東部ネットワークは2026年9月29日、自動車整備事業以外の事業などを新設分割で切り離した後の福興商会の全株式を取得する契約を締結しました。取得株式は400,000株、議決権所有割合は100%、取得価額は14億3,000万円です。株式譲渡の実行日は2026年12月1日の予定で、完了前の案件です。
自動車整備事業を残して全株式を取得
本件では、福興商会が自動車整備事業以外の事業などを新設分割で切り離すことが取得の前提です。東部ネットワークが取得するのは、分割後に自動車整備事業が残る福興商会の株式です。対象会社は70年以上の歴史を持ち、東京都江東区で大型車を中心とする車検・整備を行っています。指定自動車整備事業の認証を受けた工場と、長年の取引先基盤が強みです。
開示された財務数値は会社分割前の実績です。2025年12月期の売上高は4億2,300万円、営業利益は4,500万円でした。分割後の福興商会は、売上高約3億8,000万円、純資産約3億9,400万円、総資産約4億2,200万円となる見込みとされています。取得価額14億3,000万円は、分割後に自動車整備事業が残る会社の全株式に対する金額です。
物流会社の車両整備体制を厚くする狙い
東部ネットワークは、自社グループの車両整備ノウハウと経営資源を共有し、生産性を高めるとともに、神奈川・東京地域の整備体制を充実させる方針を示しました。大型車の整備を社内外の運送需要に安定して提供できれば、車両の稼働維持や整備計画の立てやすさにもつながります。
会社分割を組み合わせるM&Aでは、どの資産・契約・従業員・許認可が取得対象に残るかを契約と分割計画で突き合わせることが重要です。特に指定工場の認証、整備士の配置、リース・設備、主要顧客との契約、分割日前後の費用負担を確認し、許認可やサービス提供に空白が生じない日程を組みましょう。価格の評価でも、分割前の全社業績と取得対象事業の実績・必要投資を分けて見る必要があります。
分割と株式譲渡の実行日を管理する
契約締結日は2026年9月29日ですが、株式譲渡実行日は同年12月1日の予定です。福興商会が東部ネットワークの連結子会社となる時期は2027年3月期第3四半期からと開示されています。契約締結、会社分割、株式譲渡、連結開始はそれぞれ異なる手続き・時点です。条件充足とクロージングの確認前に、子会社化が完了したと扱わないことが大切です。
M&Aの進行段階と準備事項はM&Aの流れとプロセスで確認できます。事業の切り出しを伴う譲渡や買収を検討中の方はM&A HACKへご相談ください。
出典
- 東部ネットワーク「会社分割を伴う株式会社福興商会の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年9月29日、TDnet開示原本)
- 日本M&Aセンター「東部ネットワークが自動車整備会社・福興商会を子会社化へ」(案件発見元)


