小森コーポレーション、CPS社買収で市場拡大へ
小森コーポレーションが、フランスの連結子会社Komori Chambon S.A.S.を通じて、カナダのフレキソ印刷機開発企業Canadian Primoflex Systems.Inc(CPS社)の全株式を取得することを決定しました。この動きにより、小森コーポレーションは印刷技術の幅を広げ、成長が著しいパッケージ印刷市場での競争力を強化する意図があります。印刷業界全体はデジタル化と持続可能性のニーズが高まる中、新たな技術の導入と市場拡大が不可欠です。今回の買収は、小森グループの技術力を活かし、より高付加価値の製品を提供するための重要なステップといえるでしょう。
買収の背景と目的
小森コーポレーションは、長年にわたりオフセット印刷機械を中心に事業展開を行ってきましたが、今回のCPS社の買収により、フレキソ印刷技術の提供が可能となります。フレキソ印刷は、短納期での印刷が可能で、パッケージ印刷において高い生産性を発揮する技術です。これにより、KCMは包括的な印刷ソリューションを提供できるようになり、特にパッケージ市場でのプレゼンスを強化することができます。また、CPS社の技術力を取り入れ、Bernal社をはじめとする既存顧客にも新たな価値を提供することが期待されます。
フレキソ印刷技術の重要性
フレキソ印刷は、包装紙や食品パッケージ、飲料パッケージなどで広く利用されています。この技術は、水性インクを使用することで環境に優しく、また高速印刷が可能であるため、特に大量生産が求められる市場に適しています。加えて、デジタル化や自動化が進む中で、フレキソ印刷はその柔軟性と効率性で注目されています。小森コーポレーションがCPS社を買収することで、これらの技術を活用し、より環境に配慮した製品の提供が期待されます。
印刷業界のM&A動向
近年、印刷業界ではM&Aが活発化しており、企業間のシナジーを活用した競争力強化が進んでいます。特に、デジタル技術や持続可能性に重きを置く企業が増えており、これらの分野で強みを持つ企業の買収がトレンドとなっています。小森コーポレーションの今回の動きもこの流れに沿ったものであり、新たな技術の導入と市場拡大を図る上で戦略的な判断といえるでしょう。
買収スケジュールと今後の展望
取締役会は2024年9月27日に今回の買収を承認し、株式譲渡契約は2025年1月1日以降に締結される予定です。小森コーポレーションは、CPS社とのシナジーを最大限に活用し、印刷業界におけるリーダーシップをさらに強固にすることを目指しています。今後は、技術の融合を進めることで、より革新的な製品の開発と提供に注力する方針です。