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オールアバウト、教育支援事業をエンドレスに譲渡



オールアバウトの戦略転換:生涯学習事業譲渡の背景と今後

オールアバウト、戦略的事業譲渡の決断

株式会社オールアバウトの子会社である株式会社オールアバウトライフワークスは、事業の一部を株式会社エンドレスに譲渡することを決定しました。この決定は、新型コロナウイルスの影響による業績低迷を受けたものであり、同社の経営効率化と体制再構築を目的としています。オールアバウトライフワークスは、生涯学習における講師育成や教育支援を行っていましたが、需要の低下と業績悪化が続く中で事業撤退を選択しました。今後の市場動向や業界トレンドを踏まえた戦略的判断として、この決断はどのような意義を持つのでしょうか。

オールアバウトライフワークスの歩みと事業内容

オールアバウトライフワークスは、オールアバウトが2012年に連結子会社化した企業で、生涯学習分野に特化した事業を展開してきました。特に「楽習フォーラム」というブランドで、講師の育成や教室運営の支援を行ってきました。このフォーラムは、手芸やクラフトといった趣味的な分野において、認定講師を育成し、全国に教育の場を提供してきたのです。

生涯学習の市場規模は、日本国内で約2兆円とされ(2023年時点)、高齢化社会が進む中でその需要は年々増加しています。しかし、コロナ禍による生活様式の変化で、オンライン学習が普及する一方で、対面型のサービスには逆風が吹いていました。オールアバウトライフワークスもこうした影響を受け、事業の在り方を見直す必要に迫られたのです。

エンドレスの事業戦略と譲渡の意図

株式会社エンドレスは、アクセサリーパーツやビーズ関連商品の製造・販売を手掛けており、これまでも多様なブランド展開を行ってきました。エンドレスがこの譲受を決定した背景には、教育分野への新たな進出という意図があると考えられます。アクセサリーパーツの製造技術を生かし、教育と趣味の融合を図ることが可能です。

エンドレスの事業戦略において、オールアバウトライフワークスの資産を活用することで、既存の製品ラインナップの強化や新たな顧客層の開拓が期待されています。特に、趣味を通じた学びの機会を提供することで、顧客のライフスタイルを豊かにするビジネスモデルの構築を目指しています。

新型コロナウイルスが生涯学習市場に与えた影響

新型コロナウイルスのパンデミックは、生涯学習市場に大きな影響を与えました。特に、対面での講座や教室運営が困難となり、多くの企業がオンライン化へのシフトを余儀なくされました。2020年以降、オンライン学習プラットフォームの利用者数は急増し、2023年には前年比で20%の成長を記録しています。

しかし、オンライン化の波に乗り遅れた企業や、対面型サービスに依存していた企業は、業績の悪化を余儀なくされるケースが多く見られました。オールアバウトライフワークスも、このような市場の変化に対応しきれなかったことが、今回の事業譲渡の背景にあると言えるでしょう。

今後の業界動向と事業譲渡の影響

今回のオールアバウトライフワークスの事業譲渡は、インターネット関連サービス業界におけるM&Aや事業承継の一環として捉えることができます。市場の変化に迅速に対応するために、企業が持続可能なビジネスモデルを模索する動きが加速しています。

今後の生涯学習市場は、オンラインとオフラインの融合が進むと予測されます。特に、エンドレスのように、物理的な商品と教育コンテンツを組み合わせたハイブリッド型のビジネスモデルが注目を集めるでしょう。オールアバウトライフワークスの事業資産を活用し、どのように新たな価値を創出するかが、今後の鍵となるのです。

事業譲渡と解散の日程

  • 取締役会による事業譲渡に関する臨時株主総会招集決議:2024年10月21日
  • 臨時株主総会による事業譲渡決議:2024年10月21日
  • 取締役会による解散および清算人選任の株主提案決定:2024年10月21日
  • 事業譲渡契約締結:2024年10月21日
  • 臨時株主総会による解散決議(予定):2024年10月31日
  • 事業譲渡期日(予定):2024年11月29日
  • 清算結了(予定):2025年2月28日