通じてその影響力を拡大しています。特に、XR(拡張現実)や生成AIの技術を活用することで、インタラクティブで没入感のあるコンテンツを作り出し、ユーザーのエンゲージメントを高めています。
UNITED PRODUCTIONSの映像制作力
UP社は地上波テレビでのバラエティ番組制作だけでなく、ドラマや映画、ミュージックビデオ、企業CMの制作においても多彩な実績を持っています。特に、近年新設されたTOKYO ROCK STUDIOを拠点に、国際共同企画の映画やドラマ制作を進めており、グローバル市場をターゲットにした展開を積極的に行っています。これにより、UP社は日本国内だけでなく、海外市場でもプレゼンスを高めており、これが今回の提携における重要な要素の一つとなっています。
MBSメディアホールディングスの戦略的な動き
MBSメディアホールディングスは、グループ会社である株式会社闇の子会社化を決定しました。これは、グループ全体でのホラーエンタメ事業の拡張を目的としています。さらに、UP社の親会社である株式会社KeyHolder(KH社)への出資も決定しており、これによってKH社のライブ・音楽領域のIPとMBSグループの放送事業との連携が強化される見込みです。これにより、両社は闇の事業拡大を継続的に支援する体制を整えることができ、より強力な市場展開が可能になります。
ホラーエンタメ市場の未来と成長の予測
ホラーエンターテインメント市場は、特に技術革新と共に急速に成長しています。市場調査によると、ホラー映画やゲームのグローバル市場は2025年までに年率6%の成長が予測されています。これは、技術の進化と消費者の興味が多様化していることを示しています。特に、XR技術やAIを活用したインタラクティブなコンテンツは、ユーザーに新しい体験を提供し、ホラーエンタメの新たな可能性を拓いています。このような背景の中で、今回の提携は、両社が持つ技術力とクリエイティブな力を結集し、市場の成長をさらに加速させることが期待されています。
新たなホラーIP創出の可能性
今回の提携により、闇とUP社が共同で新たなホラーIPを創出する可能性が高まっています。具体的には、闇の「ホラテク」を活用した新しいホラーコンテンツの開発が進められており、それがUP社の映像制作力と融合することで、映画やドラマ、ゲームなど多岐にわたるメディアでの展開が可能になります。これにより、国内外での市場シェアを拡大し、ホラーエンタメの新しいスタンダードを確立することが目的です。