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導入:新たなビジネス戦略がもたらす未来
近年、企業間の資本業務提携やM&A(企業買収・合併)は、そのスピードと規模の拡大により、ビジネス界のトレンドとなっています。この動きは、企業が競争力を高め、市場での優位性を確立するための重要な手段となっています。特に、技術革新が進む現代において、異業種間の提携や買収は、単なる事業拡大にとどまらず、新たな価値創造を可能にしています。この記事では、ロート製薬とカフェ・カンパニー、三菱電機とSmarter Grid Solutions、SYNQAとEventpop、ヒューマンクリエイションHDとヒューマンベース、WDIと「ちんや」、北興化学工業とOATアグリオ、そして識学とSurpassの事例を通じて、今後のビジネス戦略を読み解きます。
ロート製薬とカフェ・カンパニーの提携
2021年8月10日、ロート製薬とカフェ・カンパニーは、資本業務提携を発表しました。この提携により、両社はそれぞれの強みを活かして、事業成長を目指すと同時に、顧客の心身の健康をサポートすることを目指しています。ロート製薬は、医薬品や化粧品の分野での知見を活かし、カフェ・カンパニーのフードサービスと融合させることで、新たなライフスタイル提案を行う考えです。このようなコラボレーションは、健康志向の高まりを背景に、消費者に対する新しい価値提供を可能にします。
三菱電機とSmarter Grid Solutionsの買収
三菱電機は、米国子会社と協力し、DERMS(Distributed Energy Resource Management System)技術を持つSmarter Grid Solutions Limitedを完全子会社化しました。これにより、三菱電機は日本国内で培った技術とSGS社の欧米での実績を融合させ、急成長が見込まれるDERMS市場でのリーディングカンパニーを目指しています。DERMSは、分散型エネルギーリソースの効率的な管理を可能にし、再生可能エネルギーの普及を支える重要な技術です。
SYNQAとEventpopのシナジー効果
SYNQAは、イベントチケット・マーケティングプラットフォームを提供するEventpopの株式を取得し、子会社化しました。これにより、SYNQAはEventpopの技術力や知見を取り込み、Fintechソリューションの幅広い提供を目指しています。金融とイベント管理の融合は、新しい市場ニーズに応えるだけでなく、顧客体験の向上にも寄与します。
ヒューマンクリエイションHDとヒューマンベースの統合
ヒューマンクリエイションHDは、システムコンサルテーションを行うヒューマンベースを完全子会社化しました。この統合により、ERP分野でのノウハウを活かし、より高収益なシステム開発案件を獲得することを狙っています。顧客基盤の共有とエンジニアの採用・教育強化により、コンサルティング領域の拡大を図ります。
WDIと「ちんや」のブランド継承
WDIは、東京・浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の暖簾を継承しました。これにより、歴史あるブランドを守りつつ、新しい価値を創造することを目指しています。WDIグループの多彩な食文化の経験が、「ちんや」のさらなるブランド力向上に寄与することでしょう。
北興化学工業とOATアグリオのビジネス譲受
北興化学工業は、水稲除草剤「ベンゾフェナップ・ベンフレセート」事業をOATアグリオから譲受けました。この動きにより、水稲除草剤分野でのポートフォリオを強化し、国内外でのビジネス拡大を目指します。農業分野での効率化と環境への配慮が求められる中、これらの除草剤は重要な役割を果たします。
識学とSurpassの戦略的パートナーシップ
識学は、SMソリューション事業を展開するSurpassの一部株式を譲渡しました。これにより、識学はSurpassのさらなる企業価値向上に向けた支援を続け、得られたノウハウを他の投資先にも活かす方針です。ハンズオン支援を通じた実践的なノウハウの蓄積は、識学の投資戦略をより効果的にします。