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フィリピンの統合型リゾート市場における戦略的展開
株式会社ユニバーサルエンターテインメントの連結子会社であるTIGER RESORT, LEISURE AND ENTERTAINMENT, INC.（以下「TRLEI」）は、フィリピンでのIR（統合型リゾート）事業に新たな展開を見せています。TRLEIは、フィリピン証券取引所に上場しているPH RESORTS GROUP HOLDINGS, INC.（以下「PHR」）の子会社、PH TRAVEL AND LEISURE HOLDINGS COR.を通じて、セブで開発中のエメラルド・ベイ・リゾートを手がけるLapulapu Leisure, Inc.（以下「LLI」）とLapulapu Land Corp.（以下「LLC」）を買収することで基本合意しました。この動きは、フィリピンの観光産業がコロナ禍から回復しつつある中で、セブを新たな観光ハブとして位置づけるための重要な一歩です。
エメラルド・ベイ・リゾートの開発背景と魅力
エメラルド・ベイ・リゾートは、フィリピンのセブ州ラプラプ市マクタン島に位置する大規模な統合型リゾートプロジェクトです。2017年にPHRがPAGCOR（フィリピンカジノ運営公社）からゲーミング暫定ライセンスを取得しましたが、パンデミックの影響で一時開発が中断されていました。このプロジェクトは、300メートルのビーチフロントを有し、642の客室を備えた5つ星ホテル、4つのプール、18の飲食店を含む多様な施設を提供します。さらに、700台以上のEGM（電子ゲームマシン）と140台以上のカジノテーブルを備えた大規模なゲーミングフロアもあり、訪れるゲストに多彩なエンターテイメントを提供します。
統合型リゾートとは？その効果と影響
統合型リゾート（IR）は、カジノ、ホテル、ショッピング、エンターテインメント、会議施設などを一体化した複合施設です。IRは観光客の誘致だけでなく、地域経済の活性化にも貢献します。IRの建設は多くの雇用を生み出し、観光関連産業の成長を促進します。また、IRが提供する多様なアクティビティは、訪問者の滞在期間を延ばし、地域の観光収入を増加させる可能性があります。フィリピンにおけるIRの成功例として、マニラのエンターテインメント・シティが挙げられ、エメラルド・ベイ・リゾートもこれに次ぐ観光の中心地となることが期待されています。
フィリピンにおける観光産業の成長と展望
フィリピンの観光産業は、豊かな自然環境と文化遺産を背景に、近年急速に成長しています。フィリピン観光省によれば、2019年には外国人観光客数が800万人を超え、観光収入は約120億ドルに達しました。コロナ禍で一時的に観光客数は減少しましたが、2022年以降、回復の兆しを見せています。フィリピン政府は、観光インフラの整備やプロモーション活動を強化し、さらなる観光客の誘致を図っています。エメラルド・ベイ・リゾートの完成は、セブを新たなリゾート地として位置づけるだけでなく、フィリピン全体の観光産業の発展に寄与する重要なプロジェクトです。
TRLEIの戦略と今後の展開
TRLEIは、フィリピンでのIR事業を通じて、さらなる事業拡大を目指しています。今回の買収は、TRLEIが持つノウハウを活かして、エメラルド・ベイ・リゾートの開発を加速させるための第一歩です。最終契約書は2024年7月に締結予定で、買収の効力は2024年の第3四半期に発効します。エメラルド・ベイ・リゾートの開業は2027年を予定しており、その成功はTRLEIのフィリピンにおけるプレゼンスを一層強化するものとなるでしょう。
- 買収の目的：フィリピンの観光業界における競争力強化
- 期待される効果：地域経済の活性化と雇用創出
- リスクと課題：開発スケジュールの遅延や市場変動
