2026年9月28日、アンビスホールディングスは、医療施設型ホスピス「医心館」のうち西日本を中心とする47施設の事業を譲渡する契約を発表しました。譲渡価格は174億円です。2026年10月14日時点では臨時株主総会での承認などを前提に、11月16日の実行を予定しており、取引は完了していません。
譲渡するのは47施設の事業と関連不動産
アンビスホールディングスと連結子会社のアンビスは、対象事業を新設した「アンビスホールディングス西日本」と「アンビス西日本」に会社分割で移します。その後、2社の全株式をNSSK関連の投資主体が出資するNSSK-Altair1へ譲渡する計画です。売買対象は西日本を中心とする47施設に関わる事業と関連不動産で、株式譲渡の対価は174億円と公表されています。
| 項目 | 発表内容 |
|---|---|
| 譲渡側 | アンビスホールディングス、連結子会社アンビス |
| 譲受側 | NSSK-Altair1(NSSK関連の投資主体が出資) |
| 対象 | 医心館47施設の事業と関連不動産 |
| 取引構造 | 2社へ吸収分割後、承継会社2社の全株式を譲渡 |
| 譲渡価格 | 174億円 |
| 契約日 | 2026年9月28日 |
| 実行予定 | 2026年11月16日(株主総会承認等が前提) |
会社分割は11月1日と11月16日、株式譲渡は11月16日の実行が予定されています。いずれも発表時点の予定であり、日程や条件は承認手続等を前提とします。詳細はアンビスの適時開示と譲渡価格・成長戦略の補足資料で確認できます。案件の発見元は日本M&Aセンターの速報です。
譲渡側は運営地域を絞り、譲受側は西日本へ広げる
アンビスは、医療依存度の高い利用者を受け入れる医心館事業の運営に注力し、首都圏・東日本へ経営資源を重点配分する方針を示しました。譲渡対価で財務基盤を強化し、総合医療支援事業などの成長領域への投資余力を高める考えです。
一方、NSSKは支援先のキートを中核とするホスピス事業を拡大し、東海・関東に続いて西日本にも基盤を広げる計画です。譲受後は入居者へのサービス継続を最優先し、既存の運営方針、品質、地域の医療機関との連携を尊重しながら、人材採用・育成やIT・DXなどの共通機能を強化すると説明しています。両社の発表は、売り手の地域集中と買い手の広域展開を組み合わせた事業再編を示しています。
カーブアウトでは「事業を移す順序」とサービス継続を設計する
複数の法人が運営や不動産を分担している事業を切り出す場合、単に売買対象の施設数を決めるだけでは引き継ぎは完了しません。今回のように会社分割で事業を承継会社へまとめ、その会社の株式を譲渡する方法では、分割と株式譲渡それぞれの効力発生日が異なります。
経営者が準備段階で確認したい項目は次の通りです。
- 事業に必要な資産・負債・契約を、どの法人からどの承継会社へ移すか
- 施設の従業員、仕入先、顧客・利用者への説明と切替日
- 医療機関など地域パートナーとの連携窓口を誰が引き継ぐか
- 不動産の所有・賃貸関係と施設運営をどのように連動させるか
- 分割・株式譲渡の承認条件と、予定日がずれた場合のサービス継続策
本件で買い手がサービス継続と地域連携の維持を明示した点は、事業承継後の運営品質が取引の重要な引継ぎ対象であることを示しています。自社の事業譲渡・会社分割を検討する際は、対象範囲や承継手順を早めに整理しましょう。事業譲渡の解説では、株式譲渡との違いも確認できます。取引の進め方を整理したい場合はM&Aの相談窓口をご利用ください。
出典: アンビス公式適時開示、アンビス補足資料、NSSK公式発表。


