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ノーリツ、ベトナム市場への進出背景と狙い
株式会社ノーリツが、ベトナムを拠点とする浄水器・家電メーカーであるVietnam Australia Refrigeration Electrical Engineering Group JSC(通称Kangaroo)の株式を取得し、持分法適用関連会社化することを発表しました。ノーリツは、主に温水空調設備を取り扱う企業として国内外で知られていますが、今回の決定は新たな市場への進出を強化する動きとして注目されています。ベトナム市場は、急速な経済成長とともに中間層が拡大し、消費者ニーズが多様化しています。特に浄水器や家電製品の需要が高まっており、ノーリツはこの機会を活かして自社の事業拡大を図ります。
ベトナム市場におけるKangarooの存在感
Kangarooは、ベトナム国内において浄水器、電気温水器、厨房機器、据置型冷蔵冷凍庫などを製造・販売しており、その中でも浄水器市場でのシェアはトップクラスです。同社は強力なブランド力と広範な販売ネットワークを持ち、ベトナム全土で高い信頼を得ています。これにより、ノーリツはKangarooの持つ販売網を活用しながら、東南アジア市場におけるプレゼンスを強化することが期待されています。
ノーリツの戦略: 東南アジア市場の重要性
ノーリツは、今回の株式取得を通じて、東南アジア市場を重要な新規開拓エリアと位置付けています。東南アジア地域は、経済成長率が高く、特にインドネシア、フィリピン、タイなどの国々での消費拡大が著しいです。これにより、ベトナム市場だけでなく、周辺国での事業展開も視野に入れています。実際、ASEAN(東南アジア諸国連合)の経済規模は年間約4兆ドルに達し、世界で最もダイナミックな市場の一つとされています。
浄水器市場の成長とトレンド
浄水器市場は、特にアジア地域で急速に成長しています。これは、水質への関心が高まるとともに、健康志向の消費者が増えていることが背景にあります。市場調査会社によると、アジア太平洋地域の浄水器市場は今後数年間で年平均成長率8%を超えると予測されています。このようなトレンドを背景に、ノーリツは浄水器事業を新たな柱とし、持続可能な成長を目指しています。
ノーリツの今後の計画と展望
ノーリツは、Kangarooとの提携を通じて、浄水器や家電製品の製品ラインナップを拡充し、ベトナムをはじめとする東南アジア地域での販路を強化します。さらに、現地での生産拠点を活用し、コスト効率の向上を図るとともに、地域ニーズに即した製品開発を推進します。2020年7月には株式引渡しが完了し、その後は現地市場へのさらなる浸透を目指していきます。
- 浄水器や家電製品の需要増加に対応
- 東南アジア市場でのプレゼンス拡大
- 地域特化型の製品開発と販売戦略
ノーリツは、このような取り組みを通じて、持続的な成長を実現し、経済成長の一翼を担うことを目指しています。これにより、同社はさらなる競争力を獲得し、グローバル市場での地位を一層強化していくでしょう。