業務・資本提携の背景と目的
株式会社バリューデザインと株式会社ブレイブソフトは、急速に進化するデジタル社会に対応するために業務・資本提携を決定しました。この提携は、両社の強みを最大限に生かすことで、新しいビジネスモデルを創出することを目的としています。バリューデザインは、プリペイド型電子マネー発行・管理サービスである「バリューカードASPサービス」を提供しており、国内外の多くの店舗で利用されています。一方、ブレイブソフトはスマートフォンアプリの開発において豊富な実績を持ち、イベント向けのSaaSサービス「eventos」を展開しています。この提携により、両社はそれぞれの専門分野を融合させ、新たなサービスの創造を目指します。
バリューデザインのプリペイド型電子マネーとは
バリューデザインの「バリューカードASPサービス」は、企業が独自のプリペイド型電子マネーを発行し管理するためのプラットフォームです。このサービスは、飲食チェーンや量販店などに導入され、消費者に独自の還元やキャンペーンを提供することで集客を支援しています。プリペイドカードの導入により、以下の利点があります:
- 顧客ロイヤルティの向上:顧客に特典やポイントを提供し、リピート率を高めることができます。
- キャッシュフローの改善:前払い式のため、企業は即時にキャッシュを得ることができます。
- マーケティングデータの収集:顧客の購買履歴を分析し、より効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
ブレイブソフトの「eventos」とは何か
ブレイブソフトが提供する「eventos」は、イベント開催者が公式アプリを簡単に作成できるSaaSサービスです。このサービスは、東京ゲームショウや東京モータショーなどの大規模イベントでも採用されており、参加者への情報配信や運営支援を効率化します。「eventos」の主な機能には以下があります:
- リアルタイム情報更新:イベントの最新情報を参加者に即時に届けることができます。
- 参加者管理:QRコードを利用した参加者のチェックイン機能を提供します。
- インタラクティブ機能:アンケートや投票機能を通じて、参加者との双方向のコミュニケーションを実現します。
提携による新たな可能性
今回の提携により、バリューデザインとブレイブソフトは、新たなサービスを共同で開発することが期待されます。特に注目すべきは、イベント会場におけるキャッシュレス決済の導入です。これにより、以下のような利点が見込まれます:
- 混雑の解消:現金での支払いを減らすことで、会計時の混雑を緩和します。
- 効率的な資金管理:現金管理の手間を削減し、資金の流れをデジタルで一元管理します。
- セキュリティの向上:現金盗難のリスクを抑えることができます。
- チャージボーナスによる販売促進:会場内での消費を促進するためのチャージボーナス制度を導入することができます。
今後の市場展望とイベント産業の未来
日本では、2020年の東京オリンピックを皮切りに、国際的なイベントが続々と開催される予定です。こうした大規模イベントの開催に伴い、スマートなイベント運営と参加者エクスペリエンスの向上が求められています。デジタル技術を駆使したイベント運営は、参加者の満足度を高めるだけでなく、運営コストの削減にも寄与します。
さらに、グローバルな視点で見ると、イベント産業は急成長しており、2021年の世界のイベント市場規模は約1兆ドルに達すると予測されています。デジタルソリューションの導入が進む中で、日本の企業もこのトレンドに乗り遅れるわけにはいきません。バリューデザインとブレイブソフトの提携は、このような市場動向に対応するための重要な一歩と言えるでしょう。