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東芝グループの事業譲渡でソードが新たな一歩
IT業界の中でも近年、特に注目を集めているのがエンベデッドシステム市場です。エンベデッドシステムとは、特定の機能を実現するために組み込まれた小型のコンピュータシステムのことで、多くの家電や自動車、産業機械に使用されています。今回、株式会社ソードは、東芝デジタルソリューションズ株式会社からエンベデッドハードウェアの開発、製造、販売事業の一部を譲り受ける契約を締結しました。この戦略的な動きにより、ソードは市場での存在感をさらに強め、顧客に新たな付加価値を提供することを目指します。本記事では、今回の契約の詳細や背景、さらに関連する業界トレンドについて深掘りしていきます。
エンベデッドシステム市場の成長
エンベデッドシステムは、多様な産業で幅広く利用されており、その市場規模は急速に拡大しています。市場調査によれば、エンベデッドシステムの世界市場は2025年までに約1160億ドルに達すると予測されています。この成長は、IoT(モノのインターネット)の普及や自動車の自動化技術の進展によって牽引されています。これにより、より多くの企業がこの市場に参入し、新しい技術やソリューションを提供しています。
ソードと東芝デジタルソリューションズの提携の背景
ソードは、エンベデッドソリューションの分野で長年にわたり高い実績を持つ企業です。彼らは開発から製造、保守、販売までを自社で一貫して行う体制を整えており、特にEmbedded PCの分野でトップクラスの売上を誇っています。一方、東芝デジタルソリューションズは、東芝グループの一員として、高度な技術力と豊富な経験を持つ企業です。今回の事業譲渡は、ソードが持つエンベデッド技術と東芝の知見を結集し、さらなる事業シナジーを生み出すことを目的としています。
ビジネスシナジーと顧客への付加価値
ソードによる東芝からの事業譲受は、同社が持つ技術力と営業力をさらに強化する絶好の機会となります。これにより、ソードは以下のようなメリットを享受することが期待されます。
- 技術力の強化: 東芝の先進的な技術を取り入れることで、より高度なエンベデッドシステムの開発が可能になります。
- 市場拡大: 東芝の豊富な顧客基盤を活用することで、新たな市場への参入が容易になります。
- 製品ポートフォリオの拡充: ソードの製品ラインナップに新たなアイテムが加わることで、顧客に多様な選択肢を提供できます。
今後の展望と業界動向
今回の事業譲渡により、ソードは2019年4月1日から新たな事業を開始します。この動きは、エンベデッドシステム市場における競争をさらに激化させることが予想されます。業界全体では、AI(人工知能)や5G技術の進展がエンベデッドシステムのさらなる進化を促進すると考えられています。特に、自動運転車やスマートホームといった新しいアプリケーションでの利用が増加することで、エンベデッドシステムの需要はますます高まるでしょう。