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オージス総研のフィリピン進出:東南アジアでの新たなERP事業展開
大阪ガス株式会社の100%子会社であるオージス総研が、新たに設立したOGIS Philippines, Inc.を通じて、フィリピンにおけるERP事業を本格的に開始します。この動きは、2025年2月に予定されているFTグループの全事業取得によって実現される見通しです。オージス総研は、これまで国内で培った技術力を武器に、急成長を遂げる東南アジア市場においてもその存在感を高めることを目指しています。フィリピンはASEAN諸国の中でも特に経済成長率が高く、新興企業の増加に伴いERPシステムの需要も拡大しています。この市場動向に対応するために、オージス総研はFTグループのノウハウを取り入れ、多様なソリューションを提供することで現地のニーズに応えていく方針です。
ERP市場の成長と東南アジア戦略
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の業務を統合的に管理するためのシステムです。特に、デジタルトランスフォーメーションが進む中で、その重要性はますます高まっています。IDCの調査によれば、2023年のERP市場は約4000億ドルに達し、今後も年率10%以上の成長が見込まれています。東南アジアは、人口増加と経済成長が続いており、企業の業務効率化やコスト削減を求める声が強まっています。オージス総研は、こうした市場のニーズに応えるため、技術力とプロジェクト管理力を活かし、地域の中小企業から大企業まで幅広い顧客層にアプローチします。
オージス総研とFTグループのシナジー効果
オージス総研とFTグループの協力により、より魅力的で包括的なサービスが提供される予定です。FTグループはSAPやNetSuiteといったERPソリューションの導入支援で豊富な実績を持っています。これに対し、オージス総研はDaigasグループの基幹システムを支える高い技術力を誇ります。この二つの企業の強みを組み合わせることで、特にフィリピン市場では、既存のERPソリューションに加え、よりカスタマイズされたサービスの提供が期待されます。
- 高度な技術とプロジェクト管理力
- 業種別の専門知識とノウハウ
- クラウドホスティングやデータ分析サービス
これらを融合させることで、地域の多様なニーズに的確に応えられる体制を整えています。
Daigasグループの事業ポートフォリオとLBS事業戦略
Daigasグループは、国内外でのエネルギー事業に加え、「ライフ&ビジネス ソリューション(LBS)事業」を通じて新たな価値を創造する戦略を進めています。情報事業を担うオージス総研は、デジタル技術を駆使した高付加価値ビジネスの提供を目指しており、今回のフィリピン進出はその一環と言えるでしょう。LBS事業は、エネルギー分野の技術を活かした新事業の創出や、デジタル技術を活用したサービス展開を通じて、持続可能な社会の実現に寄与しています。特に、ERP事業の拡大はLBS事業の中核を成し、グループ全体の成長戦略においても重要な位置づけとなっています。
フィリピン市場におけるERP需要と今後の展望
フィリピンは、近年急速に経済成長を遂げており、特にIT分野の需要が高まっています。ERPの導入は、企業にとって業務効率化や競争力強化の鍵となるため、多くの企業がその必要性を感じています。オージス総研は、フィリピン市場でのプレゼンスを強化することで、これらのニーズに的確に応えることを目指しています。また、フィリピンでの成功は、他の東南アジア諸国への展開にも寄与することが期待されます。今後、現地の企業とのパートナーシップや、新しいビジネスモデルの構築を通じて、更なる市場拡大が見込まれます。