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CRO・SMOのM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「CRO・SMO業界のM&Aの成功事例は?」
「CRO・SMO業界のM&Aについて詳しく知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

そこで今回、M&Aの専門企業である「M&A HACK」が、CRO・SMOの活用がM&Aや事業承継について、分かりやすく簡潔に解説します。

この記事では、CRO・SMO業界におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、CRO・SMO業界のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

CRO・SMOとは

このセクションでは、CRO・SMO業界の種類と特徴から始め、CRO・SMO業界の収益構造や運営形態について解説していきます。

CROとSMOの違い

CROとSMOの主な違いは以下の通りです。

項目 CRO (医薬品開発業務受託機関) SMO (治験施設支援機関)
役割 医薬品開発における様々な業務を代行 医療機関における治験実施をサポート
主な業務 治験の計画立案・モニタリング・データ管理・統計解析 医療スタッフの業務サポート・治験の事務作業・被験者対応
専門家 モニターなど 治験コーディネーター(CRC)など
顧客 製薬会社 医療機関
目的 医薬品開発のプロセスを効率化し、新薬開発を支援 治験の円滑な運営を支援し、治験の質の向上と効率化に貢献

CROは、製薬会社から委託を受けて、医薬品開発における専門的な業務を代行します。治験の計画立案からデータ解析まで、医薬品開発のプロセスに関わる様々な業務を行うことで、製薬会社の新薬開発を効率化し、支援しています。

一方、SMOは、医療機関を対象に、治験の実施をサポートする役割を担っています。医療スタッフの業務サポートや治験の事務作業、被験者対応など、治験の円滑な運営を支援します。

また、治験コーディネーターを配置し、被験者のケアや医療機関との調整を行うことで、治験の質の向上と効率化に貢献しています。

このように、CROとSMOは、医薬品開発や治験に関わる業界において、異なる役割と機能を果たしています。両者の連携により、より効率的で質の高い医薬品開発と治験の実施が可能になります。

CROとSMOが注目される理由

CROとSMOが注目される理由は、医薬品開発における役割の重要性が増しているためです。新薬開発は年々複雑化・高度化しており、製薬会社単独では対応が難しくなっています。

CROは、専門的な知識と経験を活かして、新薬開発のプロセスを効率化し、開発コストの削減と開発期間の短縮に貢献します。

また、SMOは、治験の実施を支援することで、医療機関の負担を軽減し、治験の質の向上と円滑な実施を可能にします。CROとSMOの存在は、医薬品開発におけるイノベーションを促進し、患者さんへの新薬の提供を加速させる上で欠かせないものとなっています。

CROとSMOの活用事例

CROとSMOの活用事例は、医薬品開発のあらゆる場面で見られます。例えば、がん治療薬の開発では、CROが治験のデザインや実施、データ管理などを担い、開発期間の短縮に貢献しています。

また、希少疾患の治療薬開発では、SMOが患者さんの募集や治験の実施をサポートすることで、円滑な治験の実施を可能にしています。

さらに、再生医療等製品の開発では、CROとSMOが協力して、特殊な治験デザインや規制対応を行うことで、革新的な医療技術の実用化を支えています。

CROとSMOの活用は、医薬品開発におけるイノベーションを加速させ、患者さんへのより良い治療選択肢の提供につながっています。

CRO・SMO業界の市場動向と市場規模

M&Aにおいて業界の現状とこれからを理解しておくことは非常に重要です。そこで、ここでは、CRO・SMO業界の動向と今後について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

CRO・SMO業界が持つ課題

CRO・SMO業界が直面する主な課題には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 医薬品開発の高度化・複雑化
    • CROやSMOに求められる専門性のレベルが上昇
    • 高度な知識と技術を持った人材の確保と育成が課題
    • 業界全体での人材育成の取り組みが必要
  2. 治験の国際化
    • グローバルな規制対応の必要性
    • データの標準化など、国際的な調整が求められる
    • 各国の規制当局との連携と、グローバルな体制の構築が重要
  3. 新たな技術への対応
    • 医療データの利活用
    • リアルワールドデータ(RWD)の活用など、新たなデータソースの利用が進む
    • データの質の確保と、適切な分析手法の開発が課題
    • AI・IoTの導入
    • 医薬品開発プロセスへのAI・IoT技術の応用が進展
    • AIアルゴリズムの開発や、IoTデバイスの活用など、新たな技術への対応が必要

CRO・SMO業界が、これらの課題に適切に対応し、医薬品開発のイノベーションを支え続けることで、より効果的で安全な医薬品の提供が可能になると期待されます。

市場規模予測

CRO・SMO業界の市場規模は、今後も拡大が予想されています。矢野経済研究所によると現在、CRO市場は約2,600億円規模、SMO市場は約400億円規模と推定されています。製薬企業が重点開発領域に経営資源を集中し、研究開発体制の改編に取り組む中で、CROやSMOへのアウトソーシングニーズは高まると予想されます。

CRO市場では、CRAの人員規模だけでなく、総合的なサービス提供力が新たな競争力として重要になっています。製薬企業のニーズに合わせた幅広いサービスを提供できるCROが、市場での優位性を確保すると予想されます。

また、SMO市場では、院内CRC業務の外注化に対する期待が高まっています。医療機関側のニーズに応えるSMOが、市場での成長を実現すると見込まれます。

ただし、案件の小型化などの影響により、CRO・SMO市場は転換期を迎えています。各社は、市場の変化に対応しながら、新たなビジネスモデルの構築や専門性の強化に取り組む必要があります。

今後、製薬企業のM&Aや提携の動向、研究開発戦略の変化などが、CRO・SMO市場の成長に影響を与えると予想されます。市場の変化を的確に捉え、顧客ニーズに応えるサービスを提供することが、CRO・SMO各社の成長要因となるでしょう。

業界の競合状況

CRO・SMO業界は、多数の企業が存在し、競争が激化しています。国内外で広く知られるIQVIAサービシーズジャパンや、日本国内で大手のイーピーエス、臨床試験のフルサポートを提供するシミック、グローバルに展開するパレクセルやPPDなど、様々な特徴を持つCRO企業が市場をリードしています。

一方、SMO市場では、EPLink、シミックヘルスケア・インスティテュート、ノイエス、アイロム、医療システム研究所などが主要企業として知られています。EPLinkは業界No.1の売上高を誇り、シミックヘルスケア・インスティテュートやアイロムも多くの提携医療機関を持つ大手企業です。ノイエスはITを活用した治験が強みで、エムスリーグループの一員です。

各社は、提携医療機関数や従業員数、売上高などの点で差別化を図りながら、競争力の強化に努めています。また、M&Aや業務提携などを通じた業界再編も進んでおり、競争環境は変化し続けています。

今後は、専門性の高いサービス提供や、ITを活用した効率的な治験の実施など、各社の強みを活かした戦略が求められます。

また、グローバル市場での展開や、新たな治療領域への参入など、事業領域の拡大も重要な課題となるでしょう。CRO・SMO各社が、これらの課題に適切に対応し、競争力を高めていくことが期待されます。

CRO・SMO業界の技術トレンド

CRO・SMO業界では、医薬品開発におけるイノベーションを支えるために、様々な技術トレンドが注目されています。

まず、医療データの利活用が挙げられます。リアルワールドデータ(RWD)や電子カルテデータを活用することで、治験のデザインや患者募集の最適化、市販後の安全性監視などが可能になります。

また、AIなどの導入も進んでいます。AIを活用することで、治験データの解析の効率化や、副作用の予測などが可能になります。

さらに、バーチャル治験やリモートモニタリングなど、デジタル技術を活用した新たな治験手法も注目されています。

これらの技術トレンドは、医薬品開発のスピードアップや効率化、質の向上に寄与すると期待されています。CRO・SMO業界は、これらの技術トレンドを取り入れながら、医薬品開発におけるイノベーションを支える役割を果たしていくことが求められています。

CRO・SMO業の動向と今後

CRO・SMO業界における動向について解説します。これからCRO・SMO業界のM&Aを検討している人は、ぜひ情報の一部として参考にしてください。

新技術の導入と進化

CRO・SMO業界では、医薬品開発の効率化と高度化を目指して、新たな技術の導入と進化が進んでいます。AIなどの活用は、治験データの解析や患者選択の最適化、副作用予測などに役立てられています。

また、リアルワールドデータ(RWD)の活用も拡大しており、電子カルテデータやウェアラブルデバイスのデータを治験設計や市販後調査に活用する動きが広がっています。

さらに、バーチャル治験やリモートモニタリングなど、デジタル技術を活用した新たな治験手法の導入も進んでいます。これらの新技術は、医薬品開発のスピードアップと質の向上、コスト削減などに寄与すると期待されています。

CRO・SMO企業は、これらの技術を積極的に取り入れ、自社の強みとしていくことが求められています。

規制の変化とその影響

CRO・SMO業界は、医薬品開発に関連する規制の変化に大きな影響を受けます。近年、各国の規制当局は、医薬品開発の効率化と国際調和を目指した様々な取り組みを進めています。

例えば、ICH(医薬品規制調和国際会議)では、治験データの標準化や電子化を推進するガイドラインの策定が進められています。

また、日本では、条件付き早期承認制度の導入や、リアルワールドデータの活用に向けた規制の整備が進んでいます。

これらの規制の変化は、CRO・SMO業界にとって新たなビジネス機会をもたらす一方で、対応のための投資や体制整備も必要となります。CRO・SMO企業は、規制動向を注視し、適切に対応していくことが求められています。

グローバル市場での展開

CRO・SMO業界では、グローバル市場での事業展開が加速しています。新興国を中心に、医薬品市場の拡大と治験需要の増加が見込まれており、CRO・SMO企業にとって大きなビジネス機会となっています。

特に、中国やインドなどのアジア諸国では、治験実施体制の整備が進んでおり、多くのグローバルCROがこれらの国々で事業を拡大しています。また、欧米のCROも、新興国での事業展開を強化しています。

一方で、グローバル展開には、各国の規制対応や文化的な違いへの対応など、様々な課題も存在します。現地のパートナーとの提携や、現地人材の育成など、きめ細かな対応が求められるでしょう。CRO・SMO企業は、グローバル市場でのプレゼンス強化と、現地ニーズへの対応力向上が必要となります。

CRO・SMO業界のM&Aの動向

CRO・SMO業界におけるM&Aの動向について解説します。これからCRO・SMO業界のM&Aを検討している人は、ぜひ情報の一部として参考にしてください。

最近のM&Aの傾向と影響

CRO・SMO業界では、近年M&Aが活発化しています。大手企業による買収や業界再編が進んでおり、市場の寡占化が進行中です。

M&Aを通じて、企業は事業規模の拡大や新たな領域への進出を図っています。また、技術力や顧客基盤の獲得も目的の一つです。M&Aによって、業界全体の効率化や競争力の向上が期待されます。

一方で、独立系企業の減少や価格競争の激化など、マイナスの影響も懸念されています。今後も業界の動向を注視していく必要があるでしょう。

M&Aの主要企業

CRO・SMO業界の主要企業であるエムスリー株式会社は、日本の医師の大多数が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、国内外で製薬会社向けマーケティング支援や治験支援などを提供しています。同社は近年、グローバル展開とサービス拡充を目的に、積極的にM&Aを行っています

2022年から2023年にかけて、エムスリー株式会社は、フランスのCalimaps SASやMed Planet SAS、ドイツのpharma-insight GmbH、カナダのScribendi Inc.、英国のRemedium Holdings Ltd.、米国のMichael Allen Company LLCなどを次々と子会社化しました。

これらのM&Aにより、エムスリー株式会社は、診療管理ソフトウェア、市場調査、論文校正、医師リクルーティング、製薬コンサルティングなど、多岐にわたる分野でグローバルプレゼンスを強化しています。

また、国内では、フロッグウェル株式会社やハピネス・アイ株式会社を子会社化し、データドリブンなマーケティングや予防医療分野への進出を図っています。

M&Aの背景と動機

CRO・SMO業界では、M&Aが活発に行われています。その背景には、事業規模の拡大、地域的な拡大、専門領域の強化、技術力の獲得、垂直統合などの戦略的目標があります。

M&Aを通じて、規模の経済を追求し、市場シェアを拡大することで競争力を高めることができます。また、新興国市場への参入、専門性の向上、新技術の獲得、バリューチェーンの効率化なども重要な動機となっています。

各社は、自社の戦略に応じてM&Aを活用し、競争優位性の確立と成長の加速を目指しています。今後も、業界の変化に対応するために、M&Aは重要な戦略的選択肢であり続けるでしょう。

CRO・SMOのM&Aをするメリット

CRO・SMO業界のM&Aにおいてのメリットを売却側・買収側の両方から解説します。メリットを元にしてCRO・SMO業界のM&Aを検討してください。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 事業の継続と発展
  • 資金調達の手段
  • 経営リスクの回避
  • 従業員の雇用維持
  • 事業の価値の最大化
  • 事業拡大の加速
  • 新たな技術の獲得
  • 市場シェアの拡大
  • 優秀な人材の確保
  • シナジー効果の創出

売却側のメリット

CRO・SMO業界における売却側のメリットは、以下の通りです。

  • 事業の継続と発展
  • 資金調達の手段
  • 経営リスクの回避
  • 従業員の雇用維持
  • 事業の価値の最大化

それぞれ詳しく解説していきます。

事業の継続と発展

CRO・SMO企業がM&Aにより売却される際、事業は買収先企業のもとで継続されます。売却先の企業が持つ資金力、技術力、ネットワークなどを活用することで、事業の継続と発展が可能になります。買収先企業との相乗効果により、新たな市場開拓や事業の拡大が期待できます。

資金調達の手段

M&Aは、売却側企業にとって資金調達の手段となります。事業売却によって得られた資金は、新たな事業への投資や、財務体質の改善に活用することができます。特に、成長資金の確保が困難な中小企業にとって、M&Aは有効な資金調達の選択肢となります。

経営リスクの回避

事業環境の変化や競争の激化により、経営リスクが高まる場合があります。M&Aによる事業売却は、このようなリスクを回避する手段となります。事業の将来性に不安がある場合や、事業継続が困難な場合には、M&Aによって事業を売却することで、リスクを軽減することができます。

従業員の雇用維持

M&Aによる事業売却は、従業員の雇用維持にもつながります。事業が買収先企業に引き継がれることで、従業員の雇用が維持されます。買収先企業の事業拡大により、キャリアアップの機会が増える可能性もあります。

事業の価値の最大化

M&Aプロセスでは、事業の価値が評価されます。複数の買収候補先との交渉を通じて、事業の価値を最大化することができます。適切なタイミングでのM&Aは、株主価値の向上にもつながります。

買収側のメリット

CRO・SMO業界における買収側のメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大の加速
  • 新たな技術の獲得
  • 市場シェアの拡大
  • 優秀な人材の確保
  • シナジー効果の創出

それぞれ詳しく解説していきます。

事業拡大の加速

M&Aは、買収側企業にとって事業拡大を加速する手段となります。既存の事業基盤に、買収先企業の事業を加えることで、事業規模の拡大を図ることができます。特に、海外市場への進出や新たな事業領域への参入では、M&Aが有効な手段となります。

新たな技術の獲得

買収先企業が保有する技術やノウハウを獲得することができます。自社では開発が困難な技術を、M&Aによって短期間で獲得することが可能です。獲得した技術を活用することで、サービスの差別化や競争力の強化を図ることができます。

市場シェアの拡大

買収先企業の顧客基盤を獲得することで、市場シェアの拡大が可能です。特に、競合他社を買収することで、市場での地位を強化することができます。市場シェアの拡大は、売上の増加や交渉力の向上にもつながります。

優秀な人材の確保

買収先企業の優秀な人材を獲得することができます。専門性の高い人材や、経験豊富な人材を確保することで、事業の強化や新たな事業の立ち上げが可能になります。人材の獲得は、長期的な競争力の源泉となります。

シナジー効果の創出

買収先企業との間でシナジー効果を創出することができます。業務の効率化や、コストの削減などにより、収益性の向上が期待できます。シナジー効果を最大限に発揮することで、M&Aの成果を最大化することができます。

CRO・SMOのM&Aの注意点

CRO・SMO業界のM&Aを行う際の注意点を解説します。CRO・SMO業界のM&Aを行う際の注意点は、以下の通りです。

企業文化の違いによる摩擦

M&Aにより異なる企業文化を持つ組織が統合される場合、文化的な摩擦が生じる可能性があります。

価値観やビジネスプラクティスの違いにより、コミュニケーションの齟齬や従業員の士気低下などの問題が発生することがあります。

M&Aの成功のためには、企業文化の違いを認識し、適切なマネジメントを行うことが重要です。買収側と売却収側の間で、十分なコミュニケーションを図り、相互理解を深めることが求められます

また、統合後の組織文化の形成に向けて、リーダーシップを発揮し、従業員の一体感を醸成することが必要です。

買収後の統合プロセスの難しさ

M&A後の統合プロセスは、非常に複雑で難しいものです。組織構造や業務プロセス、システムの統合など、様々な側面での調整が必要になります。

統合プロセスが適切に行われないと、期待されたシナジー効果が発揮されない可能性があります。買収側企業は、統合プロセスを適切に計画し、実行することが重要です。

統合プロセスにおいては、専門家の知見を活用しながら、スピード感を持って取り組むことが求められます。また、従業員とのコミュニケーションを十分に行い、不安や抵抗感を軽減することも必要です。

法的・財務的なリスク

M&Aには、法的・財務的なリスクが伴います。買収先企業の財務状況や法的問題を十分に精査する必要があります。

デューデリジェンスを適切に行い、リスクを把握することが大切です。また、買収資金の調達や、会計処理の適切性にも留意が必要です。法的・財務的なリスクを軽減するためには、専門家の助言を得ながら、慎重に検討を進めることが求められます。

また、買収後の統合プロセスにおいても、法的・財務的な側面での管理を徹底することが重要です。

CRO・SMOにおけるM&Aを成功させるためのポイント

CRO・SMO業界におけるM&Aを成功させるためのポイントを解説します。CRO・SMO業界におけるM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立
  • 相場価格の把握
  • PMI(統合後プロセス)の確立

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&Aを成功させるためには、明確なM&A戦略を立案することが重要です。自社の強みや弱み、市場環境などを分析し、M&Aの目的や対象企業の選定基準を明確にする必要があります。

また、M&A後の統合プロセスや、シナジー効果の創出方法についても、事前に検討しておくことが重要です。

M&A戦略の立案においては、経営陣の強いリーダーシップと、関連部門の協力が不可欠です。また、外部の専門家の知見を活用することで、より効果的なM&A戦略の立案が可能になります。

相場価格をよく理解しておく

M&Aにおいては、買収価格の設定が重要です。業界の相場価格を十分に理解し、適切な価格設定を行うことが必要です。過大な買収価格は、財務的なリスクにつながる可能性があります。

一方、過小な買収価格では、買収先企業の協力が得られない可能性があります。適切な価格設定のためには、市場動向や類似事例の分析が重要です。

また、買収先企業の事業価値を適切に評価することも必要です。価格設定においては、経営陣の判断力と交渉力が問われます。

PMI(統合後プロセス)の確立

M&A後の統合プロセスを適切に確立することは非常に重要ですが、企業がM&Aを単独で行うことにはデメリットがあります。専門知識の不足や経験不足により、組織構造やビジネスプロセス、システムの統合方法を適切に設計できない可能性があります。

また、統合プロセスにおけるコミュニケーションや従業員のモチベーション管理にも課題が生じやすいでしょう。こうしたデメリットを避けるためには、M&A仲介会社の専門的な知見とサポートを活用することが推奨されます

M&A仲介会社は、統合計画の立案から実行までを一貫してサポートし、スピード感を持ってPMIを進めることができます。また、定期的なモニタリングと必要な修正も行ってくれるため、シナジー効果の早期実現が期待できます。

M&A HACK」は、戦略策定から買い手の紹介まで、M&A取引を完全成功報酬制でサポートする仲介サービスです。当サービスでは、リスクを気にすることなく、一貫した支援を提供しています。初めてのご相談は無料ですので、ご興味のある方はぜひ下記からお問い合わせください。

無料相談のご予約:
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CRO・SMO業のM&Aにおける成功事例

CRO・SMO業界におけるM&Aの成功事例を紹介します。これからCRO・SMO業界におけるM&Aを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

株式会社アイクロスによる株式会社IBERICAのM&A

2019年11月に、株式会社アイロムグループの子会社である株式会社アイクロスが、株式会社イベリカASIAの完全子会社である株式会社IBERICAの全株式を取得した事例です。

株式会社アイクロスは、CRO(医薬品開発支援)事業を展開する企業で、臨床試験のモニタリングや統計解析などの業務を手がけています。また、SMO(治験施設支援機関)事業や先端医療事業とも連携し、医薬品開発の総合的な支援体制を構築しています。

株式会社IBERICAは、CRO事業を主に行う企業で、大学などのアカデミアと連携し、高度な専門性を必要とする領域での開発支援を提供しています。臨床試験の実施体制や研究機関を設置し、医薬品や医療機器の開発を支援しています。

このM&Aの主な目的は、株式会社アイクロスが株式会社IBERICAをグループ会社とすることで、モニタリング及び統計解析分野を強化し、CRO事業の拡大を図ることです。これにより、SMO事業や先端医療事業とのシナジー効果を発揮し、より専門性の高い開発支援体制を構築することを目指しています。

参考:当社子会社による株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

EPSホールディングス株式会社によるACメディカル株式会社のM&A

2019年2月に、EPSホールディングス株式会社が株式会社アグレックスからACメディカル株式会社の全株式を取得した事例です。

EPSホールディングス株式会社は、医薬品や医療機器の開発を支援するCRO事業、治験施設支援を行うSMO事業、営業・マーケティング支援を行うCSO事業を展開しています。また、Global Research事業および益新事業を通じて海外でも事業を展開しています。

ACメディカル株式会社は、CRO事業とCSO事業を主軸とし、人的資源とITを融合させた高付加価値のサービスを提供しています。医薬品開発支援や販売支援、情報処理サービスを手がけており、高度な専門知識を活用して新薬開発を推進しています。

このM&Aの主な目的は、EPSホールディングス株式会社がACメディカル株式会社を子会社化することで、顧客基盤の拡大、人材リソースの強化、そして技術ノウハウの共有を通じて、がん・中枢神経系や難病・希少疾患の新薬開発を推進することです。

参考:ACメディカル株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

WDBホールディングス株式会社によるDZS Software Solutions, Inc.のM&A

2018年8月に、WDBホールディングス株式会社の米国子会社であるWDB Medical Data, Inc.が、DZS Software Solutions, Inc.の全株式を取得した事例です。

WDBホールディングス株式会社は、理学系研究職・工学系技術職人材サービスを中核とした「人材サービス事業」、医薬品等の臨床試験以降の開発業務を代行・支援する「CRO事業」、および「研究開発・製造事業」、「インタラクション事業」の4つの事業領域を展開しています。特にCRO事業の強化に注力し、国内外で事業展開を進めています。

DZS Software Solutions, Inc.は、医薬品の申請・承認関連の支援業務を行う企業であり、アメリカでCRO事業を展開しています。

このM&Aの主な目的は、WDBホールディングス株式会社がDZS Software Solutions, Inc.を孫会社化することで、アメリカにおけるCRO事業の展開を加速させ、海外CRO事業のさらなる拡大と発展を図ることです。これにより、同社グループの企業価値の最大化を目指しています。

参考:DZS Software Solutions, Inc. の株式取得に関するお知らせ

JSR株式会社によるCrown Bioscience InternationalのM&A

2017年12月に、JSR株式会社がCrown Bioscience Internationalの全株式を取得し、完全子会社化した事例です。

JSR株式会社は、ライフサイエンス事業を石化事業、ファイン事業に次ぐ第三の柱と位置付け、医薬品開発プロセスの革新に貢献することで価値を提供しています。戦略的基礎研究からバイオ医薬品の製造プロセスに至るまで、一貫した支援体制を構築しています。

Crown Bioscience Internationalは、がん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域に対して、医薬品の基礎研究成果を臨床研究や実用化にまで高める創薬探索開発受託サービスを提供するCROです。世界中で高付加価値サービスを提供し、グローバルに事業を展開しています。

このM&Aの主な目的は、JSR株式会社がCrown Bioscience Internationalを完全子会社化することで、戦略的基礎研究から診断薬開発、創薬探索開発受託、製造プロセス開発、GMP製造受託まで、製薬業界にシームレスに価値を提供し、ライフサイエンス事業をさらに拡大することです。

参考:Crown Bioscience International 株式会社の株式の取得 Crown Bioscience International 株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

WDBホールディングス株式会社による株式会社コーブリッジのM&A

2017年6月に、WDBホールディングス株式会社が株式会社コーブリッジの全株式を取得し、100%子会社化した事例です。

WDBホールディングス株式会社は、理学系研究職・工学系技術職人材サービスを中核とする「人材サービス事業」、医薬品等の臨床試験以降の開発業務を代行・支援する「CRO事業」、および「受託研究・製造事業」、「インタラクション事業」の4つの事業領域を展開しています。特にCRO事業の強化に注力し、国内外で事業展開を進めています。

株式会社コーブリッジは、医療機器や医薬品等の申請・承認関連の支援業務、DMF(Drug Master File)の国内管理人業務、選任製造販売業者としての業務を行う企業です。約18年間の事業実績を通じて蓄積された経験とノウハウを有しています。

このM&Aの主な目的は、WDBホールディングス株式会社が株式会社コーブリッジを子会社化することで、同社の経験とノウハウを活用し、既存のCRO事業との相乗効果を発揮してグループの企業価値を高めることです。

参考:株 式 会 社 コ ー ブ リ ッ ジ の 株 式 取 得 ( 子 会 社 化 ) の お 知 ら せ

エムスリー株式会社によるCalimaps SASのM&A

2023年9月に、エムスリー株式会社がフランス法人VIDAL Groupを通じて、フランスのCalimaps SASの全株式を取得した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の約9割が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービス等を提供しています。また、米国、英国、フランス、中国、韓国、インドなど世界中で事業展開を行っています。

Calimaps SASは、フランスでDrSantéという診療管理ソフトウェアを提供する企業です。DrSantéは患者記録管理や処方判断の支援、フランスの健康保険インフラとの連携を可能にする外来診療管理ソリューションで、医師4,200人を含む6,000人以上の医療従事者に利用されています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がCalimaps SASを子会社化することで、急成長中のフランスの診療管理ソフトウェア市場において競争力を強化し、医療現場向けソリューションの提供価値を向上させることです。これにより、VIDALやWedaとの相互補完を図り、遠隔医療機能やAIベースの効率化ツールなどの新たなモジュールの共有を進めることを目指しています。

参考:VIDAL Group:フランス DrSanté を展開する Calimaps を子会社化

エムスリー株式会社によるフロッグウェル株式会社のM&A

2023年8月に、エムスリー株式会社がSalesforceのコンサルティング事業を展開するフロッグウェル株式会社を子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の約9割が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。また、AI搭載クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」や「デジスマ診療」といったDX支援サービスも展開しています。

フロッグウェル株式会社は、Salesforceの導入コンサルティング、構築支援、開発、保守などのサービスを提供しており、特に医療業界で高いプレゼンスを誇ります。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がフロッグウェル株式会社を子会社化することで、製薬企業や医療機器企業の営業・マーケティング活動をデータドリブンかつ高度に行えるようにすることです。また、エムスリーグループ内でのSalesforceを活用した営業・マーケティング活動の効率化を加速し、グループ全体での生産性向上を目指します。

参考:Salesforce のコンサルティング事業を展開するフロッグウェル株式会社を子会社化

エムスリー株式会社によるScribendi Inc.のM&A

2023年4月に、エムスリー株式会社が子会社のエダンズ株式会社を通じて、カナダのScribendi Inc.の全株式を取得し、子会社化した事例です。

エダンズ株式会社は、ネイティブ英語話者や博士号取得者を中心とした約500人の医学関連研究者から成るフリーランサープラットフォームを有しており、論文作成や臨床研究・治験の企画立案などを支援しています。主要大学や製薬企業を中心にサービスを提供し、リピーター率も高い評価を受けています。

Scribendi Inc.は、約400名のフリーランサーが活動する論文校正プラットフォームを運営し、年間28,000名の顧客にサービスを提供しています。独自の自然言語処理AI技術を用いたプラットフォームで、文法の自動修正や品質測定、受注から納品までの自動化を実現しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がScribendi Inc.を子会社化することで、エダンズ株式会社の論文校正・出版支援サービスをさらに強化し、グローバル展開を加速することです。Scribendi Inc.のプラットフォーム上でエダンズのサービスを提供し、エムスリーグループの医療従事者ネットワークや顧客に対してもサービスを紹介することで、グループ全体のシナジーを追求していきます。

参考:カナダ Scribendi Inc.を子会社化

エムスリー株式会社によるMed Planet SASのM&A

2023年4月に、エムスリー株式会社が子会社のM3 Global Researchを通じて、フランスのMed Planet SASの全株式を取得し、子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の9割以上が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。また、米国、英国、フランス、中国、韓国、インドなど海外での事業展開も積極的に進めています。

Med Planet SASは、ヘルスケア業界に特化した定性調査を25年間提供しているフランスの企業であり、地域の特性を熟知したコンサルティング・アプローチにより、高品質なアウトプットと実用的なデータを提供しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がMed Planet SASを子会社化することで、欧州におけるエムスリーの医療従事者ネットワークと市場調査サービスのプレゼンスを強化し、グローバルな事業基盤をさらに拡充することです。これにより、エムスリーの成長戦略をより強固にし、欧州およびグローバル市場での競争力を高めることを目指しています。

参考:フランス Med Planet を子会社化

エムスリー株式会社によるMichael Allen Company LLCのM&A

2023年2月に、エムスリー株式会社が米国法人M3 USA Corporationを通じて、Michael Allen Company LLCの全株式を取得し、子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の約9割が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。

Michael Allen Company LLCは、製薬業界に特化したコンサルティングファームであり、100以上の疾患領域に精通し、グローバルで多くのプロジェクトを実施しています。製薬企業との強固な関係性を有し、臨床試験から上市後まで、フェーズに応じたフレームワークによりクライアントの製品開発を支援しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がMichael Allen Company LLCを子会社化することで、製薬企業との関係性をグローバルレベルで強化し、提供サービスを拡大することです。また、Michael Allenもエムスリーグループの医師会員基盤やアウトソーシング部門を活用することで、さらなる成長を目指しています。

参考:製薬企業向けコンサルティングファーム Michael Allen Company を子会社化

エムスリー株式会社によるRemedium Holdings Ltd.のM&A

2022年12月に、エムスリー株式会社が欧州法人M3 Medical Holdingsを通じて、Remedium Holdings Ltd.の全株式を取得し、子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の約9割が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。

Remedium Holdings Ltd.は、英国National Health Service(NHS)向けに海外からの医師リクルーティング支援事業を行う企業であり、ロンドンに本社を構えています。NHSは医療人材不足に直面しており、海外からの医師の採用需要が高まっています。Remediumは、アジア・アフリカ・中東出身の医師の英国への移住、医師免許取得、現地医療機関への配属などのオペレーションに精通しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がRemedium Holdings Ltd.を子会社化することで、英国NHSとの関係性を強化し、アジア・アフリカ・中東における医師ネットワークを拡大することです。また、エムスリーグループの医師会員基盤や「RotaMaster」などのグループ内事業との連携による事業拡大も期待されています。

参考:英国 Remedium を子会社化

エムスリー株式会社によるハピネス・アイ株式会社のM&A

2022年7月に、エムスリー株式会社がハピネス・アイ株式会社の全株式を取得し、子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。近年、予防医療分野にも重点を置き、「ホワイト・ジャック・プロジェクト」を開始しました。

ハピネス・アイ株式会社は、健康診断の実施調整や結果処理などをトータルコーディネートする健康診断事業を主力としています。また、従業員健康管理クラウドサービス「ハピネスパートナーズ」では、健康診断結果やストレスチェック結果、医師面談結果などを一元管理しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がハピネス・アイ株式会社を子会社化することで、予防医療分野における事業基盤を強化し、従業員の健康状態を維持・向上させることです。エムスリーグループの他サービスとの連携を図り、企業の健康経営に貢献するフルラインナップのサービス提供を目指しています。

参考:予防医療の分野への取り組み「ホワイト・ジャック・プロジェクト」を開始

エムスリー株式会社によるpharma-insight GmbHのM&A

2022年5月に、エムスリー株式会社が子会社のM3 Global Researchを通じて、pharma-insight GmbHの全株式を取得し、子会社化した事例です。

エムスリー株式会社は、日本の医師の約9割以上が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、製薬会社向けマーケティング支援サービスや治験支援サービスなどを提供しています。

pharma-insight GmbHは、ライフサイエンスおよびヘルスケア業界向けに市場調査サービスを提供するドイツの企業であり、ドイツ専用コールセンターを有し、ドイツ、イギリス、フランス、デンマーク、オランダ、ノルウェー、オーストリア、イタリア、ポーランド、スイス、スペイン、チェコなどでサービスを展開しています。

このM&Aの主な目的は、エムスリー株式会社がpharma-insight GmbHを子会社化することで、欧州におけるプレゼンスをさらに高め、エムスリーの医療従事者パネルを拡大することです。これにより、エムスリーのグローバル展開戦略を強化し、世界中の医療市場調査サービスの提供を拡充することを目指しています。

参考:ドイツ pharma-insight GmbH を子会社化

EPSホールディングス株式会社による株式会社CACクロアのM&A

2021年4月に、EPSホールディングス株式会社の完全子会社であるイーピーエス株式会社が、株式会社CACホールディングスの完全子会社である株式会社CACクロアの全株式を取得し、連結子会社化した事例です。

EPSホールディングス株式会社は、医薬品や医療機器の開発を支援するCRO事業、治験施設支援を行うSMO事業、営業・マーケティング支援を行うCSO事業を展開しています。イーピーエス株式会社はCROのリーディングカンパニーとして、医薬品開発に対する高度な専門知識と技術力を提供しています。

株式会社CACクロアは、医薬品開発支援サービスを提供し、情報技術に強みを持つCROとして、医薬品開発の効率化を推進しています。また、PV(Pharmacovigilance)業務を強みとしています。

このM&Aの主な目的は、EPSホールディングス株式会社が株式会社CACクロアを子会社化することで、治験から製造販売まで幅広い顧客に対応できる体制を構築し、安全性管理支援ノウハウやシステム開発力を駆使して幅広い安全性業務支援を展開することです。これにより、エムスリーグループのミッションを達成し、事業基盤を強化することを目指しています。

参考:当社連結子会社による株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

EPSホールディングス株式会社による株式会社TTCのM&A

2020年1月に、EPSホールディングス株式会社が株式会社TTCの発行済株式の51.7%を追加取得し、子会社化した事例です。

EPSホールディングス株式会社は、医薬品や医療機器の開発を支援するCRO事業を展開しています。株式会社TTCは、機能性食品の評価や安全性試験、基礎研究及び動物試験、食品成分分析、コンサルティングなどを行う機能性食品CROのリーディングカンパニーです。

このM&Aの主な目的は、EPSホールディングス株式会社が株式会社TTCを子会社化することで、両社のリソースの相互活用を推進し、顧客ネットワークやノウハウを共有することです。これにより、事業シナジーを発揮し、協業の目的を早期に達成することを目指しています。

参考:株式会社TTCの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

シミック株式会社によるシミック・シフトゼロ株式会社のM&A

2023年7月に、シミックホールディングス株式会社の子会社であるシミック株式会社が、同じく子会社であるシミック・シフトゼロ株式会社を吸収合併し、シミックを存続会社とすることを決定した事例です。

シミック株式会社は、日本最大級のCRO(開発業務受託機関)として、医薬品等の戦略的なコンサルテーションや、開発および市販後の支援業務を提供しています。特に、オンコロジー(がん)、中枢神経系、プライマリーケア、スペシャリティケア(再生医療・希少疾病)などの専門領域に特化した事業体制を整えています。

シミック・シフトゼロ株式会社は、2016年に設立され、オンコロジー領域に特化したCROとして、オンコロジー領域のオピニオンリーダーとのネットワークや研究グループとの協業から得られた知見を活かした支援業務を行っています。

このM&Aの主な目的は、オンコロジー領域の開発増加に対応し、両社が持つノウハウとリソースを結集することで、さらなる専門性の向上を図り、顧客により良いサービスを提供することです。合併により、シミックの専門領域に即したソリューション提供体制が強化され、事業基盤が一層拡充されることが期待されます。

参考:連結子会社間の合併に関するお知らせ

まとめ

CRO・SMO業界では、M&Aが活発に行われており、業界再編が進んでいます。M&Aの背景には、事業規模の拡大、専門領域の強化、技術力の獲得、グローバル展開などの戦略的目的があります。

M&Aには売却側と買収側それぞれにメリットがある一方、企業文化の違いや統合プロセスの難しさ、法的・財務的リスクなどの注意点もあります。

M&Aを成功させるためには、明確な戦略の立案、適切な価格設定、PMIの確立が重要です。各社の戦略的な取り組みと、専門家の支援を活用することで、M&Aを通じた業界の発展と企業価値の向上が期待できるでしょう。

M&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある戦略です。ぜひ今回の記事を参考にCRO・SMO業界におけるM&Aを検討してみてください。

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