ジャパンM&Aソリューションは2026年10月5日、SBI辻・本郷M&Aを完全子会社とする株式交換契約を締結しました。株式交換は、対象会社の株主に買い手企業の株式を交付して全株を取得する方法です。発表時点では株主総会の承認と効力発生日が先に控えており、取引は完了していません。
対象株1株に買い手株452.63株を交付する計画
| 確認項目 | 開示内容 |
|---|---|
| 買い手・対象 | ジャパンM&AソリューションがSBI辻・本郷M&Aを完全子会社化 |
| 契約日 | 2026年10月5日 |
| 対価 | ジャパンM&Aソリューション普通株式。現金取得額の開示ではない |
| 交換比率 | 対象会社普通株1株につき買い手普通株452.63株 |
| 今後の日程 | 両社の臨時株主総会による承認は12月2日、効力発生日は12月4日を予定 |
添付資料では、株式交換の取引上の前提として、買い手の株式価値を21億円、対象会社を15億7,500万円と採用しています。ただし、この金額は両社が取引の前提に置いたもので、第三者算定機関が両社の株式価値を直接21億円・15億7,500万円と算定したという意味ではありません。現金で同額を支払う取引でもありません。
両社の案件獲得網と買い手網を組み合わせる
ジャパンM&Aソリューションは金融機関や士業との提携ネットワークを持ち、SBI辻・本郷M&Aは辻・本郷グループの顧客接点を活用して中堅・中小企業の事業承継案件を開拓してきたと説明しています。開示上の狙いは、案件創出チャネル、買手ネットワーク、人材、実行ノウハウを相互利用し、管理・システムの共通基盤も効率化することです。これは会社が公表した期待であり、統合効果がすでに実現したという意味ではありません。
対象会社は2026年3月期に営業損失を計上しました。一方、買い手の開示では2026年4〜8月に売上高3億1,300万円、営業利益8,700万円を計上したとし、2027年3月期について事業計画に基づく売上高6億3,900万円・営業利益2億6,200万円を見込んでいます。また、具体的な成約見込みが予定どおり成約した場合の別シナリオとして、売上高8億円超・営業利益3億円超も示しています。前者は計画、後者は案件成約を条件とする見込みであり、実績と区別が必要です。
株式対価の承継で確認する4項目
- 交換比率の向き:「対象1株に買い手株452.63株」を基準に、誰がどの株を受け取るか確認する。
- 受取後の株主構成:交付株式による議決権割合や経営への影響を確かめる。本件資料では、予定される交付株式数は理論値約110万9千株、既存株主全体の持株比率は本件のみの前提で約57.1%となる見込みです。
- 価値の変動:現金対価と異なり、受け取る上場株式の価値は株価で変動する。交換日までの価格変化や端数処理も確認する。
- 承認・効力発生日:契約締結日と、株主総会承認を経た実行日を分けて把握する。日程や条件が変わる可能性も開示されています。
株式交換は現金支出を抑えて買収しやすくする一方、売り手側は買い手の株主になるため、対価の確定と経営への関与が譲渡後にも続きます。自社の会社売却で現金と株式のどちらを受け取るか検討する際は、比率だけでなく、受取後の持分・株価変動・役割をあわせて確認してください。
出典・関連情報
- ジャパンM&Aソリューション「SBI辻・本郷M&A株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」(2026年10月5日)
- 同社の株式交換・株主異動に関する適時開示資料(PDF)
- 日本M&AセンターのM&A速報(2026年10月5日掲載)
- M&Aの検討から契約・実行までの流れ
会社売却や事業承継を考えており、株式対価や譲渡後の関わり方を整理したい方は、M&A HACKの相談窓口へご相談ください。


