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動画制作・映像制作会社のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「動画制作会社のM&Aってどうやって進めればいいの?」
「動画制作会社をM&Aするときの売却相場について知りたい」

この記事を読まれている方には、上記のような悩みをお持ちの人が多いのではないでしょうか。

動画制作会社のリアルなM&Aについて、有益な情報を見つけるのは簡単ではありません。
実際に、一般的な知識や専門用語を調べることができても、M&Aに慣れていない方がゼロから理解していくのは難しいでしょう。

そこで今回は、M&Aの専門企業であるM&A HACK」が、動画制作会社のM&Aについて、M&A未経験の方にこそお役に立てるような内容を全てまとめてお伝えさせて頂きます。動画制作会社のM&Aに関心のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

動画制作会社とは

動画制作会社の具体的な定義はもちろん、動画制作会社の歴史や凝集について詳しく解説していきます。

動画制作会社について

動画制作会社とは、映画やドラマなどのテレビ番組はもちろん、アニメーション、インターネット、CM等の動画の制作を主な事業とする会社になります。

動画制作を指揮するプロデューサーや映像クリエイター、編集者やシナリオライター、声優や音声スタッフなど、多くの専門家によって成りなっている業界です。

動画制作の過程においては、動画制作に必要な企画や予算立案、動画のシナリオ作成や編集など、複数名のチームで行なうこともあれば、全てを単独で行なうインフルエンサーやYouTuberなどの活躍も注目されています。

動画制作会社でのポジション

動画制作会社では、大きく「制作系」「技術系」の2つの役割がポジションとしてあります。

制作系とは、動画制作の全体的な管理や指揮を行い、どういった動画を完成させるかのビジョンを明確にしたうえで、クリエイターとの連携を図り、具体的な動画作品を完成させていきます。

技術系とは、実際の動画制作において、動画制作における技術面に特化し、最新の動画作成ツールを活用し、映像の質向上に貢献していきます。

動画制作会社の将来性

動画制作会社は今後、さらなる需要が求められ、将来性の高い業界といわれています。

YouTubeやTikTokといった動画を気軽に視聴できるプラットフォームが広がり、より多くのユーザーが動画コンテンツを楽しめるようになったことで、動画のクリエイターも増えてきています。

動画を通して魅力的なコンテンツを発信したいというクリエイターに対して、よりクオリティの高い動画を制作できる技術者や企業の供給が追いついていないこともあり、今後の動画制作会社の将来性は高いといえるでしょう。

動画制作会社業界の市場動向と市場規模

動画広告市場
「2022年 国内動画広告の市場調査結果(株式会社サイバーエージェント)」より

M&Aにおいて業界の市場規模や将来性について理解しておくことは重要です。ここからは、動画制作会社の動向について解説していきます。

動画制作会社業界が持つ課題

動画制作会社業界の課題として、AIが競合となり、将来的に仕事が奪われてしまうのではないかという声もあります。

事実として、AI技術の発展によってきれいな映像は簡単に制作されるようになっています。しかし、動画制作は素晴らしい映像が作れればよいという訳ではなく、動画制作を依頼するクライアントとのコミュニケーションを通して、クライアントの希望する世界観を表現する必要があります。

人間同士のコミュニケーションを前提に動画が制作される以上、動画制作会社の仕事が完全にAIに奪われてしまう未来がすぐにくることはないでしょう。

動画制作会社業界の市場規模

動画制作会社業界の市場規模について、株式会社サイバーエージェント(東証プライム市場:証券コード4751)の国内動画広告の市場調査によると、2021年から2026年に向けて、右肩上がりに市場規模の予測数値はあがっています。

テレビやパソコンに比べて、多くのユーザーが気軽にアクセスできるスマートフォンを利用して動画サービスの視聴時間が増えることを考慮すると、より質の高い動画制作を依頼できる動画制作会社への案件や金額も増加していくと予測されます。

動画制作会社業界の技術と今後

動画制作会社の仕事は、今後も多岐に渡っていくことでしょう。動画を媒体とした広告フォーマットはますます多様化していくことが想定され、同時に、動画制作を依頼するクライアントが要求する動画レベルも、より高い水準が求められる様になる可能性は高いです。

AIなどの動画制作ツールに対しての技術を向上させていきながら、様々な要求をしてくるクライアントとの適切なコミュニケーションをすることで、唯一無二の動画制作会社として変化していくことが求められるようになり、結果として、業界全体の将来性も高いと考えられます。

動画制作会社とM&Aについて

動画制作会社において、多種多様なクライアントからの期待に応えるためにも、会社はもちろん、経営陣にも今まで以上のスピードで変化と成長をすることが求められます。何年、何十年の同じ経営陣と経営方針のままでは、変化の早い動画制作業界で成果を出し続けるのは困難といえるでしょう。

経営陣がスピーディーに変化に対応していくための一つの方法として、M&Aが注目されています。M&Aを通じて、企業は新たな価値観や、最新の技術を保有した人材やスキームを確保し、成長していくことが可能になります。

結果として、競争が熾烈になっていく動画制作業界において、他社に対して優位性を保ちながら、新たな改革、改善の機会をもたらすことが期待できます。とはいえ、M&Aは決して簡単なことではなく、成功するためには適切な戦略と計画、M&Aを専門とするパートナーが必要です。

動画制作業の動向と今後

動画制作業におけるM&Aの動向について解説します。これから動画制作会社のM&Aを検討している人は、ぜひ情報の一部として参考にしてください。

5G導入による動画に求められる質の高さ

5G電波導入により、通信速度は4Gの20倍以上になると言われています。今まで以上に容量の大きい長時間の動画であってもスマホ1つでより気軽に楽しむことができます。

これまでよりも快適に動画を視聴できる環境が整うことで、視聴しているユーザーが動画に求めるレベルも高くなることが考えられます。もちろん、市場規模も拡大するでしょうが、同様に、動画制作会社への要求レベルも高くなることで、より競争が激化していくことが想定されます。

VRや3D映像の拡大

動画制作会社は今までのテレビや映画といった2D映像だけでなく、3D映像やVRへの対応も必要となっていくでしょう。

5G電波のエリア拡大により、映像への需要が高まることで、VR技術も向上されていくことで映像に対する注目度は年々高まっています。より一層、動画制作会社は既存の概念や技術にとらわれず、より革新的な動画サービスにチャレンジしていく事が必要になるでしょう。

動画制作会社の労働環境と人材確保の問題

市場規模は確実に広がっている一方、動画制作業界全体において、労働環境の改善を求める声も大きくなっています。

動画制作会社に求められるレベルが高くなっている一方、やりがい搾取に近い低賃金で長時間働かされている方も少なくありません。また、クライアントからの無理な要望や納期に対して、断ることができず、長時間労働を強制されている人材も増えているようです。

低賃金、長時間労働に残業と続けば、当然、質の高い人材を確保することは難しくなります。技術のある人材はどんどん独立、個人事業として企業から離れていく一方、市場拡大に伴い需要は伸びていくと考えれば、労働環境を整えつつ、いかに優秀な人材を確保していくかは、動画制作業界全体において、向き合うべき課題であると言えるでしょう。

動画制作会社業界のM&Aの動向

動画制作業界におけるM&Aの動向について解説します。これから動画制作会社のM&Aを検討している人は、ぜひ情報の一部として参考にしてください。

事業拡大に伴う人材確保の為のM&A

広告代理店事業を中心とする企業が、TV向けの動画制作を手掛ける企業をM&Aすることで、将来の経営に携わる人材の確保、同時に、専門性の高い技術者の確保を行なうことで、グループ企業としてより相乗効果を高めるといったM&Aが活発化してきています。

各種SNSに特化した中小企業のM&A

テレビや新聞といった大衆向けの広告に大きな費用を投じるのではなく、規模は小さくとも潜在的なニーズが高く、投資効率の良い投資先として、YouTube、Instagram、Facebook、TikTokなどの各種SNSに特化、アプリ開発を手掛けていた中小企業がM&Aされるケースも増えています。

大きな資本を持つ大企業が、各種SNSを活用して、ユーザーの細分化されたニーズに対応するべくマイクロマーケティングの強化に向けてM&Aを活用していると考えられます。

外注から自社制作に移行する為のM&A

動画編集スキルのニーズは、動画制作会社内だけでは留まりません。需要の変化スピードが早いユーザーに合わせて、自社サービスの広告や動画を外注するよりも自社内で専門チームを持ちたいという企業も増えています。

ゼロから動画制作スキルを身に付けさせるのではなく、動画制作会社をM&Aすることで、短期間で自社内で動画編集の専門チームを確保することができます。低コストで外注できたとしても、宣伝効果が弱くなってしまえば意味がありませんので、今後も多様化するユーザーに合わせて、大企業が動画制作会社をM&Aしていく流れは続くのではないでしょうか。

動画制作会社のM&Aをするメリット

動画制作会社のM&Aにおいてのメリットを売却側・買収側の両方から解説します。
メリットと注意点を比較検討しながら、動画制作会社のM&Aを検討してください。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 従業員の雇用維持
  • 経営リスクの軽減
  • 売却益の確保
  • 個人保証の解除
  • リソースの選択と集中
  • 優秀な人材確保
  • 専門性の高い技術の獲得
  • 業界内のシェアの拡大
  • 多角化、グローバル化の加速
  • 時短による効率化

売却側のメリット

動画制作業界における売却側のメリットは、以下の通りです。

  • 従業員の雇用維持
  • 経営リスクの軽減
  • 売却益の確保
  • 個人保証の解除
  • リソースの選択と集中

それぞれ詳しく解説していきます。

従業員の雇用維持

M&Aを通じて、従業員の雇用を維持することができます。M&Aを実行せずに経営破綻、廃業してしまった場合、従業員は失業してしまいます。長年会社を支えてくれた従業員に退職金を支払うこともできず、いきなり雇用がなくなってしまう事態を避け、雇用を維持できるということは従業員にとっては大きな安心感を得られることになります。

経営リスクの軽減

M&Aを実行できる買い手は、企業規模が大きく安定経営ができているケースが多いです。大手企業の傘下に入ることで、知名度アップに伴い、資本力も増加することによって、経営自体を安定させることができる可能性があります。

これにより、短期的な資金繰りや売上にこだわって中長期的な戦略を間違えてしまうことなく、必要な事業にリソースを投下することで、より質の高い動画サービスを展開していくことができるでしょう。

売却益の確保

オーナー経営者であれば、M&Aにて企業を売却することで売却益を得ることができます。株式会社であれば、株式の譲渡所得になりますので、税制面の優遇を受けられる可能性があります。中小企業の場合、経営陣の退職金を積み立てていないケースもありますので、老後の資金調達を目的として、M&Aによるキャピタルゲインを得られるというはメリットの一つといえるでしょう。

個人保証の解除

特に中小企業や創業社長の場合、立ち上げ期の資金調達において、代表者自らが個人保証として連帯保証人になっているケースも多いです。どんなに企業が順調であったとしても、突発的な事件によって経営が傾いてしまったときに、連帯して個人でも借金返済に追われるとなるというのはリスクになります。M&Aを行い、代表者個人の連帯保証がなくなることで身軽になり、より円滑な事業推進、事業承継を進めていけるようになるでしょう。

リソースの選択と集中

景気回復に課題の多い日本国内において、企業も生き残りをかけて、日々、競合他社との競争を強いられています。その中で、既存のビジネスだけにこだわり現状維持を続けていくことは、緩やかな衰退に繋がってしまう可能性があります。

M&Aを活用して、あらゆる選択肢から、より特化した事業にリソースを集中させることで、経営状況を大きく好転できるかもしれません。成長が期待できる分野に資金や時間、人材を集中投下するためにM&Aは有効な選択肢の一つになります。

買収側のメリット

動画制作業界における買収側のメリットは、以下の通りです。

  • 優秀な人材確保
  • 専門性の高い技術の獲得
  • 業界内のシェアの拡大
  • 多角化、グローバル化の加速
  • 時短による効率化

それぞれ詳しく解説していきます。

優秀な人材の確保

M&Aを通じて、動画制作会社での実務経験が豊富、かつ技術力のある人材を一気に確保することができます。特に、映像に関する専門的なスキルは短期間で身につけることは難しく、仮に現役の技術者であっても、異なる分野において専門性を身に付けるのは簡単ではありません。現場で実戦経験があり、かつ専門性の高い人材を確保できるのは企業にとって大きなプラスになります。

専門性の高い技術の獲得

同じ動画であっても、映画のような長時間の動画、SNSにおける短時間の動画、またVRなどの最新技術を必要とする動画や映像では、ノウハウや技術が全く異なります。仮に動画制作の経験があったとしても、新しいジャンルの技術を身につけるのは一朝一夕では行かないでしょう。

M&Aを活用することで、特定の分野における動画制作技術のシステムや仕組みをそのまま自社に取り込むことができます。結果として、ライバル企業に対しての優位性を大幅に高めることができます。特に技術進歩が著しく早い動画業界においては、特に効果的といえるでしょう。

業界内のシェア拡大

M&Aを行なうことで、買収企業が保有している設備や不動産はもちろん、無形資産として、既存顧客、見込み顧客、取引先等を取得することができます。業界内において、特定の企業同士でM&Aを行なうことで、業界内での勢力図を大きく塗り替えることもできます。

同業界内でのM&Aは、シェアの奪い合いをしている企業にとっては追い風となり、競合他社にプレッシャーをかけることもできるでしょう。

多角化、グローバル化の加速

動画制作は、すでに日本国内だけの事業ではありません。質の高い動画を国内から海外に発信することや、逆に海外から国内に持ってくるケースも増えています。

多角化、グローバル化をゼロから行なうのは非効率的であり、すでに現地で取引のある企業をM&Aすることで、大幅に時間を短縮して、一気に多角化経営を行うこともできるでしょう。

時短による効率化

動画制作においても5GやAIといった最新のテクノロジーの発展に伴い、変化のスピードが何倍にもなってきています。全てを自社で行なうことは、変化の早い周囲の環境から遅れていくことを意味します。

他社と比べてスピードで劣るということは、変化の激しい動画制作業界において致命的です。他社よりも先にシェアの拡大、グローバル展開、ニッチな市場への新規開拓、あらゆる場面でスピーディーに展開することで優位性を得ることができます。M&Aによる時短による効率化は、変化の激しい現代において、大きなメリットになるでしょう。

動画制作会社のM&Aの注意点

動画制作会社のM&Aを行う際の注意点を解説します。

帳簿外の債務など、正確な財務状況の把握

M&Aにおいて注意するべきこととして、対象企業の財務状況が正確に把握できるかどうかがあります。お金の流れが全て正確に記帳されていれば避けられるリスクではありますが、実際には、未払の社員への報酬や残業代、明確な債務にはなっていないものの、クライアントからの過去のトラブルや未解決の訴訟問題などが隠されている可能性もあります。

財務状況や資産、負債の正しい把握を行なうためにも、M&Aの専門家に調査してもらうなど、厳密な検証を行ったうえで、M&Aの判断をすることが必要と言えるでしょう。

企業文化の違いによる業務引き継ぎの遅延

業界、または企業文化の異なる組織が一つになるM&Aにおいては、スムーズな統合、そして業務の引き継ぎは難しい課題といえます。元々の価値観が違う組織なわけですから、無理やりどちらかに合わせて進めてしまうと、従業員同士のトラブルや人間関係の不満は避けられません。結果的には仕事の生産性が低下し、想定していた程の成果を得られない可能性があります。

M&Aを成功させるには、マニュアルに囚われて表面的な数値にだけ拘るのではなく、現場で積み上げてきた両者の歴史や価値観をお互いに尊重しあえるように、M&Aの初期の段階から歩み寄る時間と、共通の目標を明確にすることが大切です。

M&Aにおける権利関係と法的手続きの複雑さ

M&Aをトラブルなく進めていくには、様々な権利関係や法的手続きを正しい手続きにて行なう必要があります。特に、業界や国境を越える取引においては、それぞれの異なるルールを踏まえて進める必要があり、複雑さは増してしまうでしょう。

その為、M&Aの専門家による適切なアドバイスを受けることで、よりスムーズに進めることができます。事前に発生しうるトラブルの可能性に対して、事前計画を立てることが、トラブルのリスクを軽減することができるでしょう。

動画制作会社におけるM&Aを成功させるためのポイント

動画制作会社におけるM&Aを成功させるためのポイントを解説します。動画制作会社におけるM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

・M&A戦略の立案
・相場価格をよく理解しておく
・PMI(統合後プロセス)の確立

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによって得られる成果を事前に準備、計画することを指します。M&A戦略を如何に綿密に行なうかは、M&Aの成否に大きくかかわります。

前提として、M&Aを行なうことで、どんな会社にしていきたいのか。目指すべきビジョンを明確にした上で、特定の企業を買収した結果、どのようなプラスを得られるのかを明確化しておく必要があります。

とはいえ、例え自社の業界で大きな成果を残していたとしても、M&Aという特殊な領域においては自分たちだけで全てのリスクを踏まえて進めるのは極めて困難といえます。当然、日々の業務をこなしながらになりますので、想像以上に大きな負担になってしまう可能性があります。

相場価格をよく理解しておく

M&Aを実行する前に、買収予定の企業の価値をどのように評価し、また、現在の自社の企業価値がどのように評価されているか、客観的に把握しておく必要があります。

評価の判断基準についても、今後の市場の成長性、財務状態、将来的な技術力など、多方面から評価しておく必要があります。適切な評価ができないと、魅力的な企業の買収を断念して損をしてしまう可能性もありますし、逆に、過大評価した企業を無理に買収した結果、以前よりも自社の評価が下がってしまう可能性もあります。

M&A HACK」は、M&A取引の専門組織として、あらゆる業界の企業の評価を多方面から行い、M&A取引をゼロからサポートする仲介サービスになります。当サービスは、完全成功報酬型となり、初めてのご相談は無料となります。せっかくのM&Aで失敗したくないと考える方は、ぜひ下記からお問い合わせくださいませ。

無料相談のご予約:
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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aが大切なのは、企業買収後になります。どんなに優良企業を買収できたとしても、買収後にきちんとした統合作業ができなければ、せっかくの時間と投資が無駄になってしまいます。

場合によっては、現場での人間関係トラブルや、適切に引き継ぎができなかったことでユーザーからのクレームに発展し、むしろ損失が拡大してしまう可能性すらあります。適切な人員配置、企業文化の統合、既存システムの調整など、考慮すべきことはいくらでもあります。そして、全ての作業を漏れなく進めるには、M&Aの実務経験と専門知識が必要不可欠になるでしょう。

動画制作会社業のM&Aにおける成功事例

動画制作会社業界におけるM&Aの成功事例を紹介します。これから動画制作会社、または関連業界におけるM&Aを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

株式会社テー・オー・ダブリューが株式会社モットを連結子会社化

株式会社テー・オー・ダブリュー(4767)は、デジタル制作や映像制作、SNSやeSportsのプロモーションをしている企業です。株式会社モットは、TVCM、ウェブ動画などの映像コンテンツ等の企画と制作をしている企業になります。

株式会社テー・オー・ダブリューは、自社グループで保有しているプランニング力、プロディース力をベースに、株式会社モットが保有している映像制作におけるクリエイティブ力と制作力を持つ人材確保により、より質の高い統合プロモーションを提供することで、さらなる事業拡大を目指しています。

M&Aが公式に発表されたのが2023年7月18日になります。

参考:株式会社モットの株式取得(連結子会社化)に関する

ニューラルポケット株式会社が株式会社フォーカスチャネルを子会社化

ニューラルポケット株式会社(4056)は、2019年から展開しているサイネージ広告サービスにより、商業施設やオフィスビルを中心にAIカメラを設置、通行人など実際に広告を視聴した方のデータを集積することで屋外広告に付加価値をつけています。

株式会社ファーカスチャネルは2017年より都心部のハイグレードマンションのエントランスを中心にサイネージ広告事業を展開しております。

ニューラルポケット株式会社は、株式会社フォーカスチャネルが提供するサイネージ機器と、AI カメラの連携により、より効果的な広告、動画配信を行うことを目指しています。

M&Aが公式より発表されたのが2021年10月22日になります。

参考:株式会社フォーカスチャネルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

テレビ東京ホールディングスがD・A・Gと資本業務提携

テレビ東京ホールディングスは、首都圏に放送エリアを保有しており、2024年4月に開局60周年を迎える大手企業となります。株式会社D・A・Gは、3DCG制作、ゲーム開発を手がける企業です。

テレビ東京ホールディングスは株式会社D・A・Gと資本業務提携契約を締結し、出資比率が20%となったことで、テレビ東京ホールディングスの持分法適用会社となりました。

テレビ東京ホールディングスはコンテンツ制作力の強化を目指しており、株式会社D・A・Gが保有しているモーションキャプチャースタジオやバーチャルプロダクションスタジオを活用した高品質な3DCG制作の強みをさらに活かし、相互の人材や製作技術を組み合わせ企業価値を向上させる狙いがあります。

M&Aが公式に発表されたのが2023年11月9日になります。

参考:D・A・G(ディー・エイ・ジー)、テレビ東京HDと資本業務提携を発表

シリウスビジョンがVOSTECを吸収合併

シリウスビジョン株式会社(6276)は、独自開発した画像検査アルゴリズムにより、高い精度による画像の自動検査を行える技術により、画像検査ソフトウェアの開発販売を行っています。

VOSTEC株式会社は画像検査に関する研究開発事業を行っており、グループ全体の経営資源の集約による事業運営の効率化を目的とした吸収合併になります。

M&Aが公式に発表されたのが2022年6月9日になります。

参考:連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

ヒビノがAV-X社の株式を増資引受により子会社化

ヒビノ株式会社(2469)は音響と映像を中心とした製品、サービスを多様な市場に展開しています。

AV-X GmbHはドイツの大型映像サービス事業会社として、モーターショーの絵以上演出を中心に大型映像サービスに強みのある企業です。

ヒビノ株式会社は、AV-X GmbHを子会社化しての事業拡大を支援することで、ヒビノグループのグローバル展開を加速させ、ヨー ロッパにおける事業機会の創出につなげていく狙いがあります。

M&Aが公式に発表されたのが2022年2月24日になります。

参考:ドイツの大型映像サービス事業会社の増資引受による株式取得(子会社化)に関するお知らせ

IMAGICA GROUPが株式会社フォトロンが営む事業を承継

株式会社IMAGICA GROUP(6879)は、映像コンテンツ、映像制作技術サービス、映像システムに関する事業を展開しており、エンタメ分野においても、映画、アニメ、広告、ゲーム、ライブ等の様々なジャンルにおいて動画、映像作品を展開しています。

株式会社IMAGICA GROUPは、グループ全体の生産性向上に向け、映像システム事業に属する株式会社フォトロンの管理業務を株式会社IMAGICA GROUPに集約することで、生産性の向上をさせる目的があります。

M&Aが公式に発表されたのが2021年1月22日になります。

参考:グループ事業再編の実施に関するお知らせ

エイベックスがエイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社の事業の一部をKDDI株式会社に譲渡

エイベックス株式会社(7860)は、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社が運営するLivePocket事業をKDDI株式会社(9433)へ譲渡しました。

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社は、主にアーティストのライブ・コンサートの制作、ライブ・コンサートのチケットやグッズの販売を中心とした事業展開をしていました。その事業の中で、イベント主催者が直接ユーザーにチケット販売ができる、電子チケット販売のプラットフォームとしてLivePocket事業を運営していました。

LivePocket事業をKDDI株式会社に譲渡することで、今まで以上に幅広く、主催者・ユーザー共に良質なサービスを展開していくことが可能になり、結果として、グループの企業価値向上につながると結論付け、M&A取引を決定しました。

M&Aが公式に発表されたのが2024年3月21日になります。

参考:デジタルとリアルのお客さま接点を活用し、エンターテインメント事業を強化

KADOKAWAがBY4M STUDIOと合弁会社を設立

株式会社KADOKAWA(9468)は、韓国における総合エンターテインメント企業であるBY4M STUDIOとの間で合弁会社を発足しました。

KADOKAWAグループは、日本国内にとどまらず、これまで北米・アジア圏を中心として、海外拠点への事業拡大を進めていました。その中で、ライトノベルやコミックなど、海外からも人気のコンテンツを翻訳出版していき、韓国市場での更なるシェア拡大を目指し、KADOKAWAの有償増資により合弁会社の設立に至りました。

韓国市場においてBY4Mグループは、自社SNSチャンネルを中心に、エンターテインメント、出版、映像制作はもちろん、広報、音楽制作、飲食等の幅広い事業展開をしている、韓国における総合エンターテインメント企業になります。

M&Aが公式に発表されたのが2024年3月6日になります。

参考:KADOKAWA、韓国BY4M社と韓国にて合弁会社を設立

クリーク・アンド・リバー株式会社がリヴァイ株式会社の子会社化

株式会社クリーク・アンド・リバー社(4763) は、リヴァイ株式会社の株式取得により子会社にしました。

クリーク・アンド・リバーグループは、動画映像を中心に、ゲーム、広告、出版等、全18分野での事業展開をしています。さらに、プロフェッショナルの価値向上に向けて、VRやドローン、AIなどのビジネス展開もしています。

リヴァイ株式会社は、生成AIを活用したクリエイター支援を中心とした企業になります。生成AIに関した情報発信を行なう「LivAI(リヴァイ)」サービスの運営、展開をしています。

クリーク・アンド・リバーグループはリヴァイ株式会社を子会社化することで、既存のクリエイターネットワークに生成AIサービスを提供し、クリエイター全体のレベルアップをはかることで、さらなる活躍の場を開拓していくという目的があります。

M&Aが公式に発表されたのが2024年2月29になります。

参考:リヴァイ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

第一興商が子会社のユニオン映画の全保有株式をタクミ商事に譲渡

株式会社第一興商 (7458) は、連結子会社であるユニオン映画株式会社の保有株式の全てをタクミ商事株式会社に譲渡することを決定しました。

株式会社第一興商は、カラオケ事業を中心として、飲食店、音楽ソフトなどの事業展開をしています。一方、ユニオン映画株式会社は、テレビ番組、映画、演劇等の企画や製作、インターネット配信コンテンツの企画、販売をおこなっていました。

ユニオン映画株式会社の単独の業績は、独立系の番組製作会社として、動画、映像制作の業界内において一定の立ち位置を築いていましたが、株式会社第一興商のメイン事業であるカラオケ事業との間で大きな相乗効果をうみだすことは難しく、結果として、タクミ商事株式会社へ株式譲渡をすることで、ユニオン映画株式会社は連結子会社から除外されることになりました。

タクミ商事株式会社は、音響機器や測定装置の販売、インターネットなどのネットワークを活用した通信販売、映像や音楽DVDなどの企画製作・販売を行っています。

M&Aが公式に発表されたのが2024年1月29日になります。

参考:連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ

松竹とTBSホールディングスが資本業務提携

松竹株式会社 (9601)は、株式会社TBSホールディングス(9401)との資本業務提携が合意に至りました。

松竹株式会社は、映像・演劇事業を中心として、その他、不動産事業を行っています。一方、株式会社TBSホールディングスは、テレビ・ラジオの放送、映像・音声ソフト等の制作や販売を行っています。

両社による相乗効果を発揮するために、アニメをメインとした映像コンテンツの共同制作を主軸に数多くの施策に取り組むことが資本業務提携の目的になります。資本提携の結果、両社の関係を強化することで、オリジナルIPやキャラクターの共同開発、アニメーション、アニメ映画などの動画コンテンツの共同製作など、新しいジャンル改革に向けて共同で挑戦していくことになります。

M&Aが公式に発表されたのが2024年1月25日になります。

参考:株式会社 TBS ホールディングスとの資本業務提携に関するお知らせ

ジョルダンが連結子会社エアーズの株式の一部を譲渡

ジョルダン株式会社(3710) は、連結子会社である株式会社エアーズの株式の一部を譲渡することで、株式会社エアーズはジョルダン株式会社の連結子会社から、持分法適用関連会社に切り替わる見込みとなります。

ジョルダン株式会社は、デジタルコンテンツ制作、インターネットコンテンツの制作と提供、また、パッケージソフトの開発と販売を行っています。一方、株式会社エアーズでは、ドローン事業として、パイロットの育成、ドローンのソフトウェア販売を行っています。

ジョルダングループは、インバウンドを含む観光関連の分野でドローン事業との相乗効果を得ることで、グループ全体の利益向上につながると考え、株式会社エアーズを子会社化していました。

しかし、ドローン市場の拡大には想定以上の時間と資金が必要であることが明らかになり、期待できる将来の成長性を踏まえても、現状のまま連結子会社として事業を進めていくのが適切ではないとの結論に至り、株式の一部を譲渡することを決定しました。

M&Aが公式に発表されたのが2023年12月29日になります。

参考:連結子会社株式の譲渡に関するお知らせ

ブロードメディアがdivを買収

ブロードメディア株式会社(4347) が、株式会社divの株式を取得することで子会社化しました。

ブロードメディア株式会社は、映画、ドラマ、アニメといったコンテンツのブロードバンド配信を主軸として、電子コミックサービス、衛星放送、教育サービスの提供を行っています。一方、株式会社divは、プログラミング教育事業に強みがあり、未経験からでもエンジニアになれる「テックキャンプ」の運営を行っていました。

ブロードメディアグループは、自社の強みとして保有している技術プラットフォームを、さらに独自性の高いサービスにしていくことを目的として、中長期的な成長を目指し、プログラミング教育事業でシェアを保有している株式会社divを買収することを決定しました。

M&Aが公式に発表されたのが2023年12月16日になります。

参考:株式取得(子会社化及び孫会社化)及び特定子会社の異動に関するお知らせ

フォーサイドが連結子会社のポップティーンとフォーサイドメディアの吸収合併

株式会社フォーサイド(2330)は、連結子会社である株式会社ポップティーンを存続会社として、同じく連結子会社であるフォーサイドメディア株式会社を消滅会社とする吸収合併を決定しました。同時に、株式会社フォーサイドが有していたフォーサイドメディア株式会社の債権を放棄しています。

株式会社フォーサイドは、出版の企画・制作・販売など出版業界において多角的に事業を展開しています。その中で、連結子会社として株式会社ポップティーン、フォーサイドメディア株式会社は主に出版事業を行っていました。

フォーサイドメディア株式会社は吸収合併時点では債務超過であり、事業の改善が難しいと判断され、グループ事業の再編、ならびに業務の効率化とコスト削減を目的として、株式会社ポップティーンへの吸収合併が適切と判断しての実行となります。

M&Aが公式に発表されたのが2023年11月13日になります。

参考:連結子会社間の吸収合併及び債権放棄に伴う特別損失の計上(個別)に関するお知らせ

朝日放送グループHDが子会社のABCアニメーションにて、CGCGスタジオの株式譲渡契約を締結

朝日放送グループホールディングス株式会社(9405)は、完全子会社である株式会社ABCアニメーションにて、CGCGスタジオ株式会社の株式譲渡契約を締結しました。

CG映像制作事業・モーションキャプチャー事業・ゲームコンテンツ開発事業の譲受を目的とした株式譲渡契約を締結した。

朝日放送グループホールディングス株式会社は、テレビ、ラジオを中心とした放送事業を展開しており、テレビ番組の企画・制作を行っています。また、完全子会社である株式会社ABCアニメーションは、アニメコンテンツの企画・製作・販売を行い、国内だけでなく海外へも販売網を広げています。

一方、CGCGスタジオ株式会社は、3DCGの制作、VRコンテンツの開発を行っており、朝日放送グループホールディングス株式会社は、CGCGスタジオ株式会社の株式を取得することで子会社化し、コア事業であるアニメ事業の強化に向けて、双方の企業価値を向上できると判断した結果、今回の株式譲渡契約の締結に至りました。

M&Aが公式に発表されたのが2023年10月26日になります。

参考:CG 映像制作会社である CGCG スタジオ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

まとめ

今回は、動画制作会社のM&Aについて、動画制作会社のM&Aにおける具体的な事例や、メリット・デメリットなどについて解説してきました。

動画制作業界は5GやAIの進化に伴い、変化のスピードが早いメディア事業、コンテンツ事業に関わる業界になります。競合他社の進化に遅れを取らないためにも、M&Aを活用して多角的に事業展開を試みている企業は多く存在します。しかし、M&Aを強引に行った結果、現場での連携が取れず、結果的に損をしてしまう可能性もあるため、有効な手段であると同時に、適切な知識と準備が必要になります。

M&Aはスピーディーな企業の成長戦略として、有効かつ効率的な手段の一つになりますが、同時に、専門性が高く、失敗すると大損してしまうリスクも事実としてあります。是非、今回の記事を参考にして頂き、動画制作会社におけるM&Aを検討してみてはいかがでしょうか。

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