美容業界におけるI-neの革新的M&A戦略
株式会社I-neは、株式会社東亜産業の完全子会社である株式会社TTradingの発行済普通株式を全て取得し、I-neの連結子会社とすることを決定しました。このM&Aは、美容業界におけるI-neのさらなる成長を目的としています。I-neは化粧品や美容家電の企画開発・製造・販売を行う企業であり、この戦略的な動きにより市場での競争力を一層強化しようとしています。
この決定は、美容業界全体における競争の激化や消費者ニーズの多様化を背景にしています。特に、I-neが手掛ける「SALONIA」ブランドの強化を通じて、国内外での市場シェア拡大を図ります。今回のM&Aを通じて、I-neはサプライチェーンの効率化を図り、高品質な商品をより迅速に市場に届けることを目指します。
化粧品・美容家電市場の現状とI-neの成長目標
世界の化粧品・美容家電市場は、近年の技術革新と消費者の美容意識の高まりにより急速に成長しています。特に美容家電市場は、2021年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)7.1%で成長すると予測されています。I-neはこの成長市場において、2025年までに売上高550億円、営業利益率13%を目指しています。
この目標を達成するために、I-neは以下の3つの基本方針を掲げています:
- ヘアケア系・美容家電の継続成長
- スキンケア他の事業拡大
- グローバル市場でのさらなる成長加速
これにより、I-neは国内外での市場シェアを拡大し、持続可能な成長を実現しようとしています。
東亜産業との戦略的提携の背景
東亜産業は、生活雑貨や家電の卸売・小売、OEM販売を手掛ける企業であり、I-neにとって重要なパートナーです。特に、東亜産業はI-neの「SALONIA」ブランドの製造を委託しており、信頼性の高いサプライチェーンを構築しています。I-neは今回のM&Aにより、SALONIAの生産管理機能を自社グループ内に取り込むことで、直接取引を実現し、中間マージンを削減する狙いがあります。
この提携により、I-neは生産から販売までのプロセスを一元管理し、品質・コスト・生産管理(QCD)の向上を図ります。これにより、迅速な商品開発と市場投入が可能となり、競争力を一層強化します。
今後の展望と市場への影響
I-neは、今回のM&Aを通じて得られる利益を、SALONIAブランドの中~高価格帯商品の開発と販売に再投資する計画です。これにより、I-neは美容家電市場でのさらなる成長を目指します。また、生産・品質管理機能をI-neグループ内に統合することで、製品の品質を維持しつつ、コスト競争力を高めることが可能となります。
さらに、今回の戦略的提携は、I-neのグローバル展開を加速させる一因となるでしょう。I-neは日本国内だけでなく、海外市場でもその存在感を高めることを目指しており、今回のM&Aはそのための重要なステップです。
株式譲渡の詳細とスケジュール
TTradingの発行する普通株式100株の全てをI-neが取得し、東亜産業がTTradingの無議決権株式150株を当面保有する予定です。これにより、TTradingはI-neの連結子会社となります。この株式譲渡は、2024年10月23日に取締役会で決議され、同日に契約が締結されました。実行日は2024年10月31日を予定しています。
このような株式譲渡により、I-neはTTradingを含むグループ企業全体の経営資源を最大限に活用し、事業シナジーを創出することを目指します。