フロリダ州での住宅市場の急成長
フロリダ州は、気候の良さや、税制面での有利さから、多くの人々が移住を希望するエリアです。その結果、2022年にはフロリダ州のGDPが全米で4位となり、人口も全米3位に位置しています。この地域の住宅市場は急速に成長しており、特に戸建て住宅の需要が高まっています。2022年の戸建着工許可件数は、テキサス州に次いで全米2位を記録しました。これにより、フロリダ州は住宅建設業界にとって非常に魅力的な市場となっています。
住友林業の戦略的な事業拡大
住友林業は長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を掲げ、2030年までに米国で年間23,000戸の住宅供給を目指しています。この目標達成に向けて、フロリダ州を戦略的に重要なエリアと位置付けています。2022年にはBrightland Homesを通じてSouthern Impression Homesの持分を取得し、フロリダ州への進出を果たしました。2023年にはDRBがオーランド支店を設立し、フロリダ州での事業拡大を積極的に進めています。さらに、新規M&Aも視野に入れており、フロリダ州での供給戸数を現在の年間約700戸から5,000戸に拡大する計画です。
DRBとBH社のシナジー効果
住友林業の米国子会社であるDRB Groupは、BH社の事業を譲受し、フロリダ州での事業基盤を強化しています。BH社はフロリダ州タンパを拠点に戸建住宅やタウンホームの施工・販売を行っており、年間約120戸の販売実績があります。また、フロリダ州No.1の宅地開発デベロッパーであるMetro Development Groupと良好な関係を築いており、潤沢な宅地パイプラインを持っています。この宅地パイプラインを活用することで、DRBのタンパ支店の事業基盤をさらに強化し、販売機能や施工機能、資材調達機能を最大限に活用することが可能となります。
タンパ地区の経済的魅力と住宅需要
タンパ地区は、マイアミ、オーランド、ジャクソンビルと並ぶフロリダ州の経済の中心地であり、州内第2位の人口規模を誇ります。この地域は、安定した人口増加が見込まれ、住宅需要も高まっています。特に、若い世代やファミリー層に向けた住宅の需要が増加しており、これが今後の住宅市場の成長を支える要因となっています。タンパ地区の経済的な活力と住宅需要の高まりは、住友林業グループの事業拡大にとって大きな追い風となるでしょう。
フロリダ州での今後の展望
フロリダ州は今後も人口増加と雇用拡大が続くと予想されており、住宅需要もますます高まる見込みです。このような背景から、住友林業グループはフロリダ州での事業拡大に向けてさらなる投資を進めています。新規M&Aやオーガニックグロースを通じて、年間5,000戸の住宅供給体制を構築することで、2030年の目標達成に向けた基盤を確立する計画です。フロリダ州での住友林業グループの活動は、今後の米国住宅市場における重要な成長ドライバーとなるでしょう。