みずほリースと丸紅、Aircastle社買収の背景
みずほリースと丸紅が共同で、アメリカに本拠を置くAIRCASTLE LIMITEDの全株式を取得することを発表しました。この動きは、両社が航空機リース市場の拡大を狙う戦略的な一環として注目されています。取得価額は約672億円で、みずほリースの議決権所有割合は25.0%となります。逆三角合併方式と呼ばれる手法を用いて、現金での取引を行うことが決定されています。
航空機リース市場は、航空会社が資産を持たずに機材を運用できる効率的な手段として、近年急速に成長しています。特に新興国の航空需要が増加する中、機材の需要も高まっており、この分野での競争が激化しています。この買収により、みずほリースと丸紅は国際的な航空機リース市場でのプレゼンスを強化し、さらなる成長を目指しています。
みずほリースの戦略とその強み
みずほリースは、金融ノウハウを駆使し、顧客の事業戦略上の課題を解決するためのソリューションを提供してきました。特に、設備投資に関わるファイナンスや多様な金融商品を通じて事業領域を拡大し続けています。今回の買収は、同社の航空機関連ビジネスにおける収益拡大と事業基盤の強化を目指すものです。
みずほリースは、Aircastle社との合弁で「IBJ Air Leasing Limited」を設立し、航空機オペレーティングリース事業を共同で展開してきました。これにより、航空機リース市場でのノウハウを蓄積し、新たなビジネスチャンスを模索しています。航空機リース市場は、年間平均成長率が約6.5%とされる成長分野であり、この買収によりさらなる成長が期待されます。
丸紅のリース事業への取り組み
丸紅は、金融・リース事業を成長分野の一つと位置付け、特に海外市場での新たなリース事業の開拓に注力しています。これには、航空機だけでなく、貨車や自動車、トレーラー向けのリース・ファイナンス事業の拡大も含まれています。米国市場は特に重要なターゲットであり、今回のAircastle社の買収はその戦略を後押しするものです。
丸紅は、リース事業の持続的な成長を目指し、技術の進化や市場の変化に対応した革新的なサービスの提供を行っています。また、環境への配慮も重要視しており、持続可能なビジネスモデルの構築を進めています。世界のリース市場は、2026年までに約1.38兆ドルに達すると予測されており、丸紅もその一翼を担う計画です。
今後の展望と市場動向
みずほリースと丸紅によるAircastle社の買収は、航空機リース市場における新たな展開をもたらすと期待されています。合併の効力発生日は、2019年度第4四半期から2020年度第1四半期にかけて予定されています。この期間中に、両社は統合プロセスを完了し、新たなビジネスモデルの構築に取り組むでしょう。
航空機リース市場は、航空業界の成長と共に拡大を続けています。特にアジア市場では、航空需要の増加に伴い、新たなリース契約が増加すると見込まれます。この動きにより、みずほリースと丸紅はさらなる市場拡大を図り、国際的な競争力を強化することが期待されています。