「ホテル・旅館のM&Aにおける動向は?」
「ホテル・旅館のM&Aについて知りたい」
この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。
実際に現状「ホテル・旅館 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。
そこで、今回はM&Aの専門企業である「M&A HACK」が、ホテル・旅館のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。
ホテル・旅館におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、ホテル・旅館のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ホテル・旅館業界とは
ホテル・旅行業界とは、施設の利用者に対し、宿泊・飲食・イベントなどのサービスを提供する事業のことです。ホテル・旅館のビジネスモデルには様々なものが存在し、個々に特徴のあるサービスや料金提携をもって運営しています。
近年のホテル・旅館業界に最も影響を与えたのが、2020年頃に発生した「新型コロナウィルス」による外出自粛です。コロナ禍により、仕事のみならずプライベートによる規制がかけられ、ホテル・旅館業界は多大な打撃を受けました。
しかし新型コロナウィルスの収束が見えはじめた2023年頃から、ホテル・旅館業界も次第に息を吹き返しつつあります。コロナ禍を生き残ったホテル・旅館運営企業は業界の景気回復と更なる市場拡大に向けて、M&Aを含めた様々な事業戦略を展開している状態です。これからはコロナ禍以前よりも更なる市場活性化が予測されています。
ホテル・旅館のビジネスモデル
ホテル・旅館業界には複数のビジネスモデルが存在します。ホテル・旅館業界の主なビジネスモデルは、以下の通りです。
- シティホテル
- ビジネスホテル
- リゾートホテル
それぞれ詳しく解説していきます。
シティホテル
シティホテルとは、都心部に位置する大型ホテルのことです。シティホテルでは、ビジネスマンから旅行客まで様々な客層をターゲットにしたサービスを提供しています。日本における大手シティホテルは、「帝国ホテル」や「ホテルニューオータニ」などです。
シティホテルの中でも特にランクが高いホテルのことを「ラグジュアリー・ホテル」とも呼びます。またシティホテルは、主に以下の5つの段階で価格によるカテゴリー訳がされていることも特徴です。
- ラグジュアリー・ホテル
- アップスケール・ホテル
- ミッドプライス・ホテル
- エコノミー・ホテル
- バジェット・ホテル
ラグジュアリー・ホテルを最上位として、業界内では5つの段階でランク分けされます。段階によって対象とする客層が異なり、同時に提供するサービスや宿泊施設にも差があります。シティホテルの運営において、自社のホテルがどのランクに位置づけられるかを把握しておくことは非常に需要です。
ビジネスホテル
ビジネスホテルとは、その名の通り、ビジネスマン(ビジネスウーマン)の宿泊を対象としたホテルです。シティホテルと同じく都心部に位置するホテルが多く、施設内設備は宿泊に特化したものとなっています。
日本におけるビジネスホテル大手の代表例は、「アポホテル」「東横イン」「ドーミイン」「スーパーホテル」などです。どのホテルもリーズナブルな価格設定でありながら充実した宿泊設備を誇っています。ビジネスホテルの運営では、価格設定と宿泊設備の充実度のバランスが非常に重要です。
また海外におけるビジネスホテルの定義は日本とは異なっており、日本における「ラグジュアリーホテル(シティホテルの最上位ランク)」が海外におけるビジネスホテルに位置付けられます。日本とは定義が異なるため、海外でビジネスホテルの宿泊を依頼すると非常に高額なホテルを紹介されるのが特徴です。
リゾートホテル
リゾートホテルとは、ビジネスホテルとは違い、温泉やビーチなどのレジャー向けに特化したタイプのホテルです。ホテルそのものがレジャー施設となっており、非常に大規模なものから、隠れ家的な小規模のレジャーホテルも存在します。
2020年に発生した新型コロナウィルスの外出自粛では、ホテル・旅館の3つのビジネスモデルのうち、リゾートホテルが最も大きな影響を受けました。日本人の宿泊はもちろんのこと、企業によっては売上の大部分を占めていた訪日外国人の宿泊がストップしたことにより、廃業を止む無くされたリゾートホテルも多いです。
コロナ禍により大打撃を受けたリゾートホテルですが、コロナ禍が収束を見せた2023年から次第に市場動向は回復に向かっています。業績が回復し始めたことにより、これからはリゾートホテル各社が様々な新サービスを提供していくことが予測される現状です。
ホテル・旅館に必要な業許可
ホテル・旅館の運営において必要となる業許可・資格・人材について解説していきます。
ホテル・旅館に必要な業許可
日本国内におけるホテル・旅館の運営に関して重要になってくるのが「旅館業法」と呼ばれる法律です。旅館業法では、ホテル・旅館の定義を「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定めています。
ホテルや旅館はもちろんのこと、有償で宿泊施設を提供する営業形態は全て「旅館業法」の範囲であるため、旅館業法に沿った事業許可を取得することが必須です。旅館業法における主な事業許可は、以下の4つに区分されています。
- ホテル営業許可
ビジネスホテル・シティホテルなどが適用となる。具体的には、客室が洋式中心で10室以上、1室の床面積が9平方メートル以上などの場合。 - 旅館営業許可
温泉旅館や観光旅館などが該当対象となる。具体的には客室が和式中心で5室以上、1室の床面積が7平方メートル以上などの場合。 - 簡易宿所営業許可
カプセルホテル・民宿・ペンション・ゲストハウス・山小屋などが適用となる。具体的には客室数の制限がなく、客室全体の床面積が33平方メートル以上などの場合。 - 下宿営業許可
期間従業員の住み込み施設など、1ヶ月以上の連続した滞在を主な目的として営業する施設に適用される生活に必要な設備や採光など、各種条件を満たすことが必須。
ホテル・旅館業の運営では、主に上記4つのうち、いずれからの業許可を取得することが必須です。M&Aによってホテル・旅館運営企業の買収を行う際には、買収先企業が持つ事業許可を事前に確認しておくことが重要なポイントとなります。
ホテル・旅館に必要な資格
ホテル・旅館の運営において必須となる資格は存在せず、有資格者を雇用せずともホテル・旅館業の運営は可能です。しかし資格は従業員が持つ技能を担保するものであるため。ホテル・旅館に関連する資格を有している人材を雇用するに越したことはありません。
またホテル・旅館に関連する国家資格は存在しないため、従業員(もしくは採用希望者)が自ら資格取得に臨むことが必須です。ホテル・旅館に関連した資格には、主に以下のようなものがあります。
- ホテル・ビジネス検定
別名「H検」とも呼ばれる。ホテル・旅館業界においては知名度の高い資格のひとつ。「ベーシック2級・1級」・「マネジメント」の計3段階に分かれており、マネジメントクラスはホテル業界の管理職を目指す人を対象としたもの - マナー・プロトコール検定
社会常識や基本的なマナーを学ぶための資格。3級~1級までの計4段階に分かれており、1級のクラスでは人材育成に育成に関わるスキルを身に付けることが可能。 - ホテル・マネジメント技能検定
ホテル・マネジメントに必要な知識や技能などを身に付けるための資格試験。学科試験と実技試験の両方が設けられており、いずれも正答率60%以上で合格となる。
上記の他にも「ユニバーサルマナー検定」や「ホテル実務技能検定」など多種多様な資格試験が存在します。M&Aによってホテル・旅館の買収を行う際には、買収先企業の人材がどのような資格を有しているのかをチェックしておくのもポイントです。
ホテル・旅館に必要な人材
ホテル・旅館の運営は、ホテルマンだけが担っている訳ではありません。受付・清掃・調理業務など適材適所に人材を配置することが必須です。ホテル・旅館の運営においては、以下のような人材が必要とされています。
- フロントクラーク:リザベーションやレセプション・キャッシャーなどの業務を担う
- コンシェルジュ:お客様の要望に応えるポジション。各種案内業務を担う
- ベルスタッフ:お客様の荷物預かりや客室案内業務などを担う
- ドアスタッフ:ホテル玄関に立ち、お客様のお出迎えやお見送りを担当する
- バトラー:ラグジュアリーホテルなどで専用の客室係員を務める
上記のようにホテルマンは細かく分類されています。またホテルのグレードや種類によって必要となる人材は異なっており、なかには一人のホテルマンが複数の業務を担うホテルも多いです。
ホテル・旅館の市場動向
ホテル・旅館業界における現在の市場動向について解説していきます。
コロナ禍による市場衰退
帝国データバンク 「旅館・ホテル業界」 動向調査(2023 年度見通し)上記は帝国データバンクによる「旅館・ホテル業界の動向調査」による結果と、それを加味した2023年度の市場予測です。上記の通り、コロナ化が発生した2020年以降急激な市場衰退が発生していることが分かります。
帝国データバンクによる調査によれば、2018年に約5.2兆円規模あった事業者売上は、コロナ禍が発生した2020年には2.9兆円となっており、約55%の下落幅です。市場売上が半分近く消滅しており、多くのホテル・旅館企業が倒産を余儀なくされました。
しかし同調査によれば、2023年10月時点の旅館・ホテル市場は3.4兆円であり、2023年通期では前年度の1.5倍規模となる4.9兆円前後に達すると予測されています。過去最多を記録した2018年頃の数値へ次第に市場は回復傾向にあり、業界全体にも明るい兆しが見え始めていることも事実です。
テレワークに関する設備やサービスの普及
2020年に発生した新型コロナウィルスによるコロナ禍では、ホテル・旅館業界は大打撃を受けました。またコロナ禍によるテレワークの社会全体への普及は、ホテル・旅館業界のサービス提供に大きな影響を与えた要素のひとつです。
コロナ禍では、在宅勤務やサテライトオフィスが広く普及しましたが、自宅では設備が整っていないという理由で、自宅でもオフィスでもない場所をサードプレイスとして選択する人も増えました。せっかくならば清潔で整った環境を選ぶたいというニーズから、「ワーケション」という考え方生まれたのも特徴です。
ホテル業界でもビジネスホテル運営会社を中心に、ワーケションのニーズに応えるための取り組みが開始されました。客室に仕事用デスクやネットワークを整えることに加え、テレワークに適した日帰りプランが生まれ運用されているのが現状です。
WEB・SNSマーケティングの活性化
新型コロナウィルスに起因する業界変動に挙げられるのが、WEB・SNSマーケティングの普及です。新型コロナウィルスの影響によりユーザーの情報収集源は、これまでより一層インターネットとSNSの普及が活性化し、ホテル・旅館業界もこの動きに連動するサービス提供を行っています。
なかでもホテル・旅館業界では、従来のOTA掲載によるマーケティング活動と並行して、自社の特長や魅力をWEBやSNSでPRする動きが活性化しました。WEBやSNSは単なる自社アピールのためのツールではなく、集客において要となるコンテンツであると認識されたのが特徴です。
コロナ禍が収束を見せている2023年以降も、WEBやSNSによるマーケティング施策は活性化しています。ユーザーの動きにより敏感なホテルや旅館は、SNSを通じてイベント情報やキャンペーン情報を巧みに配信しており、実際に大きな成果に繋げているホテル・旅館も多いです。
ホテル・旅館業界の抱える課題
ホテル・旅館業界が現在抱えている課題について詳しく解説していきます。ホテル・旅館業界が抱えている課題は、主に以下の通りです。
- 慢性的な人手不足
- 訪日外国人への対応
- 施設の老朽化
それぞれ詳しく解説していきます。
慢性的な人手不足
ホテル・旅館業界が抱える最大の課題は、慢性的な人手不足です。上記は、帝国データバンクが行った「人手不足に対する企業の動向調査」の結果で、ホテル・旅館業界は複数業界のうち、最も正社員の人手が不足しているという結果になりました。
同調査によれば、ホテル・旅館運営会社のうち、75.5%が正社員の人手不足を感じており、非正規社員不足を感じているのは全体の78.0%にも及びます。少子高齢化が進む今後は、さらにホテル・旅館業界の人手不足が加速する見通しとなっています。
ホテル・旅館業界の人手不足の要因には、長時間労働・休日の少なさ・低賃金など様々です。ホテル・旅館運営会社の事業成長には十分な雇用を確保することが必須であるため、各社十分な雇用確保に関する取り組みを強化している段階にあります。
訪日外国人への対応
2020年に発生した新型コロナウィルスへの水際対策により、観光またはビジネスを目的とした訪日外国人の数は激減しました。しかしコロナ禍が収束を見せた2023年以降は、訪日外国人の数が徐々に回復傾向にあるため、今後のホテル・旅館業界は、再び訪日外国人への対応を強化することが必須です。
インバウンド需要による訪日外国人に対し、取るべき最も重要な対応は多言語への対応でしょう。ホテル・旅館を訪れた外国人に対し外国語を用いた十分な対応を行えるか否かは、訪日外国人の集客数に大きな影響を与えます。
しかし外国語に堪能なスタッフを雇用することは容易ではないため、翻訳ツールなどを上手に活用することも重要です。また大手ホテル・旅館会社では、日本人スタッフに対し外国語の教育プログラムを施す企業も存在します。今後インバウンド需要が拡大することを考慮すれば、外国語を含む訪日外国人へのサービス拡充は事業成功における必須要件でしょう。
施設の老朽化
現在のホテル・旅館業界が抱える大きな課題の一つが、施設の老朽化です。日本では1980年代から1990年代にかけて、団体旅行の需要が高まった時期に建設された老朽化ホテルが多く存在します。
1990年代頃に建設されたホテル・旅館は、既に建設から30年以上が経過しいるため、顕著に老朽化が見られる現状です。近代的で清潔感のあるホテルが立ち並ぶ中、老朽化して清潔感の低いホテルは、自社の企業イメージダウンにも繋がりかねません。
また老朽化したホテルは、顧客満足度の低下だけでなく、事故や災害時のリスクを増大させ、最悪のケースには人命にさえ多大な影響を及ぼします。とはいえ改修や修繕には多額の費用が発生するため、資金力のある大手ホテルでさえ老朽化した施設の取り扱いに苦慮しているのが現状です。
ホテル・旅館のM&A動向
ホテル・旅館業界におけるM&Aの動向について解説していきます。
クロスボーダーM&Aが盛んに行われている
ホテル・旅館業界におけるM&Aでは、「クロスボーダーM&A(国内企業と海外企業によるM&A取引」が盛んであることが特徴です。国内企業同士のM&Aだけでなく、積極的に海外企業とのタイアップを検討する国内ホテル・旅館運営企業が増加しています。
ホテル・旅館運営企業がクロスボーダーM&Aに積極的である最も大きな要因は、2020年に発生したコロナ禍による業績悪化です。業績が大きく悪化した2020年頃には、海外の宿泊業者やファンドに会社を売却するケースが多く発生しました。
また2021年に入って以降、顕著な動きを見せているのが、中国人投資家による国内ホテル・旅館の買収事例です。2021年2月に寄せられた中国人による買収相談は240件と、前年同月と比べて2.4倍まで増えたとも言われており、今後は中国人投資家とのクロスボーダーM&Aも加速していくことが予測されます。
異業種とのM&A
近年におけるホテル・旅館業界では、異業種とのM&Aも盛んです。コロナ禍以前における訪日外国人の増加・テレワークによるホテル利用・観光産業復興支援など、ホテル・旅館業界における施策に乗じて、以下のような業種の企業がM&Aを活用してホテル・旅館業界への新規参入を果たしています。
- 建設企業
- 鉄道関連企業
- 不動産関連企業
- 外資系ファンド企業
- 広告代理店
ホテル・旅館業界のM&Aでは、資金力のある建設会社や不動産会社、ファンド関連会社の新規参入が目立ちます。またシナジー効果を創出しやすい広告代理店などの参入も近年注目を集めている事例です。
後継者不在解消のためのM&A
ホテル・旅館運営企業の中には、後継者不在に悩む会社も少なくありません。実際に業績自体は好調であるにも関わらず、後継者がいないために廃業を余儀なくされるホテル・旅館も存在するほどです。
後継者不在に悩むホテル・旅館運営会社のオーナーにとって、M&Aによる買収は後継者不在問題を打開するために非常に有効な手段のひとつです。M&Aによって他社に事業譲渡を行うことで、自社の看板を残しながら運営を継続できる可能性があります。
また大手企業の傘下になることで、後継者を大手企業から斡旋してもらえる可能性も高いです。大手企業から斡旋された後継者であれば、能力の担保もされているため、自社の業績を上げられる可能性も秘めています。
ホテル・旅館でM&Aを行うことのメリット
ホテル・旅館でM&Aを行うことのメリットを売却側と買収側の両方から解説していきます。
売却側のメリット | 買収側のメリット |
|
|
ホテル・旅館でM&Aの売却を行うことのメリット
ホテル・旅館でM&Aの売却を行うことのメリットは、以下の通りです。
- 資金調達・オーナーのEXIT
- 経営基盤の強化と自社看板の継続
- 借入における個人保証の解除
- 従業員の雇用維持
それぞれ詳しく解説していきます。
資金調達・オーナーのEXIT
M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。
- 残っている借入金の返済に充てる
- オーナー自身の引退後の生活資金とする
- 新規事業における資金源とする
一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。
経営基盤の強化と自社看板の継続
M&Aによる売却によって自社よりも資金力のある企業と取引を行えば、自社の経営基盤を強化することが可能です。M&Aによる売却では以下のような要素を買収側企業から得ることができます。
- 経営資金
- ホテルマンなどの人材
- ホテル・旅館における運営ノウハウの共有(買収側が同業者の場合)
買い手企業からの経営資金の援助を受けることで、老朽化した設備を修復したり、集客のための広告施策などに取り組むことが可能です。収益性や顧客数の増加に繋がるための施策を実施することができるます。
借入における個人保証の解除
借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。ホテル・旅館運営事業者に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。
特に中小規模のホテル・旅館運営会社の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。
M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。
従業員の雇用維持
売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。
労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。
また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。
ホテル・旅館でM&Aの買収を行うことのメリット
ホテル・旅館でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。
- 事業拡大のチャンス
- 新規事業への進出
- ノウハウと人材の継承
- 事業許可の獲得
それぞれ詳しく解説していきます。
事業拡大のチャンス
M&Aにおいて買収側が得られる最大のメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は、ホテル・旅館業界における規模・シェアの拡大を狙うことができます。
ホテル・旅館業界のM&Aにおいては、顧客・取引先・特殊情報などの無形資産に加え、宿泊施設やホテルマンなどの人材を手に入れることも可能です。特にホテル・旅館運営事業にとって実店舗や薬剤師などの有形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。
またホテル・旅館業界においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。
新規事業への進出
M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに早期進出が可能となります。
景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。
また売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。
ノウハウと人材の継承
ホテル・旅館運営事業者において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「運営ノウハウ」と「ホテルマンをはじめとした人材」です。これら2つが揃っているホテル・旅館運営事業者は、市場において高い競争力を得ることができます。
もしM&Aによってホテル・旅館運営事業者の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。
またホテル・旅館運営企業の買収に関しては、買収先が持つ店舗数の如何によって、取引額に大きな差が生じます。より多くの店舗を所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。
ホテル・旅館のM&Aにおける成功事例
ホテル・旅館のM&Aにおける成功事例を紹介していきます。
ハウステンボスとウォーターマークホテル長崎によるM&A
2021年5月に、ハウステンボスがウォーターマークホテルの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。
譲り受け企業である「ハウステンボス」は、長崎県にある人気の大型テーマパーク「ハウステンボス」を運営する企業です。一方の譲渡企業である「ウォーターマークホテル長崎」は、2011年からHISグループの傘下企業としてハウステンボス園内に立地するホテルを運営していました。
本件M&Aは、テーマパーク運営企業とホテル運営企業による取引事例です。譲り受け企業であるハウステンボスは、自社が運営するテーマーパーク内のホテルを買収することで、ブランドの強化と新たな顧客価値創造を目的としています。
ベルーナとKarakami HOTELS&RESORTSによるM&A
2021年5月に、ベルーナがKarakami HOTELS&RESORTSの権利義務を取得し、ホテルの運営事業を譲り受けしたM&Aの事例です。本取引は、事業譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。
譲り受け企業である「ベルーナ」は、通販事業・店舗販売事業・ファイナンス事業などを多角的に運営する企業です。一方の譲渡企業である「Karakami HOTELS&RESORTS」は、リゾートホテルやビジネスホテル、貸会議室の運営事業を手がける会社になります。
本件M&Aは、大手通販関連企業とリゾートホテル運営企業による取引事例です。本取引によは、ベルーナが宿泊客の増加により、今後需要が増加するであろうビジネスにおける先行投資として実施されました。
「洞爺サンパレス リゾート&スパ」および「ザ・レイクスイート湖の栖」の取得に関するお知らせ
JR四国とエイトワンによるM&A
2018年にJR四国がエイトワンが有するホテル物件を取得したM&Aの事例です。本取引は、事業譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡による取引金額は公開されていません。
譲り受け企業である「JR四国は、四国エリアで公共輸送事業(電車の運行など)を運営する会社です。一方の譲渡企業である「エイトワン」は、愛媛県松山市にあるホテル「道後やや」を運営していた会社になります。
本件M&Aは、地方鉄道会社とホテル運営企業による取引事例です。譲り受け企業であるJR四国は、今後需要が増加するであろうホテルビジネスにおける事業強化を目的として取引を実施しています。
ホテル小田急静岡とブリーズベイホテルによるM&A
2020年3月に、プリーザベイホテルは小田急電鉄が保有する「ホテル小田急静岡」の全株式を取得し、同社を完全子会社したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、売却金額は公開されていません。
譲り受け企業である「プリーザベイホテル」は、ホテルの運営事業や買収再生業を展開する会社です。一方の譲渡企業である「ホテル小田急静岡」は、小田急電鉄の子会社として「ホテルセンチュリー静岡」の運営を行っていた企業になります。
本件M&Aは、ホテル運営企業同士のM&A事例です。売り手である小田急電鉄が自社のホテル運営事業における収益性が見込めないことを結論付け、ホテル小田急静岡の売却に踏み切っています。
アゴーラ・ホスピタリティー・グループと難波・ホテル・オペレーションズのM&A
2019年に、アゴーラ・ホスピタリティー・グループが難波・ホテル・オペレーションの所有する全株式を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。
譲り受け企業である「アゴーラ・ホスピタリティ・グループ」は、ホテルアライアンスの構築を主力事業としている企業です。一方の譲渡企業である「難波・ホテル・オペレーション」は、大阪などを中心に賃貸借契約に基づいてホテルの運営を手がけていた会社になります。
本件M&Aは、ホテル運営企業同士のM&A事例です。本取引は、譲り受け企業であるアゴーラ・ホスピタリティ・グループが、大阪難波地区のホテル事業拡大への取り組みの一環として実施されています。
アゴーラ・ホスピタリティー・グループ、200室規模のホテル運営の難波・ホテル・オペレーションズの全株式取得
サンフロンティア不動産とホテル大佐渡によるM&A
2021年4月に、サンフロンティア不動産がホテル大佐渡の所有する全株式を取得し、同社を完全子会社したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、売却金額は公開されていません。
譲り受け企業である「サンフロンティア不動産」は、不動産仲介・土地活用提案・建設ソリューション事業などを展開する会社です。一方の譲渡企業である「ホテル大佐渡」は、佐渡島における有数の景勝地である相川地区春日崎にあり、重厚感ある佇まいと日本海を望む雄大な景観が人気のホテルになります。
本件M&Aは、不動産関連企業とホテル運営会社による取引事例です。譲り受け企業であるサンフロンティア不動産は、自社グループが運営する「佐渡リゾート ホテル吾妻」と連携し、人事交流や情報共有などの面で協力して事業を進めることを目的としています。
穴吹興産と祖谷渓温泉観光によるM&A
2020年7月に、穴吹興産が祖谷渓温泉観光の代表取締役である植田氏の所有する株式の98.12%を買収し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。
譲り受け企業である「穴吹興産」は、不動産ソリューション事業・ホテル/ビルテナント事業・海外不動産開発事業などを手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「祖谷渓温泉観光」は、徳島県にある「和の宿 ホテル祖谷温泉」を運営する会社になります。
本件M&Aは、不動産関連企業とホテル運営会社による取引事例です。譲り受け企業である穴吹興産は、強く地域に根付いた「和の宿 ホテル祖谷温泉」のブランドを取得することで、大きなシナジー効果創出を目的としています。
祖谷渓温泉観光株式会社及び有限会社祖谷温泉の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
GFAとアトリエブックアンドベッドによるM&A
2020年2月に、GFAがアトリエブックアンドベッドの所有する全株式を取得し、同社を完全子会社したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、譲渡金額は公開されていません。
譲り受け企業である「GFA」は、不動産投資事業・不動産融資事業・ファイナンシャルアドバイザー事業などを手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「アトリエブックアンドベッド」は、「泊まれる本屋」をコンセプトに宿泊施設を全国6か所展開しているホテル運営会社になります。
本件M&Aは、不動産関連企業とホテル運営会社による取引事例です。売却側であるアトリエブックアンドベッドの代表取締役は、最先端の空間プロデューサーであることから、不動産価値向上において大きな役割を担ってもらうことを目的としています。
DDホールディングスと湘南レーベルによるM&A
2019年11月に、DDホールディングスが湘南レーベルの所有する株式のうち90.1%を取得し、同社を子会社化したM&Aの事例です。本取引は、株式譲渡のスキームが用いられましたが、取得価額は公表されていません。
譲り受け企業である「DDホールディングス」は、飲食店運営事業・アミューズメント事業・不動産サービス事業などを手掛ける企業です。一方の譲渡企業である「湘南レーベル」は、湘南・鎌倉エリアで「8HOTEL」をはじめとしたホテル運営事業を中心に手掛ける会社になります。
本件M&Aは、飲食・不動産業などを手掛ける多角化企業とホテル運営会社による取引事例です。譲り受け企業であるDDホールディングスは、ホテル運営会社である湘南レーベルを買収することで、グループにおける事業の更なる多角化と事業規模拡大を目的としています。
ヒューリックと日本ビューホテルによるM&A
2015年10月に、ヒューリックを完全親会社、日本ビューホテルを完全子会社としたM&Aの事例です。本取引は、株式交換のスキームが用いられ、日本ビューホテル株式1株に対して、ヒューリックの普通株式1.57株が割当交付されています。
譲り受け企業である「ヒューリック」は、連結子会社18社・非連結子会社2社・その他関連会社12社で構成されている不動産グループ企業です。一方の譲渡企業である「日本ビューホテル」は、ホテル事業・遊園地事業・施設運営事業などを展開する企業になります。
本件M&Aは、大手不動産企業とホテル運営会社による取引事例です。M&Aを行うことでヒューリックはホテル運営事業への進出と更なる事業基盤拡大を。一方の日本ビューホテルは、新しく開業するホテルの不動産をヒューリックが開発・保有することで、ホテルの運営に経営資源を集中できることを狙いとしています。
ヒューリック、日本ビューホテルと資本・業務提携および株式の取得
ホテル・旅館のM&Aにおける注意点
ホテル・旅館運営企業のM&Aにおける注意点を解説します。ホテル・旅館運営企業のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。
- M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
- 競業避止義務に関して
- 既存従業員の離職対策
それぞれ解説していきます。
M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。
買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。
そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。
競業避止義務に関して
M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。
M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。
会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的にホテル・旅館運営事業を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。
既存従業員の離職対策
買収先の既存従業員による離職対策は、M&Aを成功させるために留意すべきポイントのひとつです。既存従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を雇用し続けることが重要になります。
経営者視点から見ればM&Aは立派な経営戦略であり、大きなシナジー効果を生むものです。しかし従業員にとっては、今後の働き方や会社との雇用関係に大きな変化をもたらす為、M&Aによって雇用条件や働き方が悪化すると離職を招きます。
M&Aによる離職を防ぐためには、従業員の働き方や雇用関係の変化に対し、敏感に配慮することが重要です。既存従業員が不安となる要素はあらかじめ取り除いておくことが、M&Aによる離職を防ぐ手段として有効になります。
ホテル・旅館のM&Aを成功させるためのポイント
ホテル・旅館のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。ホテル・旅館のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。
- M&A戦略の立案
- 相場価格への理解
- PMI(統合後プロセス)の確立
それぞれ詳しく解説していきます。
M&A戦略の立案
M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。
M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。
M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。
- M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
- 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
- いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
- 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
- M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)
上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。
また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。
当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。
無料相談のご予約:
https://sfs-inc.jp/ma/contact
相場価格への理解
M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。
ホテル・旅館のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。
- 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
- 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分
当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。
また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。
PMI(統合後プロセス)の確立
M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。
PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。
- 新経営体制の構築
- 経営ビジョン実現のための計画策定
- 両社協業のための体制構築・業務オペレーション
上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。
またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。
ホテル・旅館のM&Aについてのまとめ
今回はホテル・旅館におけるM&Aについて、ホテル・旅館業界の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。
ホテル・旅館業界は事業者の数が非常に多いこともあり、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功しているホテル・旅館運営会社も数多く存在することから、ホテル・旅館運営企業にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。
しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。
無料相談のご予約:
https://sfs-inc.jp/ma/contact