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住友ゴム、スイス子会社をオランダ企業に売却

住友ゴム工業、医療用ゴム事業を売却へ

住友ゴム工業株式会社は、医療用ゴム製品を手がけるスイスの子会社、Lonstroff AG(以下、LAG)の全株式を譲渡する契約を締結しました。この決定は、2023年12月20日に行われた取締役会で承認され、株式譲渡契約が正式に締結されました。譲渡先は、オランダを拠点とする投資ファンド会社Nimbusの関連子会社であるNCM Investments VII B.V.です。これにより、住友ゴム工業は、LAGの持つ技術と市場を次のフェーズへと引き継がせることを狙っています。

LAGは、医療用ゴム製品や産業用ゴム部品の製造・販売を行っており、住友ゴム工業グループは2015年に同社を買収して以来、欧州での事業展開を強化してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響や原材料の価格高騰などの外部要因により、現在の市場環境では収益性の改善が難しいと判断し、今回の譲渡を決定しました。

住友ゴム工業のグローバル展開戦略

住友ゴム工業は、ゴム製品を中心にした多角的な事業展開を行っています。2015年にLAGを買収した背景には、医療用ゴム市場の拡大と、欧州での事業基盤強化を目的としていました。また、2017年にはスロベニアに新しい生産拠点としてLonstroff Medical Elastomers d.o.o(LSI)を設立し、さらなるグローバル展開を図りました。

このような積極的な拡大戦略は、グローバル市場における競争力を高めるためのものでした。しかし、近年のパンデミックや原材料の高騰など、不可抗力ともいえる外部環境の変化により、計画通りの成果を上げることが困難となりました。

医療用ゴム市場の現状と課題

医療用ゴム市場は、医療機器の需要増加に伴い成長を続けています。この市場の主なプレイヤーは、技術革新と品質向上を通じて競争力を高めようとしています。しかし、原材料の価格変動や厳しい規制対応が、企業の収益性に直接的な影響を与えることがあります。

  • 原材料の高騰:石油価格の上昇がゴム製品のコストに直接影響を及ぼします。
  • 規制の強化:医療機器に使用されるゴム製品は、厳しい安全規制をクリアする必要があり、これが品質管理のコスト増につながります。
  • 技術革新の必要性:新しい素材や製造技術の開発が求められ、研究開発への投資が不可欠です。

Nimbusの戦略と期待されるシナジー効果

Nimbusは、事業再生や成長戦略において実績のある投資ファンドです。今回の株式譲渡により、LAGはNimbusの支援を受け、持続可能な成長を目指すことになります。投資ファンドによる経営資源の再配分や効率化は、LAGの技術力と市場ポジションをさらに強化する可能性があります。

また、Nimbusのネットワークを活用することで、新たな市場への参入や、既存市場でのシェア拡大が期待されます。これにより、LAGはより柔軟な経営体制を構築し、市場の変化に迅速に対応できる企業となることが期待されています。

輸送用機械・部品製造業界のM&A動向

近年、輸送用機械や部品製造業界では、M&Aや事業承継が活発化しています。これは、グローバル競争が激化する中で、技術力や市場シェアを強化するための戦略的な動きとして位置づけられます。特に自動車産業では、新エネルギー車(NEV)や自動運転技術の進展に対応するため、企業間の提携や買収が進んでいます。

この動きは、医療用ゴム製品市場にも波及しています。医療機器の高機能化や安全基準の強化に伴い、製品の高品質化が求められ、これに対応するための技術革新が必要となっています。結果として、各企業は市場ポジションを強化するためのM&Aを積極的に推進しています。

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