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マルハニチロ、マレーシア子会社を売却へ

マルハニチロ、エビ養殖事業を売却する背景と展望

マルハニチロ株式会社が、マレーシアでエビ養殖を行う連結子会社アグロベスト(M)SDN.BHDの全株式を中国の福建恒水股份有限公司に譲渡することを決定しました。この決断は、東南アジア全域でエビ養殖産業に影響を及ぼしている病害の蔓延と、それに伴う経営難が背景にあります。マルハニチロは、損益改善が見込めないことから、事業の選択と集中を進める方針です。この記事では、エビ養殖業界の現状やマルハニチロの戦略、さらに市場全体の動向について詳しく解説します。

エビ養殖業界の現状と課題

エビ養殖は、世界中で急速に成長している水産業の一つです。特に東南アジアは、気候が適しており、豊富な水資源を活用できるため、エビ養殖の主要な生産地となっています。しかし、この地域では最近、白斑病やEMS(初期死亡症候群)などの病害が広がり、生産量に大きな影響を及ぼしています。

  • 白斑病: ウイルス性の病気で、エビの成長を阻害し、死亡率を上げる。
  • EMS: エビの消化器系に影響を与え、短期間で大量のエビが死亡する。

これらの病害は、エビ養殖業界にとって深刻な問題であり、生産コストの増加や収益の低下を招いています。このため、多くの企業がリスク管理を強化し、より持続可能な養殖方法を模索しています。

マルハニチロの事業戦略と選択と集中の必要性

マルハニチロは、日本を代表する水産加工会社であり、グローバルに事業を展開しています。しかし、エビ養殖事業に関しては、東南アジアの病害の影響により、収益性が低下しています。この状況を受けて、同社は事業の選択と集中を行い、より収益性の高い分野に資源を集中させる方針を打ち出しました。

選択と集中の戦略は、企業が限られたリソースを最大限に活用し、競争力を高めるための重要な手法です。特に、収益性が低下している事業を整理し、成長が期待される分野に投資を集中することで、企業全体の競争力を向上させることができます。

エビ養殖市場の動向と未来展望

エビ養殖市場は、今後も成長が見込まれる分野です。特に、中国やインドなどの新興国では、エビの消費量が増加しており、需要が高まっています。国際連合食糧農業機関(FAO)の報告によれば、エビの世界消費量は今後10年間で2倍以上に増加すると予測されています。

しかし、病害の影響を受けない持続可能な養殖方法の確立が急務です。バイオセキュリティの強化や養殖環境の改善、新しい技術の導入が求められています。これにより、より安全で効率的な生産が可能となり、業界全体の成長を支えることができるでしょう。

福建恒水股份有限公司の戦略と期待

今回の株式譲渡で株式を取得した福建恒水股份有限公司は、中国で水産業を展開する企業です。同社は、エビ養殖の専門知識と技術を持ち、病害に対する対策を講じることで、アグロベストの生産能力を強化する計画です。

福建恒水は、アグロベストを通じて東南アジア市場へのさらなる進出を狙っています。地理的に近接する中国市場を活用することで、アジア全体での市場シェア拡大を目指します。これにより、同社はアジアにおけるエビ養殖のリーダーシップを強化し、国際競争力を高めることが期待されています。

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