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アシックスがDeporticketを買収:ランニングエコシステムの拡充へ
株式会社アシックスは、スペインのレース登録プラットフォームを提供するDPTK INNOVACION Y TECHNOLOGIA SL(以下、Deporticket)の全株式を取得し、同社を子会社化することを発表しました。この動きは、アシックスが掲げる「ランニングエコシステムの拡充」という中期計画の一環として行われ、ランニング市場におけるブランド力強化と市場シェア拡大を目的としています。アシックスのブランド「アシックス」や「オニツカタイガー」は既に世界中で高い評価を受けていますが、今回の買収により、特にスペイン市場での影響力を強化し、さらに多くのランナーにその価値を届けることが期待されます。
アシックスのランニングエコシステムとは?
アシックスの「ランニングエコシステム」とは、ランナーが必要とする全てのサービスや製品を一括で提供することを目指した戦略です。このエコシステムは以下のような要素で構成されています:
- 製品の多様性:ランニングシューズからウェアまで、ランナーに必要な全ての製品を提供。
- デジタルサービス:OneASICSメンバーシッププログラムを通じた個別のトレーニングプログラムの提供。
- コミュニティ形成:ランナー同士の交流を促進するイベントやSNSでのつながり。
- イベント参加:アシックスがスポンサーとなるマラソン大会への参加促進。
これらの要素を通じて、アシックスはランナーのライフスタイル全体をサポートし、ブランドの価値を高めることを狙っています。
Deporticketの役割とスペイン市場の重要性
Deporticketは、特にスペインにおいてランニングやサイクリングイベントの登録プラットフォームとして高い評価を受けています。スペインは欧州におけるランニング愛好者が多い国の一つであり、特に都市部でのマラソン大会やランニングイベントが盛んです。スペイン市場におけるDeporticketの強みは:
- 高いユーザー基盤:多くのランナーやイベント主催者から支持される信頼性の高いプラットフォーム。
- 市場の成長性:スペインにおけるランニング市場は年々成長しており、今後もさらなる拡大が予想される。
アシックスはDeporticketを通じて、スペインのランニングコミュニティとの接点を強化し、同時に自社製品の販路拡大を図ることが可能となります。
アシックスのグローバル戦略とECの連携
アシックスは今回の買収を通じて、グローバル市場におけるオンラインプレゼンスの強化を目指しています。特にECサイトとの連携が重要視されており、以下のような取り組みが期待されています:
- オンライン販売の強化:Deporticketのプラットフォームを活用し、スペインや欧州全体でのオンライン販売を促進。
- データ活用:ユーザーデータを活用したターゲットマーケティングの展開。
- ブランド認知の向上:イベント参加者を通じた口コミ効果でブランドの認知度を高める。
このように、アシックスはDeporticketを通じて、オンラインとオフラインの両面からブランド価値を高める取り組みを進めています。
買収の詳細と今後の展開
アシックスによるDeporticketの買収契約は2025年11月17日に締結され、その同日に株式譲渡が実行される予定です。この迅速な手続きは、アシックスの戦略的な意思決定力の高さを示しています。今後、アシックスはDeporticketを活用して、スペイン市場でのプレゼンスをさらに強化し、グローバルなランニングエコシステムの一環として、他の欧州諸国への展開も視野に入れていると考えられます。
この買収は、アシックスが世界的なスポーツブランドとしてより一層の成長を遂げるための重要な一歩であり、今後の動向に注目が集まります。



