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ECサイト・ネット通販のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「ECサイト・ネット通販のM&Aにおける動向は?」
「ECサイト・ネット通販のM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「ECサイト・ネット通販 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、ECサイト・ネット通販のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

ECサイト・ネット通販におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、ECサイト・ネット通販のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

ECサイト・ネット通販とは

ECサイト・ネット通販は、インターネットを通じて商品やサービスを提供する事業モデルのことです。日本語では電子商取引を意味する「electronic commerce」の頭文字を取った言葉になります。

日本の経済産業省では、2020年の報告書において「ECとは、インターネットを利用してコンピューターネットワークシステム上で受発注が行われること」としました。またOECD(経済協力機構)では、狭義的には「「インターネット上で行われる物・サービスの売買」と定義しています。

さらに近年では、「PayPay(ペイペイ)」や「QUICPay(クイックペイ)」などのキャッシュレス決済サービスが普及したことにより、ECサイト・ネット通販の利便性は一気に向上しました。ECサイト事業は参入障壁が低いこともあり、今後更なる市場規模拡大が予想されています。

ECサイト・ネット通販のビジネスモデル

ECサイト・ネット通販のビジネスモデルについて解説していきます。ECサイト・ネット通販には多くのビジネスモデルが存在しますが、なかでも代表的なものは以下の通りです。

  • 自社ECサイト
  • モール型ECサイト
  • O2Oや越境EC

それぞれ詳しく解説していきます。

自社ECサイト

ECサイト・ネット通販で最も代表的なビジネスモデルが、自社ECサイトの運営です。自社のホームページなどの独自ドメインで、自社のブランドイメージにあったページを構築し商品を販売します。

自社ECサイトの最大の魅力は、商品の販売における利益率を最大化できることです。ECモール(楽天やamazonなど)に出店する場合には、必ず手数料が発生しますが自社ECサイトの運用であれば、モール側に支払う手数料は発生しません。

また自社ECサイトは自由にページ構築を出来ることも大きなメリットです。ASP・パッケージ・オープンソース・フルクラッチなど、様々なEC構築方法から自社に合った方法を選択することができます。もちろん支払い方法や商品配送方法まで自社で設定することが可能であるため、自由にECビジネスを展開することが可能です。

モール型ECサイト

モール型ECサイトとは、多数の企業や商店のECサイトが集まったインターネット上の‟仮想的な商店街”のことです。日本におけるモール型ECサイトの代表的なものには「楽天」や「amazon」「Yahoo!ショッピング」などが挙げられます。

モール型ECサイトの最大のメリットは、「集客力の高さ」です。自社ECサイトでは自由なECビジネスの展開が出来る一方で、自社ECサイトへの集客は一から自社で行わなければなりません。一方でECモールで出店すれば、モール側が持つ既存ユーザーが自社のモール内ページに流入してくれる可能性が高いです。

ただしモール型ECサイトでは、運営側に対し出店費用や販売手数料が発生するというデメリットもあります。集客率が高い一方で発生する間接費用により利益率が下がるため、注意が必要です。自社ECサイト・ECモールともにメリットとデメリットが存在するため、両方とも運用を手掛ける企業も多くあります。

O2Oや越境EC

これまでのECサイト・ネット通販のビジネスモデルは、主に国内の「自社ECサイト」もしくは「モール型EC」での運営が一般的でした。しかし近年では、自社ECサイト・ECモールに加え、「O2O(Online to Offline)」や「越境EC」のビジネスモデルも登場しています。

O2O(Online to Offline)とは、オンライン(Webサイト・インターネット広告・SNSなど)で情報を発信を行い、集めた見込み客をオフライン(実店舗)に誘導し購買を促すビジネスモデルのことです。「On2Off」とも表現されており、様々なマーケティング手法の中から集客方法を選択することができます。チラシ広告などよりも更に広い範囲で自社ブランドや商品の宣伝ができるため、より高い訴求効果が見込まれます。

更にO2Oに加えて注目を集めているのが越境ECビジネスです。越境ECとはアメリカや中国などの諸外国に対し、国内の商品をインターネットを通じて販売する手法になります。諸外国の人々は依然として日本の製品に対し高い信頼性を持っており、非常に需要が高いことが特徴です。送料などの間接費用が高いビジネスモデルですが、近年は越境EC市場の拡大が注目されています。

ECサイト・ネット通販に必要な業許可・資格・人材

ECサイト・ネット通販の事業運営において必要となる業許可・資格・人材について解説していきます。

ECサイト・ネット通販に必要な業許可

ECサイト・ネット通販では、実店舗で商品を販売するのと同様に、業種によっては取得が必要な業許可が存在します。ECサイト・ネット通販において業種毎に必要な業許可は、以下の通りです。

  • 食品関連:食品衛生法における業許可
  • 古物商:古物営業法における業許可
  • 酒類:一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許
  • 医薬品:医薬品販売業許可・特定販売許可(インターネット販売許可)
  • ペット:第一種動物取扱業・第二種動物取扱業

上記の通り、ECサイト・ネット通販事業であっても業種によっては特定の業許可が必要です。業許可の申請先も許可申請区分によって異なるので注意しましょう。

また「健康食品」「化粧品」のECサイト・ネット販売においては業許可の取得が義務付けられていません。ただし自社工場で健康食品や化粧品を製造・販売するには業許可が必須なので注意しましょう。

ECサイト・ネット通販に必要な資格

ECサイト・ネット通販では業種によって必要な業許可が存在するのと同時に、販売する業種によっては特定の有資格者が必要になります。ECサイト・ネット通販における業種毎に必要な資格は、以下の通りです。

  • 食品関連:食品衛生責任者
  • 古物商:古物商資格
  • 酒類:酒類販売管理者
  • 医薬品:登録販売者または薬剤師
  • ペット:動物取扱責任者

基本的に実店舗販売において必要な有資格者は、ECサイト・ネット通販においても同様に有資格者の雇用が必須です。業種によって資格取得難易度は異なりますが、一定の経歴が取得条件となる資格もあります。

また食品衛生責任者や古物商資格などは、販売する商品の内容によっては取得が不要となるケースもあるので事前に自社が販売する商品の内容を把握しておくことが大切です。

ECサイト・ネット通販に必要な人材

ECサイト・ネット通販業の運営においては、業許可・資格所有者の獲得のみならず、特定の人材を確保することが必要になります。ECサイト・ネット通販事業に必要な人材は以下の通りです。

  • マーケティング人材
    サイトブランディングや商品認知拡大、公式サイト・自社モール内ショップへの集客数増加、露出面拡大、価格競争戦略の立案など戦略的な施策を考案・実施するための人材。マーケティング人材のスキルによってECサイト・ネット通販事業者の業績も変化するため、非常に重要な人。
  • クリエイティブ人材
    公式サイトもしくはモール内ショップのサイト設計を担当する人材。HTMLやCSSなどのエンジニアリングスキル・LP制作などのライタースキル・LP画像作成などのデザインスキルなど多彩なスキルが求められるため、それぞれの分野におけるクリエイティブ人材の確保が必要。
  • サイト運営
    販売している全商品の網羅的な掲載情報を把握し、マーケティング人材やクリエイティブ人材と連携し、サイトを運営する人材。リーダー的な位置づけにあるため、ECサイト・ネット通販の知識だけでなく、マネジメントスキルも必要。

他にも「商品企画」「バックオフィス人材」などの人材も必要となります。ECサイト・ネット通販の業務内容は多岐に渡るため、中小規模のEC事業者は一人の人材が複数の業務を担当したり、専門の業者に運営を委託するケースも多いです。

ECサイト・ネット通販の市場動向

ECサイト・ネット通販の市場動向について解説していきます。現在のECサイト・ネット通販業界における市場動向は、以下の通りです。

  • 市場は拡大傾向
  • SNSによる広告手法の変化
  • 越境ECなどの派生形ビジネスモデルの誕生

それぞれ詳しく解説していきます。

市場は拡大傾向

経済産業省 令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査

ECサイト・ネット通販業界の市場規模は、右肩上がりで拡大しています。2022年における国内のBtoC-EC市場規模は22.7兆円(前年度比9.91%増)で、国内のBtoB-EC市場規模は420.2兆円(前年度比12.8%増)です。

2013年度から2022年度までの10年間で市場規模は約2倍(2013年111,660億円→2022年度227,449億円)にまで成長しています。10年間で市場規模が倍にまで拡大する業界は非常に珍しく、景気悪化を辿る日本においては非常にポジティブな現象と捉えられるでしょう。

またコロナ禍が収束した現在もEC業界の規模拡大を続いている状態です。今後もしばらくは業界全体で右肩上がりの市場成長が予測されており、新規参入業者の数も増加していくことでしょう。

SNSによる広告手法の変化

現在のECサイト・ネット通販業界に最も影響を与えているのが、SNSを活用した広告手法です。これまでのネット通販業界における広告手法は、リスティング広告とリマーケティング広告が主流でしたが、新たにSNS広告を活用する企業が増加しています。

SNS広告とは、「Facebook・Twitter・Instagram・LINE・TikTok、YouTube」といったSNSに配信する広告のことです。SNS広告の特徴はターゲティング精度の高さです。配信時間・配信地域・性別・年齢・興味関心・一度自社のページを見た人など、細かく配信する対象をセグメントできます。

ただしSNS広告は、ディスプレイ広告と同じく悩みやニーズの顕在度が高くないので、記事広告やアンケートLPを挟んでニーズを顕在化し、商品ページに遷移してもらった上で購入してもらうことが重要です。

越境ECなどの派生形ビジネスモデルの誕生

ECサイト・ネット通販業界においては、越境ECなどの派生型ビジネスモデルの誕生です。これまでの自社ECサイトやECモールでの商品販売だけでなく、様々なチャネルを活用したECサイト・ネット通販事業の運営が加速度的に進んでいます。

越境EC事業やO2Oなどの派生型ビジネスモデルが誕生してきている理由のひとつは、国内EC市場の競争率激化がひとつの理由です。国内通販市場への参入障壁は非常に低く、次々と新規参入業者が増えているため、市場競争が激化しています。

国内EC市場の競争率激化は、派生型のECビジネスモデルを生む大きな要因のひとつです。今後も国内EC市場の競争率は激化していくことが予想されるため、更なる新規EC関連のビジネスモデルが増えていくことでしょう。

ECサイト・ネット通販が抱える課題

ECサイト・ネット通販業界が抱える課題について解説していきます。ECサイト・ネット通販が抱える課題は、以下の通りです。

  • 市場競争の激化
  • マーケッターやエンジニアの不足
  • 法規制の厳正化

それぞれ詳しく解説していきます。

市場競争の激化

ECサイト・ネット通販業界で最大の課題となっているのが、市場競争の激化です。ECサイト・ネット通販業界は参入障壁が低く、かつ成長市場であるため新規参入する企業が多く、同時に市場競争も激化しています。

市場での市場競争が激化することで様々なデメリットが生じます。市場競争が激化することで発生するデメリットは、以下の通りです。

  • 集客数の減少:競合サイト・モールが増えることで自社サイトへのユーザー数が減少する
  • リピーターがつかない:次々と新商品が発売されるため、既存顧客が付きにくい
  • CVR(購入率)の低下:競合品が多いため、同ジャンル内の商品件数数が減少する

新規参入により、業界市場は活性化されるものの、顧客獲得の難易度や商品競争率は激化するというデメリットも発生します。成長市場である反面、市場間でのユーザー獲得難易度も年々上昇している状態です。

マーケッターやエンジニアの不足

ECサイト・ネット通販事業者で発生している慢性的な課題のひとつが、マーケッターやエンジニアの不足です。ECサイト・ネット通販事業における市場規模拡大にとって欠かせない人材が業界全体で不足しています。

ECサイト・ネット通販事業者にとってマーケッターは、自社ECサイト(またはモール)の販売戦略を決定・実行するために欠かせない存在です。優秀なマーケッターが在籍していれば、ECサイト・ネッツ通販市場での自社競争力を高めることができます。

また近年では自社に在籍するエンジニアが、自社ECサイトのサイト設計を担うケースも多いです。外部エンジニアを雇用しサイト設計を依頼することもできますが、費用が高額であることに加え、スポット的に依頼することが出来ないため、自社エンジニアを雇用することが自社ECサイト運営においては有効な戦略と言えるでしょう。

このようにマーケッターやエンジニアの存在は、ECサイト・ネット通販事業者にとって欠かせない存在です。市場が加速度的に成長している現在は、いかにして優秀なマーケッターやエンジニアを雇用できるかがECサイト・ネット通販事業者にとっても重要な事柄となっています。

法規制の厳正化

ECサイト・ネット通販事業者にとって近年大きな課題となっているのが、法規制の厳正化です。特にECサイト・ネット通販事業者に関連する法律で近年より規制が厳しくなっているのが「特定商取引法」と呼ばれる法律になります。

特定商取引法とは、「訪問販売法」の新名称で、消費者を守るために作成された法律です。特にネット通販では、消費者が実際に目で見て商品を購入することができないため、商品の特徴や基本情報をいかに適切に誇大なく伝えられるかがポイントになります。

しかし残念ながら現在のネット通販市場に出品されている商品の中には、明らかに誇大広告と見受けられる商品も存在するのが現状です。このような現状から特定商取引法における規制が厳しくなってきています

ECサイト・ネット通販のM&A動向

ECサイト・ネット通販市場におけるM&Aの動向について解説していきます。ECサイト・ネット通販のM&Aを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

M&Aによる業界再編が活性化

ECサイト・ネット通販業界では、M&Aによる業界再編が活性化している状態です。M&Aの件数自体も非常に多く、ECサイト・ネット通販業界の市場規模が年々拡大している要因の一つと言えるでしょう。

ECサイト・ネット通販のM&A事例で特に多いのが、大手EC事業者によるM&Aの決行です。最近では2019年に「ZOZO TOWN」が「ヤフー」とのM&Aを決行。2022年には「@cosme」が「Amazon」との資本業務提携を締結しています。

またECサイト・ネット通販業界では、大手企業による中小規模もしくは個人事業者のM&Aも盛んです。優れた商品やサービスを持つ中小規模事業者や個人事業主をM&Aにより買収することで、自社の業界内競争力を高めることが目的となっています。

異業種によるM&A

ECサイト・ネット通販業界の市場規模は拡大傾向にあるだけに、異業種からの新規参入も増加しています。ECサイト・ネット通販業界への新規参入が多い業態は、以下の通りです。

  • 商社
  • コンサルティング・ITサービス企業
  • Webメディア企業
  • 小売販売事業者
  • 物流関連事業者

商社や小売販売事業者など、「商品を販売すること」において高い自社ノウハウを有している企業が、ECサイト・ネット通販事業者に対しM&Aを実行するケースが多いです。自社が持つ商品力・販売力とECサイト・ネット通販事業のノウハウを組み合わせることでシナジー効果をもたらします。

また近年特に多くなっているのが、物流関連事業者のM&AによるECサイト・ネット通販業界への参入です。ロジスティックにおいて強いノウハウとルートを持つ物流関連事業者は、ネット通販事業においても、自社のノウハウをそのまま活用することが出来るため、ECサイト・ネット通販におけるM&Aにも積極的な姿勢を持っています。

イグジットの活用

ECサイト・ネット通販業界は、参入障壁が低いため、小規模のスケールで起業する経営者が多いです。そのため、近年ではイグジットを目的とした業界内のM&A事例が多発しています。

イグジットとは、ベンチャービジネスや企業再生において、創業者などが自分の保有する株を売却し、投資した資金を回収するというものです。 イグジットという言葉は英語で「出る」という意味を持つように、投資家や企業が投資した会社から撤退する(=出る)ことを意味しています。

ECサイト・ネット通販業界においてイグジットが多発する理由は、参入障壁が低いことだけではありません。ECサイト・ネット通販業界では、他業界よりも遥かに短期間で事業規模拡大を達成できる可能性があるため、イグジットを繰り返すことによって、自己資本比率を高めることが出来るのです。

ECサイト・ネット通販でM&Aを行うことのメリット

ECサイト・ネット通販のM&Aにおいてのメリットを売却側・買収側の両方から解説します。メリットを参考にECサイト・ネット通販のM&Aを検討してください。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 経営基盤の安定化
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 従業員の雇用維持
  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • ノウハウと人材の継承
  • 自社製品の販売実現

ECサイト・ネット通販でM&Aの売却を行うことのメリット

ECサイト・ネット通販でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 経営基盤の安定化
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 従業員の雇用維持

それぞれ詳しく解説していきます。

経営基盤の安定化

ECサイト・ネット通販事業者の数は非常に多く、2023年時点で国内EC関連事業者数は2万7千社以上存在すると言われています。市場規模が右肩上がりの状態にあり、かつ次々と新規参入業者が増えるECサイト・ネット通販業界においては、自社の経営基盤を安定化させることが先決です。

M&Aによる売却で大手企業の傘下に入ることで、経営基盤の安定化を図ることができます。特に中小規模もしくは個人のECサイト・ネット通販事業者にとって、大手企業の傘下に入ることは、大手企業の持つ資金力と人材が共有されることを意味します。

実際にECサイト・ネット通販業界では、大手企業と中小規模もしくは個人事業者のM&A事例が多いです。譲渡側である中小規模事業者も大手企業の傘下に入ることで、市場競争力を高めることを目的としています。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。ECサイト・ネット通販事業者に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模のECサイト・ネット通販事業者の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

従業員の雇用維持

売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。

労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。

また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。

ECサイト・ネット通販でM&Aの買収を行うことのメリット

ECサイト・ネット通販でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • ノウハウと人材の継承
  • 自社製品の販売実現

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる最大のメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は、ECサイト・ネット通販業界における規模・シェアの拡大を狙うことができます。

ECサイト・ネット通販業界のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ設備や建物事務所のような有形資産に加え、顧客・取引先・特殊情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特にECサイト・ネット通販事業者にとって「顧客(リピートユーザーや仕入先)」などの無形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

またECサイト・ネット通販事業者においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに早期進出が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

ノウハウと人材の継承

ECサイト・ネット通販事業者において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「運営ノウハウ」と「マーケッターやエンジニアをはじめとした人材」です。これら2つが揃っているECサイト・ネット通販事業者は、市場において高い競争力を得ることができます。

もしM&AによってECサイト・ネット通販事業者の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

またECサイト・ネット通販事業者買収に関しては、買収先が持つサイト(自社ECサイトもしくはモール内ショップ)の如何によって、取引額に大きな差が生じます。特殊で価値のあるサイトを所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

自社製品の販売実現

ECサイト・ネット通販事業者が利益率を最大化し、市場競争力を高めるうえで必ず重要になる要素の一つが、自社製品の販売実現です。他社の商品を仕入れて販売するだけでなく、自社製品を開発し販売することが、競争の激しいECサイト・ネット通販業界で生き抜くためには必須となるでしょう。

M&Aによって自社製品を持つECサイト・ネット通販事業者を買収すれば、譲渡企業が持っていた製品の販売権利をそのまま承継することができます。結果として新規商品の開発費用や広告費用を抑えることが可能です。

また自社製品を持つECサイト・ネット通販事業者の買収では、製品開発におけるノウハウを自社に取り入れることができます。M&A後に新規自社製品の開発を検討している場合にも、譲渡企業が持つ開発ノウハウを取り入れて自社製品を作り上げることが出来るでしょう。

ECサイト・ネット通販のM&Aにおける成功事例

ECサイト・ネット通販業界のM&Aにおける成功事例を紹介します。

日本郵政と楽天によるM&A

2021年3月に、日本郵政が楽天と資本業務提携を実施したM&Aの事例です。本取引は、第三者割当増資のスキームが用いられ、出資金額は約1,499億円となっています。

譲り受け企業である「日本郵政」は、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険等からなる日本郵政グループの持株会社です。一方の譲渡企業である「楽天」は、国内外において、Eコマーなどのインターネットサービス、金融サービス、モバイルサービスなど、70種類以上のサービスを提供している大手通販企業になります。

本件M&Aは、日本郵政と楽天の双方がシナジー効果の発揮により、双方の事業基盤拡大を目的としたものです。通販(EC)や物流、モバイル、金融などの分野における業務提携により、シナジー効果の創出を図っています。

日本郵政グループと楽天グループ、資本・業務提携に合意

デリカフーズホールディングスと青果日和研究所によるM&A

2022年3月に、デリカフーズホールディングスが青果日和研究所の株式保有割合を50%から100%に高め、同社を連結子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡と第三者割当増資のスキームが用いられ、第三者割当増資による取得対価は8,000万円となっています(株式譲渡の取得対価は非公開)。

譲り受け企業である「デリカフーズホールディングス」は、業務用成果物の専門商社で、日本全国の外食・中食・コンビニエンス産業に成果物の提供を行っている企業です。一方の譲渡企業である「青果日和研究所」は、「青果日和」ブランドで、インターネットによる青果物の通信販売事業を運営している企業になります。

本件M&Aは、譲り受け企業である「デリカフーズホールディングス」が、青果日和研究所を子会社化することで、青果物を主とする商品開発や通販事業展開などの強化、BtoC事業の加速化を成功させることが目的です。

中期経営計画の策定に関するお知らせ

ジェイ・エスコムホールディングスとMafin Inc.によるM&A

2022年6月に、ジェイ・エスコムホールディングスがMafin Inc.の全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得対価は8,000万円となっています。

譲り受け企業である「ジェイ・エスコムホールディングス」は、子会社を通じて、テレビ・インターネットでの通信販売事業、企業向けコンサルティング事業などを展開する企業です。一方の譲渡企業である「Mafin Inc.」は、韓国で、リワード広告プラットフォーム事業やデジタルギフト事業などを展開している企業になります。

本件M&Aは、国内通販企業と海外IT企業による事例です。M&Aによって譲り受け企業である「ジェイ・エスコムホールディングス」は、デジタルギフト事業への新規進出と通販事業のシナジー効果創出を図っています。

連結子会社による第三者割当増資及び特定子会社の異動に関するお知らせ

ZホールディングスとZOZOによるM&A

2019年11月に、Zホールディングス(当時はヤフー)がZOZO株式のうち50.1%を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、TOB(公開買付)のスキームが用いられ、取得対価は4,007億円となっています。

譲り受け企業である「Zホールディングス」は、ソフトバンクのグループ会社で、検索エンジンや通販サイトなど200種類以上のサービスを展開している企業です。一方の譲渡企業である「ZOZO」は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の運営を行っている企業になります。

本件は、大手ECサイト・ネット通販企業同士のM&Aということで社会からも大きな注目を集めた事例です。本件M&Aは「ZOZO」が、Zホールディングスやその親会社であるソフトバンクのユーザー獲得による利益・会員数の拡大を図ったものとされています。

ヤフー株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ

ヨシムラ・フード・ホールディングスと十二堂によるM&A

2022年1月に、ヨシムラ・フード・ホールディングスが十二堂の全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得対価は7億1,000万円となっています。

譲り受け企業である「ヨシムラ・フード・ホールディングス」は、子会社を通じて、各種食品の製造・販売事業を展開している企業です。一方の譲渡企業である「十二堂」は、ソフトふりかけ「梅の実ひじき」などの食品の製造、店舗販売、通信販売事業を運営している企業になります。

本件M&Aは、食品業者と食品関連通販企業の事例です。本取引によって譲り受け企業であるヨシムラ・フード・ホールディングスは、通信販売事業の強化と、ブランド力や商品の獲得を成し遂げています。

十二堂株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

ロコンドとモバコレによるM&A

2019年3月に、ロコンドがモバコレの保有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得金額は4億8,800万円となっています。

譲り受け企業である「ロコンド」は、靴とファッションを取り扱う総合型ファッション通販サイト「LOCONDO.jp」を運営する企業です。一方の譲渡企業である「モバコレ」は、「千趣会」の連結子会社で、20代女性をターゲットにしたファッション通販サイトを運営している企業になります。

本件M&Aは、ファッション通販サイト運営企業同士の事例です。譲り受け企業であるロコンドは、モバコレを同社に取り込むことで、20代女性を中心とした新たな顧客層の獲得を目的としています。

ロコンド、千趣会より20代の女性向けショッピングサイト運営会社モバコレの全株式取得

ロコンドとファッションウォーカーによるM&A

2020年7月に、ロコンドがファッションウォーカーの保有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得金額は3億円となっています。

譲り受け企業である「ロコンド」は、靴とファッションを取り扱う総合型ファッション通販サイト「LOCONDO.jp」を運営する企業です。一方の譲渡企業である「ファッションウォーカー」は、ワールドの子会社でファッション通販サイト「Fashionwalker」を運営する企業になります。

ロコンドが2019年の「モバコレ」の買収と同じく、同業者であるファッション通販サイト運営企業を買収したM&Aの事例です。本件M&Aにより、ロコンドはファッション通販領域における事業規模拡大を目指しています。

ロコンド、ワールドが保有するFashionwalkerの全株式取得へ

ポーラ・オルビスホールディングスとトリコによるM&A

2021年4月に、ポーラ・オルビスホールディングスがトリコの持つ全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得金額は33億2,200万円となっています。

譲り受け企業である「ポーラ・オルビスホールディングス」は、東京都中央区に本拠を置き、ビューティーケア事業と不動産じぎょうを中心に展開している企業です。一方の譲渡企業である「トリコ」は、パーソナライズサプリメント「FUJIMI」の通販事業を手掛ける企業になります。

本件M&Aにより、ポーラ・オルビスホールディングスは、研究開発技術やエビデンスの活用、生産・物流面におけるシナジー効果創出とともに、トリコの成長をより加速させることが目的です。

ポーラ・オルビスHD、スキンケアブランド「FUJIMI」を展開するトリコの全株式取得、子会社化へ

綿半ホールディングスとアベルネットによるM&A

2018年12月に綿半ホールディングスがアベルネットの保有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得価格は20億円となっています。

譲り受け企業である「綿半ホールディングス」は、スーパーセンター事業・建設事業・貿易事業を手掛ける小売販売企業です。一方の譲渡企業である「アベルネット」は、自社「PCボンバー」のブランドで、家電やパソコナンなどの通販サイトを運営している企業になります。

本件M&Aは、小売関連企業とECサイト・ネット通販企業による事例です。この取引によって、譲り受け企業である綿半ホールディングスは、経営資源の総合活用による取扱商品の拡充、仕入機能の共有化、通信販売に係るノウハウ・システム基盤の共有に成功しています。

綿半HD、通販サイト「PCボンバー」運営のアベルネットの全株式取得

楽天と爽快ドラッグによるM&A

2016年12月に、楽天が爽快ドラッグの保有する全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられ、取得金額は約89億円となっています。

譲り受け企業である「楽天」は、国内外において、Eコマーなどのインターネットサービス、金融サービス、モバイルサービスなど、70種類以上のサービスを提供している大手通販企業です。一方の「爽快ドラッグ」は、洗剤や健康食品などの生活用品を取り扱うインターネット通販事業を展開している企業になります。

本件M&Aは、日本の超大手通販企業と中堅通販企業による事例です。楽天は、生活用品及び日用品向けECは成長分野として重要視しており、爽快ドラッグを買収することで、生活用品・日用品分野の通販事業強化を目的としています。

株式会社爽快ドラッグの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

ECサイト・ネット通販における注意点

ECサイト・ネット通販のM&Aにおける注意点を解説します。ECサイト・ネット通販のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的にECサイト・ネット通販事業を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

既存従業員の離職対策

買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存授業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。

経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます

M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。

ECサイト・ネット通販のM&Aを成功させるためのポイント

ECサイト・ネット通販のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。ECサイト・ネット通販のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • 相場価格への理解
  • PMI(統合後プロセス)の確立

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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相場価格をよく理解しておく

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

ECサイト・ネット通販業界のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

ECサイト・ネット通販のM&Aについてのまとめ

今回はECサイト・ネット通販業界におけるM&Aについて、ECサイト・ネット通販業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

ECサイト・ネット通販業界は事業者の数が非常に多いこともあり、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功しているECサイト・ネット通販企業も数多く存在することから、ECサイト・ネット通販企業にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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