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ブシロード、フィットネス事業からの撤退を決定
株式会社ブシロードは、連結子会社である株式会社ブシロードウェルビーが運営するフィットネスクラブ事業を、新設会社に承継させ、その全株式を現社長である大場隆志氏に譲渡することを決定しました。この決定の背景には、新型コロナウイルスの影響を受けたフィットネス業界の厳しい現状と、エネルギー価格の高騰による運営コストの増加があります。ブシロードは、経営資源をより収益性の高い分野に集中させるため、この事業から撤退することにしました。この記事では、今回の決定の詳細や業界の動向、今後の展望について解説します。
ブシロードの事業戦略とフィットネス事業撤退の背景
ブシロードは、トレーディングカードゲーム(TCG)やデジタルゲーム、アニメの企画・制作など、多岐にわたるエンターテインメント事業を展開しています。2020年2月には、フィットネスクラブ事業を展開する株式会社ソプラティコを買収し、株式会社ブシロードウェルビーとして連結子会社化しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、フィットネス会員数が大幅に減少。さらに、エネルギー価格の高騰が運営コストに大きく影響を与え、事業の収益性が悪化しました。このような厳しい経営環境の中、ブシロードは事業ポートフォリオの最適化を図るため、フィットネス事業からの撤退を決定しました。
フィットネス業界の現状と課題
フィットネス業界は、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、特に対面でのサービスを主軸とするフィットネスクラブは会員数の減少に直面しました。リモートワークの普及により、通勤時間が減少し、自宅での運動がより一般的になったことも、フィットネスクラブ離れを加速させました。また、エネルギー価格の高騰により、施設の運営コストが増加し、収益性の確保が難しくなっています。これに対し、オンラインフィットネスやバーチャルフィットネスの需要が増加しており、業界は新たな成長モデルを模索しています。
新設会社の設立と株式譲渡の詳細
ブシロードは、フィットネスクラブ事業を分割会社とし、新設会社を承継会社とする新設分割方式を採用しました。この方式により、新設会社はブシロードウェルビーのフィットネスクラブ事業を引き継ぎます。新設会社の全株式は、現ブシロードウェルビー代表取締役社長の大場隆志氏に譲渡されます。この譲渡は2023年6月30日に行われ、同日付で新設分割の効力も発生します。これにより、ブシロードはフィットネスクラブ事業から完全に撤退し、他の事業領域に経営資源を集中させます。
今後のブシロードの展望と市場の動向
ブシロードは、今後も主軸であるエンターテインメント事業に注力する方針です。特に、TCGやデジタルゲーム、アニメ制作などの分野での成長を見込んでいます。業界全体では、デジタルエンターテインメント市場の拡大が予想されており、ブシロードにとっても大きな成長機会となるでしょう。また、フィットネス業界では、オンラインプラットフォームやデジタルフィットネスの需要が高まっており、業界再編が進む中で、新たなビジネスモデルの構築が求められています。