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システム開発会社のM&A・事業承継の全知識!売却相場・事例・成功ポイントを徹底解説

「システム開発会社のM&Aにおける動向は?」
「システム開発会社のM&Aについて知りたい」

この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。

実際に現状「システム開発会社 M&A」等と検索しても、信憑性に欠ける記事や専門家が執筆した解読が難解な記事しかなく、素人が目にしても理解できない記事が多いです。

そこで、今回はM&Aの専門企業であるM&A HACK」が、システム開発会社のM&Aについて分かりやすく簡潔に解説します。

システム開発会社におけるM&Aの売却相場や成功ポイントについても詳しく解説するので、システム開発会社のM&Aに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

システム開発会社とは

システム開発会社とは、ソフトウェアプログラム・電子機器制御システム・業務プログラムなどのシステム・プログラムの開発を行う企業のことです。システム開発と一言に表しても、その業務内容は非常に多岐に渡ります。

システム開発会社は、日本標準産業分類の大分類で「情報通信業」に分類される業種です。なお中分類では「情報サービス業」、小分類としては「ソフトウェア業」に分類されており、再分類としては「受託開発ソフトウェア業」と区分されます。

細分類である「受託開発ソフトウェア業」とは、クライアントからの要望をヒアリングし、ソフトウェアシステムを作り上げる開発行為のことです。あくまで「受託開発」であるため、クライアントからの要望通りのソフトウェアを作り上げることが役目になります。

システム開発会社のビジネスモデル

システム開発会社のビジネスモデルについて解説していきます。システム開発会社のビジネスモデルは、主に以下の通りです。

  • ソフトウェア開発
  • ハードウェア開発
  • 情報処理サービス開発

それぞれ詳しく解説していきます。

ソフトウェア開発

主にコンピューターやアプリケーションなど、ソフトウェアシステムの開発に携わる業務です。ソフトウェアとは、広義の意味で「PCなどの内部で様々な処理を行うプログラムをまとめたもの」とされています。

ソフトウェア開発は、オーダーメイドスーツに例えられることが多いです。オーダーメイドスーツは、お客様の体型・身長・好みや趣向に合わせて、世界にただ一着のスーツを作り上げます。システム開発業も、他社クライアント企業の要望に合わせてソフトウェアパッケージを作り上げるため、オーダーメイドスーツと概念は同一です。

また業務フローには「クライアント企業に常駐し、一から要望をヒアリングし開発する」「既存のソフトウェアを改良する」など様々なものがあります。クライアントや自社のコンセプトを把握し、理想のソフトウェアを開発する業務です。

ハードウェア開発

ハードウェア開発とは、PC・スマートフォン・周辺機器などの物理的に触れられる機械や設備、装置などを開発する業務です。ソフトウェア開発は目に見えないコンピュータープログラムを開発するのに対し、ハードウェア開発は実際に目で見えて触れられる機器の開発を担当します。

一昔前は、IT系のハードウェアといえばPCでした。しかし近年は工場の機器や重機などといったさまざまな製品や設備にプログラムが組み込まれており、ハードウェア開発の範囲はPC製作するだけにはとどまりません。

またIT系ハードウェアの多様化が進み、IoT(あらゆるモノをインターネットに接続する技術)が普及することで、ハードウェア開発の需要は高まっている状態です。今後は家電のIoT化などといいったソフトウェア開発にも類似した役割をハードウェア開発企業が担うことも予測されます。

情報処理サービス

システム開発におけるビジネスモデルとして、情報処理サービスの開発業務が挙げられます。情報処理サービスとは、情報システムに関する包括的なサポートを提供する開発行為のことです。

情報システムとは、人の手で行っている業務の効率化や品質向上などを目的としたIT技術を用いたシステムやサービスの仕組みを指します。情報システムの開発は、ソフトウェア開発とハードウェア開発両方の技術が必要であるため、システム開発会社にとって情報処理サービス開発が出来るか否かは、自社の開発力を試される要素の一部と言えるでしょう。

また情報処理サービスを提供するシステム開発企業は、情報システムのコンサルティングから開発、運用・運営まで多岐に渡る業務をこなすケースが多いです。業務のシステム化におけるコンサルティングやシステムの開発にとどまらず、業務データ処理の受託やユーザーの情報システムの管理や運営をするアウトソーシングなどが挙げられます。

システム開発会社の運営に必要なもの

システム開発会社の運営において必要な業許可・推奨される資格・人材におけるスキルセットについて、それぞれ詳しく解説していきます。

必要な業許可

システム開発会社において取得が必須となる業許可はありません。食品製造業者なら「食品製造業許可」、医薬品製造業者なら「医薬品製造業許可」が必要ですが、ソフトウェア開発会社においては、行政からの認可がなくとも事業を運営すること自体は可能です。

ただしシステム開発会社のビジネスモデルによっては、クライアント企業に自社のエンジニアを常駐させることもあるため、労働基準法に対しよく配慮することが重要になります。自社のエンジニアが顧客の指揮命令下で働く場合は労働者派遣となり、その場合は「一般労働者「派遣事業の許可が必要です。しかし認定要件が厳しいため、起業時から一般労働者派遣事業を目指すのはあまり現実的ではありません

またシステムエンジニアリングサービス(SES)という、一般労働者派遣事業許可が無くても、技術者が顧客の現場で業務に就く契約形態もあります。しかし、SESには自社からの指揮命令が必要となります。それをせずに顧客の指揮命令下で技術者が働く場合、偽装請負となるので注意が必要です。

推奨される資格

システム開発会社にとって不可欠となるのが「エンジニア」の存在です。エンジニアがいなければ、システム開発会社として運営することが出来ません。

システム開発を担当するエンジニアは、資格試験を通して技能を習得する場合も多いです。システム開発を担当するエンジニアに推奨される資格には、以下のようなものがあります。

資格名 資格内容
基本情報技術者検定 ITエンジニアとして必要な知識とスキルを身に付けるための国家試験
システムアーキテクト試験 基本情報技術者試験の上位互換となる国家試験。上流工程を担当するエンジニアに推奨される。
C言語プログラミング能力認定試験 C言語プログラミング能力を獲得するための民間資格。C言語の基本的な概念やプログラミング能力が身に付く。
Javaプログラミング能力認定試験 Javaのプログラミングスキルを獲得するための民間資格。1級~3級の段階別試験となっている。
プロジェクトマネージャー試験 IPA(情報処理推進機構)が実施している国家試験。テクノロジー分野やプロジェクトマネージメント分野、ストラテジー分野などの知識が身に付く。

人材におけるスキルセット

システム開発会社の経営を維持し、企業を成長させるためには、勤続する人材が必要なスキルを習得することが大切です。システム開発会社の人材に求められるスキルセットには、以下のようなものがあります。

  • システム開発力
    システム開発を担当するエンジニアに求められるスキル。自社エンジニアが持つシステム開発能力がそのまま企業の評価になり得る。
  • 差別化能力
    他社エンジニアと差別化できる技術力を持ち、強みを生かせるプロジェクトに参画する能力。
  • マネジメント能力
    プロジェクトリーダーには高いマネジメント能力が求められる。業務進捗状況の確認・メンバーのモチベーション維持・リーダーシップなど。
  • 見積算出能力
    システム開発は労働集約産業であるため、計画通りの人材投入が利益に直結する。より精度の高い見積を算出する能力が不可欠。
  • 営業力
    技術力はもちろんのこと、高い営業力が必要。新規案件の獲得はもちろん。プロジェクト完了後のリピート発注にも高い営業力が求められる。

システム開発会社として企業成長を果たすためには、エンジニアの開発力以外にも多くの能力が求められます。「エンジニアをサポートするバックアップ人材」「クライアントとの契約を結び付ける営業人材」など、エンジニア以外の人材の能力が、システム会社の業績に大きく影響します。

システム開発会社の市場動向

M&Aにおいて業界の市場動向を把握しておくことは、非常に重要です。現在のシステム開発会社を取り巻く市場動向には、以下のような特徴があります。

  • 市場は拡大傾向
  • クライアント企業のIT業務内製化が進んでいる
  • 事業者数は停滞傾向

それぞれ詳しく解説していきます。

市場は拡大傾向

システム開発業界の市場においては、市場規模は拡大傾向にあります。日本にある多くの業界が業績不振に喘ぐ中、市場が右肩上がりにある代表的な業界のひとつです。

経済産業省が行う「特定産業実態調査」によると、2018年度の売上高は、約14兆円で巨大な市場規模です。2007年から2009年にかけて市場規模が拡大しましたが、リーマンショックの影響を受けてその後2015年までは市場規模の縮小が続きました。しかし、2017年以降は市場規模の拡大が続いています。

システム開発業界の市場が拡大傾向にある理由のひとつは、他業界におけるIT技術の導入が最大の要因のひとつです。「各種製造業におけるDX化」「不動産業における不動産テックの拡大」など、今までITとは距離の離れた業界のIT化が進んでいることが要因のひとつと考えられます。

クライアント企業のIT業務内製化

システム開発業界の市場規模が拡大傾向にある一方で、クライアント企業のIT業務内製化が進んでいる状況です。これはクライアント企業が、システム開発会社に頼らずとも、自社でシステム開発を手掛けられる体制が整ってきていることを意味します。

クライアント企業のIT業務内製化が進んでいる大きな要因の一つは、IT人材の確保が徐々に安定して行えるようになってきたためです。システム開発の根幹を担うIT人材は以前として不足しているものの、プログラミング等の技術を要したエンジニアの数は着々と増加しています。

また加速度的に変化するテクノロジー分野において、クライアント企業側が自社での人材内製化の必要性を感じていることもIT業務内製化を後押ししている要因のひとつです。そのため、技術的に未熟な人材であってもコストをかけて採用し、育成する企業姿勢が加速しています。

事業者数は停滞傾向

システム開発業界においては、売上自体は右肩上がりにある一方で、新規参入の事業者数は停滞傾向にあるのが特徴です。システム開発業に従事する事業者の増加は飽和状態にあります。

経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると、システム開発業(受託・自社開発を含む)の事業者数は2014年に22,331事業所だったものが、2017年に22,612事業所とほぼ横ばいです。

ただし近年ではコロナ禍による影響で、各業界のIT化が一層進んでいることから、システム開発業における需要は加速していくことが予測されます。M&Aをきっかけとした大手・中堅企業の新規参入はもちろん、クラウドファンディングの活用による新規ベンチャー企業のシステム開発業参入も十分予測出来る事案です。

システム開発会社が抱える課題

システム開発会社が抱える課題について解説していきます。現在のシステム開発会社が抱える課題は、以下の通りです。

  • 慢性的な人手不足
  • 多重下請け構造による問題
  • クラウド化の進展

それぞれ詳しく解説していきます。

慢性的な人手不足

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によれば、2018年を基準として2030年までシステム開発業を含むIT人材の不足は年々増加するとされています。2030年には最大約79万人のIT人材が不足するという結果です。

IT業界が慢性的な人手不足にある原因には、以下の3つが挙げられます。

  • IT需要の拡大
    IT技術の発展に伴いIT関連市場は益々拡大していくことが予想される。既にITシステムを導入している業界であっても、更なるシステム改善のためのプログラミングが求められるため、それに比例して人材が必要。
  • 労働人口の減少
    少子高齢化により日本の労働人口は減少傾向にある。厚生労働省が公表した「平成27年厚生労働白書」では、経済成長が実現し、女性や高齢者などの労働参加が適切に進んだ場合であっても、2030年には2012年に比べて就業者数が減少すると予測されている。
  • IT技術の発展による需要構造の変化
    IT分野は他業界と比べて進化のスピードが速い。次々と新技術が生まれるため、先端技術を扱うIT人材はどうしても減少傾向にある。先端IT技術を後進に指導するための体制が整っていないことも問題視されている。

上記の通り、IT分野は他業界と比べても慢性的な人手不足に悩んでいる業界です。慢性的な人手不足解消には、業界全体としての大きな変革が求められています

多重下請け構造による問題

システム開発会社のなかでも、クライアント企業のシステム開発を受託するビジネスもでるは、いわゆる「下請け業」であり、下請け業者には多重下受け構造という問題が古くから存在します。多重下請け問題とは、下記のような構造を指します。

  • クライアントと直接関わる一次下請け(直受け・元請け)
  • 一時請けが、二次受けに委託
  • 二次受けがさらに三次請けに委託

システム開発プログラムが大規模になるほど、多重下請け構造が発生しやすくなります。場合によっては、四次請け・五次請けに発展するケースも珍しくありません。

多重下請け構造の最大のデメリットは、トラブルが発生した際に責任の所在が曖昧になりやすいことです。責任の所在が曖昧になってしまうと、トラブルへの対応・解決に多くの時間を要してしまうため、プロジェクト完遂までの期間も必然的に長くなってしまうのです。

また多重下請け構造は、一次請け企業が大手事業者である場合に発生しやすい現象です。大手企業には必然的に受注が集まることに加え、システム開発開発事業を低料金で手掛ける中小企業が多くあるため、多重下請け構造が完成してしまいます。

クラウド化の進展

従来のシステム開発のビジネスモデルは、「クライアント企業から委託を受けて専用システムを開発・納品する」というのが一般的でした。しかし近年では、クラウド化の進展により、従来のビジネスモデルが崩れつつあります。

システム開発におけるクラウド化の進展により、クラウド型のパッケージソフトウェアを利用するユーザーが増加している状況です。これにより、従来の専用システムの開発受託業を生業としていたシステム開発業者の業績が悪化しています。

またクラウド化によるシステムのパッケージ化は、専用システムの開発難易度をより高める要因のひとつです。簡単なシステムであれば、安価な料金で直ぐにパッケージ化されたシステムが手に入るため、クライアント企業側がオリジナルシステム開発を依頼する際の要求事項はより高度になってきています。

システム開発会社のM&Aにおける動向

システム開発会社のM&Aにおける動向を解説していきます。これからシステム開発会社のM&Aを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

M&A案件数は増加

M&Aの情報を発信するニュースサイトである「M&A Online」によると、IT・ソフトウェア業界におけるM&A件数は、2014年からの過去10年で最多の181件で、コロナ禍で同業界のM&Aが活発になった2021年の163件を抜いています

2023年にIT業界のM&Aとして最大金額となったのは「セガミホールディングス」の案件で、取引金額は1049億円です。この他、大手・中堅・中小企業など、あらゆる事業規模のIT企業のM&Aが多発しています。

IT業界においては、年々M&A件数が増加していくことが用意に予想されます。新規参入事業者数は一旦停滞しているものの、資金調達と人材確保に成功した企業が、M&Aによってシステム開発業を含むIT業界に参入してくる可能性は十分に高いでしょう。

異業種からの新規参入

システム開発業界の市場規模は拡大傾向にあるだけに、異業種からの新規参入も増加しています。システム開発業への新規参入が多い業態は、以下の通りです。

  • コンサルティング・ITサービス企業
  • Webメディア企業
  • 映像制作企業
  • コンサルティング企業
  • 建設・不動産関連企業

既にIT分野に関連のある業種からの新規参入が堅調です。ITサービス企業やWebメディア企業は自社ノウハウを活用することで、シナジー効果を得られることから、システム開発会社とのM&Aを積極的に行う傾向にあります。

また最近では、建設・不動産関連企業のDX化が特に進んでおり、その背景からシステム開発会社と建設不動産関連企業がM&Aを実施するケースも多いです。システム開発会社のノウハウを自社建設(不動産)業に活かすことで、経営基盤の強化を図っています。

人手不足解消のためのM&A

特に中小規模のシステム開発会社で多発しているのが、人手不足という問題です。実際にエンジニアやバックオフィススタッフの不足により事業継続が難しく、別のシステム開発会社にM&Aを依頼するケースも増えてきています。

システム開発業界の市場規模自体は右方上がりに成長を続けているものの、エンジニアの雇用基準は年々上昇しており、多くのシステム開発会社がエンジニア不足に悩まされている状況です。エンジニアの確保がままならず、開発業務に着手できないシステム開発会社も多く存在します。

事業譲渡や株式譲渡のスキームにより、大手企業をはじめとするエンジニア確保のノウハウに優れた企業をM&Aを行うことで、自社の人手不足を解消できる可能性は高いです。エンジニアの確保が安定すれば、問題なく案件を受注することができます。

システム開発会社にてM&Aを行うことのメリット

システム開発会社のM&Aにおいてのメリットを売却側・買収側の両方から解説します。メリットを参考にシステム開発会社のM&Aを検討してください。

売却側のメリット 買収側のメリット
  • 借入における個人保証の解除
  • 経営基盤の強化
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 従業員の待遇改善
  • 事業の選択と集中
  • 新規事業への進出
  • 事業拡大のチャンス
  • 顧客の獲得における優位性
  • ノウハウと人材の継承

それぞれ詳しく解説していきます。

システム開発会社でM&Aの売却を行うことのメリット

システム開発会社でM&Aによる売却を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 後継者不足の解消
  • 資金調達・オーナーのEXIT
  • 借入における個人保証の解除
  • 事業の選択と集中
  • 市場競争力が高まる

それぞれ詳しく解説していきます。

借入における個人保証の解除

借入による資金調達を行った場合には、当然ながら返済義務が生じ、これが出来ない場合には個人資産を失うことになります。システム開発会社に関わらず、これは全ての経営者にとって大きな精神的負担となる事柄です。

特に中小規模のシステム開発会社の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者が個人保証したり、個人資産を担保に入れることがほとんどのはず。貸倒によるオーナー個人の損害は計り知れないものです。

M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、基本的に債権も買い手に引き継がれるため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。オーナーにとっては肩の重い荷を下ろすことにも繋がるのです。

経営基盤の強化

M&Aにおいては、買い手側だけでなく、売り手側も経営基盤の強化を果たすことが可能です。収益性・シェア拡大・事業領域強化など、様々なメリットを得ることで、売却側の経営基盤も強化されます。

特に中小規模のシステム開発会社は資金力や人的資源が、大手企業に比べて乏しい傾向にあるため、経営基盤強化のための投資が困難になりやすいです。投資がしずらいため、結果的に業績が不安定になりやすいというデメリットが生じます。

中小企業のシステム開発会社が、大手企業または自社よりも規模の大きい企業に売却されることで、買い手が持つノウハウや資金力を自社ビジネスに活用することが可能です。結果として自社の経営基盤強化に繋がるでしょう。

資金調達・オーナーのEXIT

M&Aによって売却された企業は、買収側の企業より金銭的収入を得ることができます。これは売却側のオーナーにとって大きなメリットとなる要素です。M&Aによって獲得した現金の使い道としては、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

  • 残っている借入金の返済に充てる
  • オーナー自身の引退後の生活資金とする
  • 新規事業における資金源とする

一方で、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、遥かにメリットは大きいでしょう。

従業員の雇用維持

売却側の企業が廃業目前であった場合には、M&Aを実行することで、既存従業員の雇用を継続して守ることができます。実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで譲受企業によって従業員の雇用が継続されます。

労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、廃業に比べると既存従業員が被る影響を大きく抑えることに繋がるでしょう。給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低下させることができます。

また待遇面においては、M&A後に給与受験・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多いです。M&A以前よりも好条件で雇用されるケースもあるので、既存従業員にとっては大きなメリットとなり得ます。

事業の選択と集中

景気悪化を辿る日本では、会社存続のために複数の事業を多角展開する企業も珍しくありません。しかし事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因とさえなり得ます。

M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」を用いることで、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。実際に事業譲渡により、特定の事業のみを他者委に売却する企業は多くあります。

M&Aの事業譲渡によって事業を売却することで、事業の選択と集中が出来れば、経営状態を好転させられるかもしれません。得意分野に資金や人員を集中できるため、成功率も高まるはずです。

システム開発会社でM&Aによる買収を行うことのメリット

システム開発会社でM&Aによる買収を行うことのメリットは、以下の通りです。

  • 事業拡大のチャンス
  • 新規事業への進出
  • 顧客獲得における優位性
  • ノウハウと人材の継承

それぞれ詳しく解説していきます。

新規事業への進出

M&Aを行うことによって、買収側企業は新規事業への参入を容易に行うことが可能です。一から新規事業として立ち上げるより、はるかに早期進出が可能となります。

景気の悪化により単一分野での事業展開は非常に危険とされている現代において、M&Aによる新規事業への参入は非常にメリットが大きいとされている戦略です。リスク分散の観点からM&Aをする大手企業の数は、ここ数年で一気に増加しています。

また売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるため、総体的に見れば、新規事業への投資額を削減することにも繋がるでしょう。新規事業参入におけるコスト削減でも大きく貢献する要素となります。

事業拡大のチャンス

M&Aにおいて買収側が得られる最大のメリットは、事業拡大のチャンスを得られることでしょう。M&Aによって買収側の企業は、システム開発業における規模・シェアの拡大を狙うことができます。

システム開発業のM&Aにおいては、売手となる企業が持つ設備や建物事務所のような有形資産に加え、顧客・取引先・特殊情報などの無形資産を手に入れることも可能です。特にシステム開発会社にとって「顧客(発注先企業や一次請負先)」などの無形資産は実績に直結する要素であるため、M&Aによる早期事業拡大も視野に入れることができます。

またシステム開発業においては、大手企業の市場シェア率が高いですが、M&Aを行うことで自社の市場シェアを拡大させることが可能です。中小同士のM&Aを行うことで、大手企業に対抗する勢力を付けることにも繋がります。

顧客の獲得における優位性

システム開発業は中小企業を含み事業者数が非常に多く、業界自体が右肩上がりの市場であるため優秀なライバル企業が多く、新規参入のハードルが非常に高い業界です。

M&Aによってシステム開発業者の買収をすれば、一から顧客を獲得する労力がなく、一定の成果・実績を最初から狙うことができます。

また下請け開発を主としているシステム開発業者を買収することで、これまで関連性のなかった大手取引業者とのパイプを得ることが可能です。システム開発業以外の事業に役立つ戦略を共同で建てられる可能性もあります。

ノウハウと人材の継承

システム開発業において事業成功のカギを握るのは、自社が持つ「ノウハウ(開発プログラム)」と「エンジニアをはじめとした人材」です。これら2つが揃っているシステム開発業者はクライアントからも高い評価を得ることができます。

もしM&Aによってシステム開発業者の買収を検討しているのであれば、まずは買収先企業が持つノウハウと人材に目を向けることが先決です。買収によって現在の自社が持たないノウハウや人材が手に入るか否かをチェックしましょう。

またシステム開発業者買収に関しては、買収先が持つノウハウ(プログラム)の如何によって、取引額に大きな差が生じます。特殊で価値のあるプログラムを所有している企業ほど、高値で取引されるケースが多いです。

システム開発会社のM&Aにおける成功事例

システム開発会社のM&Aにおける成功事例を紹介します。

パワーソリューションズによるエグゼクションのM&A

2021年4月に「パワーソリューションズ」が「エグゼクション」の全株式を買収する株式譲渡によって完全子会社化したM&Aです。譲渡金額は3億1,500万円となっています。

「パワーソリューションズ」は、金融機関向けにシステム受託開発や運用保守・業務コンサルティングを展開する企業です。譲渡企業である「エグゼクション」は、SES事業(クラウド基盤構築・運用保守など)の譲渡開発を行う企業になります。

このM&Aでは、パワーソリューションズが、市場・顧客ニーズへの対応力向上、サービスの付加価値向上、売り手・買い手両社の取引拡大を狙いとしたものです。譲渡企業である「エグゼクション」も、パワーソリューションズの人事制度ノウハウの適用による従業員のモチベーション・定着率の向上を目的としています。

パワーソリューションズ、日本創発グループの連結子会社エグゼクションの全株式取得、子会社化

サイネックスとベックによるM&A

2020年11月に、サイネックスがベックの発行済株式の100%を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得金額は2億2,110万円となっています。

譲り受け企業である「サイネックス」は、地方創生・地域再生の支援を目的として、Webメディア・サイネージ・アプリなどのプロモーション事業、DM・ポスティング事業などを展開する企業です。一方の「ベック」は、Window・Linuxなどでのオープン系開発、ヒューレット・パッカード社の無停止型サーバによる開発を行っているシステム開発会社になります。

本件M&Aは、サイネックス社によるDXの推進・ICTサービスシステム開発の内製化による価格競争力向上・システム開発事業への進出が目的です。地域創生企業とシステム開発会社のM&A事例となります。

サイネックス、システム開発のベックを子会社化

小田原電気とソタシステムによるM&A

2017年10月に、小田原電機がソタシステムの株式を取得し、株主となり同社を子会社化したM&Aの事例です。さらに同年12月には全株式を購入し完全子会社化しています。

譲り受け企業である「小田原電機」は、運賃収受機器などのバス用・鉄道用機器を開発・販売している企業です。一方の「ソタシステム」は、通信・交通・金融などのシステム開発、各種ソフトウェア設計を手掛ける企業になります。

本件M&Aは、小田原電機による運賃収受機器への非接触ICカードシステム導入が拡大したことへの対応が目的です。システム開発会社であるソタシステムを自社子会社とすることで、システム開発におけるノウハウの承継を狙いとしています。

小田原機器、システム開発会社のソタシステムを子会社化

オープンリソースによるアネックスシステムズのM&A

2021年4月に「オープンリソース」が「アネックスシステムズ」の全株式を買収する株式譲渡により完全子会社化したM&Aです。譲渡金額は2億円とされています。

譲り受け企業である「オープンリソース」は、小売業界におけるPOS周辺・基幹システム開発・アプリケーションの開発支援/維持を展開する企業です。一方の「アネックスシステムズ」は金融・決済系システム開発を強みとする企業になります。

M&Aの背景には、オープンリソースがアネックスシステムズの持つ金融系システムノウハウを自社導入することで、同事業の基盤強化を狙ったものと考えられます。システム開発企業同士のM&A成功事例です。

gooddaysホールディングス、ITソリューションコンサルティングのアネックスシステムズを子会社化

ビーネックスグループによるレフトキャピタルのM&A

2021年1月に「ビーネックスグループ(現:夢真ビーネックスグループ)」がレフトキャピタルの全株式を買収し、完全子会社化したM&Aです。取得価格は13億3,500万円となっています。

譲り受け企業である「ビーネックスグループ」は、組み込み開発の受託事業や技術者派遣事業などを運営する企業。一方の譲渡企業である「レフトキャピタル」は、金融や流通業界においてのシステム受託開発を運営していた「アロートラスト」を傘下に抱えていた持ち株会社です。

このM&Aにより、買収企業である「ビーネックスグループ」は、システム開発力の強化を。売却企業である「レフトキャピタル」が、ビーネックスグループの採用基盤を活用することで安定的なエンジニアの採用と継続的な成長を狙いとしています。

ビーネックスグループ、IT事業を展開するアロートラストシステムズを傘下に持つレフトキャピタルの全株式取得へ

クロスキャットによるアクティブのM&A

2020年11月に「クロスキャット」が「アクティブ」の全株式を取得し完全子会社化したM&Aです。取得金額は4億8,000万円となっています。

譲り受け企業である「クロスキャット」は、金融や製造、流通などの業界に対してシステムソリューションサービスを提供する企業です。一方の譲渡企業である「アクティブ」は、システムの受託開発や情報処理サービス提供事業を行っている企業になります。

譲り受け企業である「クロスキャット」は、「アクティブ」とのM&Aにより、経営資源の相互作用による既存顧客に対する利便性向上と新規ユーザーの取り組みを狙いとしています。

クロスキャット、ITソリューション事業を行うアクティブの全株式取得、子会社化へ

エスエイティーティーとアイ・ティコンサルティングによるM&A

2019年8月に、エスエイティーティーがアイ・ティ・コンサルティングの発行済株の100%を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得金額は公開されていません。

譲り受け企業である「エスエイティーティー」は、駿台グループのシステム開発会社で、大学・企業向けeラーニングシステムなどの教育関連システム開発や人材開発事業を手掛ける企業です。一方の「アイ・ティ・コンサルティング」は、宮崎県に拠点を置くシステム開発会社で、大型汎用コンピューターシステムやWeb系システムの開発などを行っています。

本件M&Aは、両社の製品・サービス・開発技術を掛け合わせることで、互いにシナジー効果得ることが目的です。また地方に拠点を置く企業を買収することで、拠点の広域化も成し遂げています。

駿台グループのエスエイティーティーが株式会社アイ・ティ・コンサルティングの全株式を取得

野村総合研究所とASG GRoup LimitedによるM&A

2016年12月に、野村総合研究所がASG Group Limited(オーストラリア)の全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得金額は、269億2,500万円となっています。

譲り受け企業である「野村総合研究所」は、顧客企業の課題発見・戦略立案を行うコンサルティング業に加え、システム開発・運用までを手掛ける日本有数のITコンサルティング・システム開発会社です。

一方の「SG Group Limited」はオーストラリアのパースに拠点を置き、クラウド型の統合基幹業務システムや経営データ分析システムのマネージドサービスを展開している企業になります。

本件M&Aは、野村総合研究所がオーストラリアにおける顧客や事業基盤を獲得することが目的です。ASG Group Limitedも野村総合研究所の財政基盤や各種製品・ソリューションの活用による事業成長に期待しています。

野村総合研究所グループ、豪州ASG社をNRIブランドに統合

アクロスソリューションズとブロックのM&A

2022年4月に、「アクロスソリューションズ」が「ブロック」の全株式を取得し、完全子会社化したM&Aの事例です。譲渡金額は一般公開されていません。

譲り受け企業である「アクロスソリューションズ」は、「システムサポート」の連結子会社で、モバイル受発注システムである「MOS」の開発・販売を行っているシステム開発企業です。一方の「ブロック」は、WEBサイト・WEBコンテンツの企画・制作を行っている企業になります。

システム開発企業がWEB制作会社を買収したM&A事例となっており、このM&Aで買収側である「アクロスソリューションズ」は、事業運営の効率化と合理化を果たしました。自社事業の基盤強化を狙ったM&A事例です。

株式会社ブロックの株式取得に関するお知らせ

エイム・ソフトとケア・ダイナミクスによるM&A

2020年5月に、エイム・ソフトがケア・ダイナミクスの全株式を取得し、同社を完全子会社化したM&Aの事例です。本取引における取得金額は、7,200万円となっています。

譲り受け企業である「エイム・ソフト(現:クシムソフト)」は、高度IT人材の育成・派遣、システム開発、セキュリティコンサルティングなどを手掛ける企業です。一方の「ケア・ダイナミクス」は、介護事業者向けASPシステムの提供、介護ロボット・介護ICTシステム導入支援などを手掛けています。

本件M&Aは、利益率の高いシステム受託開発案件の獲得や非稼働エンジニアの有効活用などにより経営安定化を図ることが狙いです。システム開発企業と介護ICT企業によるM&Aの事例となります。

ネクスグループ、子会社で介護ロボット事業のケア・ダイナミクスの全保有株式をシステム開発事業のエイム・ソフトに譲渡

システム開発会社がM&Aを行う際の注意点

システム開発会社のM&Aにおける注意点を解説します。システム開発会社のM&Aにおいて、注意すべき事項は以下の通りです。

  • M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ
  • 避止義務に関して
  • 既存従業員の離職対策

それぞれ解説していきます。

M&Aの専門知識を持たない状態での引継ぎ

M&Aでは、買い手と売り手の情報格差(買い手のM&Aに関する知識・経験が圧倒的に豊富)があるため、M&Aの専門知識を持たない状態での売買は非常に危険です。

買い手の知識・経験が圧倒的に売り手を上回る場合には、買い手有利の条件(買収金額が相場よりも圧倒的に小さくなってしまう)という現象が起こりかねません。最悪の場合には、不利な条件でM&Aをすることによって、莫大な損害を被るケースもあります。

そこで、もしM&Aの経験が不足しているのであれば、M&Aアドバイザーを導入するのがおすすめ。M&Aで自社が損害を被ることを避けるのはもちろん、より有利な条件でM&Aを成功させることが出来るでしょう。

避止義務に関して

M&Aにおいて最も留意すべきポイントとなるのが、「競業避止義務」です。競業避止義務とは、一般的に「一定の者が自己(自社)または第三者の利益を損なうような取引をしてはならないこと」と定義されます。

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後に譲渡企業に課される義務です。譲渡した事業に対して、譲渡企業が競合するような事業を再度行い、譲受企業に不利益を与えることを避けることが目的となります。

会社法の規定により、事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負うことになるので注意が必要です。ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりすることはできます。将来的にSES事業を再度手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

良い取引先が見つかるとは限らない

特にこれまでM&Aに関わった経験のない企業が陥りやすいのが、「良い取引先は直ぐに見つかる」と思い込んでしまうことです。M&Aは買収・売却いずれにしても、相手企業がいなければ成り立ちません。

特に事業不採算(赤字)が出ている企業がM&Aによる売却を成功させるのは至難の業です。業績赤字でも売却する価値のある魅力を相手企業に伝える必要があるため、M&A仲介サイトだけに情報を掲載しているだけでは圧倒的に不十分でしょう。

また取引先候補が見つかったとしても、取引成立のためには複数のステップを踏むことが重要です。取引における進捗段階で相違が生じた場合には、たちまち契約は途中破棄となります。M&Aにおける自社ノウハウがない場合には、専門のアドバイザーに頼むことがおすすめです。

システム開発会社のM&Aを成功させるためのポイント

システム開発会社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。システム開発会社のM&Aを成功させるためのポイントは、以下の通りです。

  • M&A戦略の立案
  • PMI(統合後プロセス)の確立
  • 相場価格への理解

それぞれ詳しく解説していきます。

M&A戦略の立案

M&A戦略とは、M&Aによってどのような効果を得るのかを検討するための準備や計画を指すものです。M&A戦略の如何によって、M&A後の事業計画もより具体化されます。

M&A戦略では、自社の分析(SWOT分析)や市場調査・業界トレンドなど様々な要素を調査することが必須です。明確な戦略を立てたうえで、買収(売却)先選定や交渉を行なっていくことになります。

M&A戦略において重要視すべきポイントは、以下の通りです。

  • M&Aにより何を達成したいか(売却・売却後まで視野に入れたもの)
  • 自社は売れるのか。売れるとすればどの部分か(事業の一部または全部)
  • いつ・誰に・何を・いくらで・どのように売却(買収)するか
  • 買収(売却)において障壁となる要素はあるか
  • M&Aに必要な予算はどのくらいか(買収側のみ)

上記のポイントを押さえておくだけで、M&Aにおける戦略はより具体的なものになるはずです。反対にM&A戦略が場当たり的だと、交渉において不利な条件を飲まされるなどの弊害が発生します。

また自社にM&Aにおいて詳しい人物が所属していないのであれば、M&A委託業者に戦略の立案・実行を依頼することを強く推奨します。M&A専門業者に委託することで、よりスムーズにM&Aを成功まで導いてくれるでしょう。

当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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PMI(統合後プロセス)の確立

M&Aにおいては成約がゴールではなく、売り手側と買い手側の両者が思い描いた成長を実現させることが本当のゴールです。そこでM&AにおいてはPMI(Post Merger Integration)の考え方が重要になります。

PMIとは、いわばM&A成約後の「統合後プロセス」を指す単語です。PMIにおける重要な要素には、以下のようなものがあります。

  • 新経営体制の構築
  • 経営ビジョン実現のための計画策定
  • 両社協業のための体制構築・業務オペレーション

上記の点に留意しながら、PMIを立案します。PMIを綿密に行うことで、売り手・買い手の両者に発生するリスクを最小限に抑え、成果を最大化させることが出来るでしょう。

またPMIは成約後に立案するものではなく、M&A戦略の立案時から実行すべきです。M&Aの成約には1年以上の期間が掛かることがほとんどなので、PMIも長期的に行うことになります。

相場価格への理解

M&Aを実行する際には、売り手側・買い手側ともに相場価格をよく理解しておくことが必要です。M&Aの企業売買における相場価格は、該当の会社の価値によって算出され、事業売却・企業買収の金額目安とされます。

システム開発会社のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が使われることが多いです。株式譲渡と事業譲渡の大まかな相場は以下のように計算されます。

  • 株式譲渡:時価純資産額+営業利益×2年~5年分
  • 事業譲渡:時価事業純資産額+事業利益×2年~5年分

当然ながら事業利益が多いほどに相場価格も高騰します。実際のM&A売却における相場計算はM&A委託企業に依頼することになりますが、もし可能であれば依頼前に自社の相場を計算してみましょう。

また、売り手側であれば算出価格よりも安く予算を立て、買い手側であれば相場よりも高く予算を立てるのがポイントです。予算の算出においては、相場よりも多少のズレが発生することをあらかじめ考慮しておきましょう。

システム開発会社におけるM&Aのまとめ

今回はシステム開発会社におけるM&Aについて、システム開発会社の現状や特徴、市場動向やM&A事例を踏まえて解説しました。

システム開発会社は事業者の数が非常に多いこともあり、M&Aが盛んに実行されている業界です。M&Aによる経営統合によって事業拡大に成功しているシステム開発も数多く存在することから、システム開発会社にとってM&Aは有効な経営戦略の一つと言えるでしょう。

しかしM&Aは企業の成長戦略として非常に有効な手段である一方、万全を期して臨む必要のある経営戦略です。当社のM&A仲介サービス「M&A HACK」では上記の戦略実行・買い手紹介を完全成功報酬でリスクなしの報酬形態で一気通貫対応しています。初回の相談は無料ですのでお気軽に下記よりご相談ください。

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